私の考える、いい映画というのは約まるところは自分が投影できる映画だ。自分がその登場人物だったらこうするだろうか、なってみないとわからないがそうしてただろう、いや私だったら、こうはしないだろう。。等々と見ながら考えられる映画が、いい映画である。もし見終わってからもしばらく考えられるなら、めちゃくちゃいい映画だろう。自分がもし何々だったら。。と考えさせるに値する映画にはやはりリアリティがなければならない。となればやはり骨子がしっかりした脚本が必要である。だからとても難しいと思うのだ。

 私が日本映画を愛するのはやはり私が日本人で同じ日本人が出てくる日本映画が一番わかりやすいからである。が、私のように映画の主人公に自分を投影している人が少ないのか、昨今の日本映画は如何にスタイリッシュに映像を魅せるか、または小ネタで人を笑わせるかに腐心している。等身大の人間を見せることなく、変人ばかり出してるショーと化している。前者の代表が北村龍平で後者が堤幸彦である。はっきり言って貴重な二時間を割いて2000円近くの金をかける価値はない。こんなのはビデオで3回ぐらいに分けて年賀状でも書きながら見れば充分である。

 もっと映画でしかできないことがあるのではないか。映画のよいところは2時間ないしの時間をきっちりと様々なことを考えさせてくれるところにあると思う。私はスクリーンで見れるのならビデオを持っていたとしても行きたい。それは映画館というところがそうした環境で見せてくれる最高の場所であると思うからだ。

 今年の一月末で幕を下ろした京都朝日シネマが名前を変えて、またも京都の地で上映を始めるという。映画館の完成は来年の年末になるというからまだまだのことになるがこんなに嬉しいことはない。私に映画の楽しみを教えてくれたのがこの京都朝日シネマであった。またこの劇場で様々な映画に出会いたいと思う。まずは本日、この言葉を書き置く。万歳。


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