☆雁 5/1 京都文化博物館
★★★
→ゴールデンウィーク見たのは結局3本だけでうち2本が若尾文子だった。若尾文子もさることながら、若尾文子との共演が多かった小沢栄太郎が非常によかった。呉服屋の旦那という触れ込みで若尾文子を妾に囲うがその実は皆に嫌われる高利貸し。ちまちまと内職で子どもを育てる女からも容赦なく、金をむしりとる悪人である。が、金で強引に女を囲うことをせずに呉服屋の旦那で妻とは別れているとごまかすところが何とも情けなく、人間臭い。一番印象に残ったのは小沢によって酷い目に合わされた女が若尾に迫るところ。「ごはんは一粒も残さずに大事に食べてくださいね。一粒一粒が私達の汗と涙と血なんですから」すげえセリフだよな。
☆華岡青洲の妻 5/2 京都文化博物館
★★★★
→所謂、美徳であった逸話を有吉佐和子が違った角度から解釈。それを大映のエースだった増村保造が監督、新藤兼人が脚本化、主演は若尾文子、市川雷蔵という豪華な顔ぶれで映画化。地味な映画であるが、腹にずんと沈む出来栄えになった。母と妻を意識的に競争させ、麻酔薬の成功に協力させる青洲の姿は孤高の研究家でもあるが、また父親に似た出世願望の強い学者とも見える。人間の激しいエゴとエゴのぶつかり合い。若尾文子の懸命さも余裕綽々と嫁に挑む高峰秀子ともに、見てて怖いほどの迫力だ。渡辺美佐子の臨終が映画のテーマを全て表している。腹をどっしり落ち着けてみよう。
パッション 5/4 TOHOシネマズ高槻 スクリーン1
★★★
→それほどたいしたことない作品だと思うが、十分にスクリーンでの鑑賞に堪えうる作品ではあると思う。ただ日本で何でこんなに話題になるんか。キリストを拷問する兵士ってあれだな、ローマ人なんだよな。この映画のユダヤ人ってのは、悪魔にだまされた、かよわき民にも見えるんだが。。たださあ、確かにキリストを殺したのはユダヤ人かもしれないけど、キリスト教のもとを作ったのもやはりユダヤ人でしょ?メルギブのおとうちゃんが言うように、そんなにユダヤ人=悪とは言えんでしょうやね。
ニュータウン物語 5/8 シネ・ヌーヴォ
★★
→団地を文化住宅とよぶ時代があった。その時代、団地、ニュータウンは民衆の憧れの的だった。そのニュータウンが現在、岐路に立たされている。かつて現代の日本を象徴するものだったニュータウンは今や古きものとして葬り去られようとしている。。このドキュメンタリーはそうしたニュータウンの問題からこれからの日本までを含んだ、優れた社会性の高いもんだと私は意気込んで見に行ったのですが。。私が勝手に思ってるだけでした。監督の興味はおそらく、そんなところにはなかったのでしょう。これは「home」と同じような家族を含めた自叙伝のようなもので私には極めて退屈な映画でした。
carmen. 5/8 梅田ガーデンシネマ2
★★
→ビゼーの曲が一度も流れないカルメン。大体の話は知ってましたが、こんな話だったんですねえ。女優は脱ぎも辞さずに何とも悪くて魅力的な娼婦を演じておりました。そこはまあ認める。序盤のなんでもないシーンだが、裸みたいな格好で工場で働く女たちを見て異常に興奮してしまった。でも映画自体は凡作。
☆太陽の季節 5/8 京都文化博物館
★★★★
→石原慎太郎のデビュー作にして代表作になった作品の映画化。慎太郎は自分で主演して監督したかったらしいが、デビュー前に東宝に入社していたために、日活で作られたこの作品には加われなかった。(所謂、五社協定という奴である。)特別出演のような形で出演はしてるが、どこに出てたかわからん。それに比べ、これまたチョイ役の裕次郎のまあ目立つこと。慎太郎が悔しさ半分で長門裕之は全くのミスキャストと言っていたが私もそう思う。彼の魅力は後の「危いことなら銭になる」や「学生野郎と娘たち」のようなコミカルな男前が似合うのであって、達哉のようなクールなキャラクターにはおさまりっこないのだ。かといって慎太郎が似合うとは思えん。彼は後に「危険な英雄」という映画で主演を果した。私もその映画を見てるが監督が如何に彼を話から外すか苦悩したかがよくわかる作品であった。彼が「太陽の季節」に主演したところでこの映画が大傑作になることはなかっただろう。この映画の真の主役はやはり主人公のモデルとも噂された裕次郎である。プロデューサーの水の江滝子に注目された裕次郎は「狂った果実」に主演することになる。言わば本作は裕次郎を映画界に引っ張り出すための作品だったと言えるだろう。
