大杉漣ナイト記念「変態家族 兄貴の嫁さん」〜世界の周防が作った小津風ポルノ〜
2003年6月16日 今週は先週に引き続き、大杉漣出演作品の紹介で「変態家族 兄貴の嫁さん」。監督はたった3作品でトップに上り詰めて今や隠居してしまった感もある周防正行。大杉漣さんのお話によると、この作品は有名な評論家(蓮實重彦の名前ぐらい、スッと出るようにしようね)に褒められて一部の映画ファンの間で有名になったと言う作品。もっともポルノで小津をやってる変な奴がいる、という注目のされ方だったみたいですが。
その後、まあ周防さんの活躍で「周防さんの原点!」として、まあこういうところでも上映されるようになりました。このオールナイト、大杉さんのファンばかり来てると思うのですが女性の数が多く、私の隣にも女性が座っておられました。多分、大杉漣見に来て、ポルノ映画を見るとは思わんかったでしょうなあ。。でも私も劇場でポルノ見るのは始めて。
新東宝のロゴのあと、松竹映画の象徴である富士山がニュッと現れて「それはとても綺麗な女の人でした」みたいなナレーションが入って和紙の上に黒々と筆で書かれた「変態家族 兄貴の嫁さん」の文字。これだけでひっくり返りました。なんだこりゃ。その後、スタッフとキャストが紹介されていきます。これだけでポルノを見に来てた映画ファンの心はガシッとつかまれるわけです。
ただ、周防さんという人はポルノには興味ないんでしょうなあ。またもや大杉漣さんの言葉を借りると「幾何学的なセックスでこれで興奮できる人はかなり変な人」と言われた濡れ場は退屈で1時半過ぎの上映だった為に少し寝ますた。主演の女優さんは胸がでかいだけの芋女でその胸をひたすら、下元史朗がひたすらこね回す。前戯もなんもなく、いきなりぶちこむ。でも、ほとんど無声。一応、三人の女優さんが出てくるのですが興奮できたのは「ちゃばん」のマダムとのSMプレイぐらいで退屈。当然ながら「こんなつまんないもん作るな」と会社から怒られたそうです。そらまあそうですな。
で、大杉漣なのですが間宮周吉という60過ぎの嫁はんを失った年寄りを演じてるのですがこの時、まだ30台。わざとなのか、邪魔くさかったのか、老けメイクはほとんどせず、笠智衆の物真似をすることでジジイらしさを出してます。周防さんから「大杉さんはきっと笠さんみたいな年寄りになる」と言われて引き受けたそうですが、確かにそうかも。
この爺さんは濡れ場には一切関わらず、ずっと長男や次男が嫁とからんでる部屋の横でお茶を飲んでます。落ち着いた年寄り、と言うよりこれはなんだろうか。おそらく自分が手を下さなくても嫁が他の男にやられてるだけでイッてるという設定なんだろう。周吉が「母さんに似ている」と通っていた「ちゃばん」のマダムが最終的に長男がデキてしまうのもなんかプレイ臭いな。マダムにしても嫁にしてもジジイに惚れているのは見たらわかるのだが。
究極のプレイとは手を下さずにしてイカせてしまう、これを放置プレイと言うのですがもしかしてこの映画というのはその放置プレイを実現したものか!そんなに力入れんでもええことですが、これが本当なら周防さんってめちゃくちゃポルノに適した人やん。でもこれで興奮するのにはあと何年かかるのだろうか。
ピンク四天王を引くまでもなく、現在日本映画を代表する監督にはピンク映画での下積みを終えた監督が多くいます。黒沢清にしても高橋伴明にしても滝田洋二郎にしてもそうだしね。ピンク映画というのはとりあえず、濡れ場があればOKと言う枠しかないそうです。ピンク映画は本番は無いらしく、全部演技で(肝心なところにはテープが貼ってあるらしい)そこそこの演技上手が揃っているのでいろんな映画が作れたんでしょう。
最もピンク映画に限らず、AVでもたまに映画らしさを狙った作品もあり、「アパートの鍵貸します」をモチーフにした作品とか「羅生門」をそのまんまパクったのもありました。さらに今一度、大杉漣さんの言葉を引きます。「当時のピンク映画の現場は熱気で満ちあふれていた。」監督に「Shall we ダンス?」の周防正行、監督助手に「星に願いを。」の富樫森、製作担当に「がんばっていきまっしょい」の磯村一路と今見ると贅沢すぎるスタッフで作られた、この映画の現場は想像するだけでもわくわくしてしまうのです。
