☆気がつけばもう師走も後半に入った。年賀状もまだ書いてない。
☆仕事はもう恐ろしく暇なんだが、以前にも書いたように係長が入院してしまったので休むのがなかなか難しい。戦線離脱者も9月の広島カープのように続々と復帰してきたので負担はぐっと少なくなった。
☆10月、11月ち本当によく働いたのでお給料を結構いただけた。しかも年末還付金に年末手当と財布がややだぶついている。とても嬉しい。が、金があるとくだらんことに使ってしまいそうなので貯金しようか。でも自分が稼いだ金だしな、自由に使うのもよかんべとも思う。
☆散髪したのだが、頼み方が悪かったのか、坊主になってしまった。一気に子供っぽくなってしまった。若くなってよかった、とも言われるが昔はずっと坊主だったので家族からは激しく不評だ。寒いので帽子を買うがこれがまた似合わない。帽子の似合わない人で集計をやったら5本の指には入りそうだ。事務所でご隠居(定年後、嘱託で働いているおじいさん)に「帽子なんてえもんは、ほとんどの人が似合わねえんだから気にせずにかぶりねえ。そのうち、身にあってくるから」といわれた。ご隠居は私が知ってる限りでも10個以上の帽子を持っている。山口瞳も「自分は帽子が似合わないと思う人が多すぎる」と書いてたな。しばらく帽子をかぶる癖をつけようと思います。
☆土曜日は朝から晩までシネヌーヴォで勝新太郎映画祭を見ていた。一日に5本も映画見たのは初めてだ。ちなみにこれで206本見たことになる。勝新の映画は飽きない。本当に面白い。日本映画が徐々に下り坂をたどりだした頃に勝新は売れた。正統派の映画スターではなかったのだが時代が彼を呼んだ、否彼が時代を引っ張ったのだ。こんなすごい人はもう出てこないと思う。俳優でプロダクションを起こす人も起こせる人も、もういないだろうね。「ラストサムライ」を見て思ったのだが日本が今作らないと駄目な映画を聖林に撮られてしかもこれが大ヒットしている現状、本当に日本映画というのは死んだのだと実感した。これからはゲリラ戦法で戦っていかなきゃならない。勝にしても深作にしてもそんなことは60年代から気づいていたんだろうけど。「兵隊やくざ」で縦横無尽に走り回る勝新を見てそう思った。
 今日、紹介するのは「昭和歌謡大全集」。村上龍の原作を篠原哲雄が映画化。今年の湯布院映画祭でも上映されて主演の松田龍平が来ていました。ファンの人がつめかけて大入り満員でした。ただ、京都の美松劇場の初日はガラガラ。上映も2週間で終了しちゃうし、映画館のやる気もなかった。もうすぐ無くなっちゃうわけだけど。

 今の日本映画界で一年に2本から3本というペースで映画を撮れる篠原哲雄ってのはやはり売れっ子なんだろう。篠原ってのは職人でアイドル映画なんて撮らせると抜群でおそらく、どんな題材でも無難にこなすだろう。実は映画を見てから原作を読んだのだが、まあこんな狂った、本をよく映像化したものだなと思う。村上龍も大喜びだった。もうほとんど原作通りなんでファンの方にもお薦めできます。若干、違うところは青年グループのシーンをガサッと落としたところぐらいかな。おかげでイシ君(松田龍平)がやや弱い。

 「昭和歌謡大全集」は今から10年前に書かれたもので「プレイボーイ」で連載されていました。セリフの中に時々、「ロスの暴動はこんなものではない」などの時代を感じさせる言葉が出てきます。設定を現代にしていますが、何の違和感もありません。多分、書かれた当時は架空のお話で今でもやはりそうなんですが、「一度人を殺してみたかった」という理由で少年が人を殺す時代ですからね、あんまりシャレにはなってないです。おばさんは何にも変わんないしね。それを脚本にしたのがいまや「てるてる家族」(面白い!)の大森寿美男。「黒い家」の脚本も書いています。ほとんど原作そのままなんですが原作にある「一発やりませんか」とか「ヒップエレキバン」の件とかをうまく使っています。

 おばさんってのは原田芳雄が言うように「地球が滅びたって生き続ける」しぶとい動物で、そりゃアレを使わんと勝てんですわ。ここで言うおばさんというのは、「進化をとめてしまった」人間のこと。ああ、これは死ぬほどよくわかります。進化を止めてしまうということは人目を気にせずに人生、エエ加減に生きていくということでこれほど迷惑な人達はいません。一方、青年グループだって似たようなもんでおたがいに意識しだしたところで戦争が始まる。小心者のスギオカがおばさんに痴漢呼ばわりされたのにキレてナイフで殺してしまうところから映画はスタート。少しも相手のこととか考えない。

 まあ血が出るのが厭だという人や映画を単純に楽しめない人にはこの映画、面白くないでしょう。意味を考えちゃ駄目です。深みにハマります。私が一番好きなのは安藤政信が小便と血潮をあげながら死んでいくシーンです。某週刊誌で本当にオナニーしてんのかと話題になった樋口可南子もいつもと違う役柄で面白かったですが未婚ながら見事なおばさんっぷりを発揮した細川ふみえに悲しき最期を迎えた鈴木砂羽のおばさんがよかったです。

 それから市川美和子。原作ではいるだけで皆が憂鬱になる顔がずれた短大生というとんでもない役柄をほとんど素で演じきりました。彼女の特性を生かした素晴らしいキャスティングだと思います。逆に青年グループでは言うほど目立ったのがいなかったのが残念。話題先行でキャスティングしてるようで松田龍平と池内博之はミスキャストだと思う。松田龍平の「恋の季節」がむごすぎるのは原作でもそうなんだがそこまで計算してるのかな?してますよね。あと津田寛治と古田新太が小さな役ですが目立つ儲け役。職人・篠原の見事な仕事っぷりが楽しめる作品なれど少しはやんちゃして欲しかったです。

監督:篠原哲雄 脚本:大森寿美男 企画:鈴木光 原作:村上龍
出演:岸本加世子、樋口可南子、鈴木砂羽、森尾由美、細川ふみえ、内田春菊、松田龍平、池内博之、斉藤陽一郎、安藤政信、近藤公園、村田充、市川美和子、古田新太、津田寛治、木下ほうか、山中聡、土屋久美子、千石規子、鰐淵晴子、寺田農、ミッキーカーチス、内田朝陽

 今日の深作まつりは1983年の正月映画になった「里見八犬伝」。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった角川映画です。配収23億円の大ヒットになりました。当時の薬師丸ひろ子の人気というのは今のアイドルとは比べようがないほど、すごかったらしい。今見ると確かに可愛いがびっくりするほどかわいいわけでもないんだけどね。時代だねえ。映画の方も言うほど面白いわけでもないです。長いしね。学生時代に一回見てるはずですが、ほとんど印象に残ってないしね。

 「アイドル映画30年史」によると劇場公開と同時にビデオが発売されたらしい。深作監督によると「映画館で一緒に売ったら、子どもたちが一万円札をビラビラさせて殺到した(笑)。グッズ扱いですね。しかし一万円以上ですからね。それで五万本?六万本?俺も意外だった」と大変な評判でした。しかもビデオの印税は深作監督には入っていない。当時はそういう取り決めがなかった。まだ映画はスクリーンで見る時代でビデオで儲けようという発想は当時の映画人にはなかったんでしょう。今ではスクリーンでの収入よりもビデオでの収入で計算して映画作ってますしね。角川春樹という人の先見性というのはやはりすごいですね。

 角川春樹ってのは映画と本、歌などを組み合わせるという今で言うところのメディアミックスの先陣を切った人でやはり映画史を語るに欠かせない人だと思う。現在も角川は細々と映画に出費してるし、東京映画祭にも参加してるがはっきり言ってパッとしない。角川はやはり春樹のものだったんだろう。スニーカー文庫で食いつなぐのが精一杯だろう。

 主演の真田広之。冷静に考えると80年代からずっと日本映画の先頭にたってきた俳優です。80年代はアイドルとしてアクション映画を支え、90年代は映画だけでなく、トレンディドラマにも挑戦。滝田洋二郎とコンビを組んだ「病院へ行こう」などのコメディなどもあります。そして今は日本を代表するいぶし銀の俳優に。すごいね。共演に千葉真一、志穂美悦子、「キルビル」で千葉ちゃんと寸劇を演じた大葉健二とJAC組に京本政樹、夏木マリなど。悪役では荻原流行と汐路章が面白かった。スタッフではプロデューサーに「ぼくらの七日間戦争」の菅原浩志(当時は比呂志)の名前が見えます。

 後半のアクションは金がかかってるだけになかなか見ごたえがあります。ただそれに至るまでの過程がだるすぎる。アイドル映画ってのはこんなもんですな。

監督:深作欣二 脚本:鎌田敏夫、深作欣二 製作:角川春樹 プロデューサー:佐藤雅夫、菅原比呂志、原作:鎌田敏夫、特撮監督:矢島信男
出演:汐路章、荻原流行、遠藤太津朗、曽根晴美、成田三樹夫、寺田農、千葉真一、真田広之、薬師丸ひろ子、岡田奈々、大葉健二、夏木マリ、高柳良一、殿山泰司、志穂美悦子、京本政樹、目黒祐樹
11月末で188本鑑賞。200本は確実ですな。だからなんだと言われれば困りますが。

