深作まつり第四十夜「風来坊探偵 赤い谷の惨劇」〜深作欣二デビュー作
2004年2月4日 映画 今日の深作まつりはデビュー作の「風来坊探偵 赤い谷の惨劇」。当時の東映の拡大路線に乗ったデビューでした。この頃、東映は興行成績がダントツトップで儲かって仕方なかった。もっと儲けようと考えた大川博は1960年3月にもう一つの封切り系統の「第二東映」を発足させます。翌年、ニュー東映と改称されてその年の6月に深作監督デビューを果たします。今まで毎週二本ずつ104本作っててそれだけでも大変だったのに、倍の208本を製作。もうスタッフもキャストも足りないってんで若手が登用されます。
で、監督が深作欣二、主演が「警視庁物語 不在証明」で映画デビューを果たしたばかりの千葉真一ということになります。千葉真一と深作欣二の友情はここから始まったのです。きっちりは数えていませんが深作映画の出演作品の数で言うとおそらくこの人が一番だと思う。映画だけじゃなくて、テレビで「柳生一族の陰謀」とか「影の軍団」もやってるしね。
有名な話ですが「仁義なき戦い 広島死闘編」の山中役は当初、千葉真一に予定でした。千葉はこの役に入れ込み、セリフも頭に入っていた。が、クランクイン一週間前に突然、山中を北大路欣也に譲って敵役の大友をやってくれ、と言われた。北大路欣也は”東映のプリンス”で山中をやりたいと言われればどうしようもなかった。千葉はずいぶんごねましたが結局は深作監督の説得で大友役を引き受けます。
実際、千葉ちゃんの大友はカラをぶち破るような演技でとっても印象に残っています。が、つらかったでしょうね。深作にしてみても千葉だから頼めたことだろうし、千葉にしても深作だから呑めた話だったと思います。深作は実録路線、千葉は空手映画路線で70年代に二人の映画はあまりありませんが。80年代の時代劇にまた千葉真一は戻ってきます。二人の友情は死ぬまで続き、千葉真一は「バトルロワイアル?」にも出演しています。
映画は60分程度の所謂中篇映画。次作「風来坊探偵 岬を渡る黒い風」とセットになっており、登場人物も話もほとんど同じでスケジュールも予算も二本まとめてとなっていました。千葉真一演じるは私立探偵の西園寺五郎、これに敵役に雇われた殺し屋の「スペードの鉄」こと曽根晴美。突然、馬に乗った千葉ちゃんが出てきて鉄砲ぶっ放す無国籍アクションです。
デビューしたての千葉真一はとにかく爽やか。曽根晴美と軽快な立て便のやり取りがなんとも楽しいです。脚本にこれまた深作と長く組むことになる神波史男の名前が見えます。深作に指名されて脚本を一から書き直しました。とにかくストーリーは単純なんでテンポで押し切っちゃえという感じで全体的にスピードが速いんで、スルスルと見てられます。ラストがなかなか、粋でかっこいい。
監督:深作欣二 脚本:神波史男、松原佳成 音楽:池田正義
出演:千葉真一、曽根晴美、北原しげみ、小林裕子、故里やよい、須藤健
で、監督が深作欣二、主演が「警視庁物語 不在証明」で映画デビューを果たしたばかりの千葉真一ということになります。千葉真一と深作欣二の友情はここから始まったのです。きっちりは数えていませんが深作映画の出演作品の数で言うとおそらくこの人が一番だと思う。映画だけじゃなくて、テレビで「柳生一族の陰謀」とか「影の軍団」もやってるしね。
有名な話ですが「仁義なき戦い 広島死闘編」の山中役は当初、千葉真一に予定でした。千葉はこの役に入れ込み、セリフも頭に入っていた。が、クランクイン一週間前に突然、山中を北大路欣也に譲って敵役の大友をやってくれ、と言われた。北大路欣也は”東映のプリンス”で山中をやりたいと言われればどうしようもなかった。千葉はずいぶんごねましたが結局は深作監督の説得で大友役を引き受けます。
実際、千葉ちゃんの大友はカラをぶち破るような演技でとっても印象に残っています。が、つらかったでしょうね。深作にしてみても千葉だから頼めたことだろうし、千葉にしても深作だから呑めた話だったと思います。深作は実録路線、千葉は空手映画路線で70年代に二人の映画はあまりありませんが。80年代の時代劇にまた千葉真一は戻ってきます。二人の友情は死ぬまで続き、千葉真一は「バトルロワイアル?」にも出演しています。
映画は60分程度の所謂中篇映画。次作「風来坊探偵 岬を渡る黒い風」とセットになっており、登場人物も話もほとんど同じでスケジュールも予算も二本まとめてとなっていました。千葉真一演じるは私立探偵の西園寺五郎、これに敵役に雇われた殺し屋の「スペードの鉄」こと曽根晴美。突然、馬に乗った千葉ちゃんが出てきて鉄砲ぶっ放す無国籍アクションです。
デビューしたての千葉真一はとにかく爽やか。曽根晴美と軽快な立て便のやり取りがなんとも楽しいです。脚本にこれまた深作と長く組むことになる神波史男の名前が見えます。深作に指名されて脚本を一から書き直しました。とにかくストーリーは単純なんでテンポで押し切っちゃえという感じで全体的にスピードが速いんで、スルスルと見てられます。ラストがなかなか、粋でかっこいい。
監督:深作欣二 脚本:神波史男、松原佳成 音楽:池田正義
出演:千葉真一、曽根晴美、北原しげみ、小林裕子、故里やよい、須藤健
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