「チーム・アメリカ」は日本で上映されるか?
2004年10月12日 映画に関する噂や更新情報、その他雑多なこと
☆何とかスパイウェアの除去に成功しました。(と思う。)今までベイビーのようにウィルス対策を何もしてなかった自分を恥じて、これからはまめにアップデートとかしようと思います。マル。あ、「う」のキーは壊れたままです。なんとかならんでしょうか。
☆昨日はTOHOシネマズ高槻にて「スウィングガールズ」、MOVIX京都にて「丹下左膳 百萬両の壺」を見る。やっとこさ見れた「スウィングガールズ」だが、やはり面白かった。作品の面白さ以上に嬉しかったのはこの映画がヒットしてることである。矢口監督は四畳半自己満足映画ばかりのオタク日本映画界(今の阪本とか黒沢)において、同じオタクでも前向きに「映画を1年に10本ほど見るけど日本映画はほとんど見ない」という日本映画が最も苦手と思われる分野に完全に切り込み、成功したのだ。これはすげえことなのだぞ。フジテレビの亀山氏が製作に名を連ねているから見ても矢口監督の映画が一般で洋画を相手に対等に戦えると認められていることが垣間見えるではないか。テレビの人はシビアですしね。ただ、ベタな題材をスマートに仕上げるのがこの人の本領だったのが、今回はあまりにもストレートに撮りすぎて昔の東宝映画みたいな雰囲気がある。少し、わかりやすくさせすぎという感じがした。井筒和幸じゃねえんだから。
☆「丹下左膳 百万両の壺」は東映京都が叡智を結集しただけのことがあって、非常に綺麗な映像にしあがった。東映にはこれだけの映像を作る技術があるのだから、時代劇の旗手として奮闘して欲しいんだが、、これも企画はガーデンシネマだもんなあ。。東映はアホの社長を切り捨てるだけで、いい会社になると思うけどな。さすがに今度の(名前もあげたくない)映画の大コケで社長はクビに。。ならんか。親父が生きてる限り。山中貞雄の「丹下左膳余話 百万両の壺」のリメイクということで山中貞雄の作品がDVD化して山中貞雄に興味を持つ人が増えたのは嬉しいことで、そういう意味ではこのあまりにも「そのまま」すぎるリメイクは評価できる。が、山中貞雄はやはり偉大だなあということが第一印象だというのはそれはいいのか?リメイクってそういうもんか?映像は綺麗だがテンポはまるで駄目でほんの少しの改正点が全部、裏目に出ている。役者にゃ罪は無いです、トヨエツには特に無いです。が、監督と監督経験のない彼を指名した会社はどうかねえ。。。あんまり悪口は言いたくないし、言わないけどさ。
町山智浩氏の10月10日の日記
↓ ↓ ↓
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20041010
☆個人的に渡米してもみてえと思ってる「チームアメリカ」に触れられています。まあ内容にもショック受けましたが(思ってたんと違ったんで)一番ショック受けたのはこれ。
どういう扱いになっているかによりますが、この部分だけで日本に来ない可能性が大です、ええ。
現に「サウスパーク」の傑作中の傑作と言われる「チンポコモン」が日本でビデオも出ないのは「ヒロ○ト」という、丸めがねのチョビ髭の人が社長だからです。テレビ放送は確実に無理でも映画館でかかるのだろうか。
私はめちゃくちゃ不安です。
ただでさえ、金正日が出てきてるんで大阪での上映は難しいというのに。朝日新聞、○吉連合に右翼が重なったら、上映無理だってえの。
やはり渡米しちゃうか?いっちゃうか?財布の中に2千円もないけど。
☆昨日はTOHOシネマズ高槻にて「スウィングガールズ」、MOVIX京都にて「丹下左膳 百萬両の壺」を見る。やっとこさ見れた「スウィングガールズ」だが、やはり面白かった。作品の面白さ以上に嬉しかったのはこの映画がヒットしてることである。矢口監督は四畳半自己満足映画ばかりのオタク日本映画界(今の阪本とか黒沢)において、同じオタクでも前向きに「映画を1年に10本ほど見るけど日本映画はほとんど見ない」という日本映画が最も苦手と思われる分野に完全に切り込み、成功したのだ。これはすげえことなのだぞ。フジテレビの亀山氏が製作に名を連ねているから見ても矢口監督の映画が一般で洋画を相手に対等に戦えると認められていることが垣間見えるではないか。テレビの人はシビアですしね。ただ、ベタな題材をスマートに仕上げるのがこの人の本領だったのが、今回はあまりにもストレートに撮りすぎて昔の東宝映画みたいな雰囲気がある。少し、わかりやすくさせすぎという感じがした。井筒和幸じゃねえんだから。
☆「丹下左膳 百万両の壺」は東映京都が叡智を結集しただけのことがあって、非常に綺麗な映像にしあがった。東映にはこれだけの映像を作る技術があるのだから、時代劇の旗手として奮闘して欲しいんだが、、これも企画はガーデンシネマだもんなあ。。東映はアホの社長を切り捨てるだけで、いい会社になると思うけどな。さすがに今度の(名前もあげたくない)映画の大コケで社長はクビに。。ならんか。親父が生きてる限り。山中貞雄の「丹下左膳余話 百万両の壺」のリメイクということで山中貞雄の作品がDVD化して山中貞雄に興味を持つ人が増えたのは嬉しいことで、そういう意味ではこのあまりにも「そのまま」すぎるリメイクは評価できる。が、山中貞雄はやはり偉大だなあということが第一印象だというのはそれはいいのか?リメイクってそういうもんか?映像は綺麗だがテンポはまるで駄目でほんの少しの改正点が全部、裏目に出ている。役者にゃ罪は無いです、トヨエツには特に無いです。が、監督と監督経験のない彼を指名した会社はどうかねえ。。。あんまり悪口は言いたくないし、言わないけどさ。
町山智浩氏の10月10日の日記
↓ ↓ ↓
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20041010
☆個人的に渡米してもみてえと思ってる「チームアメリカ」に触れられています。まあ内容にもショック受けましたが(思ってたんと違ったんで)一番ショック受けたのはこれ。
「チーム・アメリカ」には天皇皇后両陛下も人形で出演
どういう扱いになっているかによりますが、この部分だけで日本に来ない可能性が大です、ええ。
現に「サウスパーク」の傑作中の傑作と言われる「チンポコモン」が日本でビデオも出ないのは「ヒロ○ト」という、丸めがねのチョビ髭の人が社長だからです。テレビ放送は確実に無理でも映画館でかかるのだろうか。
私はめちゃくちゃ不安です。
ただでさえ、金正日が出てきてるんで大阪での上映は難しいというのに。朝日新聞、
やはり渡米しちゃうか?いっちゃうか?財布の中に2千円もないけど。
「週末映画雑砲」〜どうにもついちゃいねえ〜
2004年10月10日 映画に関する噂や更新情報、その他雑多なこと
☆しばらく更新が泊まっていた理由というのは、実はパソコンがウィルスにおかされてその対応に追われていたからで悔しいことにまだ問題は続いておるのです。起死回生の一発として購入したスパイウェアソフトがなんとインストールできない、というひでえことが起こっており、もうどうしたらいんでしょうかという感じでしかも「う」のところのキーが壊れました。もう弱り目にたたり目でございます。仕事でも遂にキレてしまいまして、大事には至りませんでしたが、仕事が嫌いになりました。キレると物を殴るという悪い癖があり、壁を殴ってしまい、右手を痛めまして、今はグーできない状態です。イテテ。。しかも、風呂場でコケました。
☆しかし「う」のキーが壊れるというのはこれ、相当にキツイですな。
☆明日、まだ休日は残ってるのですが、昼からほんの少し出ねばなりませんので休日という感じがしませんな。
☆今週末は「SURVIVE STYLE5」「CODE46」「ぼくセザール10歳半1m39」を見た。「ぼくセザール・・」が一番面白かった。テンポがよくて、すごく楽しい映画なのだ。主人公の少年が自分の子供の頃にそっくりなんですごく親近感がわいた。太めで運動神経が鈍くて食べるのが何よりも好きな男の子って、私やん!今でもそうなのは少し問題だが。「SURVIVE STYLE5」は日本のCM界最後の大物、映画挑戦という感じで絵作りやカットの作り方には見るものがある。CMで活躍するタレントがまるで顔見世のように魅力たっぷりに芸の幅を見せ付けてくれるのだ。日本映画を少しでも愛好する方なら見ても損はないはずだ。森下能幸や荒川良々、津田寛治まで出てるってあんた。ただ「パルプフィクション」へのオマージュなのか、物語の運びがややスローなのが気になった。ラストは素晴らしいのだがラストへの後半のテンポの悪さは前半がよかっただけにしんどく感じた。本来ならオンビートな映像が撮れる人がわざとオフビートにしているような。「CODE46」はその世界観は素晴らしいのだが中盤で寝てしまったので後半がわからなくなってしまった。あと、、、これは○○○○(さすがに伏字)の話なのね。映画マニアに人気が高そうなサマンサ・モートン好きにはたまらん映画だろう。だって。。ラストは。。ああ、かけねえ。。
☆しかし「う」のキーが壊れるというのはこれ、相当にキツイですな。
☆明日、まだ休日は残ってるのですが、昼からほんの少し出ねばなりませんので休日という感じがしませんな。
☆今週末は「SURVIVE STYLE5」「CODE46」「ぼくセザール10歳半1m39」を見た。「ぼくセザール・・」が一番面白かった。テンポがよくて、すごく楽しい映画なのだ。主人公の少年が自分の子供の頃にそっくりなんですごく親近感がわいた。太めで運動神経が鈍くて食べるのが何よりも好きな男の子って、私やん!今でもそうなのは少し問題だが。「SURVIVE STYLE5」は日本のCM界最後の大物、映画挑戦という感じで絵作りやカットの作り方には見るものがある。CMで活躍するタレントがまるで顔見世のように魅力たっぷりに芸の幅を見せ付けてくれるのだ。日本映画を少しでも愛好する方なら見ても損はないはずだ。森下能幸や荒川良々、津田寛治まで出てるってあんた。ただ「パルプフィクション」へのオマージュなのか、物語の運びがややスローなのが気になった。ラストは素晴らしいのだがラストへの後半のテンポの悪さは前半がよかっただけにしんどく感じた。本来ならオンビートな映像が撮れる人がわざとオフビートにしているような。「CODE46」はその世界観は素晴らしいのだが中盤で寝てしまったので後半がわからなくなってしまった。あと、、、これは○○○○(さすがに伏字)の話なのね。映画マニアに人気が高そうなサマンサ・モートン好きにはたまらん映画だろう。だって。。ラストは。。ああ、かけねえ。。
