まずはこの記事をご覧ください。

http://www.oricon.co.jp/indie/news/index.asp?no=205

いい時代になりました。今、またこんなCDが楽しめるなんてねえ。「幻の湖」がDVDで発売される時代ですから。若山富三郎、梅宮辰夫、菅原文太。。。歌を歌っていたことを知ってたなんて知らんかったです。個人的には菅原文太の「親不孝ブルース〜与太者のブルース〜」「吹き溜まりの詩」と若山富三郎の「極悪坊主」。特に文さんの歌は題名から見ても激泣き必死でしょう。買いましょう。

 さて本日、紹介しますのはこのCDに収録されている「番長シャロック」(シャロックの意味がわからん。ロックじゃないし。)を生み出した「不良番長」シリーズの第十作目である「不良番長 口から出まかせ」。この「不良番長」シリーズに主演し、ついでに主題歌である「番長シャロック」を熱唱しているのがそう、梅宮辰夫なんであります。当初はバイクアクション映画だったこのシリーズですが、途中からコメディなんだかアクションなんだかよくわからん作品になり、何と16作と東映最長のシリーズとなりました。

 第一作の「不良番長」が作られたのが1968年で最終作の「不良番長 骨までしゃぶれ」は1972年。4年間で16本も作ってるのか。そしてその翌年、あの「仁義無き戦い」が作られたのです。このシリーズの出演陣は梅宮辰夫を始めとして山城新伍、菅原文太、渡瀬恒彦、千葉真一と今にして思うとため息が出る顔ぶれ。その他、室田日出男、八名信夫、内田朝雄、曽根晴美の脇役もずらり。そう、このキャスト、どこかで見たことあるなあと思えばここに名前挙がってる人はみんな「仁義無き戦い」シリーズに出演しているのです。

 当時の映画は二本立てが主流。「仁義無き戦い」も「不良番長」も東映のプログラムピクチャーの一本だったのです。ちなみに「仁義無き戦い」の併映は池玲子の「女番長(スケバン)」でした。当然、ビデオも発売されてません。

 「不良番長」の監督は野田幸男と内藤誠が交代で担当。この作品は野田幸男が監督しています。「仁義無き戦い 浪漫アルバム」の山城新伍インタビューで「不良番長」シリーズについて触れられています。
 「俺、台本持ったことないもん。野田ちゃんなんかは同世代だから好き勝手にやらせてくれて。『師匠』って僕を呼んでね、『フィルム三分余ってるんですが、何とかなりませんか』とか言って来てね」とか「そう言えば野田さんが『緊急事態です』とスタッフを集めたことがあってね。『会社がフィルム出さないと言ってます。その責任は師匠にもあります』って言うから何かと思えば、僕のアドリブを撮り過ぎてフィルムを超過しちゃったんだ。でも野田ちゃんは『安心してください。倉庫の鍵の場所も知ってるので、僕が責任を持ってフィルムを盗んでおきます』だって」だの凄い逸話が満載です。

 この映画で山城新伍は、京都出身のトルコ中毒、綾小路五郎(元貴族らしい)として出演してますが、これがもうめちゃくちゃ。「オールナイトはめはめ OK!」だの「ハマグリの大群や!」だの「ぬかしよったな!この台湾猿めが!」だのアドリブとしか思えない言葉で我々を楽しませてくれます。ラストでは凧に乗って爆弾を落としてました。第六作の「出たとこ勝負」では銃で肺を撃たれ、タバコの煙が肺から出て死ぬという壮絶な最後をとじました。でも全然悲しくないの。

 ストーリーは、旅に出る→女に会う→ヤクザとぶつかる→昔の仲間に会う→銃撃戦→仲間ほとんど死亡、といつも大体こんな感じです。基本設定では辰っちゃんは神坂弘って名前で新宿を根城にした番長グループ「カポネ団」のボス。バイクに乗っています。

 一番わけわからんのは曾根晴美と辰っちゃんの決闘。両者とも紙おむつ一丁で大信田礼子が下着ですりよる。むくむく動く愚息でおむつを破った方が負け。こ、ここのシーン考えた奴はアホか天才か、どっちかや。ここと辰っちゃんがゴリラを誘惑するシーンはぜひ見ておくべし。

 キャストがすごい。文太兄いは辰っちゃんの鑑別所時代のダチ公として登場。文太兄いもこんなアホな映画出てたんですね。ちなみに他の作品ではマドロス姿で現れたりするらしい。渡瀬恒彦も出てるんですがどれか、よくわかりません。他に山城新伍を誘惑する清川虹子、辰っちゃんの愚息にノックアウトされる樹木希林、アパッチこと安岡力也、名古屋弁がうぜえルーキー新一、それから小林稔持も数珠を振り回しながら人を殺しています。

 まあ別に見なくてもいい作品ですが、世の中に悩んでいる人などは一度見た方がええと思います。いざとなりゃあ、カポネ団があるんです。人生、まあ気楽に行きましょうや。

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