☆人情紙風船 11/1 京都文化博物館映像ホール
★★★★★
→貧乏の本当のつらさというのは、心が卑しくなることだと思う。清貧なんて言葉は貧乏に無縁な人が無責任に作ったのだ。戦争に突入していく直前、映画界は明朗時代劇と呼ばれる明るい映画が主流になった。時代が暗くなるにつれて、ヤケクソ感の突き抜けた明るさが望まれた。その担い手であった山中貞雄の遺作が今作であったことがとても悲しい。以後、映画界は一つの会社に集約されて山中貞雄が愛した自由なカツドウ屋の世界は消えた。

フレディVSジェイソン 11/2 MOVIX京都シアター1
★★★★
→実はホラー映画は苦手なのでジェイソンもフレディもそんなに詳しくないのですがそんな私にも十分面白かった。知り合いのホラーマニアも傑作だと褒めていました。アメリカでも大ヒットしたし、マニア向けもよかったようです。フレディとジェイソンのどちらが好きかというとやはり私はフレディですな。ラストのニヤリには惚れそうになったよ、いやマジで。

☆用心棒 11/2 京都文化博物館映像ホール
★★★★★
→たとえ、DVDを持っててもビデオで録画してても名作がスクリーンで上映される機会があるならやはり行っておいた方がいいと思う。圧倒的なスケールで手間隙かけて作られた映画はスクリーンで最も映える。学生時代に見た時には三船と仲代の決闘にばかり目が行くが脇役の東野英治郎と渡辺篤がすばらしい。西村晃、加藤武のコンビも面白い。こういう脇役をやれる俳優が日本映画を支えている。日本映画を見続ける中でそういうことにやっと気づくようになってきた。

10億分の1の男 11/3 テアトル梅田1
★★
→題材は面白いんだが最後まで乗り切れなかった。正直、退屈で中盤寝てしまった。運がいい人は他人より運を奪っているという設定は面白いんだが。。

マトリックスレボリューションズ 11/7 MOVIX京都シアター3
★★★
→そんなに非道い映画とは思わないが、色々張ってた伏線が生かしきれないと思う。特にスミスがあんまり出てこないというのには、どういうことだ。んで、あのラストはナウシカでつか?

ドッペルゲンガー 11/11 みなみ会館
★★
→黒沢清もつまんない監督になっちゃったなー。画面作りもいいし、ストーリーもそんなに悪くないんだけどどうってことない作品。この作品をすごいとか思ってる人は宗教とかオカルトにハマる可能性があると思うのでその手の話には自覚を持った方がいいです。題材は使い古された二重人格で何故かタイアップで「ムー」が特集まで組んでおる。昔見たアニメと同じような感じで進む。展開はたるいけど、まあ見てられる。でも「CURE」とか「蛇の瞳」とか撮ってた時に比べるともうこの人もあかんです。

阿修羅の如く 11/14 東宝公楽
★★
→映画自体はそんなに悪いとは思わんが何故、この21世紀に昭和54年に放送されたドラマをそのままのストーリーで映画化せねばならないのか?さらにそれを森田が撮らなあかんのか?その答えはスクリーンからは見出せなかった。つまりそれだけの映画ということ。順調にヒットしてるとのこと。よかったね。

☆影の軍団・服部半蔵 11/15 高槻松竹セントラル
★★
→渡瀬恒彦一人ではしんどいと思ったか西郷輝彦との二枚看板にしたためか、表半蔵と裏半蔵の違いがよくわからない。敵役の緒方拳は死ぬほどすばらしいのだが二時間以上も見るのは正直しんどい。森下愛子のおっぱいしか印象に残ってない。

☆柳生一族の陰謀 11/15 高槻松竹セントラル
★★★★★
→これはやっぱりスクリーンで見ておかないといかんでしょう。錦之介の「夢でござある!」これに尽きます。スクリーンを闊歩する成田三樹夫も忘れちゃいかんですね。

■昭和歌謡大全集 11/22 美松劇場2
★★★★★
→実はこれ湯布院で見てたんですけどね。よく考えると面白かったんでもう一回行ったのですがこれはあざといぐらい、よくできています。篠原の今まで遠慮しがちに小出しに出してた変なこだわりがこの狂った原作によくマッチングして史上最高に狂ったわけのわからん作品になってます。村上龍もご満悦らしい。だろうな、ほとんどそのまんまだし。これはいずれ感想書きます。京都での上映は終わっちゃったけど。

フォーン・ブース 11/22 京極東宝1
★★★
→犯人といつ戦うのか、そればかりに注目してたのですが思わぬうっちゃりを喰らった。さすが脚本に巨額の金を費やす聖林だけのことはありますな。の割には評価が低いのは私がコリン・ファレルをいいと思わんから。ちなみに京極東宝が座席指定制に移行した記念すべき作品でございます。初日でした。ビクーリしたよ。

福耳 11/23 OS劇場C・A・P
★★
→倉本聰のおかげなんだろうなあと思うが田中邦衛がこんな好々爺を演じて似合うというのはこの人の芸の幅は相当広い。私にとっちゃあ、邦衛さんはやはり槙原であり、「仁義の墓場」のシャブ中なんだが、世間の人には五郎さんなんだろう。こんな激甘のぬるい映画に出演する役者さんになっちゃったんだねえ。

ルールズ・オブ・アトラクション 11/23
★★★★
→嫌いな人は嫌いだろうし、好きな人は好きだと思う。俺はこういうのが結構好き。以上

☆子連れ狼・三途の川の乳母車 11/26 高槻松竹セントラル
★★★★★
→一般的に子連れ狼と聞けば錦之介なんだがこれは勝プロ製作で若山富三郎がやってます。三隅研次と言えば、あのスタイリッシュな剣戟なんだがこの映画でもそれは発揮されており、かっこいいシーンの連続。とにかく人が無意味に死にすぎだ。大木実、岸田森との決闘がかっこいい。ただかっこよすぎて少し、ギャグの世界に入っているのも醍醐味。乳母車からナイフ飛び出すし。

☆子連れ狼・地獄へ行くぞ!大五郎 11/26 高槻松竹セントラル
★★★★
→勝プロ最後の子連れ狼だけあってアクションもド派手。というかはっきり言ってやりすぎ。以前からうわさは聞いていたが乳母車にマシンガンがついているというのは60「へえ〜」ぐらいもらえるんじゃないか?さらに雪の上での決闘では乳母車がそりになり、忍者軍団がスキー板に刀を握って襲撃してくる。大木実が老人メイクでそりに大砲を備え付けて襲ってくる。木村功は妹を犯すわ、石橋蓮司は地にもぐり、一刀を狙う。もうめちゃくちゃ。富さんも雪の上で宙返りするわでノリノリで収拾つかないまま、映画は終わる。いいのか?

ばかのハコ船 11/28 美松劇場2
★★★★★
→見てて勇気がわいてくる、いい映画だと思うが、リアルにこういう人たちが親戚にいたら正直困るだろうなあ。

 今日は「資金源強奪」。1975年の作品です。同年、深作は「仁義の墓場」「県警対組織暴力」「新仁義なき」シリーズ2本にこの作品と5本も撮っています。佐藤純彌の「新幹線大爆破」に中島貞夫の「暴動島根刑務所」、鈴木則文の「トラック野郎 御意見無用」と多くの傑作が生まれたのもこの年でした。。邦画と洋画の配収率が逆転し、いよいよ邦画配給の縮小傾向が始まるのですが東映は相変わらず元気でした。なお、東映太秦映画村もオープン。後に東映のドル箱になります。

 「仁義なき戦い 浪漫アルバム」の北大路欣也のインタビューによると興行成績はあんまりよくなかったみたいです。主演を勤めた欣也が、インタビュアーが知ってたことを驚いてたぐらいですから、知名度は相当に薄い映画だったと思います。そのせいか、ビデオにもなっておらず、(実は大昔にビデオ化した記録はあるらしい)知るひとぞ知るという作品でした。

 が、今年に入りよみうりテレビ(えらいぞ!)の深夜で放送されたのに続いて、東映チャンネルでも放送。「映画監督・深作欣二」でも上映されました。ライトなアクション映画で「暴走パニック 大激突」に通じるものがあります。監督名が「ふかさくきんじ」と平仮名でクレジットされてるのは無茶な撮影スケジュールに抗議してとのことですが、よくわかりません。

 あるヤクザの組の若者・武司(北大路欣也)は幹部・国吉(名和広)の命令で敵対する組長を射殺して刑務所に送られた。そして8年後。組は和解しており、出所してきた武司は厄介者であった。そんな国吉の気持ちを知ってか、武司はあっさりとカタギになることを伝える。が、彼には狙いがあった。刑務所で出会った銀行強盗未遂でつかまった、妻子持ちのオッサン(室田日出男)と爆弾作りの名人、鉄(川谷拓三)と共謀してウエットスーツに催涙弾で組の花会を襲撃。賭場から3億5千万を奪って逃走。早速、山分け。。と思いきや二人に1000万円だけ渡して去ろうとする武司。不平を言う二人に銃を突きつけながら一年間は銭を使うな、と命じるのだった。

 一方、組長(安部徹)はまさか警察に願い出るに行かず、停職中の不良刑事の文明(梅宮辰夫)に捜査を依頼する。早速、競馬場にて聞き込みして最近、羽振りのよくなった鉄を締め上げて白状させる。鉄が捕まったのを知って武司は鉄を殺そうとするのだが。。