今日は「日本の首領」シリーズ三部作(この頃からシリーズって三作というのが当たり前だったのか?)、最終作の「日本の首領 完結編」。山口組と関東ヤクザの抗争を題材に取り、佐分利信、三船敏郎という二大看板に片岡御大まで加わった超豪華キャストでお送りする壮大なヤクザ映画です。監督は中島貞夫で脚本は高田宏治と変わらずです。二人ともこの作品以降、東映の大作を担うことになります。高田宏治と中島貞夫のコンビは名作「懲役太郎 まむしの兄弟」から始まって「沖縄やくざ戦争」「女帝 春日局」「首領を取った男」と多数。深作×笠原コンビに次ぐ東映の名コンビと言えるでしょう。
関東連合のモデルになったのは1963年に結成された「関東会」。山口組の東京進出に対抗して作られた関東やくざ連合で日本を山口組と二分しました。理事長、大石のモデルとなったのは錦政会(後、稲川会)の稲川角二(聖城)。「日本の首領 完結編」は関東連合の大石(三船敏郎)が不満分子の新藤(待田京介)を粛清するところからスタートします。
日本政財界の影のドン、右翼の大山喜久夫(片岡千恵蔵)は西日本最大の暴力団である中島組と関東連合を一つの組織に纏め上げようとしていた。安保改正(70年安保ってやつですな)の際に左翼への対抗勢力にしようと考えていた。大山は病に倒れたが中島組組長、佐倉一誠(佐分利信)の女婿、医師の一宮恭介(高橋悦史)によって蘇生した。大山は早急に任侠組織の統一を進めようとするが大石、佐倉ともに同意をすることはなかった。二人は”日本の首領(ドン)”になろうとしていたのである。
先手を取ったのは大石だった。統一の為にはまず中島組の勢力をくじくことだ、と考えた大山の後ろ盾を得てミクロネシアのリゾート計画に着手する。娘の郁子(山本由香利)を保守政治家の刈田(西村晃)の庶子、春男(織田あきら)の縁組させて、刈田との縁を作った。刈田は中島組の幹部、川西(菅原文太)の紹介で由紀子(大谷直子)を愛人にしていたが、由紀子ごと大石のもとに裏切ってしまう。
ある日、刈田は東南アジアに向かう。アメリカ側からの賄賂を受け取る為だ。ところが刈田はアメリカの議員と取引中に強盗団に襲われてしまう。事件を明るみに出てしまい、検察が動き始める。刈田はアメリカ側からの賄賂の領収書を持っていた。大石は全てを闇に葬る為に刈田と春男を殺害。しかし領収書は愛人だった由紀子の手にあった。。。
「野望編」もそうでしたが、この映画も女性の活躍が目立ちます。。男に棄てられてめそめそ泣くような女(やくざ映画の女は大体、こうだ)ではなくて、暴力と度胸を組み合わせて男顔負けの駆け引きを行なう、強い女が出てきます。前年に書かれた「北陸代理戦争」の野川由美子も生き生きしてたしね。大谷直子演じる由紀子という女も弱い女ではなくて、男を利用し、権力にすがりつこうとします。ラストの「うちの店や、うちの店や」と大騒ぎするシーンは圧巻。
政界工作、暴力が目立つストーリーになってますが、ドラマの中心はやはりファミリーにおかれています。佐倉の女婿としてファミリーの一員となった一宮がその中心になっています。医者の一宮は様々な面で佐倉に協力してきました。しかし、それはあくまでも医者としての自分を棄てないでの献身でした。しかし佐倉はそれを許さなかった。佐倉にとって一宮は今や辰巳(一宮によって毒殺される)や松枝(佐倉に自殺に追い込まれる)と同じように全国制覇するための部下に過ぎなかったのだ。がちゃがちゃとした前半と打って変わって後半は一宮の苦悩が描かれる。
キャストではやはり佐分利信。かっこよさ、大物感は消えうせて権力にしがみつく男の必死さを体全体で体現している。般若のガウンを着て踊るシーンがいい。出てくるだけで画面がピリッとする。怖いです。
内田朝雄と交代した片岡御大だが、いいとか悪いとかよりも三作通じてのキーマンを途中で役者を変えると言うのはやはり如何なものか。内田朝雄は仁侠映画、実録やくざ映画を通じて大物ヤクザを演じてきた俳優で貫禄から落ち着いた演技まで安心してみてられる役者である。小池朝雄と並んでダブル朝雄と高く評価する私には納得できるものではない。
菅原文太は三作全てに出て全部違う役を演じた。「仁義なき戦い」の松方みたいなもんだが、三者ともに特徴があった。この映画では下半身付随の幹部を熱演。無様に撃ち殺されるシーンで糸のように細い声をあげて絶命するところが今までの演技らしからぬ感じで面白かった。それから、出るたびに軍歌を歌い狂う西村晃や暗躍する若き幹部の寺田農、冒頭にいきなり殺される待田京介あたりが面白い。若手の活躍は相変わらずありません。佐分利、三船、御大のギャラが高すぎてか若干、キャストの駒が足りないような。
なお現実に起こった関東会と山口組の抗争ですが、警察の頂上作戦が激しくなり、関東会は解散。山口組も幹部が多数逮捕されて、抗争どころではなくなります。1972年、山口組と稲川会は手を結び、関西と関東の激突は回避されました。
「日本の首領」シリーズは一部で完結しており、あとは付け足しと中島貞夫も高田宏治も言っています。思えば、二作目と三作目はやくざ映画と言うにはヤクザらしくない男ばかりでそして何より女の活躍が目立つ映画でした。東映やくざ映画はこの後、人間の業をえぐり取る様な作品を作り続け、身内のドロドロとしたドラマを描いた「極道の妻たち」シリーズにたどりつきます。高田宏治が「鬼龍院花子の生涯」や「極道の妻たち」などで、中島貞夫が「女帝 春日局」や「序の舞」「新・極道の妻たち」でその道を開いたことからも、「日本の首領」シリーズはそれまでのヤクザ映画の終了と新しいヤクザ映画の可能性を開くという役割を果したシリーズと言えるでしょう。
監督:中島貞夫 脚本:高田宏治 企画:俊藤浩滋、日下部五朗、田岡満、松平乗道 原作:飯干寛一 撮影:増田敏雄 美術:佐野義和 音楽:黛敏郎 擬斗:上野隆三 助監督:土橋亨 ナレーション:森山周一郎
出演:佐分利信、三船敏郎、片岡千恵蔵、大谷直子、東恵美子、山本由香里、高橋悦史、二宮さよ子、野口貴史、鈴木瑞穂、寺田農、遠藤太津朗、志賀勝、福本清三、小林稔持、稲葉義男、京唄子、松本泰郎、成瀬正、仲谷昇、西村晃、高田宏治、司裕介、片桐竜次、小池朝雄、五十嵐義弘、佐藤慶、岩尾正隆、金子信雄、渡辺文雄、中村錦司、安部徹、織田あきら、菅原文太、三船敏郎
☆そろそろ京都映画祭まとめサイトやります。
関東連合のモデルになったのは1963年に結成された「関東会」。山口組の東京進出に対抗して作られた関東やくざ連合で日本を山口組と二分しました。理事長、大石のモデルとなったのは錦政会(後、稲川会)の稲川角二(聖城)。「日本の首領 完結編」は関東連合の大石(三船敏郎)が不満分子の新藤(待田京介)を粛清するところからスタートします。
日本政財界の影のドン、右翼の大山喜久夫(片岡千恵蔵)は西日本最大の暴力団である中島組と関東連合を一つの組織に纏め上げようとしていた。安保改正(70年安保ってやつですな)の際に左翼への対抗勢力にしようと考えていた。大山は病に倒れたが中島組組長、佐倉一誠(佐分利信)の女婿、医師の一宮恭介(高橋悦史)によって蘇生した。大山は早急に任侠組織の統一を進めようとするが大石、佐倉ともに同意をすることはなかった。二人は”日本の首領(ドン)”になろうとしていたのである。
先手を取ったのは大石だった。統一の為にはまず中島組の勢力をくじくことだ、と考えた大山の後ろ盾を得てミクロネシアのリゾート計画に着手する。娘の郁子(山本由香利)を保守政治家の刈田(西村晃)の庶子、春男(織田あきら)の縁組させて、刈田との縁を作った。刈田は中島組の幹部、川西(菅原文太)の紹介で由紀子(大谷直子)を愛人にしていたが、由紀子ごと大石のもとに裏切ってしまう。
ある日、刈田は東南アジアに向かう。アメリカ側からの賄賂を受け取る為だ。ところが刈田はアメリカの議員と取引中に強盗団に襲われてしまう。事件を明るみに出てしまい、検察が動き始める。刈田はアメリカ側からの賄賂の領収書を持っていた。大石は全てを闇に葬る為に刈田と春男を殺害。しかし領収書は愛人だった由紀子の手にあった。。。
「野望編」もそうでしたが、この映画も女性の活躍が目立ちます。。男に棄てられてめそめそ泣くような女(やくざ映画の女は大体、こうだ)ではなくて、暴力と度胸を組み合わせて男顔負けの駆け引きを行なう、強い女が出てきます。前年に書かれた「北陸代理戦争」の野川由美子も生き生きしてたしね。大谷直子演じる由紀子という女も弱い女ではなくて、男を利用し、権力にすがりつこうとします。ラストの「うちの店や、うちの店や」と大騒ぎするシーンは圧巻。
政界工作、暴力が目立つストーリーになってますが、ドラマの中心はやはりファミリーにおかれています。佐倉の女婿としてファミリーの一員となった一宮がその中心になっています。医者の一宮は様々な面で佐倉に協力してきました。しかし、それはあくまでも医者としての自分を棄てないでの献身でした。しかし佐倉はそれを許さなかった。佐倉にとって一宮は今や辰巳(一宮によって毒殺される)や松枝(佐倉に自殺に追い込まれる)と同じように全国制覇するための部下に過ぎなかったのだ。がちゃがちゃとした前半と打って変わって後半は一宮の苦悩が描かれる。
キャストではやはり佐分利信。かっこよさ、大物感は消えうせて権力にしがみつく男の必死さを体全体で体現している。般若のガウンを着て踊るシーンがいい。出てくるだけで画面がピリッとする。怖いです。
内田朝雄と交代した片岡御大だが、いいとか悪いとかよりも三作通じてのキーマンを途中で役者を変えると言うのはやはり如何なものか。内田朝雄は仁侠映画、実録やくざ映画を通じて大物ヤクザを演じてきた俳優で貫禄から落ち着いた演技まで安心してみてられる役者である。小池朝雄と並んでダブル朝雄と高く評価する私には納得できるものではない。
菅原文太は三作全てに出て全部違う役を演じた。「仁義なき戦い」の松方みたいなもんだが、三者ともに特徴があった。この映画では下半身付随の幹部を熱演。無様に撃ち殺されるシーンで糸のように細い声をあげて絶命するところが今までの演技らしからぬ感じで面白かった。それから、出るたびに軍歌を歌い狂う西村晃や暗躍する若き幹部の寺田農、冒頭にいきなり殺される待田京介あたりが面白い。若手の活躍は相変わらずありません。佐分利、三船、御大のギャラが高すぎてか若干、キャストの駒が足りないような。
なお現実に起こった関東会と山口組の抗争ですが、警察の頂上作戦が激しくなり、関東会は解散。山口組も幹部が多数逮捕されて、抗争どころではなくなります。1972年、山口組と稲川会は手を結び、関西と関東の激突は回避されました。
「日本の首領」シリーズは一部で完結しており、あとは付け足しと中島貞夫も高田宏治も言っています。思えば、二作目と三作目はやくざ映画と言うにはヤクザらしくない男ばかりでそして何より女の活躍が目立つ映画でした。東映やくざ映画はこの後、人間の業をえぐり取る様な作品を作り続け、身内のドロドロとしたドラマを描いた「極道の妻たち」シリーズにたどりつきます。高田宏治が「鬼龍院花子の生涯」や「極道の妻たち」などで、中島貞夫が「女帝 春日局」や「序の舞」「新・極道の妻たち」でその道を開いたことからも、「日本の首領」シリーズはそれまでのヤクザ映画の終了と新しいヤクザ映画の可能性を開くという役割を果したシリーズと言えるでしょう。
