深作まつり第三十五夜「北海の暴れ竜」〜深作監督の仁侠映画習作〜
2003年11月18日 今日の深作まつりは「北海の暴れ竜」。1966年の作品で深作監督が初めて撮ったヤクザ映画です。この前年より「昭和任侠伝」がスタートしており、東映はやがて仁侠映画の全盛時代を迎えます。当時はまだ仁侠映画の全盛時代ではなかったのですが深作監督の言葉を借りると「仁侠映画的構造をやらないと絶対東映で映画を撮れないなという認識はあった」という風潮はあったようで多くの仁侠映画をプロデュースした俊藤浩滋の力が徐々に強くなっていました。現にこの翌年、深作監督は俊藤浩滋プロデュースの仁侠映画「解散式」を撮っています。なお、この「北海の暴れ竜」を最後に深作監督は東映を退社。以後、フリーの監督として東映と本数契約を結んでいます。
北海道の小さな漁港。網元のドラ息子、次郎(梅宮辰夫)は久しぶりに実家に戻りますが家はすっかり没落していた。漁港はヤクザの芦田一家に支配され、漁師はみんな言いなり。息子の元(室田日出男)と用心棒の熊井(高橋丈二)を恐れて皆は文句は言えない。諦めて細々と暮らす兄、利夫(山城新伍)に何とかしようとしている弟、真吉(谷隼人)を尻目に博打に熱中する次郎。しかし、次郎は博打を通じて密かに情報を探っていたのだ。業を煮やした真吉は祭の日に芦田一家に殴りこみをかけるが、返り討ちにあってしまう。なぶり殺しにされた真吉の死体を前に漁師達は立ち上がるのだった。
どんな悲惨な目にあっても耐えて耐えて最後に敵を倒す、というストーリーは仁侠映画を思わせます。深作監督があまり仁侠映画が好きでないのは敵を倒す工夫がほとんどないところだったようです。力の無いものが工夫をして強い敵を倒すというのが一種のカタルシスになるのですが仁侠映画にはあまりそういう部分がない。この映画でも次郎が熊井から敵が持っている武器を聞き出そうとするシーンがありますが、何とも中途半端です。仁侠映画か、と言うと少し違うような気もするしね。
悪役の室田日出男が生き生きしています。片時も銃を手放さない乱暴者として登場して凶暴っぷりを見せ付けています。「脅迫(おどし)」の強盗役も面白かったですがこの映画の室田も面白い。山城新伍は実直な兄貴役で出演。昔はこんな役もやってたんですね。
監督:深作欣二 脚本:佐治乾、神波史男 音楽:富田勲
出演:梅宮辰夫、山城新伍、藤田進、清川虹子、谷隼人、由利徹、水島道太郎、小林稔持、高橋丈二、安部徹、室田日出男
北海道の小さな漁港。網元のドラ息子、次郎(梅宮辰夫)は久しぶりに実家に戻りますが家はすっかり没落していた。漁港はヤクザの芦田一家に支配され、漁師はみんな言いなり。息子の元(室田日出男)と用心棒の熊井(高橋丈二)を恐れて皆は文句は言えない。諦めて細々と暮らす兄、利夫(山城新伍)に何とかしようとしている弟、真吉(谷隼人)を尻目に博打に熱中する次郎。しかし、次郎は博打を通じて密かに情報を探っていたのだ。業を煮やした真吉は祭の日に芦田一家に殴りこみをかけるが、返り討ちにあってしまう。なぶり殺しにされた真吉の死体を前に漁師達は立ち上がるのだった。
どんな悲惨な目にあっても耐えて耐えて最後に敵を倒す、というストーリーは仁侠映画を思わせます。深作監督があまり仁侠映画が好きでないのは敵を倒す工夫がほとんどないところだったようです。力の無いものが工夫をして強い敵を倒すというのが一種のカタルシスになるのですが仁侠映画にはあまりそういう部分がない。この映画でも次郎が熊井から敵が持っている武器を聞き出そうとするシーンがありますが、何とも中途半端です。仁侠映画か、と言うと少し違うような気もするしね。
悪役の室田日出男が生き生きしています。片時も銃を手放さない乱暴者として登場して凶暴っぷりを見せ付けています。「脅迫(おどし)」の強盗役も面白かったですがこの映画の室田も面白い。山城新伍は実直な兄貴役で出演。昔はこんな役もやってたんですね。
監督:深作欣二 脚本:佐治乾、神波史男 音楽:富田勲
出演:梅宮辰夫、山城新伍、藤田進、清川虹子、谷隼人、由利徹、水島道太郎、小林稔持、高橋丈二、安部徹、室田日出男
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