深作まつり第三十七夜「資金源強奪」〜ピラニアvs拝一刀vs番長〜
2003年12月3日 今日は「資金源強奪」。1975年の作品です。同年、深作は「仁義の墓場」「県警対組織暴力」「新仁義なき」シリーズ2本にこの作品と5本も撮っています。佐藤純彌の「新幹線大爆破」に中島貞夫の「暴動島根刑務所」、鈴木則文の「トラック野郎 御意見無用」と多くの傑作が生まれたのもこの年でした。。邦画と洋画の配収率が逆転し、いよいよ邦画配給の縮小傾向が始まるのですが東映は相変わらず元気でした。なお、東映太秦映画村もオープン。後に東映のドル箱になります。
「仁義なき戦い 浪漫アルバム」の北大路欣也のインタビューによると興行成績はあんまりよくなかったみたいです。主演を勤めた欣也が、インタビュアーが知ってたことを驚いてたぐらいですから、知名度は相当に薄い映画だったと思います。そのせいか、ビデオにもなっておらず、(実は大昔にビデオ化した記録はあるらしい)知るひとぞ知るという作品でした。
が、今年に入りよみうりテレビ(えらいぞ!)の深夜で放送されたのに続いて、東映チャンネルでも放送。「映画監督・深作欣二」でも上映されました。ライトなアクション映画で「暴走パニック 大激突」に通じるものがあります。監督名が「ふかさくきんじ」と平仮名でクレジットされてるのは無茶な撮影スケジュールに抗議してとのことですが、よくわかりません。
あるヤクザの組の若者・武司(北大路欣也)は幹部・国吉(名和広)の命令で敵対する組長を射殺して刑務所に送られた。そして8年後。組は和解しており、出所してきた武司は厄介者であった。そんな国吉の気持ちを知ってか、武司はあっさりとカタギになることを伝える。が、彼には狙いがあった。刑務所で出会った銀行強盗未遂でつかまった、妻子持ちのオッサン(室田日出男)と爆弾作りの名人、鉄(川谷拓三)と共謀してウエットスーツに催涙弾で組の花会を襲撃。賭場から3億5千万を奪って逃走。早速、山分け。。と思いきや二人に1000万円だけ渡して去ろうとする武司。不平を言う二人に銃を突きつけながら一年間は銭を使うな、と命じるのだった。
一方、組長(安部徹)はまさか警察に願い出るに行かず、停職中の不良刑事の文明(梅宮辰夫)に捜査を依頼する。早速、競馬場にて聞き込みして最近、羽振りのよくなった鉄を締め上げて白状させる。鉄が捕まったのを知って武司は鉄を殺そうとするのだが。。
深作監督には珍しく、ライトに仕上げたドタバタアクション。初期の「白昼の無頼漢」を思わせますがこちらの方がよりテンポがよくなっています。主役の北大路欣也を含めて出てくる奴が目的のためなら手段を選ばねえ。隙見たら、上前をはねようと考えている奴ばかり。欣也の好敵手に梅宮辰夫でピラニア軍団でブレイクする室田と拓ボンがからむという展開になっています。どことなく、哀愁がただよう室田もいいですが拓ボンが相変わらずのはじけっぷり。この頃から人気が出てきました。
松方が「暴動島根刑務所」の主人公を思わせるような軽いキャラで特別出演。山城新伍も「いっぱんの人言うたら前科一般やろ」というギャグで笑わせてくれます。全体的に俳優のノリがいい。未成年という設定が無茶すぎな渡辺やよいにクサすぎる悪役の今井健二も注目です。
脚本は「面白ければ何でもやる」が信条の高田宏治。このまま逃げ切るのか、大逆転があるのか、ぐいぐい引き込んで、観客を楽しませてくれます。ラストもとってもお気に入りの佳作です。
監督:ふかさくきんじ 脚本:高田宏治 企画:日下部五朗 音楽:津島利章
出演:北大路欣也、室田日出男、岩尾正隆、梅宮辰夫、今井健二、渡辺やよい、天津敏、山城新伍、曽根晴美、芹明香、中村錦司、林彰太郎、太地喜和子、名和広、安部徹、川谷拓三
「仁義なき戦い 浪漫アルバム」の北大路欣也のインタビューによると興行成績はあんまりよくなかったみたいです。主演を勤めた欣也が、インタビュアーが知ってたことを驚いてたぐらいですから、知名度は相当に薄い映画だったと思います。そのせいか、ビデオにもなっておらず、(実は大昔にビデオ化した記録はあるらしい)知るひとぞ知るという作品でした。
が、今年に入りよみうりテレビ(えらいぞ!)の深夜で放送されたのに続いて、東映チャンネルでも放送。「映画監督・深作欣二」でも上映されました。ライトなアクション映画で「暴走パニック 大激突」に通じるものがあります。監督名が「ふかさくきんじ」と平仮名でクレジットされてるのは無茶な撮影スケジュールに抗議してとのことですが、よくわかりません。
あるヤクザの組の若者・武司(北大路欣也)は幹部・国吉(名和広)の命令で敵対する組長を射殺して刑務所に送られた。そして8年後。組は和解しており、出所してきた武司は厄介者であった。そんな国吉の気持ちを知ってか、武司はあっさりとカタギになることを伝える。が、彼には狙いがあった。刑務所で出会った銀行強盗未遂でつかまった、妻子持ちのオッサン(室田日出男)と爆弾作りの名人、鉄(川谷拓三)と共謀してウエットスーツに催涙弾で組の花会を襲撃。賭場から3億5千万を奪って逃走。早速、山分け。。と思いきや二人に1000万円だけ渡して去ろうとする武司。不平を言う二人に銃を突きつけながら一年間は銭を使うな、と命じるのだった。
一方、組長(安部徹)はまさか警察に願い出るに行かず、停職中の不良刑事の文明(梅宮辰夫)に捜査を依頼する。早速、競馬場にて聞き込みして最近、羽振りのよくなった鉄を締め上げて白状させる。鉄が捕まったのを知って武司は鉄を殺そうとするのだが。。
深作監督には珍しく、ライトに仕上げたドタバタアクション。初期の「白昼の無頼漢」を思わせますがこちらの方がよりテンポがよくなっています。主役の北大路欣也を含めて出てくる奴が目的のためなら手段を選ばねえ。隙見たら、上前をはねようと考えている奴ばかり。欣也の好敵手に梅宮辰夫でピラニア軍団でブレイクする室田と拓ボンがからむという展開になっています。どことなく、哀愁がただよう室田もいいですが拓ボンが相変わらずのはじけっぷり。この頃から人気が出てきました。
松方が「暴動島根刑務所」の主人公を思わせるような軽いキャラで特別出演。山城新伍も「いっぱんの人言うたら前科一般やろ」というギャグで笑わせてくれます。全体的に俳優のノリがいい。未成年という設定が無茶すぎな渡辺やよいにクサすぎる悪役の今井健二も注目です。
脚本は「面白ければ何でもやる」が信条の高田宏治。このまま逃げ切るのか、大逆転があるのか、ぐいぐい引き込んで、観客を楽しませてくれます。ラストもとってもお気に入りの佳作です。
監督:ふかさくきんじ 脚本:高田宏治 企画:日下部五朗 音楽:津島利章
出演:北大路欣也、室田日出男、岩尾正隆、梅宮辰夫、今井健二、渡辺やよい、天津敏、山城新伍、曽根晴美、芹明香、中村錦司、林彰太郎、太地喜和子、名和広、安部徹、川谷拓三
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