監督:中島貞夫 脚本:高田宏治 企画:俊藤浩滋、日下部五朗、田岡満、松平乗道 原作:飯干寛一 撮影:増田敏雄 美術:佐野義和 音楽:黛敏郎 擬斗:上野隆三 助監督:土橋亨 ナレーション:森山周一郎
出演:佐分利信、三船敏郎、片岡千恵蔵、大谷直子、東恵美子、山本由香里、高橋悦史、二宮さよ子、野口貴史、鈴木瑞穂、寺田農、遠藤太津朗、志賀勝、福本清三、小林稔持、稲葉義男、京唄子、松本泰郎、成瀬正、仲谷昇、西村晃、高田宏治、司裕介、片桐竜次、小池朝雄、五十嵐義弘、佐藤慶、岩尾正隆、金子信雄、渡辺文雄、中村錦司、安部徹、織田あきら、菅原文太、三船敏郎
☆そろそろ京都映画祭まとめサイトやります。
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今日、紹介するのは先日レビューしました「日本の首領」シリーズの二作目となる「日本の首領 野望編」。世間が大作主義に移行する中であえてプログラムピクチャーに固執した東映でしたが、遂に一本立て興行に踏み切ります。その第一作がこれ。日本映画自体が本当に駄目になってきた中で気を吐いたのが角川映画をはじめとする大作映画でした。1977年
にヒットした、橋本プロダクション「八甲田山」、角川映画の「人間の証明」「八つ墓村」は一本立て興行でお金をかけた大作映画だったのです。洋画に興行成績を追い抜かれて、ジリ貧になる中で、面白い映画を作るためにはお金をかけねばならない、という感じの風潮になって、現場の方からも「二本にかける予算を一本に当てた方がいい映画が作れるのではないか」という声が上がり始めた。
最も東映はこの後も二本立て興行を行ないますし、「男はつらいよ」や角川映画も二本立て興行を行ないます。ただ、この時期にプログラムピクチャー体制は終わりを告げたと言ってもいいでしょう。この時期、東映のやくざ映画の添え物として低予算のポルノ映画が多く作られました。くだらない作品が多かったらしいですが、実は助監督を監督に昇進させる、という意味合いもあったようです。60年代にはそうした低予算映画から深作欣二、佐藤純彌、中島貞夫などの後世に大活躍する監督が出てきたわけですが、70年代にはすっかり崩れてしまい、テレビやVシネマにそうした機会は流れていきます。一方、プログラムピクチャーで育った監督達も大作映画に対応せざるを得なくなり、中島貞夫も積極的に大作映画の世界に飛び込んでいきます。
関西最大の暴力団中島組の組長、佐倉一誠(佐分利信)の快気祝いが盛大に行なわれた。政界、財界から多くの快気祝いが集まったがこれは「手切れ金」のようなものであった。佐倉の体調不良と若頭の辰巳の死亡で中島組の求心力は弱まっていた。古参幹部の片岡(成田三樹夫)と辰巳の若衆で東大出のインテリである松枝(松方弘樹)は関東進出の計画を練る。松枝の指揮の元、総会屋の樽井(藤岡琢也)は男前の若宮(にしきのあきら)や柴田(星正人)を連れて横浜に「桜商事」という会社を設立する。目的は「ジャパンシップ」の乗っ取りへの介入だった。
一方、関東では関西暴力団の進出を食い止める為に関東同盟が結成されていた。理事長は右翼の大物、大山規久夫(内田朝雄)を後ろ盾にした大石(三船敏郎)。彼は強力なリーダーシップで野合同然だった関東同盟を率い、「桜商事」の介入を打破する。その過程で若宮は撃たれて死亡する。樽井は報復を誓うが片岡によって関東撤退を余儀なくされる。
一方、中島組では空席となった若頭の席を巡って片岡と松枝が対立していた。松枝は武闘派の天坊(菅原文太)を引き込んで暴力と謀略を組み合わせて、勢力を伸ばしていた。佐倉は若頭に松枝を指名。松枝は関東進出を積極的に進める。天坊は関東同盟の急先鋒であった真田(小松方正)を射殺する。松枝は佐倉の娘婿の一宮(高橋悦史)の友人である姉小路尚子(岸田今日子)の力を借りて高級秘密クラブを作る。政財界の大物の接待用にである。
東南アジアの軍事国家の首領、アナンタが来日した。国営石油開発の利権をめぐって関東同盟、中島組の接待攻勢が行なわれた。しかし女好きの彼の目にとまったのは一宮の病院の看護婦、かおる(金沢碧)であった。彼女には柴田という恋人がいたのだが。。
登場人物も多いし、ストーリーも複雑でなんともしんどい映画です。豪華キャストだけどね。原作は飯干寛一になっていますが、ネタは「やくざ戦争 日本の首領」で使い切ってしまい、この作品は高田宏治の完全なオリジナル。スポーツ新聞に小説として連載されたからか、実際に起こった事件のパロディが散りばめられています。ケレン味たっぷりの高田宏治らしい脚本なんですが、ドラマが少ないので感情移入する人物がいない。野坂昭如演じる殺し屋とか時代に押しつぶされて死んでしまう若いヤクザ達とかを中心に描いた方がよかったと思う。気を吐いたのは岸田今日子。後半の松方とのロマンスは映画に彩りを添えた。「わたくし、男に生まれたかったの」と男顔負けの度胸でクラブを切り盛りしていく姿は、背筋がしゃんと伸びる思いだ。
看護婦、かおるのエピソードはデヴィ夫人のパロディです。銀座のホステスだった彼女はインドネシア大統領のスカルノの夫人になります。彼女にも実は右翼の手先で共産党に興味を持っていたスカルノの情報を日本とアメリカに逐一、報告していたという噂がありますね。本当かどうか知りませんが。この映画はそうした、ホンマかいなと思う政財界の陰謀をドラマに使っています。リアルと言えばリアルなんだが、やはり同時代に見てこそ面白いというもので時代を越えた作品とは到底、言い難い。
近代的な合理組織になった暴力団の組織における組長はかつてのような「オヤジ」ではなく、リーダーである。リーダーがリーダーであり続ける為には合理的で正しい判断を下さねばならない。佐倉と大石はその世界に生き続ける。その中では情などを持つことはなく、意地汚いほどに権力にしがみつく覚悟が必要なのだろう。佐倉を演じる佐分利はそうした覚悟のカッコ悪さをも魅力にしている。それに対して大石を演じる三船は大物らしさは漂わせているんだが、ドロドロとしたものがなくて堂々としすぎてる。ヤクザらしくないんだよな。脇に佐藤慶とか小池朝雄みたいなうまい役者がいるんで違和感がでちまう。
佐倉と大石の対立は決着つかずに「日本の首領 完結編」に続いていきます。
監督:中島貞夫 脚本:高田宏治 企画:俊藤浩滋、日下部五朗、田岡満、松平乗道 原作:飯干寛一 撮影:増田敏雄 美術:佐野義和 音楽:黛敏郎 擬斗:上野隆三 進行主任:長岡功 ナレーション:森山周一郎
出演:佐分利信、三船敏郎、松方弘樹、成田三樹夫、東恵美子、折原真紀、高橋悦史、二宮さよ子、野口貴史、鈴木康弘、西田良、星正人、志賀勝、福本清三、松本泰郎、成瀬正、にしきのあきら、藤岡琢也、田口計、小沢栄太郎、嵐寛寿郎、内田朝雄、小池朝雄、五十嵐義弘、佐藤慶、岩尾正隆、藤村富美男、小松方正、金子信雄、ユセフ・トルコ、渡辺文雄、中村錦司、安部徹、織田あきら、野坂昭如、橘麻紀、金沢碧、菅原文太、三船敏郎
にヒットした、橋本プロダクション「八甲田山」、角川映画の「人間の証明」「八つ墓村」は一本立て興行でお金をかけた大作映画だったのです。洋画に興行成績を追い抜かれて、ジリ貧になる中で、面白い映画を作るためにはお金をかけねばならない、という感じの風潮になって、現場の方からも「二本にかける予算を一本に当てた方がいい映画が作れるのではないか」という声が上がり始めた。
最も東映はこの後も二本立て興行を行ないますし、「男はつらいよ」や角川映画も二本立て興行を行ないます。ただ、この時期にプログラムピクチャー体制は終わりを告げたと言ってもいいでしょう。この時期、東映のやくざ映画の添え物として低予算のポルノ映画が多く作られました。くだらない作品が多かったらしいですが、実は助監督を監督に昇進させる、という意味合いもあったようです。60年代にはそうした低予算映画から深作欣二、佐藤純彌、中島貞夫などの後世に大活躍する監督が出てきたわけですが、70年代にはすっかり崩れてしまい、テレビやVシネマにそうした機会は流れていきます。一方、プログラムピクチャーで育った監督達も大作映画に対応せざるを得なくなり、中島貞夫も積極的に大作映画の世界に飛び込んでいきます。
関西最大の暴力団中島組の組長、佐倉一誠(佐分利信)の快気祝いが盛大に行なわれた。政界、財界から多くの快気祝いが集まったがこれは「手切れ金」のようなものであった。佐倉の体調不良と若頭の辰巳の死亡で中島組の求心力は弱まっていた。古参幹部の片岡(成田三樹夫)と辰巳の若衆で東大出のインテリである松枝(松方弘樹)は関東進出の計画を練る。松枝の指揮の元、総会屋の樽井(藤岡琢也)は男前の若宮(にしきのあきら)や柴田(星正人)を連れて横浜に「桜商事」という会社を設立する。目的は「ジャパンシップ」の乗っ取りへの介入だった。
一方、関東では関西暴力団の進出を食い止める為に関東同盟が結成されていた。理事長は右翼の大物、大山規久夫(内田朝雄)を後ろ盾にした大石(三船敏郎)。彼は強力なリーダーシップで野合同然だった関東同盟を率い、「桜商事」の介入を打破する。その過程で若宮は撃たれて死亡する。樽井は報復を誓うが片岡によって関東撤退を余儀なくされる。
一方、中島組では空席となった若頭の席を巡って片岡と松枝が対立していた。松枝は武闘派の天坊(菅原文太)を引き込んで暴力と謀略を組み合わせて、勢力を伸ばしていた。佐倉は若頭に松枝を指名。松枝は関東進出を積極的に進める。天坊は関東同盟の急先鋒であった真田(小松方正)を射殺する。松枝は佐倉の娘婿の一宮(高橋悦史)の友人である姉小路尚子(岸田今日子)の力を借りて高級秘密クラブを作る。政財界の大物の接待用にである。
東南アジアの軍事国家の首領、アナンタが来日した。国営石油開発の利権をめぐって関東同盟、中島組の接待攻勢が行なわれた。しかし女好きの彼の目にとまったのは一宮の病院の看護婦、かおる(金沢碧)であった。彼女には柴田という恋人がいたのだが。。
登場人物も多いし、ストーリーも複雑でなんともしんどい映画です。豪華キャストだけどね。原作は飯干寛一になっていますが、ネタは「やくざ戦争 日本の首領」で使い切ってしまい、この作品は高田宏治の完全なオリジナル。スポーツ新聞に小説として連載されたからか、実際に起こった事件のパロディが散りばめられています。ケレン味たっぷりの高田宏治らしい脚本なんですが、ドラマが少ないので感情移入する人物がいない。野坂昭如演じる殺し屋とか時代に押しつぶされて死んでしまう若いヤクザ達とかを中心に描いた方がよかったと思う。気を吐いたのは岸田今日子。後半の松方とのロマンスは映画に彩りを添えた。「わたくし、男に生まれたかったの」と男顔負けの度胸でクラブを切り盛りしていく姿は、背筋がしゃんと伸びる思いだ。