 深作監督には珍しく、ライトに仕上げたドタバタアクション。初期の「白昼の無頼漢」を思わせますがこちらの方がよりテンポがよくなっています。主役の北大路欣也を含めて出てくる奴が目的のためなら手段を選ばねえ。隙見たら、上前をはねようと考えている奴ばかり。欣也の好敵手に梅宮辰夫でピラニア軍団でブレイクする室田と拓ボンがからむという展開になっています。どことなく、哀愁がただよう室田もいいですが拓ボンが相変わらずのはじけっぷり。この頃から人気が出てきました。

 松方が「暴動島根刑務所」の主人公を思わせるような軽いキャラで特別出演。山城新伍も「いっぱんの人言うたら前科一般やろ」というギャグで笑わせてくれます。全体的に俳優のノリがいい。未成年という設定が無茶すぎな渡辺やよいにクサすぎる悪役の今井健二も注目です。

 脚本は「面白ければ何でもやる」が信条の高田宏治。このまま逃げ切るのか、大逆転があるのか、ぐいぐい引き込んで、観客を楽しませてくれます。ラストもとってもお気に入りの佳作です。

監督:ふかさくきんじ 脚本:高田宏治 企画:日下部五朗 音楽:津島利章
出演:北大路欣也、室田日出男、岩尾正隆、梅宮辰夫、今井健二、渡辺やよい、天津敏、山城新伍、曽根晴美、芹明香、中村錦司、林彰太郎、太地喜和子、名和広、安部徹、川谷拓三

やっと更新できるようになった。たまに更新しようと思ったらこれだもんねえ。。

 本日は京都朝日シネマを経営していた如月社による上映会でかけられた「ばかのハコ船」。監督は大阪芸術大学の英才、山下敦弘。卒業制作で発表された「どんてん生活」が高く評価されて次に作ったのがこの作品です。東京国際映画祭と大阪のプラネット+1の支援を受けて作られています。今年の1月末に閉じた京都朝日シネマでも最終週に公開されました。大阪では夏頃にテアトル梅田で上映されていましたが、京都での上映ははじめて。

 山下監督は「最も危険な 刑事まつり」で「汁刑事」という短編を撮っているのだがこれが何というか、すごい作品なのだ。私はプラネット+1で見ていたのだがひっくり返った。AVで男優さんがお仕事をしている最中に側でもぞもぞやってる人達。この人達を別名、汁男優という。その汁男優の尾崎(実は刑事)がはじめて本番に挑戦するというのがこの映画なんだが、突然ブチ切れて女優を泣かせたり、暴れたりともうめちゃくちゃ。刑事まつりはビデオにならないそうだがこの作品だけでもビデオにして欲しい。元々、尾崎は「ばかのハコ船」の登場人物で映画でも突然ブチ切れたり、いきなりやさしくなったりで観客の度肝を抜いてくれます。ちなみに彼を主人公にした「その男、凶暴につき」という短編もあるそうです。演じているのは監督の中学時代からの友人で本業はサラリーマンらしい。まあ一度見てください、尾崎を。

 この映画の主人公である酒井大輔は死ぬほど駄目人間である。女に鼻かんでもらって、ケツに薬塗らせるような男である。飽きっぽくてだらしなくてそのくせ、プライドだけは高く絶対に向いてないことに挑戦して失敗して自信を喪失していき、人にあたる。ただ不思議に女にモテる。映画は東京で健康食品「あかじる」の販売に失敗し、500万円の借金を背負った大輔が彼女の島田久子を連れて田舎に帰ってきたところから始まります。

 東京で失敗した大輔であったが、「あかじる」の販売はあきらめてなかった。彼は親父や親戚や友人のツテをたどって地元からこの商売をスタートさせようと考えていたのだ。が、誰も相手にしてくれない。ショックを受けた大輔は中学時代の彼女で現在は風俗嬢のまどかの家に逃げ込んでしまう。大輔を探す久子。大輔の同級生でスーパーを経営している尾崎の協力を得てまどかを見つける。尾崎、久子、まどかがまどかの家に向かうとそこには風呂上りの大輔とまどかの高校生の妹が。凍りつく5人。

 尾崎の協力により、某薬チェーン店(何とキリンド!)で「あかじる」の店頭販売が決まった。張り切る久子に対して、元々から商売に向いてない大輔はどんどん鬱になっていく。実際、あかじるは全く売れなかった。

 映画は淡々と進んでほとんど二人による会話で構成されています。会話のやりとりはそんな笑いを狙ったものではないのですが、聞き込むと笑ってしまう。1時間50分ほどあるんですが長さはほとんど感じずにぐいぐい引き込まれます。そこに尾崎が走り抜けていく。

 主人公は本当にもうどうしようもない男なんだが、妙に憎めないところがある。こんなに駄目でええんか?と思うがまあそれもありなんだろう、長い人生。どこか、自分に似ているところがあるのも少しおかしいし、なんか悔しい。浮気がばれて、プシューと空気が抜けていくところでは大笑いしてしまった。ポケベルとかたまごっちなどの数年前に出てきた風物詩が散らされているのもまた楽しい。母親が「あかじるは罰ゲーム商品じゃないの?」というくだりは「笑っていいとも」の青汁一気呑みを思い出させます。すぐになくなっちゃったけどね。こうした細かいくすぐりをふんだんに入れて、丁寧に作られています。好きなキャラクターは悩み倒す他のキャラを尻目にちゃくちゃくと自分のキャリアを築いていく風俗嬢のまどか。こういうクールなキャラがまた新鮮ですわな。

 人間、案外しぶといもんで、めちゃくちゃでも、どっこい生きてる。人生なんてそう堅苦しいものじゃないさと思わせてくれる映画でどうも最近、世の中に疲れた私にはのびのびと楽しめた映画でした。みなみ会館で公開される「どんてん生活」も見に行こうっと。


監督、脚本:山下敦弘、脚本:向井康介、音楽:赤犬、美術:前田隼人、企画:真夜中の子供シアター
キャスト:山本浩司、小寺智子、細江祐子、山本剛史、笹野高史、木野花、 松江哲明、田中暁子
☆月曜日。変なもんをインストールしようとして失敗し、パソコンが死にますた。とにかく立ち上がらないのです。泣く泣く、パソコンを「リローデッド」いたしました。ネットにほとんどのものをアップしていたためにホームページのデータなどは簡単に修復致しましたが、消えてしまったデータも多数あります。特に。。最近作っていた「やましろ映画館事情」(改訂版)、「なにわ映画館事情」「逝きし、映画館よ」などがなくなったのがイタイ。ほとんど書いていたんだが。。

☆プラス本日であるが、今度はビデオデッキが逝った。場末のビデオ屋で借りてきた「ゴッドファーザー」で逝った。当然ながらビデオ屋に修理させる予定であるが、修理に要すると思われる2週間ほどをビデオなしですごさねばならない。この東映チャンネルが満を持して深作の映画をイパーイやってくれるのに。。拷問だ。本気で新しいビデオデッキを買おうかと考えている。金が。。いろいろと買いたいもんがあるんだが全部延期だ。

☆来月、私の上司が一週間ほど入院することとなった。その期間、私は東下り(人はそれを上京と呼ぶ)をしようと思っていたのだが当然ながらそれも取り止め。1月は多分忙しいのでいったい、いつ逝けるかわからない。

☆プラス仕事場の同僚が肝炎で倒れた。その人が復帰するまで私がその人の仕事の一部を引き継ぐことになる。任せっきりだったので全然わからない。

☆前売り券を買った映画が逝けそうに無い。

☆見る映画がない。

☆ふと気づいたらこんなスレ見てる自分が厭

http://human2.2ch.net/test/read.cgi/male/1069856315/l50
 今日は「ルールズ・オブ・アトラクション」。昨日、シネリーブル梅田で見てきたのですが公開2日目にして見事にガラガラ。隣の「彼女がしたい10のこと」が満員なのと対照的でした。

 でもこれがすっごく面白かったのだ。監督、脚本はロジャー・エイヴァリー。タランティーノとビデオ屋の店員として知り合い、「パルプフィクション」の脚本を共に書きます。が、その後はタラと決別。この映画は10年ぶりの新作になります。原作は「アメリカンサイコ」のブレット・イースト・エリス。この映画の登場人物の一人は「アメリカン・サイコ」の主人公の弟という設定です。

 ある名門大学の”パーティー”「この世の終焉祭」でローレンはバックから見知らぬ地元の男(つまり学生ではない)にゲロをぶっかけながら(!)犯されて処女を失った。ゲイのポールはゲイっぽい男を部屋に連れ込むが彼はノンケだった。ボコボコにされて部屋から追い出される。ショーンは持っていた手紙を破り捨て、野獣のような目で女を物色していた。そして「とってもおしゃ○り」が上手そうな唇を持った女と一発。

 時は半年ほど遡る。大学が多く集まるこの地域に学費が高いことで有名な芸術大学があった。寮に住む学生達はたまに出席する授業と毎日のように繰り広げられる”パーティー”に忙しかった。いまだ処女だったローレンはそんな世間を横目に見てクールにかまえていた。フットボールの選手全員と乱交するヤリマン女のララが彼女に言う。「コンドームが98%安全なら二枚重ねれば196%安全だわ。」「禁欲生活は100%安全よ。」彼女は性病の辞典を見て乱交しないことを誓うのだった。彼女には処女を捧げたいと思う人がいたのだ。現在、ヨーロッパ旅行をしているヴィクターである。

