今日の深作まつりは1983年の正月映画になった「里見八犬伝」。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった角川映画です。配収23億円の大ヒットになりました。当時の薬師丸ひろ子の人気というのは今のアイドルとは比べようがないほど、すごかったらしい。今見ると確かに可愛いがびっくりするほどかわいいわけでもないんだけどね。時代だねえ。映画の方も言うほど面白いわけでもないです。長いしね。学生時代に一回見てるはずですが、ほとんど印象に残ってないしね。

 「アイドル映画30年史」によると劇場公開と同時にビデオが発売されたらしい。深作監督によると「映画館で一緒に売ったら、子どもたちが一万円札をビラビラさせて殺到した(笑)。グッズ扱いですね。しかし一万円以上ですからね。それで五万本?六万本?俺も意外だった」と大変な評判でした。しかもビデオの印税は深作監督には入っていない。当時はそういう取り決めがなかった。まだ映画はスクリーンで見る時代でビデオで儲けようという発想は当時の映画人にはなかったんでしょう。今ではスクリーンでの収入よりもビデオでの収入で計算して映画作ってますしね。角川春樹という人の先見性というのはやはりすごいですね。

 角川春樹ってのは映画と本、歌などを組み合わせるという今で言うところのメディアミックスの先陣を切った人でやはり映画史を語るに欠かせない人だと思う。現在も角川は細々と映画に出費してるし、東京映画祭にも参加してるがはっきり言ってパッとしない。角川はやはり春樹のものだったんだろう。スニーカー文庫で食いつなぐのが精一杯だろう。

 主演の真田広之。冷静に考えると80年代からずっと日本映画の先頭にたってきた俳優です。80年代はアイドルとしてアクション映画を支え、90年代は映画だけでなく、トレンディドラマにも挑戦。滝田洋二郎とコンビを組んだ「病院へ行こう」などのコメディなどもあります。そして今は日本を代表するいぶし銀の俳優に。すごいね。共演に千葉真一、志穂美悦子、「キルビル」で千葉ちゃんと寸劇を演じた大葉健二とJAC組に京本政樹、夏木マリなど。悪役では荻原流行と汐路章が面白かった。スタッフではプロデューサーに「ぼくらの七日間戦争」の菅原浩志(当時は比呂志)の名前が見えます。

 後半のアクションは金がかかってるだけになかなか見ごたえがあります。ただそれに至るまでの過程がだるすぎる。アイドル映画ってのはこんなもんですな。

監督:深作欣二 脚本:鎌田敏夫、深作欣二 製作:角川春樹 プロデューサー:佐藤雅夫、菅原比呂志、原作:鎌田敏夫、特撮監督:矢島信男
出演:汐路章、荻原流行、遠藤太津朗、曽根晴美、成田三樹夫、寺田農、千葉真一、真田広之、薬師丸ひろ子、岡田奈々、大葉健二、夏木マリ、高柳良一、殿山泰司、志穂美悦子、京本政樹、目黒祐樹

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