看護婦、かおるのエピソードはデヴィ夫人のパロディです。銀座のホステスだった彼女はインドネシア大統領のスカルノの夫人になります。彼女にも実は右翼の手先で共産党に興味を持っていたスカルノの情報を日本とアメリカに逐一、報告していたという噂がありますね。本当かどうか知りませんが。この映画はそうした、ホンマかいなと思う政財界の陰謀をドラマに使っています。リアルと言えばリアルなんだが、やはり同時代に見てこそ面白いというもので時代を越えた作品とは到底、言い難い。
近代的な合理組織になった暴力団の組織における組長はかつてのような「オヤジ」ではなく、リーダーである。リーダーがリーダーであり続ける為には合理的で正しい判断を下さねばならない。佐倉と大石はその世界に生き続ける。その中では情などを持つことはなく、意地汚いほどに権力にしがみつく覚悟が必要なのだろう。佐倉を演じる佐分利はそうした覚悟のカッコ悪さをも魅力にしている。それに対して大石を演じる三船は大物らしさは漂わせているんだが、ドロドロとしたものがなくて堂々としすぎてる。ヤクザらしくないんだよな。脇に佐藤慶とか小池朝雄みたいなうまい役者がいるんで違和感がでちまう。
佐倉と大石の対立は決着つかずに「日本の首領 完結編」に続いていきます。
監督:中島貞夫 脚本:高田宏治 企画:俊藤浩滋、日下部五朗、田岡満、松平乗道 原作:飯干寛一 撮影:増田敏雄 美術:佐野義和 音楽:黛敏郎 擬斗:上野隆三 進行主任:長岡功 ナレーション:森山周一郎
出演:佐分利信、三船敏郎、松方弘樹、成田三樹夫、東恵美子、折原真紀、高橋悦史、二宮さよ子、野口貴史、鈴木康弘、西田良、星正人、志賀勝、福本清三、松本泰郎、成瀬正、にしきのあきら、藤岡琢也、田口計、小沢栄太郎、嵐寛寿郎、内田朝雄、小池朝雄、五十嵐義弘、佐藤慶、岩尾正隆、藤村富美男、小松方正、金子信雄、ユセフ・トルコ、渡辺文雄、中村錦司、安部徹、織田あきら、野坂昭如、橘麻紀、金沢碧、菅原文太、三船敏郎
今日は中島貞夫の「やくざ戦争 日本の首領(ドン)」。1977年に作られた作品です。中島貞夫と並ぶ実録のエースである深作欣二はこの年に撮った「北陸代理戦争」が最後の実録になりました。この頃になると実録ヤクザ映画もいよいよ行き詰まりを迎えて、末期は行き過ぎた残酷描写が飽きられていきます。警察もヤクザ賛美を助長させるものとしていい顔をしないし、ヤクザ達も自分達のドラマが題材にされることから一般市民から白い目で見られるようになることを嫌がり始めました。後に「北陸代理戦争」のモデルとなった人物が映画公開後に射殺される事件もありました。が、一番の欠点はそんなにドラマとなる物語というのは実際にない、ということだったのでした。
「やくざ戦争 日本の首領」は山口組内部の田岡組長と若頭の地道の対立をモデルにした飯干晃一(「仁義なき戦い」の原作者)の小説が原作になっています。実録やくざ映画に向いている素材だと言えますが脚本の高田宏治はこれを全国制覇を果していく組長のドラマとしてではなくて、組長の「首領」としての一面と「父」としての一面を描いて、その苦悩を描きました。つまり「ゴッドファーザー」のような映画を作ろうとしたのです。従来のヤクザ映画と違ってドンパチのシーンも少ないし、あまり人が死にません。
組長の佐倉一誠(佐分利信)率いる中島組は西日本最大の組織を誇る暴力団であった。組長を支えるのは若頭の辰巳(鶴田浩二)である。辰巳は佐倉を日本一の親分にしようと日夜、奮闘していた。彼のやり方は従来のヤクザの考えによるもので、腹心の迫田(千葉真一)は圧倒的な暴力で次々に版図を広げていった。いずれ、雌雄を決せねばならない東京の錦城会との対決は間近であった。ある日、佐倉は有力企業の幹部・島原(西村晃)から社長のスキャンダルもみ消しの依頼を受ける。これがきっかけになって中島組は政界、財界との結びつきを強めていく。
首領である佐倉にも二人の娘がいた。いずれも血のつながりのない娘であるが、佐倉は娘を愛していた。姉の登志子(二宮さよ子)は青年医師の一宮恭夫(高橋悦史)と恋をしていた。妹の真樹子(折原真紀)は自由奔放に育ってしまい、組員と恋に落ちたり、麻薬を吸ったりと佐倉の頭痛の種であった。登志子の結婚も一宮の親が結婚に難色を示していた。一宮を気に入っていた佐倉は登志子を島原の養女にすることで結婚式をあげた。結婚式には右翼の大物である大山規久夫(内田朝雄)や政界の実力者小野伴水(神田隆)を始めとする政界、財界の大物がずらりと顔をそろえた。その中には錦城会の幹部である石見(菅原文太)の姿もあった。
右翼の大山は左翼勢力に対抗する為に石見と佐倉に連合して一つのヤクザ組織を作ることを呼びかけるが、佐倉は拒否。遂にコンビナートの利権をめぐっての抗争が始まった。しかし辰巳のやり方は限界で経済界に進出していた若衆の松枝(松方弘樹)はそのやり方に危惧をいだいた。辰巳の腹心である迫田は石見を襲撃するが失敗。一般市民を巻き込む事件を起こし、収監される。佐倉は迫田を破門しようとするが、辰巳は「組のためにやった」とあくまでかばおうとする。二人の間には亀裂が走り始めていた。。
予告編を見ると「日本版ゴッドファーザー」のスーパーが目を引きますが、「ゴッドファーザー」によく似たシーンが出てきます。小池朝雄が愛人の首を抱いて吃驚するシーンは馬の生首のシーンに似てますしね。やたらに重たい佐分利信の演技もマーロン・ブランドを意識したものでしょう。佐分利信はヤクザ映画が始めてですが、貫禄満点の押し出しでヤクザの親分らしい風格を出しています。音楽がとてもいいです。ゴッドファーザーも耳に残る物悲しい音楽ですが、黛敏郎の音楽もゆったりとして重厚な感じで負けてません。オーケストラでお金もかかったみたいですが贅沢な感じが味わえて、映画に深みを出しています。
ヤクザという組織は擬似血縁組織です。組員は組長を「オヤジ」と慕い、親父のために命を投げ出します。組長は組員を「子供」と考えて、大切にする。しかし組長にも「血縁家族」の父としての顔がある。この対立がテーマになっています。若頭の辰巳は仁侠映画のエースだった鶴田浩二が演じていますが、古いヤクザの典型で佐倉を「オヤジ」と慕っている。一方、女婿の一宮は「義理の父」として佐倉を尊敬している。時代の移り変わりで鶴田的な価値観は古びてしまい、ヤクザ一家は近代的な合理的な組織に変化せねばならなくなった。辰巳のやり方ではヤクザ組織はつぶれてしまう。これからのヤクザ組織は佐倉に忠誠を誓うことが絶対ではない組織になるのだ。辰巳に変わり、佐倉を守るのは佐倉ファミリーである一宮であることを一宮自身が意識するところで映画は終わる。ここまでの構図をきっちりと手を抜くことなしに書き上げた高田宏治の力はたいしたものである。彼の最もいい仕事の一つだと思う。
ただ惜しむらくは鶴田浩二が出てたために仁侠映画のテイストが出てしまい、辰巳の悲劇ばかりが目立つ映画になってしまったこと。鶴田浩二はやっぱりうまいからね、目立ちすぎてしまう。最後の「字がわからへん・・」とうめくシーンなんか凄い演技だったもん。高橋悦史もいい役者なんだが、少し出番が少ない。それから火野正平はいらん。現場は一本立てを主張して二時間ほどの映画にしてもっとお金をかけてくれと主張してたようですが、従来のプログラムピクチャーとしての時間と製作費しか用意されませんでした。これだけでも充分面白いのですが、もっとじっくり見たかった。せっかくの豪華キャストが勿体無い。なお、「やくざ戦争 日本の首領」はヒットし、3部完結のシリーズものになりました。次回作の「日本の首領 野望編」は同年に一本立てで公開されました。
監督:中島貞夫 原作:飯干寛一 脚本:高田宏治 企画:俊藤浩滋、田岡満、日下部五朗、松平乗道 撮影:増田敏雄 美術:井川徳道 音楽:黛敏郎、伊部晴美 擬斗:上野隆三 ナレーション:森山周一郎
出演:佐分利信、鶴田浩二、松方弘樹、成田三樹夫、野口貴史、林彰太郎、尾藤イサオ、木谷邦臣、小林稔持、矢吹二朗、松本泰郎、福本清三、成瀬正、品川隆二、小池朝雄、鈴木康弘、渡瀬恒彦、曽根晴美、片桐竜次、今井健二、志賀勝、西村晃、金子信雄、神田隆、梅宮辰夫、地井武男、岩尾正隆、中村錦司、田中邦衛、火野正平、内田朝雄、市原悦子、橘麻紀、待田京介、二宮さよ子、高橋悦史、折原真紀、絵夢、菅原文太、東恵美子、広瀬義宣
「やくざ戦争 日本の首領」は山口組内部の田岡組長と若頭の地道の対立をモデルにした飯干晃一(「仁義なき戦い」の原作者)の小説が原作になっています。実録やくざ映画に向いている素材だと言えますが脚本の高田宏治はこれを全国制覇を果していく組長のドラマとしてではなくて、組長の「首領」としての一面と「父」としての一面を描いて、その苦悩を描きました。つまり「ゴッドファーザー」のような映画を作ろうとしたのです。従来のヤクザ映画と違ってドンパチのシーンも少ないし、あまり人が死にません。
組長の佐倉一誠(佐分利信)率いる中島組は西日本最大の組織を誇る暴力団であった。組長を支えるのは若頭の辰巳(鶴田浩二)である。辰巳は佐倉を日本一の親分にしようと日夜、奮闘していた。彼のやり方は従来のヤクザの考えによるもので、腹心の迫田(千葉真一)は圧倒的な暴力で次々に版図を広げていった。いずれ、雌雄を決せねばならない東京の錦城会との対決は間近であった。ある日、佐倉は有力企業の幹部・島原(西村晃)から社長のスキャンダルもみ消しの依頼を受ける。これがきっかけになって中島組は政界、財界との結びつきを強めていく。
首領である佐倉にも二人の娘がいた。いずれも血のつながりのない娘であるが、佐倉は娘を愛していた。姉の登志子(二宮さよ子)は青年医師の一宮恭夫(高橋悦史)と恋をしていた。妹の真樹子(折原真紀)は自由奔放に育ってしまい、組員と恋に落ちたり、麻薬を吸ったりと佐倉の頭痛の種であった。登志子の結婚も一宮の親が結婚に難色を示していた。一宮を気に入っていた佐倉は登志子を島原の養女にすることで結婚式をあげた。結婚式には右翼の大物である大山規久夫(内田朝雄)や政界の実力者小野伴水(神田隆)を始めとする政界、財界の大物がずらりと顔をそろえた。その中には錦城会の幹部である石見(菅原文太)の姿もあった。
右翼の大山は左翼勢力に対抗する為に石見と佐倉に連合して一つのヤクザ組織を作ることを呼びかけるが、佐倉は拒否。遂にコンビナートの利権をめぐっての抗争が始まった。しかし辰巳のやり方は限界で経済界に進出していた若衆の松枝(松方弘樹)はそのやり方に危惧をいだいた。辰巳の腹心である迫田は石見を襲撃するが失敗。一般市民を巻き込む事件を起こし、収監される。佐倉は迫田を破門しようとするが、辰巳は「組のためにやった」とあくまでかばおうとする。二人の間には亀裂が走り始めていた。。
