「ロックンロールミシン」という題名と監督、行定勲と聞いて浮かんだのは「ははあ、こりゃバンドの映画やな」という勝手な思い込みでありました。しかしながらこれは間違い。本当は服飾のインディーズブランドの世界を舞台にした若者の群像劇であります。見に行くのかどうか迷ったのですが結局、最終日のレイトショーで見てきました。先ほども書きましたが監督は行定勲監督。昨年は「GO」というすごい映画を撮りました。「GO」は在日社会という厄介な問題を痛快な青春活劇に仕立て上げた画期的な作品ですが、さて今回の作品はどうか。行定監督の作品を私は「GO」以外に「贅沢な骨」と「ひまわり」を見ていますが正直面白くなかった。描きたいことはわかるのですが、あまりにも真剣に撮っているので小ネタやちょっとした脱線が一切無いのです。だから正直、つまらなかった。「GO」の後に撮った「私立探偵 濱マイク 〜第4話‘サクラサクヒ’」もテレビドラマ「タスクフォース」もちっとも面白くなかったしね。
 サラリーマンのケンジは街中で高校の頃の同級生でインディーズブランドを作っているリョウイチに出会う。仕事に行き詰まりを感じていたケンジは組織に縛られることなく、自由に生きているリョウイチに憧れ、リョウイチが作ったサークル「ストロボラッシュ」の活動に惹かれていく。どんどん会社がつまらなくなっていくケンジ。些細なことで上司が殴ってしまい、会社を辞めてしまうことになる。ケンジはサークル内でマネージャー的な仕事を請け負うことになり展覧会への出店を提案するが。。
 私も会社を辞めた組ですが自由な暮らしにはそれだけの制約が付きまといます。フリーというのは組織からもフリーですが、同時に収入からもフリーなのです。主人公のケンジは自由な生活に憧れて、この世界に入るわけですが壁にぶつかってしまいます。本当に好きなことをやるのには相当の覚悟がいるのです。これはまあ全てのアーティストと言われる人が痛感していることだと思いますが。
 映画全体ですが思ったよりも面白かったです。つぐみを劇中のへんてこりんなドラマの登場人物に使うという工夫も面白い。これからもこういう作品を撮ってくれる、といいんやけど。スペシャルサンクス、おちまさとが謎です。メガネキャラいたかな?

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索