今日紹介するのは韓国映画の「子猫をお願い」。一部の映画ファンを熱狂させた「ほえる犬は噛まない」のペ・ドゥナちゃんが主演しています。
田舎の女子商業高校を卒業して一年。仲良し5人組の女の子たちはそれぞれの道を歩んでいた。ソウルで働くヘジュ、デザインを勉強しているジヨン、今は家業の手伝いをしているテヒ、中国系の双子のピリュとオンジョである。彼女たちはテヒの呼びかけで時々、故郷で出会っている。
ヘジュは高校卒業後、ソウルの証券会社に就職をした。愛嬌のある彼女は職場でも好かれており、彼女の生活は順調であった。視力回復手術や整形手術にもチャレンジし、思うように生きていた。そんな彼女とぶつかることが多いのがジヨンだった。彼女は早くに両親をなくし、つぶれそうなバラックに祖父母と住んでいた。彼女はデザイン関係の仕事に就きたかったが、簡単なお手伝いぐらいの職にしかつけなかった。ピリョとオンジュは地元のチャイナタウンでアクセサリーの露店を開いて生計を立てている。テヒは家業の手伝いをしながら、自分のやりたいことを探している。小児まひの青年詩人のお手伝いもしている。彼の口述する詩をタイプライターで打ち出していくのだ。家族の中で一人無職という彼女は受験中の弟からも軽んじられ、ワンマンな父親ともうまくいっていない。しかし「家族とは合わないというだけで家を出るのは子どものやること」と彼女には家を出る気はなかった。
ある日、ヘジュの誕生日会が行われた。それぞれに誕生日プレゼントを用意していたがジヨンにはお金がない。困ったジヨンは自分が可愛がっていた子猫をプレゼントする。一旦、受け取ったヘジュだったが、ジヨンを呼び出して子猫を突っ返してしまう。。
愛らしい題名とは裏腹になかなか考えさせてくれる映画でした。韓国と日本の、男と女の差はありますが、割りと身につまされる作品でした。自分の中でも社会に出ての一年はものすごくしんどかったですもん。学生時代にどれだけ戻りたいと思ったか。私も大学時代の友人5人(双子はいませんが)と3ヶ月に一回ぐらいの割合で会ったりしています。この不景気で、働いている友人もいれば、無職の友人もいます。ヘジュとジヨンの関係ではありませんが、やはりそこにはギクシャクしたものも生まれています。私自身も無職だったこともありますしね。現実に向き合うとどうしてもそこには価値観の相違があって、昔の学生時代のようにはいかない。これは仕方ないことだけど、やはり一抹の寂しさはある。
ペ・ドゥナが演じるのはテヒ。皆がそれなりに自立している中で彼女一人は取り残された形になっている。自分のやりたいことが決まらないのだ。数年前に見た「ビューティフルガールズ」って言う映画では28歳の青年達が「青春の終わり」を実感するという映画だったが、この映画では20歳かそこらの女の子に「青春の終わり」を向き合わせる。この映画を撮ったのはこれが長編デビューとなるチョン・ジェウン(脚本も書いた)で女性の監督さんなんだが、現実をかなりシビアに見ていると思う。それはあの何もそこまで。。と思うほど意外なラストにも出ている。空港に立つ二人の姿は「卒業」のラストにもだぶった。
テヒがタイプライターで打ち出す詩、友達に送る携帯のメールなどが字幕で画面に浮かぶという工夫がなかなか面白い。台詞よりも文字で書く方が思いが正直に出ることもある。そうしたところをうまく出していると思う。映画のテンポもよく、コミカルなシーンも結構あるんで結構楽しんで見てられる。ジヨンの家を訪ねたテヒがおばあさんに無理やり蒸し餃子を何個も食べさせられるシーンはクスクス笑ってしまう。
韓国映画に興味ない人でも十分に楽しめる作品だと思います。女性客が多いでしょうね。ペ・ドゥナファンは当然のごとく、必見の作品です。関西では今週末からシネフェスタ動物園前で公開されます。