予告編を見ると「日本版ゴッドファーザー」のスーパーが目を引きますが、「ゴッドファーザー」によく似たシーンが出てきます。小池朝雄が愛人の首を抱いて吃驚するシーンは馬の生首のシーンに似てますしね。やたらに重たい佐分利信の演技もマーロン・ブランドを意識したものでしょう。佐分利信はヤクザ映画が始めてですが、貫禄満点の押し出しでヤクザの親分らしい風格を出しています。音楽がとてもいいです。ゴッドファーザーも耳に残る物悲しい音楽ですが、黛敏郎の音楽もゆったりとして重厚な感じで負けてません。オーケストラでお金もかかったみたいですが贅沢な感じが味わえて、映画に深みを出しています。
ヤクザという組織は擬似血縁組織です。組員は組長を「オヤジ」と慕い、親父のために命を投げ出します。組長は組員を「子供」と考えて、大切にする。しかし組長にも「血縁家族」の父としての顔がある。この対立がテーマになっています。若頭の辰巳は仁侠映画のエースだった鶴田浩二が演じていますが、古いヤクザの典型で佐倉を「オヤジ」と慕っている。一方、女婿の一宮は「義理の父」として佐倉を尊敬している。時代の移り変わりで鶴田的な価値観は古びてしまい、ヤクザ一家は近代的な合理的な組織に変化せねばならなくなった。辰巳のやり方ではヤクザ組織はつぶれてしまう。これからのヤクザ組織は佐倉に忠誠を誓うことが絶対ではない組織になるのだ。辰巳に変わり、佐倉を守るのは佐倉ファミリーである一宮であることを一宮自身が意識するところで映画は終わる。ここまでの構図をきっちりと手を抜くことなしに書き上げた高田宏治の力はたいしたものである。彼の最もいい仕事の一つだと思う。
ただ惜しむらくは鶴田浩二が出てたために仁侠映画のテイストが出てしまい、辰巳の悲劇ばかりが目立つ映画になってしまったこと。鶴田浩二はやっぱりうまいからね、目立ちすぎてしまう。最後の「字がわからへん・・」とうめくシーンなんか凄い演技だったもん。高橋悦史もいい役者なんだが、少し出番が少ない。それから火野正平はいらん。現場は一本立てを主張して二時間ほどの映画にしてもっとお金をかけてくれと主張してたようですが、従来のプログラムピクチャーとしての時間と製作費しか用意されませんでした。これだけでも充分面白いのですが、もっとじっくり見たかった。せっかくの豪華キャストが勿体無い。なお、「やくざ戦争 日本の首領」はヒットし、3部完結のシリーズものになりました。次回作の「日本の首領 野望編」は同年に一本立てで公開されました。
監督:中島貞夫 原作:飯干寛一 脚本:高田宏治 企画:俊藤浩滋、田岡満、日下部五朗、松平乗道 撮影:増田敏雄 美術:井川徳道 音楽:黛敏郎、伊部晴美 擬斗:上野隆三 ナレーション:森山周一郎
出演:佐分利信、鶴田浩二、松方弘樹、成田三樹夫、野口貴史、林彰太郎、尾藤イサオ、木谷邦臣、小林稔持、矢吹二朗、松本泰郎、福本清三、成瀬正、品川隆二、小池朝雄、鈴木康弘、渡瀬恒彦、曽根晴美、片桐竜次、今井健二、志賀勝、西村晃、金子信雄、神田隆、梅宮辰夫、地井武男、岩尾正隆、中村錦司、田中邦衛、火野正平、内田朝雄、市原悦子、橘麻紀、待田京介、二宮さよ子、高橋悦史、折原真紀、絵夢、菅原文太、東恵美子、広瀬義宣
列車に乗った男 8/22 みなみ会館
★★★
→「歓楽通り」のパトリス・ルコントの最新作。名優のジャン・ロシュフォールとロッカーのジョニー・アリディの二人が出ずっぱりのドラマ。テンポよく、さくさく進むストーリー運びは見てて気持ちいい。音楽がいいので、サントラ買ってしまいました。
マインド・ゲーム 8/22 みなみ会館
★★★★
→これは面白かった。こういう映画、大好きなんです。ノリとハイテンポだけでぶっ飛ばしてくれるような映画。こういう映画を見たかったんです。「人生って楽しいよ」という単純明快にして深みのあるテーマでひたすら突っ走った映画。見終わってから、気持ちよく映画館を後に出来る映画です。今田の自然な演技もグーだ。
釣りバカ日誌15 ハマちゃんと明日はない!? 8/28 TOHOシネマズ高槻プレミア・スクリーン
★★
→前任の本木監督と違って、泥臭いプログラムピクチャーとして釣りバカシリーズを継続することを決めた朝原監督の第二段。前作よりもすっきりとまとまっており、小津安二郎にオマージュを捧げてついでに自社DVDまで宣伝している。(笑)ここ最近、三国連太郎の出番が加齢の為にか徐々に少なくなってきたのが残念であったが、この映画では原点に回帰するかのように三国さんが積極的にストーリーに加わり、その健在ぶりをアピールした。くすくす笑わせる小ネタも健在で安心して見てられる映画になっている。それ以上を釣りバカにもとめる方が変なのか。
ヴァン・ヘルシング 8/28 TOHOシネマズ高槻3
★★★★
→ヒュー・ジャックマンのやる役ってのはいつも自分のやってることに(それが正義の行いであったとしてもだ)少しの戸惑いを持ちながらもきっちりと成功させてしまうというのが多いような気がする。元気のいいヒーローじゃなくて、どこかトラウマを持ったような感じで好きだな。好きな俳優はジェフリー・ラッシュというのもいいねえ。さて今作では美しき女吸血鬼(ジョージー・マランにもうメロメロ)あり、狼男あり、フランケンシュタインあり、連続クロスボウあり、ドタドタ走る太めの王女あり、と「まつり」ムービーでとても楽しかった。続編はできるのかねえ。。できますよね。
カーサ・エスペランサ/赤ちゃんたちの家 8/29 テアトル梅田2
★★
→「父と暮せば」をテアトル梅田に見に行ったんだが、満員だったので見た作品。南米まで赤ちゃんをもらいに行く6人の物語。割りと面白い背景だったんだが、6人もいらなかったような気もする。ラストはどこかあっけないが、こじんまりとまとまっている。現地のホテルメイドがよかった。彼女と6人の対比が興味深い。ただこれは女性が見る方が面白いんやろなあ。
春の日のクマは好きですか? 8/29 第七藝術劇場
★★
→これはシネマコリア2004で見た。一般に公開されてない韓国映画の傑作を上映するというやつで東京とか名古屋でもやってたらしい。大入り満員で吃驚した。韓国映画ファンというより、韓国ドラマのファンと思われる女性客が多かった。「子猫をお願い」のペ・ドゥナ主演のアイドル映画。映画自体は脚本もぐだぐだでつまらん映画なんだが、田畑智子と宮崎あおいを足したような感じのペ・ドゥナの可愛さが光りまくるので気にするな。目をくりくり動かしたり、熊の格好したりして踊るシーンが大変、愛らしい。幸せだったぞ。(←バカ)
品行ゼロ 8/29 第七藝術劇場
★★★★
→これは学園ドタバタコメディ。めちゃくちゃ、ベタな笑いなんだが勢いでぐいぐい押してしまう爽快感を持ってしまう。思わず、笑ってしまうのだ。「火山高」に雰囲気が似た映画なんだが、もっとライトにテンポよくまとめてて楽しい映画だった。「火山高」にも出てたコン・ヒョジンがハスッパな不良をやってます。会場も笑いがいっぱいで気持ちよく映画を見れました。
ベッピーノの百歩 8/30 日本イタリア京都会館
★★★
→ほとんど行くことが無かったがそのラインナップにはいつも目を通していた日本イタリア京都会館で見た最後の作品。前日にマルクス兄弟の映画を見に行ったのだが映写機の故障で見ることができなかったので出直してみたのがこれ。イタリアのマフィアを題材にした実録映画だが、別にヤクザ映画ではなくて、ヤクザと戦って死んだ若者のお話。「ゴッドファーザー」を例にとるまでもなく、イタリア南部のヤクザ社会はすさまじく、やはり車の爆発で暗殺をやっていた。面白い映画であったがいつ頃からか、ヤクザと正義の弁護士の映画となるとどこかヤクザに肩入れしたくなる。ヤクザ=絶対悪ではなくて、構造上の問題やまたそれを利用する輩やそうせざるを得なかった事情みたいなものもある。あまり感情移入できなかった。
☆9月ってわたし、封切映画は「トントンギコギコ図工の時間」の一本しか見てませんでした。「スウィング・ガールズ」ぐらいは見ないとなあ。。
★★★
→「歓楽通り」のパトリス・ルコントの最新作。名優のジャン・ロシュフォールとロッカーのジョニー・アリディの二人が出ずっぱりのドラマ。テンポよく、さくさく進むストーリー運びは見てて気持ちいい。音楽がいいので、サントラ買ってしまいました。
マインド・ゲーム 8/22 みなみ会館
★★★★
→これは面白かった。こういう映画、大好きなんです。ノリとハイテンポだけでぶっ飛ばしてくれるような映画。こういう映画を見たかったんです。「人生って楽しいよ」という単純明快にして深みのあるテーマでひたすら突っ走った映画。見終わってから、気持ちよく映画館を後に出来る映画です。今田の自然な演技もグーだ。
釣りバカ日誌15 ハマちゃんと明日はない!? 8/28 TOHOシネマズ高槻プレミア・スクリーン
★★
→前任の本木監督と違って、泥臭いプログラムピクチャーとして釣りバカシリーズを継続することを決めた朝原監督の第二段。前作よりもすっきりとまとまっており、小津安二郎にオマージュを捧げてついでに自社DVDまで宣伝している。(笑)ここ最近、三国連太郎の出番が加齢の為にか徐々に少なくなってきたのが残念であったが、この映画では原点に回帰するかのように三国さんが積極的にストーリーに加わり、その健在ぶりをアピールした。くすくす笑わせる小ネタも健在で安心して見てられる映画になっている。それ以上を釣りバカにもとめる方が変なのか。
ヴァン・ヘルシング 8/28 TOHOシネマズ高槻3
★★★★
→ヒュー・ジャックマンのやる役ってのはいつも自分のやってることに(それが正義の行いであったとしてもだ)少しの戸惑いを持ちながらもきっちりと成功させてしまうというのが多いような気がする。元気のいいヒーローじゃなくて、どこかトラウマを持ったような感じで好きだな。好きな俳優はジェフリー・ラッシュというのもいいねえ。さて今作では美しき女吸血鬼(ジョージー・マランにもうメロメロ)あり、狼男あり、フランケンシュタインあり、連続クロスボウあり、ドタドタ走る太めの王女あり、と「まつり」ムービーでとても楽しかった。続編はできるのかねえ。。できますよね。
カーサ・エスペランサ/赤ちゃんたちの家 8/29 テアトル梅田2
★★
→「父と暮せば」をテアトル梅田に見に行ったんだが、満員だったので見た作品。南米まで赤ちゃんをもらいに行く6人の物語。割りと面白い背景だったんだが、6人もいらなかったような気もする。ラストはどこかあっけないが、こじんまりとまとまっている。現地のホテルメイドがよかった。彼女と6人の対比が興味深い。ただこれは女性が見る方が面白いんやろなあ。
春の日のクマは好きですか? 8/29 第七藝術劇場