死に花 5/9 MOVIX京都シアター2
★★★
→癖のあるキャストを監督がうまく使いこなせなかったような気がする。数年前に年寄りの銀行強盗を題材にした、植木等とか長さんが出てた「俺たちの銀行強盗」ってドラマがあってそれのリメイクだと思ってたんだが、全くの別物。年寄りの銀行強盗ってのをそんなに深刻にやってどうする。監督の狙いと題材が乖離してるような気がしてならない。宇津井健をもっと活躍させてくれや。
☆狂った果実 5/9 京都文化博物館
★★★★★
→石原裕次郎のデビュー作として有名な今作であるが、実は天才・中平康のデビュー作でもある。そしてもう一人、この映画でデビューしたのが津川雅彦だ。(子役としての出演はあったが実質的なデビューはこれらしい。)丹精な男前で役柄でぴったりなんだがインパクトで言うとやはり裕次郎なんだわな。長らく、裕次郎の魅力ってわからんかったけどやはりこの人はスクリーンで見なきゃ駄目ね。「幕末太陽傳」「太平洋ひとりぼっち」。そしてこの「狂った果実」でこの人一人でできたばかりの日活を六大会社と言われるまで引っ張りあげるだけの魅力であることがわかった。岡田真澄を三枚目に使うという工夫がいい。ボーイの英語の注文に「焼酎あるう?」とおどけてみせるシーンが最高。後に裕次郎夫人となる北原三枝はクラクラするぐらいに可愛い。とにかく、この時代の女優さんは綺麗。
★★★
→ゴールデンウィーク見たのは結局3本だけでうち2本が若尾文子だった。若尾文子もさることながら、若尾文子との共演が多かった小沢栄太郎が非常によかった。呉服屋の旦那という触れ込みで若尾文子を妾に囲うがその実は皆に嫌われる高利貸し。ちまちまと内職で子どもを育てる女からも容赦なく、金をむしりとる悪人である。が、金で強引に女を囲うことをせずに呉服屋の旦那で妻とは別れているとごまかすところが何とも情けなく、人間臭い。一番印象に残ったのは小沢によって酷い目に合わされた女が若尾に迫るところ。「ごはんは一粒も残さずに大事に食べてくださいね。一粒一粒が私達の汗と涙と血なんですから」すげえセリフだよな。
☆華岡青洲の妻 5/2 京都文化博物館
★★★★
→所謂、美徳であった逸話を有吉佐和子が違った角度から解釈。それを大映のエースだった増村保造が監督、新藤兼人が脚本化、主演は若尾文子、市川雷蔵という豪華な顔ぶれで映画化。地味な映画であるが、腹にずんと沈む出来栄えになった。母と妻を意識的に競争させ、麻酔薬の成功に協力させる青洲の姿は孤高の研究家でもあるが、また父親に似た出世願望の強い学者とも見える。人間の激しいエゴとエゴのぶつかり合い。若尾文子の懸命さも余裕綽々と嫁に挑む高峰秀子ともに、見てて怖いほどの迫力だ。渡辺美佐子の臨終が映画のテーマを全て表している。腹をどっしり落ち着けてみよう。
パッション 5/4 TOHOシネマズ高槻 スクリーン1
★★★
→それほどたいしたことない作品だと思うが、十分にスクリーンでの鑑賞に堪えうる作品ではあると思う。ただ日本で何でこんなに話題になるんか。キリストを拷問する兵士ってあれだな、ローマ人なんだよな。この映画のユダヤ人ってのは、悪魔にだまされた、かよわき民にも見えるんだが。。たださあ、確かにキリストを殺したのはユダヤ人かもしれないけど、キリスト教のもとを作ったのもやはりユダヤ人でしょ?メルギブのおとうちゃんが言うように、そんなにユダヤ人=悪とは言えんでしょうやね。
