【押井守監督作品】イノセンス〜イノセンス、それは(以下略)〜
2004年3月13日 封切日本映画
今日、紹介するのは押井守監督作品の「イノセンス」。95年に公開された「攻殻機動隊」って作品はそれまで「うる星やつら ビューティフル・ドリーマー」「機動警察バトレイバー」の監督として日本アニメ界で一部有名であった押井守の名を海外に広めました。海外でも公開されて、「マトリックス」にも影響を与えたという話も有名ですね。今作はその「攻殻機動隊」の続編で主人公は前作でも登場したサイボーグのバトー。
実はジャパニメーションはあんまり詳しくなくて押井さんの作品も「アヴァロン」と脚本を担当した「人狼」しか見てませんでした。「アヴァロン」はゲームを映画化するとこうなるのか、という感じで映像は凄かったですね。ストーリーはあんまり覚えていませんが劇中に出てくるスクランブルエッグが大層おいしそうに見えたのを覚えてます。「攻殻機動隊」も知らなかったのですが、日本映画専門チャンネルでやっと見ました。95年という時点でハッカーやネット社会を扱っているところが画期的ですね。人とサイボーグとロボットが共存している近未来を舞台にしたストーリーで”少佐”と呼ばれていた草薙素子という公安九課所属のサイボーグが主人公です。バトーはその仲間で彼女と同じく、彼も体のほとんどを機械化したサイボーグです。サイボーグはゴーストと呼ばれる、個を限定する因子を持っています。この作品ではこのゴーストがキーワードになります。ゴーストと脳みそ以外は政府の持ち物だった彼女はラストで”人形使い”というプログラムと融合してバトーの前から姿を消します。それから3年後、バトーはいまだ公安九課にいた。
アンドロイドは人間のために作られたロボットでサイボーグと違ってゴースト、脳みそでなくてA.Iという人工頭脳が搭載されている。そのアンドロイドの一つであるガイノイドが暴走を起こして所有者を殺し、初期化するという事件が連続で起こっていた。滅多に起こらないことが頻発したことを憂慮して、公安九課は調査を開始する。ガンノイドメーカーの検査官が惨殺された事件より、暴力団との抗争の影を感じ取るバトー。今では珍しくなった、身体のほとんどが生身であるトグサと共に調査を開始するバトーであったが電子頭脳を何者かにハッキングされて街中で銃を乱射する不祥事を起こす。二人は事件の真相を確かめるべく、北の果てにある犯罪都市の択捉に向かうのだが。。
「ずっと人形が好きで、いつか映画にしたいと思っていた」と押井監督自身が語るようにこの映画はお人形さんの映画です。孔子やデカルトとか聞いたことない学者の言葉とか引っ張ってきて難しゅう難しゅうしてますが言わば、そういうことです。よく考えてみればガイノイドってパンフには「少女型アンドロイド」とごまかしてますが、言わば少女型ダッチワイフでしょ?きわどいところを描いてますね。そこに生身の少女が出てくるのですから子どもに見せられる映画じゃないですね。映像の凄さと小難しさに隠れて無茶しますな。「千と千尋の神隠し」で少女を遊郭で働かせた宮崎駿よりはマシですが。このガイノイドが何といいましょうか、元モーニング娘。の福田明日香似と申しましょうか、小倉優子とかほしのあきみたいな記号としてのロリではなく、リアルな少女にそっくりでこれが顔バラバラになって次々と壊れていくシーンは正直、背筋が寒くなりました。プロデューサーの石川光久が「本当に狂ってる」と突き放しているのは一般人の感覚と言えましょう。東京都現代美術館で押井さん監修の人形展とかやってはるようなんで、共鳴する人は行かれてはどうでしょうか。
択捉がアジア文化圏の最北端で高度に都市化しているという設定も面白い。生はげが踊るし、町では京劇が上演されているわけのわからない汎アジア的な雰囲気がいい。確かに無いこととは思うが鈴木宗男が10年後くらいに外務大臣になって札束で択捉を買い取ったりしたらここに多額の金が投入されて、一気に都市化する可能性はある。でも開発は失敗しちゃって犯罪都市化しちゃうの。今の沖縄じゃねえか。
山寺宏一さんの声を久しぶりに聞いた。やはりこの人の声は渋すぎる。竹中直人はまああんなもんでしょう。映像は相変わらず凄い。やはりこれは映画館で見たい映像ですな。「攻殻機動隊」もやはりスクリーンで見たかった。今の日本映画には珍しいですが、アニメはスクリーンで見た方が絶対いい。とにかく、評価が分かれる作品だと思います。映像見るだけでも時間とお金を使う価値はあります。これの宣伝をジプリがやってるんですね。まあこれだけ、内容をさっぱり見せないで、”らしい”予告を作ったもんです。