★★
→これはシネマコリア2004で見た。一般に公開されてない韓国映画の傑作を上映するというやつで東京とか名古屋でもやってたらしい。大入り満員で吃驚した。韓国映画ファンというより、韓国ドラマのファンと思われる女性客が多かった。「子猫をお願い」のペ・ドゥナ主演のアイドル映画。映画自体は脚本もぐだぐだでつまらん映画なんだが、田畑智子と宮崎あおいを足したような感じのペ・ドゥナの可愛さが光りまくるので気にするな。目をくりくり動かしたり、熊の格好したりして踊るシーンが大変、愛らしい。幸せだったぞ。(←バカ)
品行ゼロ 8/29 第七藝術劇場
★★★★
→これは学園ドタバタコメディ。めちゃくちゃ、ベタな笑いなんだが勢いでぐいぐい押してしまう爽快感を持ってしまう。思わず、笑ってしまうのだ。「火山高」に雰囲気が似た映画なんだが、もっとライトにテンポよくまとめてて楽しい映画だった。「火山高」にも出てたコン・ヒョジンがハスッパな不良をやってます。会場も笑いがいっぱいで気持ちよく映画を見れました。
ベッピーノの百歩 8/30 日本イタリア京都会館
★★★
→ほとんど行くことが無かったがそのラインナップにはいつも目を通していた日本イタリア京都会館で見た最後の作品。前日にマルクス兄弟の映画を見に行ったのだが映写機の故障で見ることができなかったので出直してみたのがこれ。イタリアのマフィアを題材にした実録映画だが、別にヤクザ映画ではなくて、ヤクザと戦って死んだ若者のお話。「ゴッドファーザー」を例にとるまでもなく、イタリア南部のヤクザ社会はすさまじく、やはり車の爆発で暗殺をやっていた。面白い映画であったがいつ頃からか、ヤクザと正義の弁護士の映画となるとどこかヤクザに肩入れしたくなる。ヤクザ=絶対悪ではなくて、構造上の問題やまたそれを利用する輩やそうせざるを得なかった事情みたいなものもある。あまり感情移入できなかった。
☆9月ってわたし、封切映画は「トントンギコギコ図工の時間」の一本しか見てませんでした。「スウィング・ガールズ」ぐらいは見ないとなあ。。
セイブ・ザ・ワールド 8/14 みなみ会館
★★
→これはみなみ会館の「ポップコーンナイト」で見た作品。4本の作品をスニークプレビューで上映。一本目はホクテン座でひっそりと公開されたマイケル・ダグラスの映画。典型的なB級映画。これを1本1800円で見せられたら、泣けてくる。。でもこの4本の中ではこれが一番マシ。
☆知らなすぎた男 8/15 みなみ会館
★
→ビル・マーレーってそんなにいいとは思わんのだな。これ、大昔にWOWOWで見たような覚えがある。
☆お姐ちゃんお手やわらかに 8/15 みなみ会館
★
→75年にホリプロがゴッド姐ちゃんを主演に撮ったドタバタコメディ。和田アキ子が「うるせえぞ!」と叫ぶだけで暴走中の車がひっくり返るというアホ臭い演出から映画は始まる。まだフィルムがあったこと自体が奇跡だろう。ホリプロ15周年記念作品と銘打って山口百恵もちょっぴりだけ出ている。研ナオコ、マチャアキ、せんだみつお(これが姐ちゃんの憧れの人という設定ナノダ)ガバチョ、鈴木ヒロミツと出演陣は豪華。森昌子が可愛い。
ルーニー・テューンズ バック・・イン・アクション 8/15 みなみ会館
★★
→これは半分ぐらい寝てた作品。アメリカのアニメが好きな人(ディズニー以外のね)にはお薦め。それにプラスして映画のパロディがわかる知識で吹替えの子供用のアニメで楽しめる人とハードルが高すぎてちっともヒットしなかった作品。
バーバー吉野 8/19 みなみ会館
★★★★
→私は「やっぱり猫が好き!」を毎週見てたクチで、もたいまさこさんも大好きだった。いつか彼女が出ずっぱりの映画を見たいなあと思ってたので、今回の映画はすごく面白かった。頑固でありながら、どこか憎めないおばさん。映画の中では完全な悪役で子供に向かって「髪型を気にするなんて十年早いんだよ!」と怒鳴るような人なんだが、ふっとしたところで優しさも見せてくれる、懐の深いおばはんなのだ。気功で壊れたグルグル(赤、青、白のね)を回しちゃうシーンなんざあ、彼女じゃなきゃできんかったでしょう。それからあの吉野刈りなんだが、ふかわカットだよな?正しくは。
ホワイト・バレンタイン 8/19 みなみ会館
★★
→「猟奇的な彼女」に出てたチョン・ジヒョンのデビュー作だから見に行った作品だが脚本が韓国ドラマと同じでお話にならない。なんだかストーリーがよくわからんかった。でも彼女が可愛かったから許す。
華氏911 8/21 ガーデンシネマ梅田1
★★★★
→初日の二回目に見た。1時間半前に行ったが整理券番号は60番台で立ち見も出ていた。お気に入りは自分で作詞、作曲した変な歌を熱唱するアシュクロフトです。
IZO 8/21 ホクテン座1
★
→武知鎮典って言うホン屋さんは名台詞を書くのはうまいのだが、流れで映画を作るという組み立てが全く出来ない。今までだって下手だったのが、今回は意識的にやっているのだからもうたまらない。はっきり言うと実験作で、もしかして後世に評価されるかもしれないがその評価は「幻の湖」の今の評価とどっこいどっこいだろう。豪華キャストというのも一緒だしね。挙げるのが邪魔くさいほどの豪華キャスト(武知の人脈か?)が大量に出てきて何の思い入れもなく、死んでいく。主演は加藤雅也でもなく哀川翔でもなくて何故か48歳の中山一也。この人も倉本聰の家で腹切ったり、映画館に車を突っ込んだり、なんかよくわからん人で演技は間違いなく下手だが、何かに憑かれた感じで怖い。怖すぎる。映画秘宝によると、なんだか深い意味がある映画でパンフ(800円もするぜ)についている脚本を読むととっても面白い映画のような気もするが、映画の出来として最悪の出来栄えでとても劇場で見てられる代物じゃない。三池も傑作を撮ったり、変なの撮ったりで相変わらず、なんだかよくわからん人だねえ。映画以上にホンを書いた武知さんが気になってしまう。安藤昇の知り合いらしいが、この人の前職は何?あ、聞いちゃ駄目ですか?
☆本日、タグ辞典を買いました。スタイルシートが何かということがはじめてわかりました。思ったよりも単純なものだったのね。。来月中には大幅な改変を。。毎月言ってるな、わたしは。
☆友人と先日、メシを食う機会がありました。私と同い年の友人なのですが愛知の女子高生と付き合ってて、もう親にも挨拶してるとか。へええええ。チャットで知り合って遠距離ってのよりも女子高生と話があうってのがスゲエなあと恐れ入った。しかし女子高生でリーマンって付き合ってるのは多いそうな。うまやらしい、というよりも疲れねえか?同世代の人(同性、異性問わず)との会話もしんどくなってきている私から見れば、もう彼は。。異邦人
☆勤務で4時過ぎぐらいまで働く予定だったのですが、3時には終わってしまいました。4時からの京都映画祭クロージング行けたんだけどねえ、フリーパス持ってなかったしね。。こういうことってあるんだなあ、本当に。トホホ
★★
→これはみなみ会館の「ポップコーンナイト」で見た作品。4本の作品をスニークプレビューで上映。一本目はホクテン座でひっそりと公開されたマイケル・ダグラスの映画。典型的なB級映画。これを1本1800円で見せられたら、泣けてくる。。でもこの4本の中ではこれが一番マシ。
☆知らなすぎた男 8/15 みなみ会館
★
→ビル・マーレーってそんなにいいとは思わんのだな。これ、大昔にWOWOWで見たような覚えがある。
☆お姐ちゃんお手やわらかに 8/15 みなみ会館
★
→75年にホリプロがゴッド姐ちゃんを主演に撮ったドタバタコメディ。和田アキ子が「うるせえぞ!」と叫ぶだけで暴走中の車がひっくり返るというアホ臭い演出から映画は始まる。まだフィルムがあったこと自体が奇跡だろう。ホリプロ15周年記念作品と銘打って山口百恵もちょっぴりだけ出ている。研ナオコ、マチャアキ、せんだみつお(これが姐ちゃんの憧れの人という設定ナノダ)ガバチョ、鈴木ヒロミツと出演陣は豪華。森昌子が可愛い。
ルーニー・テューンズ バック・・イン・アクション 8/15 みなみ会館
★★
→これは半分ぐらい寝てた作品。アメリカのアニメが好きな人(ディズニー以外のね)にはお薦め。それにプラスして映画のパロディがわかる知識で吹替えの子供用のアニメで楽しめる人とハードルが高すぎてちっともヒットしなかった作品。
バーバー吉野 8/19 みなみ会館
★★★★
→私は「やっぱり猫が好き!」を毎週見てたクチで、もたいまさこさんも大好きだった。いつか彼女が出ずっぱりの映画を見たいなあと思ってたので、今回の映画はすごく面白かった。頑固でありながら、どこか憎めないおばさん。映画の中では完全な悪役で子供に向かって「髪型を気にするなんて十年早いんだよ!」と怒鳴るような人なんだが、ふっとしたところで優しさも見せてくれる、懐の深いおばはんなのだ。気功で壊れたグルグル(赤、青、白のね)を回しちゃうシーンなんざあ、彼女じゃなきゃできんかったでしょう。それからあの吉野刈りなんだが、ふかわカットだよな?正しくは。
ホワイト・バレンタイン 8/19 みなみ会館
★★
→「猟奇的な彼女」に出てたチョン・ジヒョンのデビュー作だから見に行った作品だが脚本が韓国ドラマと同じでお話にならない。なんだかストーリーがよくわからんかった。でも彼女が可愛かったから許す。
華氏911 8/21 ガーデンシネマ梅田1
★★★★
→初日の二回目に見た。1時間半前に行ったが整理券番号は60番台で立ち見も出ていた。お気に入りは自分で作詞、作曲した変な歌を熱唱するアシュクロフトです。
IZO 8/21 ホクテン座1
★
→武知鎮典って言うホン屋さんは名台詞を書くのはうまいのだが、流れで映画を作るという組み立てが全く出来ない。今までだって下手だったのが、今回は意識的にやっているのだからもうたまらない。はっきり言うと実験作で、もしかして後世に評価されるかもしれないがその評価は「幻の湖」の今の評価とどっこいどっこいだろう。豪華キャストというのも一緒だしね。挙げるのが邪魔くさいほどの豪華キャスト(武知の人脈か?)が大量に出てきて何の思い入れもなく、死んでいく。主演は加藤雅也でもなく哀川翔でもなくて何故か48歳の中山一也。この人も倉本聰の家で腹切ったり、映画館に車を突っ込んだり、なんかよくわからん人で演技は間違いなく下手だが、何かに憑かれた感じで怖い。怖すぎる。映画秘宝によると、なんだか深い意味がある映画でパンフ(800円もするぜ)についている脚本を読むととっても面白い映画のような気もするが、映画の出来として最悪の出来栄えでとても劇場で見てられる代物じゃない。三池も傑作を撮ったり、変なの撮ったりで相変わらず、なんだかよくわからん人だねえ。映画以上にホンを書いた武知さんが気になってしまう。安藤昇の知り合いらしいが、この人の前職は何?あ、聞いちゃ駄目ですか?
