今日は「ルールズ・オブ・アトラクション」。昨日、シネリーブル梅田で見てきたのですが公開2日目にして見事にガラガラ。隣の「彼女がしたい10のこと」が満員なのと対照的でした。

 でもこれがすっごく面白かったのだ。監督、脚本はロジャー・エイヴァリー。タランティーノとビデオ屋の店員として知り合い、「パルプフィクション」の脚本を共に書きます。が、その後はタラと決別。この映画は10年ぶりの新作になります。原作は「アメリカンサイコ」のブレット・イースト・エリス。この映画の登場人物の一人は「アメリカン・サイコ」の主人公の弟という設定です。

 ある名門大学の”パーティー”「この世の終焉祭」でローレンはバックから見知らぬ地元の男(つまり学生ではない)にゲロをぶっかけながら(!)犯されて処女を失った。ゲイのポールはゲイっぽい男を部屋に連れ込むが彼はノンケだった。ボコボコにされて部屋から追い出される。ショーンは持っていた手紙を破り捨て、野獣のような目で女を物色していた。そして「とってもおしゃ○り」が上手そうな唇を持った女と一発。

 時は半年ほど遡る。大学が多く集まるこの地域に学費が高いことで有名な芸術大学があった。寮に住む学生達はたまに出席する授業と毎日のように繰り広げられる”パーティー”に忙しかった。いまだ処女だったローレンはそんな世間を横目に見てクールにかまえていた。フットボールの選手全員と乱交するヤリマン女のララが彼女に言う。「コンドームが98%安全なら二枚重ねれば196%安全だわ。」「禁欲生活は100%安全よ。」彼女は性病の辞典を見て乱交しないことを誓うのだった。彼女には処女を捧げたいと思う人がいたのだ。現在、ヨーロッパ旅行をしているヴィクターである。

 学生でありながらシャブの売人でもあるショーンは学生の半数以上は食っちゃった絶倫男。久しぶりに土曜に授業に出かけて、ローレンに出会う。ローレンは彼を見た瞬間に何か通じる物を感じる。とんでもなく評判の悪い男なのだが、彼女は彼に本物に近いものを感じてしまう。ショーンも彼女を一目見たときに好きになってしまう。そしてその日から彼のメールボックスに手紙が入り始める。彼女からの手紙に違いない!と彼は歓喜する。一方、ローレンの元恋人でゲイのポールはショーンに一目ぼれ。彼を追いまわすのだが。。

 とにかく、シャブ、乱交、シャブ、乱交ばっかりでスーフリか!と言いたくなるほどの自堕落ぶり。映画のほとんどがパーティーなんだが、パーティー会場のそこら中でハメてやがる。”仮想で一発”祭なんか完全なスワッピングパーティー。デブオタでもブタの仮面をつけて3Pやってやがる。何でもこの原作はエリスの学生時代の寮生活体験が元になってるらしいので多分、こんな状況がマジにあったんでしょう。(チッ)80年代、エイズという病気が発症するまでアメリカはオールナイトハメハメではまぐりの大群(by山城新伍)が押し寄せて性道徳が無いに等しかった。コンドームが出てきたのもその頃だったしね。映画では年代がよくわからないので、そこんところが生かされてるのかはよくわかりませんけど。

 映画の後半になってヨーロッパ旅行に出かけていたヴィクターが登場。彼のヨーロッパでの「いきものちきゅうきこう」が駆け足で紹介されるのだが、このシーンがやらせ無しの本物。(!)ヴィクターを演じたのは「ドリヴン」のキップ・パルデューで監督と数人のスタッフでヨーロッパに出かけた。現地で監督には、聖林俳優を名乗らずに女をナンパしてハメて来い、と命じられた。(電波少年かよ!)ヨーロッパ各地でキップは素人娘をナンパ。その横で監督はデジカメをかまえていた、というソフト・オン・デマンドな世界が繰り広げられたらしい。70時間ほどの映像があったが映画では3分に圧縮。90分に編集しなおしたバージョンもあって金に困ったらAVとして公開するらしい。(ゴージャス松野かよ!)

 性欲の塊みたいなショーンを演じたジェームズ・ヴァン・ダー・ビークにしてもあの「ドーソンズ・クリーク」の主人公ですしね。キップ・パルデューにしてもアイドルなわけだし。「チ○ポ!オ×コ!」を連呼するリチャードを演じた人もどんな人かわかりませんがよくやるよな、本当に。役者魂ですな

 この感想を読んで少しでも興味を抱いた人はすぐに劇場まで。逆にひいた人は見に行かない方がいいです。ただ、一つ誤解しないで欲しいのはこの映画は単なるスワッピング映画ではなく、テーマは基本的に純愛です。流れるような脚本で最後には少し泣けてしまう。あとパンフなんだけど映画秘宝の記事がほとんどそのまま載っているのはいくらなんでも手抜きなんじゃ。。町山さん。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索