深作まつり第二十五夜「上海バンスキング」〜上海!上海!上海!〜
2003年8月1日 いよいよ7月も終わりで来月からシネヌーヴォにて「映画監督・深作欣二」が始まります。私はと言いますと本業以外のことが忙しゅうてなかなか更新できない始末。そのうち、本業も忙しくなったら本当にどうしようかね。
さて今日の深作まつりは1984年の「上海バンスキング」。お芝居に詳しい方ならご存知でしょうが人気演劇の映画化です。戦前の上海を舞台としたミュージカルで深作監督らしくない、と言えばらしくないのですがその二年前に同じく人気演劇の映画化で「蒲田行進曲」を撮って大変高い評価を受けています。この作品も「蒲田行進曲の続編みたいなものを」という松竹からの企画でした。風間杜夫、松坂慶子、平田満とキャストも「蒲田行進曲」と似通っています。
しかし深作監督のことですから、演劇通りの「ミュージカル」を撮るわけがナイ。山根貞男はこの作品について面白いと書いて、原作の熱烈なファンから「あの素晴らしい舞台をこんなふうにしたことを褒めるなんておかしい」と批判されたそうです。深作監督自身も「舞台には異常すぎるぐらいの熱気で重用するグループががっちり付いてました。」と述べています。人気のある原作を映画化するのはいつも難しいのですが、舞台というのは熱烈なファンが特に多いですからねえ。きっとやりにくかったんだと思います。
時は昭和11年。バンドマンの四郎(風間杜夫)は新妻のまどか(松坂慶子)を連れて上海を訪れていた。四郎は資産家の娘であるまどかとの結婚に際し、バンドマンを辞めて働くと宣言していたが本心はそこにあらず。新婚旅行でパリに行くと称してこの上海でバンドマンとしてジャズに一生を捧げるつもりであった。が、頼りにしていたバクマツ(宇崎竜童)はトラブルに巻き込まれていた。ボスの愛人であるリリー(志穂美悦子)と恋仲になってしまったのだ。ボスはバクマツを殺そうとしたが、まどかの機転で四郎とまどかがクラブに出演することで許される。元々、まどかも横浜のクラブで踊り子をしていた経験があり、こういうことは嫌いでない。4人同居の楽しい、酒とジャズの日が始まった。しかし刻一刻と戦争は忍び寄っており、かつての自由な雰囲気は無くなりつつあった。。
戦前の上海というのは国を負われたボルシェビキにアナキストに右翼などの所謂「大陸浪人」が町を闊歩しており、大変日本人が多かったそうです。最近もそういや「TRY」とか言う映画もありましたなあ、これはクソでしたが。その華やかな上海にやがて戦争の陰が忍び寄ってきて、遂には上海自体が戦場になる。「上海事変」は多くの犠牲者を出しました。演劇の方は主にこのクラブでのミュージカルに重点がおかれているようですが(見てないのです)映画ではこうした世界情勢をスチール写真などで説明。どんどん自由が失われていく様を描いています。ここが評判悪かったんでしょうなあ。普通のミュージカルやれよ、と
でもやはり戦争にこだわるというのが深作らしい。教科書の日中戦争と違って、戦争が近づくに連れて末端の生活はどういう風に変わっていくか、外国に住む日本人がその影響を最もモロに受けます。そうしたものを描きたかったんでしょう。
深作監督がどうしてミュージカルシーンを重視しなかったか、と言うと一つには松坂慶子の歌唱力が問題だったようです。松坂慶子は歌も下手っぴいだし、演技も下手っぴ。でも映画に出るとやはり画面が明るくなる。やっぱ女優なんだな。
やがてバクマツは兵隊に取られ、四郎も金を騙し取られて鬱病になってしまうなど話自体は暗いのですが宇崎竜童や風間杜夫や三谷昇(何故か中国人の召使)の演技に助けられてあんまり暗くは感じませんでした。ただ、121分は少し長すぎますね。もう少し短くできると思うんだけど。。
さて今日の深作まつりは1984年の「上海バンスキング」。お芝居に詳しい方ならご存知でしょうが人気演劇の映画化です。戦前の上海を舞台としたミュージカルで深作監督らしくない、と言えばらしくないのですがその二年前に同じく人気演劇の映画化で「蒲田行進曲」を撮って大変高い評価を受けています。この作品も「蒲田行進曲の続編みたいなものを」という松竹からの企画でした。風間杜夫、松坂慶子、平田満とキャストも「蒲田行進曲」と似通っています。
しかし深作監督のことですから、演劇通りの「ミュージカル」を撮るわけがナイ。山根貞男はこの作品について面白いと書いて、原作の熱烈なファンから「あの素晴らしい舞台をこんなふうにしたことを褒めるなんておかしい」と批判されたそうです。深作監督自身も「舞台には異常すぎるぐらいの熱気で重用するグループががっちり付いてました。」と述べています。人気のある原作を映画化するのはいつも難しいのですが、舞台というのは熱烈なファンが特に多いですからねえ。きっとやりにくかったんだと思います。
時は昭和11年。バンドマンの四郎(風間杜夫)は新妻のまどか(松坂慶子)を連れて上海を訪れていた。四郎は資産家の娘であるまどかとの結婚に際し、バンドマンを辞めて働くと宣言していたが本心はそこにあらず。新婚旅行でパリに行くと称してこの上海でバンドマンとしてジャズに一生を捧げるつもりであった。が、頼りにしていたバクマツ(宇崎竜童)はトラブルに巻き込まれていた。ボスの愛人であるリリー(志穂美悦子)と恋仲になってしまったのだ。ボスはバクマツを殺そうとしたが、まどかの機転で四郎とまどかがクラブに出演することで許される。元々、まどかも横浜のクラブで踊り子をしていた経験があり、こういうことは嫌いでない。4人同居の楽しい、酒とジャズの日が始まった。しかし刻一刻と戦争は忍び寄っており、かつての自由な雰囲気は無くなりつつあった。。
戦前の上海というのは国を負われたボルシェビキにアナキストに右翼などの所謂「大陸浪人」が町を闊歩しており、大変日本人が多かったそうです。最近もそういや「TRY」とか言う映画もありましたなあ、これはクソでしたが。その華やかな上海にやがて戦争の陰が忍び寄ってきて、遂には上海自体が戦場になる。「上海事変」は多くの犠牲者を出しました。演劇の方は主にこのクラブでのミュージカルに重点がおかれているようですが(見てないのです)映画ではこうした世界情勢をスチール写真などで説明。どんどん自由が失われていく様を描いています。ここが評判悪かったんでしょうなあ。普通のミュージカルやれよ、と
でもやはり戦争にこだわるというのが深作らしい。教科書の日中戦争と違って、戦争が近づくに連れて末端の生活はどういう風に変わっていくか、外国に住む日本人がその影響を最もモロに受けます。そうしたものを描きたかったんでしょう。
深作監督がどうしてミュージカルシーンを重視しなかったか、と言うと一つには松坂慶子の歌唱力が問題だったようです。松坂慶子は歌も下手っぴいだし、演技も下手っぴ。でも映画に出るとやはり画面が明るくなる。やっぱ女優なんだな。
やがてバクマツは兵隊に取られ、四郎も金を騙し取られて鬱病になってしまうなど話自体は暗いのですが宇崎竜童や風間杜夫や三谷昇(何故か中国人の召使)の演技に助けられてあんまり暗くは感じませんでした。ただ、121分は少し長すぎますね。もう少し短くできると思うんだけど。。
コメント