☆本日、タグ辞典を買いました。スタイルシートが何かということがはじめてわかりました。思ったよりも単純なものだったのね。。来月中には大幅な改変を。。毎月言ってるな、わたしは。
☆友人と先日、メシを食う機会がありました。私と同い年の友人なのですが愛知の女子高生と付き合ってて、もう親にも挨拶してるとか。へええええ。チャットで知り合って遠距離ってのよりも女子高生と話があうってのがスゲエなあと恐れ入った。しかし女子高生でリーマンって付き合ってるのは多いそうな。うまやらしい、というよりも疲れねえか?同世代の人(同性、異性問わず)との会話もしんどくなってきている私から見れば、もう彼は。。異邦人
☆勤務で4時過ぎぐらいまで働く予定だったのですが、3時には終わってしまいました。4時からの京都映画祭クロージング行けたんだけどねえ、フリーパス持ってなかったしね。。こういうことってあるんだなあ、本当に。トホホ
第四回京都映画祭〜また来年を楽しみに〜
2004年9月25日 京都映画館事情、映画祭、イベント情報など
京都映画祭〜おばさん特盛の祇園会館〜
☆25日の土曜日。京都映画祭もいよいよ明日でおしまい明日はいけない私は今日でおしまいなのだ。悲しいな、寂しいな。来年あるのかな。午前中、プールで泳いでから祇園会館に向かう。
☆まずは「ちゃんばらグラフティー 斬る!」。1981年の東映創立三十周年を記念して東映時代劇の名場面を編集して作られた、言わばちゃんばら映画版「ザッツ・エンタティメント」。片岡千恵蔵、市川右太衛門を始めとして大川橋蔵、中村錦之助、大友柳太朗、東千代之介、十四郎先生が宇崎竜童のロックにのってスクリーン狭しと暴れまくる痛快な映画であった。ナレーションを柄本明とベンガルがやっているのもいい。私のように東映時代劇はまだまだ初心者な人にとってはこれからどの映画を見たらいいのかということも学べる教科書のようなフィルムだ。お年寄りのお客さんは昔見た映画を見て懐かしく思ったか、あちこちでどよめきが起きていた。美空ひばりの出演シーンで何故か拍手が巻き起こった。
☆いつもは10分刻みなのに、美空ひばりの「青空天使」だけはたっぷり30分も休憩時間がある。「ちゃんばらグラフティー 斬る!」のときから出入りする人が多いなとは思っていたのだが、休憩時間になっておばさんがどやどやと増えてきた。男は全然いない。トイレを見ればはっきりする。男トイレはガラ空きで女トイレは行列だ。なんかあんのか?と思ったらこんなの、やってやがった。
http://www.misora-hibari.com/event.htm
美空ひばり記念館がこの映画のチケットと記念館のチケットと記念品をセットにつけて3500円で販売しておったのだ。俺が見たおばさんの大群はこれだったのだ。しかし、記念品が何か知らんが前売り800円の映画チケットに1600円の記念館チケット(高っ)で3500円ってどうよ?ひばムスもいい商売してんなあ。美空ひばりってやっぱり人気あるんだねええええ。それは微笑ましいことですネ。(感情こめずに)仕事でおばさんを相手にすることが多いので、おばさんのうるささや会話の中身の無さにはさほど苦にはならんが仕事のことを思い出してすごく厭な気分になったので自分の席にパンフレットをおいて珈琲を飲みに出かけた。
帰って来たら、俺の席が無かった。
さすがにムッとしてると「兄ちゃん、ごめんな」と席は返してくれた。パンフは尻に引かれていた。
おばさんは進化を忘れた生き物(昭和歌謡大全集)・・・村上龍はいい作家だねえ。。
☆おばさん特盛状態で「青空天使」は始まった。
青空天使が如何に貴重なフィルムであるか
↓ ↓ ↓
http://sports.nifty.com/headline/entertainment/entertainment_sponichi_20040919_7.htm
美空ひばりの映画出演本数ってのはシャレにならないほど多い。子役から有名だったのでほとんどのフィルムは残ってるらしいが「青空天使」は初期の代表作でありながら長らく行方がわからない作品だったらしい。最近になって見つかったが痛みがひどかったために400万円(!)もかけて補修して今回の公開になった。あのシブチンの東映が400万円を出したってからよっぽど、需要があるんだろうねえ。「仁義なき戦い 広島死闘編」とか「日本の首領」シリーズはニュープリントにしねえのに。なんかむかつく。「青空天使」は主題歌もヒットしたことでファンの間でも話題になってた作品。共演も豪華だ。入江若葉の母で戦前のトップスターだった入江たか子に川田晴久、伴淳三郎に横山エンタツ、花菱アチャコまで出てる。エンタツアチャコですよ!関西の皆様。
☆おばさんは恥じらいがないので、思ったことは全てに口に出す。うるせえの、なんの。笑い声もうるせえしね。隣でひばりの歌うシーンに合わせて歌を歌いだすおばさんには閉口した。もうたまらん。ひばりの子供時代を見て「かわいい」ってあんたらより年上だよ!ひばりさんは!映画自体はストーリーは簡単だが喜劇人の出演もあってかテンポは軽く面白く見てられた。いやしかし、ひばりファンのおばさんにはまいった。。
☆おばさん特盛から逃れるように文化博物館にてシンポジウム。パネラーは山根貞男氏、中島貞夫氏、殺陣師の清家三彦氏、「カブキ・ハンドブック」の児玉竜一氏、そして「ちゃんばらグラフティー 斬る!」を撮った浦谷年良氏であった。浦谷氏編集の「ちゃんばらグラフティー 特別編」が面白かった。色々な時代劇の名シーンが集められているもので時代劇スターの違いがよくわかった。歌舞伎と新劇の対比が映画に表れている話やCGの使用についてなどなかなか興味深い話が多かった。戦前の時代劇は歌舞伎の影響を受けて様式美を大切にしたものであった。それに対抗したのが新劇出身の伊藤大輔で大河内傳次郎と組んでダイナミックな新しい時代劇を作った。伊藤大輔が戦前最も偉大だった映画監督と呼ばれるわけがわかった。カメラを動かして動きのある映像を撮ることから”イドウダイスキ”となる異名を取った事は有名ですな。
☆私の京都映画祭は終わった。思えば、5年前の第2回京都映画祭でまだまだお尻にカラをつけたひよこだった私は「丹下左膳余話 百万両の壺」を見て日本映画に大変興味を持ったのだ。そして今年の映画祭も今まで見る機会が少なかったチャンバラ映画をたっぷり楽しむことができた。また次の映画祭でもこのようにいろんな映画を知っていきたい、楽しみたいと思う。
☆京都映画祭については来月中にまとめページを作ります。来週からは通常更新に戻ります。仕事を含めていろんなことが山積で明日からの勤務が怖い。ヤだな。。ばっくれちゃうか?おなか痛いとか言って
☆25日の土曜日。京都映画祭もいよいよ明日でおしまい明日はいけない私は今日でおしまいなのだ。悲しいな、寂しいな。来年あるのかな。午前中、プールで泳いでから祇園会館に向かう。
☆まずは「ちゃんばらグラフティー 斬る!」。1981年の東映創立三十周年を記念して東映時代劇の名場面を編集して作られた、言わばちゃんばら映画版「ザッツ・エンタティメント」。片岡千恵蔵、市川右太衛門を始めとして大川橋蔵、中村錦之助、大友柳太朗、東千代之介、十四郎先生が宇崎竜童のロックにのってスクリーン狭しと暴れまくる痛快な映画であった。ナレーションを柄本明とベンガルがやっているのもいい。私のように東映時代劇はまだまだ初心者な人にとってはこれからどの映画を見たらいいのかということも学べる教科書のようなフィルムだ。お年寄りのお客さんは昔見た映画を見て懐かしく思ったか、あちこちでどよめきが起きていた。美空ひばりの出演シーンで何故か拍手が巻き起こった。
☆いつもは10分刻みなのに、美空ひばりの「青空天使」だけはたっぷり30分も休憩時間がある。「ちゃんばらグラフティー 斬る!」のときから出入りする人が多いなとは思っていたのだが、休憩時間になっておばさんがどやどやと増えてきた。男は全然いない。トイレを見ればはっきりする。男トイレはガラ空きで女トイレは行列だ。なんかあんのか?と思ったらこんなの、やってやがった。
http://www.misora-hibari.com/event.htm
美空ひばり記念館がこの映画のチケットと記念館のチケットと記念品をセットにつけて3500円で販売しておったのだ。俺が見たおばさんの大群はこれだったのだ。しかし、記念品が何か知らんが前売り800円の映画チケットに1600円の記念館チケット(高っ)で3500円ってどうよ?ひばムスもいい商売してんなあ。美空ひばりってやっぱり人気あるんだねええええ。それは微笑ましいことですネ。(感情こめずに)仕事でおばさんを相手にすることが多いので、おばさんのうるささや会話の中身の無さにはさほど苦にはならんが仕事のことを思い出してすごく厭な気分になったので自分の席にパンフレットをおいて珈琲を飲みに出かけた。
帰って来たら、俺の席が無かった。
さすがにムッとしてると「兄ちゃん、ごめんな」と席は返してくれた。パンフは尻に引かれていた。
☆おばさん特盛状態で「青空天使」は始まった。
青空天使が如何に貴重なフィルムであるか
↓ ↓ ↓
http://sports.nifty.com/headline/entertainment/entertainment_sponichi_20040919_7.htm
美空ひばりの映画出演本数ってのはシャレにならないほど多い。子役から有名だったのでほとんどのフィルムは残ってるらしいが「青空天使」は初期の代表作でありながら長らく行方がわからない作品だったらしい。最近になって見つかったが痛みがひどかったために400万円(!)もかけて補修して今回の公開になった。あのシブチンの東映が400万円を出したってからよっぽど、需要があるんだろうねえ。「仁義なき戦い 広島死闘編」とか「日本の首領」シリーズはニュープリントにしねえのに。なんかむかつく。「青空天使」は主題歌もヒットしたことでファンの間でも話題になってた作品。共演も豪華だ。入江若葉の母で戦前のトップスターだった入江たか子に川田晴久、伴淳三郎に横山エンタツ、花菱アチャコまで出てる。エンタツアチャコですよ!関西の皆様。