 学生でありながらシャブの売人でもあるショーンは学生の半数以上は食っちゃった絶倫男。久しぶりに土曜に授業に出かけて、ローレンに出会う。ローレンは彼を見た瞬間に何か通じる物を感じる。とんでもなく評判の悪い男なのだが、彼女は彼に本物に近いものを感じてしまう。ショーンも彼女を一目見たときに好きになってしまう。そしてその日から彼のメールボックスに手紙が入り始める。彼女からの手紙に違いない!と彼は歓喜する。一方、ローレンの元恋人でゲイのポールはショーンに一目ぼれ。彼を追いまわすのだが。。

 とにかく、シャブ、乱交、シャブ、乱交ばっかりでスーフリか!と言いたくなるほどの自堕落ぶり。映画のほとんどがパーティーなんだが、パーティー会場のそこら中でハメてやがる。”仮想で一発”祭なんか完全なスワッピングパーティー。デブオタでもブタの仮面をつけて3Pやってやがる。何でもこの原作はエリスの学生時代の寮生活体験が元になってるらしいので多分、こんな状況がマジにあったんでしょう。(チッ)80年代、エイズという病気が発症するまでアメリカはオールナイトハメハメではまぐりの大群(by山城新伍)が押し寄せて性道徳が無いに等しかった。コンドームが出てきたのもその頃だったしね。映画では年代がよくわからないので、そこんところが生かされてるのかはよくわかりませんけど。

 映画の後半になってヨーロッパ旅行に出かけていたヴィクターが登場。彼のヨーロッパでの「いきものちきゅうきこう」が駆け足で紹介されるのだが、このシーンがやらせ無しの本物。(!)ヴィクターを演じたのは「ドリヴン」のキップ・パルデューで監督と数人のスタッフでヨーロッパに出かけた。現地で監督には、聖林俳優を名乗らずに女をナンパしてハメて来い、と命じられた。(電波少年かよ!)ヨーロッパ各地でキップは素人娘をナンパ。その横で監督はデジカメをかまえていた、というソフト・オン・デマンドな世界が繰り広げられたらしい。70時間ほどの映像があったが映画では3分に圧縮。90分に編集しなおしたバージョンもあって金に困ったらAVとして公開するらしい。(ゴージャス松野かよ!)

 性欲の塊みたいなショーンを演じたジェームズ・ヴァン・ダー・ビークにしてもあの「ドーソンズ・クリーク」の主人公ですしね。キップ・パルデューにしてもアイドルなわけだし。「チ○ポ!オ×コ!」を連呼するリチャードを演じた人もどんな人かわかりませんがよくやるよな、本当に。役者魂ですな

 この感想を読んで少しでも興味を抱いた人はすぐに劇場まで。逆にひいた人は見に行かない方がいいです。ただ、一つ誤解しないで欲しいのはこの映画は単なるスワッピング映画ではなく、テーマは基本的に純愛です。流れるような脚本で最後には少し泣けてしまう。あとパンフなんだけど映画秘宝の記事がほとんどそのまま載っているのはいくらなんでも手抜きなんじゃ。。町山さん。
 まだまだ行くよ、ということで今日も深作まつり。今日紹介するのは「カミカゼ野郎 真昼の決斗」。1966年の作品で先日紹介した「北海の暴れ竜」の4ヶ月前に撮られています。配給は東映ですが製作はにんじんくらぶの後身であるにんじんプロダクションと台湾の製作プロダクションの國光影業の合作になっています。

 にんじんくらぶは岸恵子、有馬稲子、久我美子を中心に発足したプロダクションですが「怪談」という大変長い、金のかかる映画を作ってつぶれてしまった。にんじんプロダクションはその残党が作った会社で「何でもいいから作らなきゃ駄目だ」とこういう映画を作ったようです。

 深作監督は東映で撮った映画が圧倒的に多いのですがこうした中小プロダクションからの作品も多いです。これは一重に本人がこだわりなく、様々な仕事に挑戦していたということとそうした映画会社より、何か変わった作品を撮ってくれるんじゃないかと期待されてたんじゃないかと思う。実際、後に松竹でも松方主演のヤクザ映画「恐喝こそわが人生」を撮ったり、代々木系のプロダクションで「君が若者なら」を撮っています。この頃の深作はヒットには恵まれてはいませんが「誇り高き挑戦」や「ジャコ萬と鉄」などを評価する評論家も多く、注目はされていたようです。

 台湾の映画会社との合作なので主演は千葉ちゃんですが舞台は台湾。ほとんどの撮影を台湾で行っています。特別出演に高倉健。仁侠映画がぼちぼち主流になり始めていた時期で健さんはスターだったのですが台湾での撮影にも参加しています。新聞記者の役で出番はちょっぴりなんですがおいしいところをさらっています。

 千葉真一演じるパイロットの御手洗健。あだ名はもちろん、トイレ。映画の中でも「あんたらにとっちゃあ珍しい名前かもしれないが結構ある名前なんだぜ」と千葉ちゃんが言っていますが大学の同級生にこの名字の人いました。ちなみに読み仮名は”おてあらい”ではなくて”みたらい”です。彼はスキーをしている最中に瀕死の男を発見します。すぐに警察に届けますが、警察はどうやら彼を疑います。というのも、男が息をひきとる寸前に「みたらいがやった」と言い残したのです。が、現場にいた台湾の女性記者香蘭の証言もあって彼の疑いは晴れます。仕事場に帰るとセスナ機を台湾に送る仕事が舞い込みます。が彼は謎のサングラスの男と会社社長の北沢(大木実)に台湾行きを止められます。彼は結局、香蘭と台湾に向うのですが様々な事件に巻き込まれることになる。。。

 台湾で二ヶ月のロケを敢行。カーアクションあり、モーターボートでの追い掛けっこあり、そしてセスナ機でのアクションありと全編通じてアクションだらけ。「ダイハード」みたいに無茶なアクションが続く。千葉真一が元気よく暴れ回る姿は初々しい。千葉ちゃんって昔、アイドルだったんですね。この二年後、テレビドラマの「キイハンター」で彼はブレイクします。前半はややもたつきますがラストのアクションはテンポがよくて面白いです。
 今日の深作まつりは「北海の暴れ竜」。1966年の作品で深作監督が初めて撮ったヤクザ映画です。この前年より「昭和任侠伝」がスタートしており、東映はやがて仁侠映画の全盛時代を迎えます。当時はまだ仁侠映画の全盛時代ではなかったのですが深作監督の言葉を借りると「仁侠映画的構造をやらないと絶対東映で映画を撮れないなという認識はあった」という風潮はあったようで多くの仁侠映画をプロデュースした俊藤浩滋の力が徐々に強くなっていました。現にこの翌年、深作監督は俊藤浩滋プロデュースの仁侠映画「解散式」を撮っています。なお、この「北海の暴れ竜」を最後に深作監督は東映を退社。以後、フリーの監督として東映と本数契約を結んでいます。

 北海道の小さな漁港。網元のドラ息子、次郎(梅宮辰夫)は久しぶりに実家に戻りますが家はすっかり没落していた。漁港はヤクザの芦田一家に支配され、漁師はみんな言いなり。息子の元(室田日出男)と用心棒の熊井(高橋丈二)を恐れて皆は文句は言えない。諦めて細々と暮らす兄、利夫(山城新伍)に何とかしようとしている弟、真吉(谷隼人)を尻目に博打に熱中する次郎。しかし、次郎は博打を通じて密かに情報を探っていたのだ。業を煮やした真吉は祭の日に芦田一家に殴りこみをかけるが、返り討ちにあってしまう。なぶり殺しにされた真吉の死体を前に漁師達は立ち上がるのだった。

 どんな悲惨な目にあっても耐えて耐えて最後に敵を倒す、というストーリーは仁侠映画を思わせます。深作監督があまり仁侠映画が好きでないのは敵を倒す工夫がほとんどないところだったようです。力の無いものが工夫をして強い敵を倒すというのが一種のカタルシスになるのですが仁侠映画にはあまりそういう部分がない。この映画でも次郎が熊井から敵が持っている武器を聞き出そうとするシーンがありますが、何とも中途半端です。仁侠映画か、と言うと少し違うような気もするしね。

 悪役の室田日出男が生き生きしています。片時も銃を手放さない乱暴者として登場して凶暴っぷりを見せ付けています。「脅迫(おどし)」の強盗役も面白かったですがこの映画の室田も面白い。山城新伍は実直な兄貴役で出演。昔はこんな役もやってたんですね。

監督:深作欣二 脚本:佐治乾、神波史男 音楽:富田勲

出演:梅宮辰夫、山城新伍、藤田進、清川虹子、谷隼人、由利徹、水島道太郎、小林稔持、高橋丈二、安部徹、室田日出男

☆密かに連ドラにハマっている。連ドラは前期をNHK東京が撮り、後期をNHK大阪が撮っている。ここ最近、東京の方がダントツによかったのだが、昨年の「まんてん」からNHK大阪が妙によくなってきている。今年は東京が撮った「こころ」が本当につまらなかった。それに対し、NHK大阪の「てるてる家族」がこれが本当にもう(・∀・)イイ!!のだ!まずミュージカルシーンを入れるという取り組みがえらい。ミュージカルってめちゃくちゃ金がかかるのだ。脚本も本当によくできている。関西人の心をくすぐるギャグの数々。最高である。そして。。何より先週の金曜日から出てきた石原さとみちゃんの可愛さと言ったら!ちとびびった。こんな可愛い子がまだいるのですね。あと3年は生きてみようと思いますた。

