祝!ジャックニコルソン、アカデミー賞主演男優賞ノミネート!「アバウト・シュミット」相当、出来がよろしそうですな。この映画が公開されるまでは絶対に死ねません。あとダニエル・ルイスが「肉屋」役でノミネートされました、同じく主演男優賞に。そうか、ディカプリオは主演じゃなかったのか。何となく納得。

 もし自分の大事な人が殺されたらどうするか?このような問いはあまり深刻に考えない方がよろしい。起こった時に考えればいい。何故このように思うと言うとはっきり言ってそうなった時の事態が想像を絶すると思うからです。

 作家の日垣隆氏は中学生の頃に自分の弟を少年に殺される経験をしています。氏は悩み、相手の家族を殺そうとまで悩みぬいたそうです。しかし、彼にはできなかったよく人は「自分の親族が殺されれば、どんなことがあってもそいつを殺す」と口走ります。しかし、実際にはそうすることさえも許されない。日垣氏はこう思ったそうです。「俺にはできない。何故なら殺した人にも、この死を悲しむ親族がいるのだ。」憎しみはさらなる憎しみを作る。そうした憎しみの連鎖を断ち切る為に刑法は存在しているのです。日本においては何の作用にもなっておらず。あまつさえ加害者を守る為に存在しているとさえ、思えますが、一応そういうことになっているはずです。被害者に代わって、加害者に罰を加える。それが刑務官の仕事です。この映画「13階段」はその刑務官が主役。

 刑務官・南郷はある男を訪ねた。その男の名前は三上純一。彼はかつて酒場の喧嘩で誤って見ず知らずの青年を殺した経験があった。罪状は傷害致死。懲役は3年。獄中では模範囚で通し、現在仮出所中だった。

 南郷は三上にある仕事をもちかける。それはある死刑確定囚の冤罪を晴らす調査だった。成功報酬は一人頭1000万円。実家にて居場所が無い三上は引き受ける。その死刑囚はある保護官夫婦を惨殺した疑いをかけられた。本人はかたくなに否定。しかし彼にはアリバイがなかった。彼には惨劇が行われたであろう時間の記憶がなかったのだ。その彼がある記憶を取り戻す。「その時間、俺は階段を上っていた。」

 その言葉を手がかりに二人は事件のあった千葉にむかう。しかしその千葉には三上が殺した青年の実家があった。そして南郷は、三上がこの地に来るのが始めてではないことと何か謎を隠し持っていることを知る。。。

 山崎努、寺島進、大杉漣、石橋蓮司、崔洋一、井川比佐志 深水三章、田中麗奈、木内晶子となかなかいい役者をそろえています。クレジットはされてませんが、ちらりと出演する山崎努の奥さんは岸本加代子ではあるまいか?何となくそんな感じがしたのだが。

 反町隆史もまあ及第点でしょう。この人は口跡が悪いので短いセリフしか言わせちゃいけません。でもスターの雰囲気は持っています。鶴瓶はいらん。それから「AIKI」でも出てた木内晶子がよろしい。結構しんどい役でしたが大変よく頑張りました。

 映画自体はなかなか見応えがありました。ただ惜しむらくは前半の雰囲気を後半まで引っ張っていけなかったところ。これさえ出来れば「刑法39条」にも匹敵するほどの大作になってたでしょうに。もう少し踏み込めばなおよかった。なお死刑制度云々の問題については私は寺島進の意見が一番しっくり来るように思えました。

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