監督、脚本:押井守 製作:石川光久 原作:士郎正宗 音楽:川井憲次 キャラクターデザイナー:沖浦啓之
声優:大塚明夫、山寺宏一、田中敦子、榊原良子、竹中直人
実はジャパニメーションはあんまり詳しくなくて押井さんの作品も「アヴァロン」と脚本を担当した「人狼」しか見てませんでした。「アヴァロン」はゲームを映画化するとこうなるのか、という感じで映像は凄かったですね。ストーリーはあんまり覚えていませんが劇中に出てくるスクランブルエッグが大層おいしそうに見えたのを覚えてます。「攻殻機動隊」も知らなかったのですが、日本映画専門チャンネルでやっと見ました。95年という時点でハッカーやネット社会を扱っているところが画期的ですね。人とサイボーグとロボットが共存している近未来を舞台にしたストーリーで”少佐”と呼ばれていた草薙素子という公安九課所属のサイボーグが主人公です。バトーはその仲間で彼女と同じく、彼も体のほとんどを機械化したサイボーグです。サイボーグはゴーストと呼ばれる、個を限定する因子を持っています。この作品ではこのゴーストがキーワードになります。ゴーストと脳みそ以外は政府の持ち物だった彼女はラストで”人形使い”というプログラムと融合してバトーの前から姿を消します。それから3年後、バトーはいまだ公安九課にいた。
アンドロイドは人間のために作られたロボットでサイボーグと違ってゴースト、脳みそでなくてA.Iという人工頭脳が搭載されている。そのアンドロイドの一つであるガイノイドが暴走を起こして所有者を殺し、初期化するという事件が連続で起こっていた。滅多に起こらないことが頻発したことを憂慮して、公安九課は調査を開始する。ガンノイドメーカーの検査官が惨殺された事件より、暴力団との抗争の影を感じ取るバトー。今では珍しくなった、身体のほとんどが生身であるトグサと共に調査を開始するバトーであったが電子頭脳を何者かにハッキングされて街中で銃を乱射する不祥事を起こす。二人は事件の真相を確かめるべく、北の果てにある犯罪都市の択捉に向かうのだが。。
「ずっと人形が好きで、いつか映画にしたいと思っていた」と押井監督自身が語るようにこの映画はお人形さんの映画です。孔子やデカルトとか聞いたことない学者の言葉とか引っ張ってきて難しゅう難しゅうしてますが言わば、そういうことです。よく考えてみればガイノイドってパンフには「少女型アンドロイド」とごまかしてますが、言わば少女型ダッチワイフでしょ?きわどいところを描いてますね。そこに生身の少女が出てくるのですから子どもに見せられる映画じゃないですね。映像の凄さと小難しさに隠れて無茶しますな。「千と千尋の神隠し」で少女を遊郭で働かせた宮崎駿よりはマシですが。このガイノイドが何といいましょうか、元モーニング娘。の福田明日香似と申しましょうか、小倉優子とかほしのあきみたいな記号としてのロリではなく、リアルな少女にそっくりでこれが顔バラバラになって次々と壊れていくシーンは正直、背筋が寒くなりました。プロデューサーの石川光久が「本当に狂ってる」と突き放しているのは一般人の感覚と言えましょう。東京都現代美術館で押井さん監修の人形展とかやってはるようなんで、共鳴する人は行かれてはどうでしょうか。
択捉がアジア文化圏の最北端で高度に都市化しているという設定も面白い。生はげが踊るし、町では京劇が上演されているわけのわからない汎アジア的な雰囲気がいい。確かに無いこととは思うが鈴木宗男が10年後くらいに外務大臣になって札束で択捉を買い取ったりしたらここに多額の金が投入されて、一気に都市化する可能性はある。でも開発は失敗しちゃって犯罪都市化しちゃうの。今の沖縄じゃねえか。
山寺宏一さんの声を久しぶりに聞いた。やはりこの人の声は渋すぎる。竹中直人はまああんなもんでしょう。映像は相変わらず凄い。やはりこれは映画館で見たい映像ですな。「攻殻機動隊」もやはりスクリーンで見たかった。今の日本映画には珍しいですが、アニメはスクリーンで見た方が絶対いい。とにかく、評価が分かれる作品だと思います。映像見るだけでも時間とお金を使う価値はあります。これの宣伝をジプリがやってるんですね。まあこれだけ、内容をさっぱり見せないで、”らしい”予告を作ったもんです。
監督、脚本:押井守 製作:石川光久 原作:士郎正宗 音楽:川井憲次 キャラクターデザイナー:沖浦啓之
声優:大塚明夫、山寺宏一、田中敦子、榊原良子、竹中直人
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