☆福島瑞穂党首ですか。はっきり言うが土井さんなら男性の票もつかめたが、福島では男性票は皆無になると思うた方がええぞ。あんないい加減な奴、おらんのだ。今までの発言をつぶさに追ってみよ。横山弁護士なんかよりもよほどいい加減な人間である。大体、参院の議員を党首にする党はつぶれるぞ。最近も一つあったですね。Oうぎ党首ってのがいました。しかしこのつぶれそうな党でも衆院の阿部和子が造反を企んでいると言う。サティがつぶれる寸前まで権力闘争を繰り広げていたことを思い出しても人間はやはり権力の動物なんだなあ。

☆ダイエーが大変なことになってます。今季のオフに外資に売却予定だが日本一なんかになっちゃったんで給料が払えなくなっちゃった。小久保にしても泥舟で沈むのは厭だったんじゃないの?選手会がどんだけ頑張っても球団に義理尽くしても甲斐ない球団だぜ、ここは。まず中内正を何とかしろ。普通、親父が辞めた時点で辞任するだろう。わからんちんには実力でわからせるしかないのやで。それ以上は何も言わん。ここで動かんとこんなあの出番はもうないで。。。のう?


 今日の深作まつりは「柳生一族の陰謀」。お待たせしました。別に飽きてきたとか感想書くのがしんどいというわけではなく、単に時間がなくてビデオを見れておりませんでした。つうか、最近忙しすぎだ。とか言いながら有休を取ってるわけですが。

 時代を見抜く名プロデューサーにその期待にこたえる監督、ライター、そしてキラ星のごとく続々と出てくるスター達のおかげで走り続けた東映も遂にかげりが見えてきた1978年。
東映社長の岡田茂は従来のプログラムピクチャア路線より、大作路線への転向を打ち出します。しかし仁侠映画は今や時代遅れ、実録路線も行き詰まっておりました。そこで原点回帰だということで選んだのがなんと時代劇。当時、75年よりスタートした映画村は東映のドル箱的存在(今は昔だな)だった時代だったので時代劇のあたる下地はあったのかもしれません。ご存知のように東映は元々時代劇の会社なので衣装にしてもセットにしても一流のものが揃っていたわけです。

 が、最も従来の片岡千恵蔵、大川橋蔵の時代劇をやっても仕方ない。だから監督は時代劇を撮ったことがない深作だったんでしょう。「映画監督・深作欣二」によると深作が考えたのは「仁義なき戦い」の構図を時代劇に移すことでした。跡目相続と言えばお家騒動だ、と三代将軍の跡目争いを題材にした。深作が目指したのはヤクザ映画風時代劇。松方、成田、室田とヤクザ映画の常連を呼んだのもそう。ただ、問題は主演が萬屋錦之助だったこと。

 萬屋錦之助。子役からひばりとの共演で話題を呼び、「宮本武蔵」シリーズなどの多くの東映時代劇に出演したプリンス。東映がヤクザ映画に以降する際に労働組合のリーダーとして反対し、東映を退社していました。その錦之助が10年ぶりに東映に帰って来る。会社にしてみたら、それだけでこの博打は勝ちと考えていたのでしょうが深作監督にしてみたら撮影初日にあの芝居を見たときに「驚いたというか唖然となったというか(笑)。」とにかくトーンが違う。実際に見てみればわかるのですが、台詞回しのトーンが全然違う。歌舞伎調なんですね、一人だけ。すごく芝居がかってる。で、演技が大仰。

 が、錦之助にも別の考えがあった。大河ドラマで柳生宗矩を演じたことがある彼にしてみれば、従来と同じ演技ではこの話は生きてこない。もっと大仰で異様な怪物にしてしまわないと凄みが出てこない。主君の父親を毒殺し、額から血を流しながら天下取りを進言。自分の子供が死んでも眉一つ動かさない。世話になったものでも邪魔になれば棄ててしまう。悪人という言葉で片付けられない”大物”です。ただそんな男でも普通に演じてはそこに男の悲しみも同情の余地も出てしまう。そうは観客を思わせないほどの演技と言えばあの大仰な演技しかなかった。

 その大物が最後に「夢でござある!」と狂ったように動揺して大喝してやっと映画が終わるのである。まあ言わば「バットマン」でジョーカーを演じたジャック・ニコルソンのようなもの。あの映画もニコルソンのあの怪演がなかったらちっとも面白くなかった。あくまでもスマートでリアルな演技を要求する深作とはうまくいかなかったみたいですが、この錦之助の工夫は大当たりだったと思います。もっとも錦之助にしてみればこんなのは例外中の例外で「時代劇復興のお祭」の一夜の夢で次回の「赤穂城断絶」では深作と激しく対立することになります。

 2時間10分もある大作なのですがテンポのよさと展開の面白さからちっとも退屈させません。主題はお家騒動ですからな、しかも悪人が勝ってしまう、厭な話なんですがあまりそう厭な気がしない。これは悪役の柳生宗矩の大物っぷりとどことなく、哀れさえ感じてしまう家光の影響が大きいと思う。松方演じる家光はよかった。気の小さい善人なのだが宗矩に丸めこまれて権力者に成長していく。この二人の関係がまたいいんだ。悪人だけど。

 それから剣豪公家を演じた成田三樹夫がすごかった。この人は深作の映画では変な役をよくやるんだが「おじゃる」言葉を操りながら刀を振り回す白塗りの公家は笑うというより、神々しささえも感じてしまい、思わず拝んでしまった。深作監督も気に入ってたらしく「映画監督・深作欣二」で「例の成田三樹夫の奥お公家さんが非常に面白かったもんだから、何かあるとすごく白塗りしたくなるというか(笑)。」と述懐しています。後に「忠臣蔵外伝四谷怪談」や「阿部一族」でも白塗りを使いました。

 それに立ち向かうはJACの主催者、千葉真一@十兵衛。この二人の対決は必見。それから浪人の中谷一郎が公家の梅津栄を追っかけて首を刎ねた直後に撃ち殺されるシーンがよかった。それからもちろん最後。忘れられん。

 結局、「柳生一族の陰謀」は8週間のロングラン(当時は3週間ほどの公開が普通だった)となり大ヒットを記録します。「柳生一族の陰謀」は後に千葉真一主演でドラマ化もされました。ちなみに「キルビル」で千葉ちゃんがユマに授ける戦いの極意として言う「仏に会っては仏を殺し。。。」の台詞はこのドラマの中で使われていたナレーションです。映画でも家光を説得するシーンで使われていました。
☆「キル・ビル」のヒットで梶芽衣子さんの「恨み節」と「修羅の花」が再発売だとか。世の中、何が起こるかわかりませんな。案外、「番長シャロック」なんかもまた売れたりして。ここのページでも一度触れましたが「銀幕ロック 御意見無用」という東映映画を中心にした映画の主題歌ばかりが収録されたCDが発売されており、梶芽衣子の歌もここに入っていますのでご参考に。私のご推薦は若山富三郎の「極道行進曲」「極悪坊主」と文太さんの「吹き溜まりの詩」です。

http://www.zakzak.co.jp/geino/n-2003_11/g2003111514.html

☆今日は高槻松竹で上映中の「不滅の時代劇傑作選2」を見てきました。「影の軍団・服部半蔵」と「柳生一族の陰謀」の二本立て。来年からは多分、新しい映画はあまり見ないでリバイバルばかりに足を運ぶことになると思うんだが大変面白かった。でも客はガラガラ。映画館が次々と無くなる昨今でここもどうなるか、わからないがこれからも頑張って欲しい。

☆総選挙終了。結果的に民主一人勝ちに見えるが民主も落とすところは結構落としている。特に自由党の代議士がたくさん落選している。小沢の譲歩なんだろうが少し気の毒だ。東祥三も落ちちゃった。大物も続々と落選した。民主の躍進の理由は二大政党制への期待が見られるとのことだが民主党はまだまだ安定感がないので苦労するだろう。それから社民の減だがこの党を「右傾化への警鐘を鳴らす党」とか「護憲」の党だと思ってる人はかなりの政治オンチである。社民党は土井を始めとする個性強い議員達の人気とカビが生えた本多某のようなジイジイの意地で持ってる党でインディーズ政党である。ゼロになるか、増えるかわからんが私が死ぬまであるんじゃないだろうか?まあ、日本愛国党のようなもの。

☆金曜日、有休をとって現在、三連休中である。明後日から仕事だと思うと激しく憂鬱である。長く休むもんじゃないですね。

 今日は森田芳光の「阿修羅のごとく」。向田邦子脚本のドラマのリメイクです。このドラマはNHKで昭和54年に放送されています。演出は和田勉。私(昭和53年生まれ)の世代では和田勉は駄洒落親父のイメージが強くて何の商売してるのかわからんかったのですが、演出家だったんですね。最近、BSで再放送されたそうですが全く知りませんでした、クソ。DVDは12月21日に発売されるそうなので興味ある人はどうぞ。

