その昔、ドリフターズは子どもにとっては神であった。
ドリフターズが歯を磨けよ、と言ったので虫歯は減ったのである。(多分)

 私は「全員集合!」をリアルタイムで見ていない。私の世代にとってのドリフは「カミナリ様」であり、「カトちゃん、ケンちゃん ご機嫌テレビ」であった。それでもドリフの功績の凄さというのは十分にわかる。ビートルズの前座をつとめたコミックバンドから日本を代表するグループになったのだ。子どもにとってはビートルズよりドリフターズであった。

 いかりや長介は私にとっては2時間ドラマの俳優としての印象が強い。伴淳、ハナ肇、植木等、大村昆をひくまでもなく、年をとると一流のお笑い芸人は実にいい役者になる。ギラギラしていたのがいい具合に枯れてくるのである。いかりやさんもまさにそうであった。井筒とか言うコメンテーターが「年をとればだれでもあれぐらいになりますよ」とかほざいていたが、そのたたずまいはやはり、芸能界で戦い続けてきた男にしか出せないものである。内田裕也も書いていたが闘病している者にする発言かねと思う。いかりやさんのえらさは、内田裕也がそのように語るだけでも十分見えてくる。井筒ごときの三流にはいかりやさんを使いこなすことなんかできない。

 病気は回復しているとは聞いてはいたが、昨年に放送されたドリフにもオープニングしか登場しなかったので相当に病状が悪化しているかなと実はひそかに心配していた。やはりあまりよくなかったのであろう。映画の遺作は「恋人はスナイパー」になるのか。出来は知らんが君塚脚本の作品が遺作になるのなら本人にとっては満足だろうと思う。

今一度言う。
ドリフは子どもにとって神であった。
その神話は様々な形で後世に伝わるであろう。
ご苦労様でした。
合掌

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