深作まつり第十七夜「黒薔薇の館」〜美輪明宏という生き物〜
2003年6月5日 バトロワ?の公開まであと一ヶ月と迫った今晩、皆様如何お過ごしでしょうか。なんかまだ編集も終わってないようで本当に公開されるのか、不安ですがまあ大丈夫でしょう。ここに来てやっとどんな話なのか一部映像も紹介されてきましたが、竹内力がやっぱめちゃくちゃかっこよいです。前作のキタノのように不気味なオーラを出しています。「この世は勝ち組と負け組の二つです!」、「おまえら、絶対に負けんなよ!」かっこええ!!!以前、深作まつりを一時中断するとか書いてましたが撤回します。このまま、突っ走ります。
今日は1969年の1月に公開された「黒薔薇の館」。二年前に撮られた「解散式」から深作監督はフリーになっており、この作品も松竹の大船で撮影されています。この時期、松竹でこの作品を含めて3本の作品を撮っています。
この67年から70年の間、深作監督は東映で仁侠映画を撮ったり、深作監督自身がフィルモグラフィーから削除したかったと言う「ガンマー第3号 宇宙大作戦」を撮ったり、いろんなことをやっています。
この作品もそんな試行錯誤の中から生まれた一本なのでしょう。深作監督は様々な俳優と組んでいますが、この映画の主演は丸山明宏。今の美輪明宏ですな。この前年にも丸山明宏を主演にした「黒蜥蜴」という作品を撮っています。
会社の重役をしている資産家(小沢栄太郎)が趣味でやっているクラブ「黒薔薇の館」。久々に自分の店を訪れた資産家は新しい女が入ったことをする。リュウコ(丸山明宏)という女はその経歴、年全てが不明。夜の8時になるとクラブに表れ、魅惑的な歌だけ歌って帰ってしまう。彼女を目当てにした政治家や作家がぞくぞくクラブに表れる。
彼女がこの店に現れるようになって、彼女の元旦那と名乗る男が次々とやってくる。考古学者(西村晃)や銀行員(川津祐介)、そして乱暴なマドロス(内田良平)は力づくで彼女を手にいれようとしてボディガード(ジョー山中)と刺し違える。いつしか、資産家も彼女の虜となっていた。しかし、彼はやがてあることに気付く。長らく家出をしていて帰ってきた息子のワタル(田村正和)は彼女に恋をしていたのだ。
前半はリュウコが如何に綺麗か、グダグダと描いてるのですがこれがテンポが悪く、すごく退屈。確かに丸山明宏は綺麗なんだけど、でもやっぱどう見ても男だ。それに我々は今の、”もののけ”美輪明宏を知ってるわけですから気持ち入らないです。丸山明宏は多くの映画に出演してますが、川島雄三の「女であること」で主題歌歌ってたのが一番よかったような。
西村晃が大袈裟なアクションで愛を捧げるシーンはどう見てもコメディ。散々に変態だ、罪深い女だと罵って彼女から一声かけてもらっただけで「思い出してくれたねえ。。おまえ」とほっとした顔になる。んで、これが全部嘘だったんだからとんでもねえ奴です。西村晃って役者はうまい!
後半は資産家の家庭問題についてになってきます。資産家には優秀な長男(室田日出男)と放蕩息子のワタル(田村正和)と二人の子供がいます。そして数年前、夫の留守を狙い駆け落ちしようとしますが事故で下半身不随になった妻がいます。妻はワタルに自分が成し得なかった夢を託そうとします。
親父は家族を愛しており、妻も許し、ワタルの放蕩も許そうとします。しかしそれでもワタルは親父から飛び立とうとし、強盗をしてやがて事故で死にます。後半の主役はこの息子で女はどうでもよくなる。むしろ、邪魔だったような気がします。最もその命題も使い古された物で新鮮味は何もないけどね。
それから長男役を演じた室田日出男もよかった。優秀だけど嫌味な兄貴という似合わない役柄なんですが、こういう演技もできるというところも見せてくれました。じっくり見ればかなりの男前。それもそのはず、ニューフェース出身なんですな。
今日は1969年の1月に公開された「黒薔薇の館」。二年前に撮られた「解散式」から深作監督はフリーになっており、この作品も松竹の大船で撮影されています。この時期、松竹でこの作品を含めて3本の作品を撮っています。
この67年から70年の間、深作監督は東映で仁侠映画を撮ったり、深作監督自身がフィルモグラフィーから削除したかったと言う「ガンマー第3号 宇宙大作戦」を撮ったり、いろんなことをやっています。
この作品もそんな試行錯誤の中から生まれた一本なのでしょう。深作監督は様々な俳優と組んでいますが、この映画の主演は丸山明宏。今の美輪明宏ですな。この前年にも丸山明宏を主演にした「黒蜥蜴」という作品を撮っています。
会社の重役をしている資産家(小沢栄太郎)が趣味でやっているクラブ「黒薔薇の館」。久々に自分の店を訪れた資産家は新しい女が入ったことをする。リュウコ(丸山明宏)という女はその経歴、年全てが不明。夜の8時になるとクラブに表れ、魅惑的な歌だけ歌って帰ってしまう。彼女を目当てにした政治家や作家がぞくぞくクラブに表れる。
彼女がこの店に現れるようになって、彼女の元旦那と名乗る男が次々とやってくる。考古学者(西村晃)や銀行員(川津祐介)、そして乱暴なマドロス(内田良平)は力づくで彼女を手にいれようとしてボディガード(ジョー山中)と刺し違える。いつしか、資産家も彼女の虜となっていた。しかし、彼はやがてあることに気付く。長らく家出をしていて帰ってきた息子のワタル(田村正和)は彼女に恋をしていたのだ。
前半はリュウコが如何に綺麗か、グダグダと描いてるのですがこれがテンポが悪く、すごく退屈。確かに丸山明宏は綺麗なんだけど、でもやっぱどう見ても男だ。それに我々は今の、”もののけ”美輪明宏を知ってるわけですから気持ち入らないです。丸山明宏は多くの映画に出演してますが、川島雄三の「女であること」で主題歌歌ってたのが一番よかったような。
西村晃が大袈裟なアクションで愛を捧げるシーンはどう見てもコメディ。散々に変態だ、罪深い女だと罵って彼女から一声かけてもらっただけで「思い出してくれたねえ。。おまえ」とほっとした顔になる。んで、これが全部嘘だったんだからとんでもねえ奴です。西村晃って役者はうまい!
後半は資産家の家庭問題についてになってきます。資産家には優秀な長男(室田日出男)と放蕩息子のワタル(田村正和)と二人の子供がいます。そして数年前、夫の留守を狙い駆け落ちしようとしますが事故で下半身不随になった妻がいます。妻はワタルに自分が成し得なかった夢を託そうとします。
親父は家族を愛しており、妻も許し、ワタルの放蕩も許そうとします。しかしそれでもワタルは親父から飛び立とうとし、強盗をしてやがて事故で死にます。後半の主役はこの息子で女はどうでもよくなる。むしろ、邪魔だったような気がします。最もその命題も使い古された物で新鮮味は何もないけどね。
それから長男役を演じた室田日出男もよかった。優秀だけど嫌味な兄貴という似合わない役柄なんですが、こういう演技もできるというところも見せてくれました。じっくり見ればかなりの男前。それもそのはず、ニューフェース出身なんですな。
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