 数年前、何気なく今は無き京都ピカデリーで見た「刑法39条」があまりにもすごい映画でそれ以来、森田芳光は気になる監督の一人でした。「黒い家」もめちゃくちゃ面白かったし、「模倣犯」もそんなに悪い映画とは思いません。映画監督で一番必要なのは時代を見抜く勘というか感性だと思う。森田芳光はそれに非常に長けている。今みたいにネット恋愛とか出会いサイトとかネット心中が話題になる前からネットの匿名性の面白さに注目していた「(ハル)」にしても、原作にあった理屈をすっぱり捨て去った「黒い家」にしても、家族の変容について触れた「家族ゲーム」にしても時代を超えて刺激を与えてくれる。が、今回の「阿修羅のごとく」は。。。

 まず疑問なのは何で舞台を昭和54年にしたのか。確かに向田邦子の脚本を生かそうとしたら時代は変えない方はいいと思うがあくまでも原作なんだから。「模倣犯」では原作者をいらつかせるほど変えた森田監督にしてはなんか意外。インタビュー(http://movies.yahoo.co.jp/static/20031101-interview-ashura.html)では「嫉妬やある種の優しさとか、そういった人間的な会話の面はオーソドックスなものだから、新しいから古いからというのは、あまり関係ないという気がしますね。だから、変に時代に合わせるということは考えませんでした。」と答えています。

 確かに、とは思いますがだったらその時代に放送されたドラマをそのままリメイクすることに意味があるのか、と思ってしまう。それにやはり、「あまり関係ない」とは到底思えない。当時に比べたら女性の社会進出も進んでるし、何より家制度というものはほぼ崩壊している。そんなことは森田監督が一番よくわかってると思うのだが。最近、20代の女性監督が、「蛇イチゴ」という、家族制度にズバリ切り込んだスゴイ映画を撮ってるのに比べると森田監督も年老いたのかな、と思ってしまう。

 私はドラマを見ていないのでどこを切ったのか、残したのかわからないですがダイジェスト版みたいな印象を受けました。カット、カットが短いのはいつものことですが恐ろしくテンポが悪い。黒木瞳のカットがやたらに多いのだがこんなにいらない。向田邦子の名前に隠れてしまってるが脚本は「華の乱」の筒井ともみ。この人がもっときっちり刈り込んで詰めて書いてくれたらまた印象も違ってただろう。

 大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子が四姉妹。大竹しのぶは相変わらずうまいし、深津絵里もいいのだが黒木瞳と深田恭子はもう一つ。黒木瞳に普通のオバサンは似合わないし、深田恭子は色気が抜けきって全然可愛くない。風呂入ってるシーンがあるのだが男の体にしか見えんかったぞ。「模倣犯」では全然目立たなかった木村佳乃が嬉しい誤算。小林薫の不倫相手にして、秘書なんだが何とも言えず淫卑。(これ褒め言葉だぞ。)ちっとも色っぽい格好してないのにめちゃくちゃやらしい。それから桃井かおりは出番少ないが面白い演技を見せてくれる。長澤まさみはお気に召さなかったようで本当のチョイ役。「ロボコン」とか言うてますが。男性陣では中村獅童が芸の幅を見せてくれて小林薫は相変わらず安定。仲代達矢もよくもわるくもないが、最近ずっとこんな演技だな。一番よかったのはドラマにも出演していた八千草薫かな。公園でのあの表情はスゴイ。あの表情は長く女優やってる人しか出せないと思う。

 人は誰でも阿修羅。妬み、怒りという負の感情を持っています。人と付き合う時にはこの他人の、そして自分の阿修羅とどう付き合っていくか。お他人さんはもちろん、家族、夫婦、兄弟の間でも扱いかねる。厭な話ですね、まったく。ふとしたきっかけでわずかな”しこり”は決定的な”亀裂”に発展する。父親の不倫が主題になっていますが、姉妹間のしこりに後家さんの悲しみなども扱っています。その分、ドラマはリアルになっていて、しんどいのですがそこはやはり、笑えるシーンも散らばせてくれるのであまり深刻になることはないです。

 が、やはり2時間15分は長い。後半はいいんだが、前半が退屈で何回か寝そうになった。森田監督は映像技術で面白い画面作りしてくれるのだが今回はそれもほとんどなし。卵が割れるシーンとRIKIYAがみかんをポンポン投げるシーンぐらいかな。なんかね、それなりに面白いし、豪華キャストなんだけどありがちな映画なんやね。安易に興行成績だけを狙いに行ってる。篠田正浩みたいで森田らしくないです。

監督:森田芳光 脚本:筒井ともみ 原作:向田邦子 撮影:北信康 美術:山崎秀満 音楽:大島ミチル
出演:大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子、小林薫、長澤まさみ、紺野美沙子、仲代達矢、八千草薫、木村佳乃、佐藤恒治、中村獅童、RIKIYA、板東三津五郎、桃井かおり、益岡徹

 今日、紹介するのは知る人ぞ知る名作「人情紙風船」。1937年の作品です。監督は山中貞雄。「もし山中貞雄がいたら黒澤の出る幕はなかったかもしれんね」とまで言われた監督です。

 京都生まれの京都育ち。子供の頃からの大の映画好き。長じては、日本映画の始祖マキノ省三の息子マキノ正博の縁で脚本家になります。時は第一次日本映画最盛期。脚本家として頭角を表した彼にも監督の口がかかります。弱冠、23歳で監督デビュー。その年の話題を掻っ攫います。テンポよく、斬新な演出。その新しいスタイルは「髷のある現代劇」と評されました。

 現在、残っている山中貞雄監督作品は「丹下左膳余話 百万両の壺」「河内山宗俊」そしてこの「人情紙風船」の3作品ですが、これらの作品からだけでもこの監督の力量は十分窺い知れます。「丹下左膳余話 百万両の壺」なんてすごいもん。テンポの良さからカット割、展開の面白さで何回見ても飽きない。京都で上映されるたびに見に行ってます。

 江戸深川のある長屋。折からの長雨で住人達は食うや食わずの日々を送っていた。やっと雨がやんだと思えば長屋に住んでいた浪人が首を吊った。詮議の為に足止めを食う長屋の住人。やけになった長屋の住人は大家が出した回向のお金で酒盛りをする。そんな住人を横目に同じく長屋の住人である海野又十郎(河原崎長十郎)は仕官の口を求めて重役の屋敷に日参する。妻は生計を立てる為に内職で紙風船を作り続けている。

 その海野の隣に住む髪結いの新三(中村翫右衛門)はモグリで賭場を開いてヤクザの親分に睨まれている。ある日、新三は質屋の前で海野がヤクザに袋叩きになっているのを見つけ、助けに入る。海野は父親の同僚で現在、藩の重役である毛利三左衛門(橘小三郎)に掛け合っていた。毛利にとっては海野は会いたくない相手。ヤクザと結んでいる質屋の主人に頼んで厄介払いさせたのだ。

 が、海野はそれでも諦めない。妻には今度逢ってくれるらしい、と嘘をつく。大雨の日、海野は質屋の前で毛利を捕まえる。父が生前したためた手紙を読んでもらおうとするが受け取ってももらえず、「二度と目の前に現れるな」と冷たく言い捨てられる。しかし彼はそれでも妻の前では「手紙は受け取ってもらえた」と嘘をつき続けるのだった。

 新三は賭場の資金に商売道具を質入れしにいくが邪険に追い返される。質屋が自分の娘を毛利の縁で大名に嫁がせようとしていることを知った新三は腹いせに娘を誘拐する。質屋は犯人は新三に違いないと睨み、親分に新三の家を探らせる。が、娘は出てこない。娘は隣に住む海野の家にいたのだ。親分の鼻を明かしたくて始めた誘拐だったが、大家の仲介で金がついた。長屋の皆を誘っての飲めや歌えやの大宴会。その席上、海野は毛利が困ったという話を聞いて大変喜ぶのだった。帰り道、新三は一人、行き先も告げずに去っていった。

 帰省していた妻は長屋で夫が今度の誘拐に一枚噛んでいる事を知る。そんなことも知らずに上機嫌に帰って来る海野。その着物から覗いているのは彼が渡したと言った父親の手紙。全てを察した妻は。。。

 あくる日、長屋で無理心中の死体が発見される。その家からこぼれ出た紙風船がゆっくりとどぶを流れていく。。

 映画にこめたメッセージをくどくどと説明することなく、画面に映る紙風船だけで見事に表しています。全体的に喜劇調で、苦しい物語なのにどこかハッピーエンドを期待していた自分は度肝を抜かれました。こんな悲しい映画あるか。何故、彼が死ななくてはいけないのか、と感じてしまう。が、このエンドなくてはこれだけの余韻はなかっただろう。

 この作品の封切日に赤紙が届き、山中貞雄は中国戦線に発ちます。1938年9月17日、野戦病院にて病死。享年29歳。五ヶ月前、彼は従軍記のノートに遺言を残しています。