田舎の女子商業高校を卒業して一年。仲良し5人組の女の子たちはそれぞれの道を歩んでいた。ソウルで働くヘジュ、デザインを勉強しているジヨン、今は家業の手伝いをしているテヒ、中国系の双子のピリュとオンジョである。彼女たちはテヒの呼びかけで時々、故郷で出会っている。
ヘジュは高校卒業後、ソウルの証券会社に就職をした。愛嬌のある彼女は職場でも好かれており、彼女の生活は順調であった。視力回復手術や整形手術にもチャレンジし、思うように生きていた。そんな彼女とぶつかることが多いのがジヨンだった。彼女は早くに両親をなくし、つぶれそうなバラックに祖父母と住んでいた。彼女はデザイン関係の仕事に就きたかったが、簡単なお手伝いぐらいの職にしかつけなかった。ピリョとオンジュは地元のチャイナタウンでアクセサリーの露店を開いて生計を立てている。テヒは家業の手伝いをしながら、自分のやりたいことを探している。小児まひの青年詩人のお手伝いもしている。彼の口述する詩をタイプライターで打ち出していくのだ。家族の中で一人無職という彼女は受験中の弟からも軽んじられ、ワンマンな父親ともうまくいっていない。しかし「家族とは合わないというだけで家を出るのは子どものやること」と彼女には家を出る気はなかった。
ある日、ヘジュの誕生日会が行われた。それぞれに誕生日プレゼントを用意していたがジヨンにはお金がない。困ったジヨンは自分が可愛がっていた子猫をプレゼントする。一旦、受け取ったヘジュだったが、ジヨンを呼び出して子猫を突っ返してしまう。。
愛らしい題名とは裏腹になかなか考えさせてくれる映画でした。韓国と日本の、男と女の差はありますが、割りと身につまされる作品でした。自分の中でも社会に出ての一年はものすごくしんどかったですもん。学生時代にどれだけ戻りたいと思ったか。私も大学時代の友人5人(双子はいませんが)と3ヶ月に一回ぐらいの割合で会ったりしています。この不景気で、働いている友人もいれば、無職の友人もいます。ヘジュとジヨンの関係ではありませんが、やはりそこにはギクシャクしたものも生まれています。私自身も無職だったこともありますしね。現実に向き合うとどうしてもそこには価値観の相違があって、昔の学生時代のようにはいかない。これは仕方ないことだけど、やはり一抹の寂しさはある。
ペ・ドゥナが演じるのはテヒ。皆がそれなりに自立している中で彼女一人は取り残された形になっている。自分のやりたいことが決まらないのだ。数年前に見た「ビューティフルガールズ」って言う映画では28歳の青年達が「青春の終わり」を実感するという映画だったが、この映画では20歳かそこらの女の子に「青春の終わり」を向き合わせる。この映画を撮ったのはこれが長編デビューとなるチョン・ジェウン(脚本も書いた)で女性の監督さんなんだが、現実をかなりシビアに見ていると思う。それはあの何もそこまで。。と思うほど意外なラストにも出ている。空港に立つ二人の姿は「卒業」のラストにもだぶった。
テヒがタイプライターで打ち出す詩、友達に送る携帯のメールなどが字幕で画面に浮かぶという工夫がなかなか面白い。台詞よりも文字で書く方が思いが正直に出ることもある。そうしたところをうまく出していると思う。映画のテンポもよく、コミカルなシーンも結構あるんで結構楽しんで見てられる。ジヨンの家を訪ねたテヒがおばあさんに無理やり蒸し餃子を何個も食べさせられるシーンはクスクス笑ってしまう。
韓国映画に興味ない人でも十分に楽しめる作品だと思います。女性客が多いでしょうね。ペ・ドゥナファンは当然のごとく、必見の作品です。関西では今週末からシネフェスタ動物園前で公開されます。
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