監督、脚本:周防正行、企画:朝倉大介、監督助手:富樫森、音楽:周防義和、製作担当:磯村一路、タイトル:斉藤浩一
出演:大杉漣、下元史朗、風かおる、山地美貴、麻生うさぎ
その後、まあ周防さんの活躍で「周防さんの原点!」として、まあこういうところでも上映されるようになりました。このオールナイト、大杉さんのファンばかり来てると思うのですが女性の数が多く、私の隣にも女性が座っておられました。多分、大杉漣見に来て、ポルノ映画を見るとは思わんかったでしょうなあ。。でも私も劇場でポルノ見るのは始めて。
新東宝のロゴのあと、松竹映画の象徴である富士山がニュッと現れて「それはとても綺麗な女の人でした」みたいなナレーションが入って和紙の上に黒々と筆で書かれた「変態家族 兄貴の嫁さん」の文字。これだけでひっくり返りました。なんだこりゃ。その後、スタッフとキャストが紹介されていきます。これだけでポルノを見に来てた映画ファンの心はガシッとつかまれるわけです。
ただ、周防さんという人はポルノには興味ないんでしょうなあ。またもや大杉漣さんの言葉を借りると「幾何学的なセックスでこれで興奮できる人はかなり変な人」と言われた濡れ場は退屈で1時半過ぎの上映だった為に少し寝ますた。主演の女優さんは胸がでかいだけの芋女でその胸をひたすら、下元史朗がひたすらこね回す。前戯もなんもなく、いきなりぶちこむ。でも、ほとんど無声。一応、三人の女優さんが出てくるのですが興奮できたのは「ちゃばん」のマダムとのSMプレイぐらいで退屈。当然ながら「こんなつまんないもん作るな」と会社から怒られたそうです。そらまあそうですな。
で、大杉漣なのですが間宮周吉という60過ぎの嫁はんを失った年寄りを演じてるのですがこの時、まだ30台。わざとなのか、邪魔くさかったのか、老けメイクはほとんどせず、笠智衆の物真似をすることでジジイらしさを出してます。周防さんから「大杉さんはきっと笠さんみたいな年寄りになる」と言われて引き受けたそうですが、確かにそうかも。
この爺さんは濡れ場には一切関わらず、ずっと長男や次男が嫁とからんでる部屋の横でお茶を飲んでます。落ち着いた年寄り、と言うよりこれはなんだろうか。おそらく自分が手を下さなくても嫁が他の男にやられてるだけでイッてるという設定なんだろう。周吉が「母さんに似ている」と通っていた「ちゃばん」のマダムが最終的に長男がデキてしまうのもなんかプレイ臭いな。マダムにしても嫁にしてもジジイに惚れているのは見たらわかるのだが。
究極のプレイとは手を下さずにしてイカせてしまう、これを放置プレイと言うのですがもしかしてこの映画というのはその放置プレイを実現したものか!そんなに力入れんでもええことですが、これが本当なら周防さんってめちゃくちゃポルノに適した人やん。でもこれで興奮するのにはあと何年かかるのだろうか。
ピンク四天王を引くまでもなく、現在日本映画を代表する監督にはピンク映画での下積みを終えた監督が多くいます。黒沢清にしても高橋伴明にしても滝田洋二郎にしてもそうだしね。ピンク映画というのはとりあえず、濡れ場があればOKと言う枠しかないそうです。ピンク映画は本番は無いらしく、全部演技で(肝心なところにはテープが貼ってあるらしい)そこそこの演技上手が揃っているのでいろんな映画が作れたんでしょう。
最もピンク映画に限らず、AVでもたまに映画らしさを狙った作品もあり、「アパートの鍵貸します」をモチーフにした作品とか「羅生門」をそのまんまパクったのもありました。さらに今一度、大杉漣さんの言葉を引きます。「当時のピンク映画の現場は熱気で満ちあふれていた。」監督に「Shall we ダンス?」の周防正行、監督助手に「星に願いを。」の富樫森、製作担当に「がんばっていきまっしょい」の磯村一路と今見ると贅沢すぎるスタッフで作られた、この映画の現場は想像するだけでもわくわくしてしまうのです。
監督、脚本:周防正行、企画:朝倉大介、監督助手:富樫森、音楽:周防義和、製作担当:磯村一路、タイトル:斉藤浩一
出演:大杉漣、下元史朗、風かおる、山地美貴、麻生うさぎ
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