 「人情紙風船」が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ。負け惜しみに非ず。

そして仲間に宛てて「よい映画をこさえてください」と書き残しています。合掌。

*山中貞雄の従軍記については京都文化博物館で現在、展示されています。


☆いよいよ総選挙で私も不在者投票をしてきました。小選挙区は若さに期待して30前の民主党の候補にいれておいたのですが、比例区は30秒ほど考えてしまいました。まあその日は急いでおったのでとりあえず民主党と書いたのですが。。今から4年ほど前の衆議員総選挙では比例区は自由党に投票しました。今回はその自由党が無い。正直、民主党にも同調できんとこがあります。でも、共産、社民は死んでも入れたくないし、公明党も厭だ。じゃあ。。自民党か?う〜ん。。。多分、こういう人は案外多いんじゃないだろうか。

☆曰く、内閣閣僚名簿発表とのことで、世間を騒がしてましたが。なんか、ただ有名な人を並べたという感じで。鳩山由紀夫なんてもう終わってるし。隅のほうで大人しく鎮座ましてましたが目が死んでました。
#文春によると当落線上らしい。今回は地元にピターと張り付いてるらしいけど、票が逃げる逃げる。

☆福田官房長官曰く「ほー悪くないですね。まあ何をなさってもいいですけどね」と余裕の表情。この人の官房長官ももうすぐ丸3年か。今の内閣では官房が一番力を持ってて、実際に国動かしてるのはこの人と飯島秘書官らしいです。実はすごい人なんですね。
#枝野(民主党内閣での官房長官予定)につとまるとは到底思えない。

☆つうか、間違いなく票落としたぞ、これは。今の民主党CMも菅が独裁者にしか見えない。もっとはっきりと喋れ。二大政党制は必要だと思うけど、政権担当能力がないでくのぼう政党ができても意味ないけんの。

☆明日は「マトリックスレボリューション」見てきます。世界同時公開にも関わらず、キアヌが新宿にきてたんですね。アメリカで舞台挨拶とかしなくてもいいんでしょうか?もしかしてキアヌ人気は日本だけか?
#また10キロ太ったんか?


何を今更ですが8月後半に見た映画の短評を更新し忘れてたので更新しときます。もう随分昔な気がするなあ。。

ギャングスター・ナンバー1 8/29 みなみ会館
★★
→これめちゃくちゃ期待して見に行ったんです。まあつまんない映画ではなかったんですが正直もうひとつ。ストーリーも面白いし、男泣き必死の映画なんだけど演出がもうひとつ。奇をてらわずにもっと普通にした方がよかったと思う。充分、面白いんだし。

ゲロッパ! 8/30 MOVIX京都シアター1
★★
→井筒和幸という男は世間でのイメージ以上に映画に対して真摯に向き合ってますし、生真面目な映画作りはそれなりに評価できるものだと思う。ただ惜しむらくは彼の最も良なりとする映画は60年代初頭のよき時代なら受けたと思うが今の観客には少し食い足りない。いっそのこと、ドラマでも1クール撮れば何か見えるものがあるかもしれない。これ以上は私の口からは言えないです。

パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 8/30 MOVIX京都シアター4
★★★★★
→映画ファンの評判が妙にいいので見に行ってみたがやっぱり面白かった。子供向けの題材なれど海洋アドベンチャーというものをよくわかっている。それにジェフリーラッシュやジョニーデップが加わったのだから何もつけるもないです。音楽も(・∀・)イイ!!。

☆黒蜥蜴 8/30 シネ・ヌーヴォ
★★★
→丸山明宏主演の一本目。何故か満員。始めに明智小五郎が出てきたときにはひっくり返った。これ深作監督のかなり初期の作品ですが外国ではめちゃくちゃ有名で深作の名前は当初、ゲイ映画の監督として知られていたようです。ついでに言うとこの黒蜥蜴軍団が「キルビル」のクレイジー88のモデルとか何とか。三島由紀夫が何とも言えん役で出演してます。

☆仁義なき戦い 8/30 シネ・ヌーヴォ
★★★★★
→スクリーンで見るのは二回目。しかしこれだけ多くの登場人物を本当によく裁き切ったもんだと思う。主人公は中盤ほとんど出てこない。こんな映画も珍しいですね。個人的に好きなのは坂井の鉄ちゃんの松方と狂犬有田をやった渡瀬恒彦ですね。

☆仁義なき戦い 広島死闘編 8/30 シネ・ヌーヴォ
★★★★★
→随分久しぶりに見たような気がする。広島死闘編ってこんな悲しい映画だったんだな。山中が逃げていくシーンでは思わず涙が出た。松永を演じた成田三樹夫が光ってます。もちろん千葉ちゃんもすごいけど。

☆仁義なき戦い 代理戦争 8/30 シネ・ヌーヴォ
★★★★★
→深作健太氏曰く、もっとも好きな作品で映画作りに煮詰まった時にはこの映画で勉強しなおしてたそうです。脚本の笠原和夫氏曰く「ドンパチがないのにどうやって映画として成立させるか、悩んだ作品だった」と述べておられます。全編通じて盃外交で地味なんですがこのせめぎあいがゾクゾクするほど面白い。「まま、みな仲よう」や「まあこんなバカですけど面倒みたってください」「イモじゃイモじゃ」など多数の名言、名シーンを生み出した傑作。まさに映画の教科書ですな。

☆仁義なき戦い 頂上作戦 8/30 シネ・ヌーヴォ
★★★★★
→オールナイトで見ていたのですがこの作品の途中で寝てしまいました。全編ドンパチだらけなんですが前半がやや退屈。確かにこのラストで続編作れと言われたら怒るわなあと思うほどしみじみしたラスト。でも続きます。

☆両日とも雨が降ったりやんだりですっきりしない天気でした。でも人の量はなんかすごかった。もっとも京都は平日よりも休日よりも人が多いので、いつもすごいんですが。3日に大阪に行ってきたのだが凄い人だった。知らんかったんだが、阪神のパレードだったんですね。ずぶぬれで阪神のハッピを着てる人をやたらに見ました。この人ら、去年もファンやったんやろうか。他地方の人から見れば関西は阪神ファンばかりなんでしょうが実際は巨人ファンもかなり多いし、阪神ファンと言っても「なんとなく阪神ファン」もかなり多かった。それが今年、回りがもう100年以上阪神を応援してるファンばかりになっちゃった。まあいいんですけど。ヤクルトのファンとしては甲子園のレフトスタンドまで阪神ファンで満杯という今の状況はチト勘弁です。前から阪神ファンばっかでしたけど、今は席とれへんもん。

☆京都文化博物館のKYOTO映像フェスタを見てきました。大きく分けると映像の技術的なことと映画の歴史に分かれます。自分の姿が大魔神とツーショットになってたり、なかなか面白い。映りこみってやつですな。それから大魔神もいます。京都アニメーションのアフレココーナーとか太極拳を踊るロボットもいます。

☆ただ私がハマったのは映画の歴史の方ですな。横田永之助が映画の興行を始めたのが1897年。そこから日本映画の歴史が始まったのだ。日露戦争のニュース映画からマキノ省三が映画を作り始める。目玉の松っちゃんの大ブームから映画俳優という職業がスタート。やがて傾向映画の時代がやってくる。独立プロ、映画会社、撮影所が乱立しながら映画は戦争に飲み込まれる。映画会社は一つに統合され、国策映画の時代。山上伊太郎の憤死、山中貞雄病死。映画人は自由に映画を撮れる日を夢見ながら爪をとぐ。そして戦後、GHQによるチャンバラ規制を乗り越え、1951年黒沢明は「羅生門」を撮る。。この間、これ以降もそしてこれからも京都は映画の現場であり続けているのだ。そのことが確認できる、素敵な催しです。京都は私が思う以上にずっとすごいのだ。在野で研究を続けている学者には本当に頭がさがる。特に立命館はえらい。ほとんどの資料が立命館じゃんか。

☆残念なニュースもある。昔、映画館街と言われた新京極よりまた一つ映画館が消える。美松劇場の来年の1月での閉館が決まった。いつか来るだろうと思ったが遂に来たか。でも正直な話をすると営業努力も全然してなかったし、ある意味自業自得だと思う。

☆文化博物館では「ミュージックシアター」と題するシネマジャズライブもあって行って来た。なかなか楽しかったのだが映画好きが満足できる内容と言えば少し違うと思う。コンサートってのは基本的にファンしか来ないんだが、こういうイベントはファン以外の人も来るのでどうしても温度差ができる。ファンじゃない人にとっては映画の曲、ほとんど無いやんと思うし、ファンにとっては彼らの曲をやって欲しいのだと思う。K−106というグループが少し気の毒になった。私は彼らのことは全然知らんかったが少しファンになった。何にしてもコンサートはいいもんだ。耳がキーンとなったけど。

☆2日はMOVIX京都で「フレディVSジェイソン」と京都文化博物館で「用心棒」。3日はテアトル梅田で「10億分の1の男」とこの連休は4本ですか。まあこんなもんかもしれません。特に見たい映画もないことですし。「阿修羅のごとく」早く見たいんだけどねえ。。

☆親戚が亡くなりました。明日はお通夜です。
■アバウト・シュミット 10/5 祗園会館
★★★★★
→一回目見たときにはクスクス笑えたが何故か今回はちっても笑えずに見終わってとても悲しい気分になった。この映画を、単純に老いて嫁を失った男の悲しみを描いた物語と短絡に考えてはいけない。老いも若きも男も女も結局、人生にどこかむなしさを感じながら生きなければならない。(アホ除く)他者に認められない自分を抱いていかねばならない。死にたくなるね。本当に。でも生きていかないとね。

