深作まつり開催! 「仁義無き戦い 広島死闘編」
2003年2月13日 さて始まりました「深作まつり」ですが一作目は「仁義無き戦い 広島死闘編」です。深作監督のフィルモグラフィを見て驚くのは72年から78年の仕事です。とにかく本数が多い。代表作と言われる「仁義無き戦い」シリーズ5作は73年から74年にかけて撮られた作品で、一年半で五作も撮っているのです。72年は3作、73年は3作、74年は3作、75年に至っては4作。明らかにオーバーワークです。竹中労の著作「日本映画縦断」はこの頃、書かれた作品ですが過労気味の深作監督についても触れています。
しかしそれだけ短期間で作られた作品なのにどうしてこんなに出来がいいのか。それは監督も脚本も俳優も振り切ったテンションで駆け抜けられたからでしょう。役者にも監督にも「勝負」の作品というのが必ずあります。深作監督はこの時点で既にヒット作を連発し、70年には黒澤の後を受けて「トラ!トラ!トラ!」も監督していますがシリーズ作がありませんでした。この「仁義無き戦い」という作品はまさにその勝負をかけた作品だったのでないでしょうか。
昭和25年。いまだ戦後の混乱が続く広島。その広島で一人の男がヤクザになる山中正治。広島最大の暴力団村岡組の組長の村岡に気に入られ、杯を受けることになる。当時始まったばかりの競輪の警備、差配を村岡組が担当することになるが大友組の暴れん坊大友勝利の襲撃を受ける。大友組は勝利を破門。勝利は相談役の時森勘市を担いで独立して村岡組を襲撃。本格的な抗争は広能のいる呉にも波及。犬の肉を食うほど逼迫していた広能は山守の依頼を受け、かつての獄仲間である山中と出会い、事態の収拾を提案。時森を射殺し、勝利を大阪に放逐する。しかし、勝利は自らの部下に村岡の射殺を命令。それを知った山中は3人を射殺する。無期懲役の罰を受け、服役中の山中は叔父貴の高梨よりとんでもない噂を聞く。。。
とにかくテンションが高い。シリーズ中、もっとも人が死んだ作品。今と違って血しぶきも幼稚なんだが、凄い迫力があります。多分、本気で殴ってるんでしょう。特に千葉真一は完全にぶっ飛んでいたキチガイを好演。というよりほとんど、千葉ちゃんそのものだったような気がします。主人公の山中がすごい。カッとすると何をするかわからない。始めて人を殺した後に口笛を吹くシーンは圧巻です。登場人物も多いのですが、脚本の笠原和夫の力できっちり書き分けられています。広能の出演が少ないので外伝的な位置にある作品ですが、「仁義無き戦い 代理戦争」にもきっちり関係しています。
ちなみに本作では川谷拓三こと拓ボンは「勝利のリンチで殺されるヤクザ」で室田さんは「大友組幹部・中原」でした。二人は「仁義無き戦い」シリーズにほとんど出ていますが出るたびに役が変わってるのが面白い。なお、八名信夫(大友組)、前田吟(広能の部下)、志賀勝(山中に射殺されるヤクザ)も出演しています。今やベテランの役者である彼らは当時は端役。仁義無きシリーズでは若手が多く出演していますので、こういうのを見つけるのも楽しみですな。
仁義なき戦い 広島死闘篇
1973年製作 100分
製作:東映(京都撮影所)
監督:深作欣二、脚本:笠原和夫、音楽:津島利章
出演:菅原文太、千葉真一、梶芽衣子、山城新伍、名和宏、成田三樹夫、前田吟、木村俊恵、室田日出男、八名信夫、小松方正、志賀勝、川谷拓三、片桐竜次、金子信雄、 遠藤辰雄、小池朝雄、 北大路欣也
しかしそれだけ短期間で作られた作品なのにどうしてこんなに出来がいいのか。それは監督も脚本も俳優も振り切ったテンションで駆け抜けられたからでしょう。役者にも監督にも「勝負」の作品というのが必ずあります。深作監督はこの時点で既にヒット作を連発し、70年には黒澤の後を受けて「トラ!トラ!トラ!」も監督していますがシリーズ作がありませんでした。この「仁義無き戦い」という作品はまさにその勝負をかけた作品だったのでないでしょうか。
昭和25年。いまだ戦後の混乱が続く広島。その広島で一人の男がヤクザになる山中正治。広島最大の暴力団村岡組の組長の村岡に気に入られ、杯を受けることになる。当時始まったばかりの競輪の警備、差配を村岡組が担当することになるが大友組の暴れん坊大友勝利の襲撃を受ける。大友組は勝利を破門。勝利は相談役の時森勘市を担いで独立して村岡組を襲撃。本格的な抗争は広能のいる呉にも波及。犬の肉を食うほど逼迫していた広能は山守の依頼を受け、かつての獄仲間である山中と出会い、事態の収拾を提案。時森を射殺し、勝利を大阪に放逐する。しかし、勝利は自らの部下に村岡の射殺を命令。それを知った山中は3人を射殺する。無期懲役の罰を受け、服役中の山中は叔父貴の高梨よりとんでもない噂を聞く。。。
とにかくテンションが高い。シリーズ中、もっとも人が死んだ作品。今と違って血しぶきも幼稚なんだが、凄い迫力があります。多分、本気で殴ってるんでしょう。特に千葉真一は完全にぶっ飛んでいたキチガイを好演。というよりほとんど、千葉ちゃんそのものだったような気がします。主人公の山中がすごい。カッとすると何をするかわからない。始めて人を殺した後に口笛を吹くシーンは圧巻です。登場人物も多いのですが、脚本の笠原和夫の力できっちり書き分けられています。広能の出演が少ないので外伝的な位置にある作品ですが、「仁義無き戦い 代理戦争」にもきっちり関係しています。
ちなみに本作では川谷拓三こと拓ボンは「勝利のリンチで殺されるヤクザ」で室田さんは「大友組幹部・中原」でした。二人は「仁義無き戦い」シリーズにほとんど出ていますが出るたびに役が変わってるのが面白い。なお、八名信夫(大友組)、前田吟(広能の部下)、志賀勝(山中に射殺されるヤクザ)も出演しています。今やベテランの役者である彼らは当時は端役。仁義無きシリーズでは若手が多く出演していますので、こういうのを見つけるのも楽しみですな。
仁義なき戦い 広島死闘篇
1973年製作 100分
製作:東映(京都撮影所)
監督:深作欣二、脚本:笠原和夫、音楽:津島利章
出演:菅原文太、千葉真一、梶芽衣子、山城新伍、名和宏、成田三樹夫、前田吟、木村俊恵、室田日出男、八名信夫、小松方正、志賀勝、川谷拓三、片桐竜次、金子信雄、 遠藤辰雄、小池朝雄、 北大路欣也
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