ニュータウン物語 5/8 シネ・ヌーヴォ
★★
→団地を文化住宅とよぶ時代があった。その時代、団地、ニュータウンは民衆の憧れの的だった。そのニュータウンが現在、岐路に立たされている。かつて現代の日本を象徴するものだったニュータウンは今や古きものとして葬り去られようとしている。。このドキュメンタリーはそうしたニュータウンの問題からこれからの日本までを含んだ、優れた社会性の高いもんだと私は意気込んで見に行ったのですが。。私が勝手に思ってるだけでした。監督の興味はおそらく、そんなところにはなかったのでしょう。これは「home」と同じような家族を含めた自叙伝のようなもので私には極めて退屈な映画でした。
carmen. 5/8 梅田ガーデンシネマ2
★★
→ビゼーの曲が一度も流れないカルメン。大体の話は知ってましたが、こんな話だったんですねえ。女優は脱ぎも辞さずに何とも悪くて魅力的な娼婦を演じておりました。そこはまあ認める。序盤のなんでもないシーンだが、裸みたいな格好で工場で働く女たちを見て異常に興奮してしまった。でも映画自体は凡作。
☆太陽の季節 5/8 京都文化博物館
★★★★
→石原慎太郎のデビュー作にして代表作になった作品の映画化。慎太郎は自分で主演して監督したかったらしいが、デビュー前に東宝に入社していたために、日活で作られたこの作品には加われなかった。(所謂、五社協定という奴である。)特別出演のような形で出演はしてるが、どこに出てたかわからん。それに比べ、これまたチョイ役の裕次郎のまあ目立つこと。慎太郎が悔しさ半分で長門裕之は全くのミスキャストと言っていたが私もそう思う。彼の魅力は後の「危いことなら銭になる」や「学生野郎と娘たち」のようなコミカルな男前が似合うのであって、達哉のようなクールなキャラクターにはおさまりっこないのだ。かといって慎太郎が似合うとは思えん。彼は後に「危険な英雄」という映画で主演を果した。私もその映画を見てるが監督が如何に彼を話から外すか苦悩したかがよくわかる作品であった。彼が「太陽の季節」に主演したところでこの映画が大傑作になることはなかっただろう。この映画の真の主役はやはり主人公のモデルとも噂された裕次郎である。プロデューサーの水の江滝子に注目された裕次郎は「狂った果実」に主演することになる。言わば本作は裕次郎を映画界に引っ張り出すための作品だったと言えるだろう。
死に花 5/9 MOVIX京都シアター2
★★★
→癖のあるキャストを監督がうまく使いこなせなかったような気がする。数年前に年寄りの銀行強盗を題材にした、植木等とか長さんが出てた「俺たちの銀行強盗」ってドラマがあってそれのリメイクだと思ってたんだが、全くの別物。年寄りの銀行強盗ってのをそんなに深刻にやってどうする。監督の狙いと題材が乖離してるような気がしてならない。宇津井健をもっと活躍させてくれや。
☆狂った果実 5/9 京都文化博物館
★★★★★
→石原裕次郎のデビュー作として有名な今作であるが、実は天才・中平康のデビュー作でもある。そしてもう一人、この映画でデビューしたのが津川雅彦だ。(子役としての出演はあったが実質的なデビューはこれらしい。)丹精な男前で役柄でぴったりなんだがインパクトで言うとやはり裕次郎なんだわな。長らく、裕次郎の魅力ってわからんかったけどやはりこの人はスクリーンで見なきゃ駄目ね。「幕末太陽傳」「太平洋ひとりぼっち」。そしてこの「狂った果実」でこの人一人でできたばかりの日活を六大会社と言われるまで引っ張りあげるだけの魅力であることがわかった。岡田真澄を三枚目に使うという工夫がいい。ボーイの英語の注文に「焼酎あるう?」とおどけてみせるシーンが最高。後に裕次郎夫人となる北原三枝はクラクラするぐらいに可愛い。とにかく、この時代の女優さんは綺麗。
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