■戦場のピアニスト 10/5 祗園会館
★★★★★
→はじめ見た時にはとにかくセットの豪華さに驚いた。ポランスキーってのはもう結構な年なんだがこれだけの金を集められるんだな。主人公はとにかくもう逃げてばっかりでずっと隠れてるだけでカタルシスにはやや欠けるのだが、それがまた実話を元にしたリアルな映画になっている。思うにシュピルマンは結局、レジスタンスでもユダヤ人でもなくピアニストだったのだ。彼を助けた人は運動の一環や自らの良心から彼を助けたと思う。しかし彼はピアニストでしかなかったから決起にも加わらずに隠れ家からそれを眺めているにすぎなかった。長らくの潜伏生活の末につかんだ彼の答えは自分はピアニストでしかない、ということだった。そして彼のピアニストとしての自覚を取り戻させたのがドイツ将校であったというのがすごい皮肉なんですよね。戦争は全く関係の無い個人までを巻き込みます。結局、この映画が言いたかったこというのはそういうことじゃないでしょうか。

ビタースィート 10/10 動物園前シネフェスタ(SCREEN4)
★★★★
→GO!GO!ドイツ映画。ということで二週続けて見に行ったドイツ映画。このクソ忙しいのに仕事帰りにわざわざ動物園前まで行ってきました。が、見た甲斐があった。普通の少女が外で父親の浮気を目撃してしまう。そこから彼女の世の中に対する思いなどは180度変換してしまうのだ。突っ走る彼女だが、そんな彼女を友人は優しく見守る。そして。。ラストは涙なしでは見られない。

テハンノで売春していてバラバラ殺人にあった女子高生、まだテハンノにいる 10/10 第七藝術劇場
★★
→韓国のインディーズ映画でまず題がめちゃくちゃ長い。まずエンドロールから始まる狂ったオープニングから始まってもう何がなんだかわからない。エロあり、スプラッタあり、改造ありと2ちゃんねるのAA長編をそのまま映画化したような作品。テハンノってのは繁華街で関西で言うとアメ村とか木屋町みたいなところ。

釣りバカ日誌14 お遍路大パニック! 10/11 MOVIX京都シアター7
★★★
→なんだかんだ言って毎年のお楽しみでテレビは必ずチェックしてるシリーズ。ベタなんだけどやっぱり見てしまう。それだけにあえて苦言を呈しました。

インファナルアフェア 10/12 MOVIX京都シアター1
★★★★
→こういう貧乏くさい役をやらせると右に出る者がいないトニー・レオンと哀川翔に似ているせいかVシネ俳優のような雰囲気を持つアンディ・ラウ共演の刑事物というか犯罪物というかアクション映画というか、まあそういうもん。久々の香港映画で当たりを引きました。なるほどこう来るか。。贅沢な二時間足らずでございました。聖林でもリメイクするらしいですな。

浮雲 10/12 京都文化博物館映像ホール
★★★
→長いこと日本映画見てますが成瀬の作品って実はほとんど見てないんですよね。「めし」は多分見ていると思うんですが。。今は婆さんですが高峰秀子は若い頃は大層綺麗で私は「秀子の応援団長」まで実は見ておるのですが、大変かわいいです。秀子さんにみとれてた2時間でございました。

リーグ・オブ・レジェント/時空を越えた戦い〈吹替え版〉10/18 京極東宝3

→ヒーローが集結して戦ったら面白い映画ができるやろ、と安易な思いつきで作られた映画。荒唐無稽かなとまで思えるような案からヒットが出ることもありますが「フレディVSジェイソン」のようにまず脚本ありきやろ。日本にはなあ、「座頭市と用心棒」という似たようなコンセプトの失敗作があるんだ。まずこれを見て勉強すべきだったな。というか出ている奴がマイナーな奴ばかりで驚きが全然ないです、と思うのは私が日本人だからか。

藍色夏恋〈あいいろなつこい〉 10/18 美松劇場2

→全然あかん。まず女の子があんまり可愛くない。よく見たら山下大輔(通称・大ちゃん。横浜ベイスターズ監督)に似てる。とりあえず、それらしいのを作っとけというやっつけ仕事ぶりが溢れた映画で友人の性格が全くわからん。主人公もレズなんかよくわからんし、男はタダのバカだし、誰にも感情移入できない。

名もなきアフリカの地で 10/18 MOVIX京都シアター2

→この日は3本見て全部星一つでした。アカデミー外国語映画賞受賞作品の名に恥じない、”良質”印の映画です。でもそれだけ。

28日後... 10/19 シネ・リーブル梅田シアター2
★★★
→ダニーボイルには散々騙されてて、見に行かんつもりだったんですが行ってきました。展開が読めないパニックムービー。ドラゴンなんとかとは大違いだ。人々の行動もリアルだし。ただエンディングを二つ分ける意味があったかどうか疑問。なんなんだ?あれは。

BORDER LINE 10/19 第七藝術劇場
★★★★
→非常に脇が甘い映画で未熟な映画ですが、世の中の切り取り方がなかなかうまい。夢の持てるラストに免じて星4つ。光石研はこの映画で新境地を開いたね。

蛇イチゴ 10/27 梅田ガーデンシネマ2
★★★★
→「BORDER LINE」と同じでまだまだ未熟な映画だが、よくこんな映画思いついたなと思う。惜しむらくは脚本に演出がついていってない。ただ宮迫をこの役に抜擢した才覚は非凡。頑張ってください。

キル・ビルVol. 1 10/27 梅田ブルク シアター1
★★★★★
→俺にはとても面白いが俺みたいな映画ファンは希少なので多分ヒットしないでしょうね。あの日本人キャスティングは「殺し屋イチ」と「鮫肌男と桃尻女」に出ていた人ばかりらしい。なるほどね。しかしもっと日本が出てくると思いきや、出てるのは日本人でもアクションは香港テイストなのね。梶芽衣子さんの歌が流れるシーンでも日本人いねえし。タラ=日本通というイメージが少し強すぎるような気がする。多分Vol. 2では日本出てこないだろうし。


☆三連休で来週はまた土日仕事だというのにあんまり見たい映画がない。よりによって見たい映画は全部11月5日ないし、8日公開だ。ちょうど谷間にあたってしまった。こんな時に三連休だ。
☆中国の方でバカ留学生がなんかやったらしい。俺にしてみれば、日本人が死ねばアジアは平和になるとか平気で言う国に留学するところから間違ってる。はっきり言うが俺は中国が大嫌いである。国策としては日本との協力関係を謳っていながら、反日感情を煽る中国政府が嫌いだ。もっともそれは日本嫌いの軍部の影響によるものが大きいらしいが。ただ中国は嫌いだが中国人が嫌いとまでは言わない。そこは慎太郎とは違うぞ。世間の人は「アメリカ、氏ね」と書いてもなんとも思わんが「中国、氏ね」と書くと差別主義者呼ばわりだ。いい加減に中国に対するその妙なこわばりやめてくれんか?>朝日新聞
☆「てるてる家族」の再放送を見てから珈琲を飲みに行く。特に見たい映画もないので家で「踊る大捜査線」のビデオを見る。以前、湯布院映画祭で深津絵理が来た時にめちゃくちゃファンがおしかけた話を聞いた。割と地味な女優さんの印象があるが熱心なファンが多くいるらしい。
☆3時過ぎに京都文化博物館で上映されている「人情紙風船」を見に行こうと思い立ち、京都に向う。京都駅の旭屋書店で「映画秘宝12月号」と「てるてる坊主の照子さん」上巻を購う。キル・ビル特集の為か、目立つとことに平積みされていた。表紙がGOGO夕張である。すげえ。秘宝編集の「キル・ビル」本が無い。御池の大垣書店に行くがやはり無い。もしかして排除されたんか?
☆京都文化博物館に4時半につく。文化博物館では現在「KYOTO映像フェスタ」が開催されている。京都というのは大袈裟でなく、日本の聖林と言ってもいいぐらい「映画の地」でこういう祭典をもっとやるべきだと思う。が行政はもうひとつそのことを理解しておらん。この京都文化博物館は京都府がやってるもんで毎週、古い映画を二本上映している。府はえらい。市はアホだ。
☆「人情紙風船」は京都の生んだ映画監督山中貞雄の遺作となった作品である。戦前の映画監督で現存しているフィルムは3つしかないのだが、どれも大層面白い。数年前、京都映画祭でたまたま見た「丹下左膳余話 百万両の壺」を見てひっくり返った。キャラの巧みさ、言い回し、テンポのよさとどれをとっても素晴らしい。この映画が戦前に作られたとは思えんかった。「人情紙風船」は喜劇なんだがその中でもどこか死の匂いがただよっている。そしてあのラスト。このとき、彼は28歳。そしてその一年後に彼は戦地で没する。戦争というものは本当にくだらんものだ。
☆上映終了後にMOVIX京都に。明日の「フレディvsジェイソン」の券を買いに行く。ここでは一週間先の券を買うことができる。但し、キャンセル・変更はできないのでリーマンにはお薦めできない。私もリーマンだが金曜日の夜のチケットを購う。映画はもちろん「マトリックス レボリューションズ」である。その後、京都市役所購買部のゼストのくまざわ書店でやっと秘宝のキルビル特集を見つける。レジに平積みされて、別途ワゴンまで用意して「同和利権の真相」が山積されているのを見て思わず苦笑する。何故なのかは各自、考えましょうね。

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