京都映画祭〜おばさん特盛の祇園会館〜
☆25日の土曜日。京都映画祭もいよいよ明日でおしまい明日はいけない私は今日でおしまいなのだ。悲しいな、寂しいな。来年あるのかな。午前中、プールで泳いでから祇園会館に向かう。

☆まずは「ちゃんばらグラフティー 斬る!」。1981年の東映創立三十周年を記念して東映時代劇の名場面を編集して作られた、言わばちゃんばら映画版「ザッツ・エンタティメント」。片岡千恵蔵、市川右太衛門を始めとして大川橋蔵、中村錦之助、大友柳太朗、東千代之介、十四郎先生が宇崎竜童のロックにのってスクリーン狭しと暴れまくる痛快な映画であった。ナレーションを柄本明とベンガルがやっているのもいい。私のように東映時代劇はまだまだ初心者な人にとってはこれからどの映画を見たらいいのかということも学べる教科書のようなフィルムだ。お年寄りのお客さんは昔見た映画を見て懐かしく思ったか、あちこちでどよめきが起きていた。美空ひばりの出演シーンで何故か拍手が巻き起こった。

☆いつもは10分刻みなのに、美空ひばりの「青空天使」だけはたっぷり30分も休憩時間がある。「ちゃんばらグラフティー 斬る!」のときから出入りする人が多いなとは思っていたのだが、休憩時間になっておばさんがどやどやと増えてきた。男は全然いない。トイレを見ればはっきりする。男トイレはガラ空きで女トイレは行列だ。なんかあんのか?と思ったらこんなの、やってやがった。

http://www.misora-hibari.com/event.htm

美空ひばり記念館がこの映画のチケットと記念館のチケットと記念品をセットにつけて3500円で販売しておったのだ。俺が見たおばさんの大群はこれだったのだ。しかし、記念品が何か知らんが前売り800円の映画チケットに1600円の記念館チケット(高っ)で3500円ってどうよ?ひばムスもいい商売してんなあ。美空ひばりってやっぱり人気あるんだねええええ。それは微笑ましいことですネ。(感情こめずに)仕事でおばさんを相手にすることが多いので、おばさんのうるささや会話の中身の無さにはさほど苦にはならんが仕事のことを思い出してすごく厭な気分になったので自分の席にパンフレットをおいて珈琲を飲みに出かけた。

帰って来たら、俺の席が無かった。

さすがにムッとしてると「兄ちゃん、ごめんな」と席は返してくれた。パンフは尻に引かれていた。

おばさんは進化を忘れた生き物(昭和歌謡大全集)・・・村上龍はいい作家だねえ。。

おばさん特盛状態で「青空天使」は始まった。

青空天使が如何に貴重なフィルムであるか
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http://sports.nifty.com/headline/entertainment/entertainment_sponichi_20040919_7.htm

美空ひばりの映画出演本数ってのはシャレにならないほど多い。子役から有名だったのでほとんどのフィルムは残ってるらしいが「青空天使」は初期の代表作でありながら長らく行方がわからない作品だったらしい。最近になって見つかったが痛みがひどかったために400万円(!)もかけて補修して今回の公開になった。あのシブチンの東映が400万円を出したってからよっぽど、需要があるんだろうねえ。「仁義なき戦い 広島死闘編」とか「日本の首領」シリーズはニュープリントにしねえのに。なんかむかつく。「青空天使」は主題歌もヒットしたことでファンの間でも話題になってた作品。共演も豪華だ。入江若葉の母で戦前のトップスターだった入江たか子に川田晴久、伴淳三郎に横山エンタツ、花菱アチャコまで出てる。エンタツアチャコですよ!関西の皆様。

おばさんは恥じらいがないので、思ったことは全てに口に出す。うるせえの、なんの。笑い声もうるせえしね。隣でひばりの歌うシーンに合わせて歌を歌いだすおばさんには閉口した。もうたまらん。ひばりの子供時代を見て「かわいい」ってあんたらより年上だよ!ひばりさんは!映画自体はストーリーは簡単だが喜劇人の出演もあってかテンポは軽く面白く見てられた。いやしかし、ひばりファンのおばさんにはまいった。。

☆おばさん特盛から逃れるように文化博物館にてシンポジウム。パネラーは山根貞男氏、中島貞夫氏、殺陣師の清家三彦氏、「カブキ・ハンドブック」の児玉竜一氏、そして「ちゃんばらグラフティー 斬る!」を撮った浦谷年良氏であった。浦谷氏編集の「ちゃんばらグラフティー 特別編」が面白かった。色々な時代劇の名シーンが集められているもので時代劇スターの違いがよくわかった。歌舞伎と新劇の対比が映画に表れている話やCGの使用についてなどなかなか興味深い話が多かった。戦前の時代劇は歌舞伎の影響を受けて様式美を大切にしたものであった。それに対抗したのが新劇出身の伊藤大輔で大河内傳次郎と組んでダイナミックな新しい時代劇を作った。伊藤大輔が戦前最も偉大だった映画監督と呼ばれるわけがわかった。カメラを動かして動きのある映像を撮ることから”イドウダイスキ”となる異名を取った事は有名ですな。

☆私の京都映画祭は終わった。思えば、5年前の第2回京都映画祭でまだまだお尻にカラをつけたひよこだった私は「丹下左膳余話 百万両の壺」を見て日本映画に大変興味を持ったのだ。そして今年の映画祭も今まで見る機会が少なかったチャンバラ映画をたっぷり楽しむことができた。また次の映画祭でもこのようにいろんな映画を知っていきたい、楽しみたいと思う。

☆京都映画祭については来月中にまとめページを作ります。来週からは通常更新に戻ります。仕事を含めていろんなことが山積で明日からの勤務が怖い。ヤだな。。ばっくれちゃうか?おなか痛いとか言って

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