☆
☆おばさん特盛から逃れるように文化博物館にてシンポジウム。パネラーは山根貞男氏、中島貞夫氏、殺陣師の清家三彦氏、「カブキ・ハンドブック」の児玉竜一氏、そして「ちゃんばらグラフティー 斬る!」を撮った浦谷年良氏であった。浦谷氏編集の「ちゃんばらグラフティー 特別編」が面白かった。色々な時代劇の名シーンが集められているもので時代劇スターの違いがよくわかった。歌舞伎と新劇の対比が映画に表れている話やCGの使用についてなどなかなか興味深い話が多かった。戦前の時代劇は歌舞伎の影響を受けて様式美を大切にしたものであった。それに対抗したのが新劇出身の伊藤大輔で大河内傳次郎と組んでダイナミックな新しい時代劇を作った。伊藤大輔が戦前最も偉大だった映画監督と呼ばれるわけがわかった。カメラを動かして動きのある映像を撮ることから”イドウダイスキ”となる異名を取った事は有名ですな。
☆私の京都映画祭は終わった。思えば、5年前の第2回京都映画祭でまだまだお尻にカラをつけたひよこだった私は「丹下左膳余話 百万両の壺」を見て日本映画に大変興味を持ったのだ。そして今年の映画祭も今まで見る機会が少なかったチャンバラ映画をたっぷり楽しむことができた。また次の映画祭でもこのようにいろんな映画を知っていきたい、楽しみたいと思う。
☆京都映画祭については来月中にまとめページを作ります。来週からは通常更新に戻ります。仕事を含めていろんなことが山積で明日からの勤務が怖い。ヤだな。。ばっくれちゃうか?おなか痛いとか言って
京都映画祭〜時代劇はこれからどうなっていくのか〜
2004年9月24日 京都映画館事情、映画祭、イベント情報など
☆相変わらず、元気に映画見てまっせーという感じで京都映画祭の中間報告2です。京都映画祭も残るは二日。クロージングセレモニーは私見れません(クソ)ので明日が私にとっては最終日になります。この一週間、本当に映画しか見てないです。まあ年に何回もないことですしね、ねえ?(誰に言ってんだか)
☆22日はお休み。職場で仕事をしていました。弟が見に行っておりました。祇園会館で行なわれた文化庁のシンポジウム。人集まるんかいな、と密かに心配しておりましたが超満員で延長までしていたそうです。ゲストは崔洋一(日本映画監督協会理事長らしい)とゆとり教育の寺脇部長。崔洋一の人気もさることながら、京都市の副市長も出てますし、動員はかかってるでしょう。でも地域からの映画作りって凄く興味があって、実は行きたかったんですが、さすがに一週間丸ごと休むというのはねえ。。まだ二年目だしねえ、私も。
☆23日秋分の日も私は映画だ。前田珈琲本店でフレンチトーストで脳みそに砂糖を供給して京都文化博物館に出発。大入り満員の中で「特急三百哩」を活弁つきで鑑賞する。後ろの方で山根貞男氏がいるのを確認する、、って前説もやってたけど。1928年に作られたサイレント映画で鉄道省バックアップの蒸気機関車が走りたおすという触れ込みだったが最初で最後に少し走るだけであとは退屈なメロドラマというケッタイな映画であった。
☆続けて「父と暮らせば」の黒木和雄監督によるトーク。題して「山中貞雄監督を語る」。9月17日の山中貞雄の命日に山中貞雄を偲ぶ会という催しが京都のお寺で毎年行なわれている。黒木監督は山中貞雄の甥の加藤泰監督に師事しており、山中に興味を持って伝記映画を企画したこともあるらしい。私も山中貞雄の「人情紙風船」「丹下左膳余話百万両の壺」(DVDも買った)が大好きなので非常に面白いトークであった。聞き手はシネ・ヌーヴォの景山さんだった。山中貞雄の姪、原田道子さんからもお話がああった。黒木監督の映画は実はそんなに好きではないが、山中監督の伝記映画はぜひ見てみたいと思う。22年越しの企画だそうで実現して欲しいな。黒木監督の「これだけ凄い監督を一兵卒として殺してしまった戦争というものを私は許すことができない」という言葉が印象に残った。「丹下左膳余話百万両の壺」を25歳で撮ってしまった監督が29歳で死ななかったら戦後にどんな映画を撮ってくれたんだろう。戦後映画史もきっと変わったものになったと思う。そう思えるほど、遺された三作品はいい作品なのだ。
☆続けて祇園会館にて行なわれた座談会「ちゃんばら映画はこう作る」を見に行く。出演は福本清三、栗塚旭、殺陣師の上野隆三のお三方で司会は中島貞夫。出演者が刀をぶら下げながらでてくるのだから、期待してしまうではないか。待ってましたの立ち回り。上野氏が型を丁寧につけていって、実演。栗塚氏に斬られて、しっかり海老ぞりで死んでいく福本氏に会場全体から拍手が巻き起こるという大変楽しい時間であった。大友柳太朗は構えが大きく、胴払いするつもりが鼻の下を払ってしまった話とか河原崎長一郎は自分で目の下を斬ったことがあるとかの思い出話も楽しかった。拓ボンの話も面白かった。川谷拓三と志賀勝は「蒲田行進曲」のヤスじゃないけど危険手当がつく、危険なスタントもよくやってたらしい。その危険手当を飲み代にしていた。この時代の大部屋俳優の無茶ぶりはすごい。スタントの練習で撮影所の3階の窓から飛び降りたという逸話も残っている。下にはマットは引いてあるが危なすぎる。これもやはりやってたのは志賀勝と川谷拓三(笑)。拓ボンは中島貞夫の映画で火だるまになったり、高所恐怖症なのに忍者のスタントに志願して上にあがった途端に泣き出して代役を福本さんがやったりとかいろいろあったらしい。福本さんは拓ボンと一緒に住んでいた時期もあった。
☆後半は時代劇についての意見が交わされた。時代劇の今後はどうなっていくのか。19日の座談会で品川隆二が「昔のような時代劇はテレビでは成立するが映画に撮るとお客が見に来てくれない、自分が理想と思う時代劇はもう映画では無理だと思う」という感じのことを語っていたがこれはもう本当に深刻な問題でスタッフもキャストも規模が小さくなってきている。でも新しい人を入れてもメシが食えるかわからないという問題に直面してしまう。上野氏にしても福本氏にしてもその危機意識というのは大変高かった。福本氏は「ラストサムライ」撮影参加の経験から「聖林の凄いところは我々よりも本格的な時代劇映画でも簡単に撮ってしまうところで、馬の扱いや立ち回りについても本当によく勉強している。私は北野武監督の座頭市はそんなに好きではないが、ヒットしているということはやはりそれなりの魅力があるのだろう。まずはお客さんが入る映画を撮らないと。それには時代劇の変化も必要だろう」というような感じのことを熱弁しておられた。本当にこの人たちは時代劇が好きなんだなあ、、と思える有意義な座談会であった。
☆京極弥生座にて「座頭市 血煙り街道」を鑑賞後にダッシュで祇園会館にトンボ返り。ここ数日、新京極から祇園までを幾度往復したことか。大阪芸大出身で「燃えよ!ピンポン」という大脱力映画を撮った三原光尋監督の最新作「村の写真集」。淡々とテンポよく進められてじっくりと見ることができた。海東健はなかなかよくなったなあ。泣くシーンもよかったし。宮地真緒も可愛かったし。
☆24日。今日も朝から映画。祇園会館にて「幕末残酷物語」「丹下左膳」(バンツマバージョンの松竹映画)東映オールスターの「丹下左膳 決定版」の3本を見る。丹下左膳ってのは何回も映画化されてて一番有名なのはやはり大河内傳次郎の「セイはシャンゲ、名はシャゼン」が有名なんだが戦前からアラカンとか個性的な脇役で有名だった団徳磨に月形龍之介にバンツマ、水島道太郎、丹波さん、錦之助、そして大友柳太朗といろんな人がやっている。実録華やかなりし頃には文太さんがやるという話もあったと言う。「丹下左膳 決定版」は天然色カラー(東映スコープ)を生かした綺麗で華やかな映画だった。今まであんまり見てなかった東映時代劇だが実に面白い。やはり映画は東映と大映だな。「幕末残酷物語」も新撰組の裏面史みたいなドラマで幕末に翻弄されていく若者を描いており、非常に面白い。
☆22日はお休み。職場で仕事をしていました。弟が見に行っておりました。祇園会館で行なわれた文化庁のシンポジウム。人集まるんかいな、と密かに心配しておりましたが超満員で延長までしていたそうです。ゲストは崔洋一(日本映画監督協会理事長らしい)とゆとり教育の寺脇部長。崔洋一の人気もさることながら、京都市の副市長も出てますし、動員はかかってるでしょう。でも地域からの映画作りって凄く興味があって、実は行きたかったんですが、さすがに一週間丸ごと休むというのはねえ。。まだ二年目だしねえ、私も。
☆23日秋分の日も私は映画だ。前田珈琲本店でフレンチトーストで脳みそに砂糖を供給して京都文化博物館に出発。大入り満員の中で「特急三百哩」を活弁つきで鑑賞する。後ろの方で山根貞男氏がいるのを確認する、、って前説もやってたけど。1928年に作られたサイレント映画で鉄道省バックアップの蒸気機関車が走りたおすという触れ込みだったが最初で最後に少し走るだけであとは退屈なメロドラマというケッタイな映画であった。
☆続けて「父と暮らせば」の黒木和雄監督によるトーク。題して「山中貞雄監督を語る」。9月17日の山中貞雄の命日に山中貞雄を偲ぶ会という催しが京都のお寺で毎年行なわれている。黒木監督は山中貞雄の甥の加藤泰監督に師事しており、山中に興味を持って伝記映画を企画したこともあるらしい。私も山中貞雄の「人情紙風船」「丹下左膳余話百万両の壺」(DVDも買った)が大好きなので非常に面白いトークであった。聞き手はシネ・ヌーヴォの景山さんだった。山中貞雄の姪、原田道子さんからもお話がああった。黒木監督の映画は実はそんなに好きではないが、山中監督の伝記映画はぜひ見てみたいと思う。22年越しの企画だそうで実現して欲しいな。黒木監督の「これだけ凄い監督を一兵卒として殺してしまった戦争というものを私は許すことができない」という言葉が印象に残った。「丹下左膳余話百万両の壺」を25歳で撮ってしまった監督が29歳で死ななかったら戦後にどんな映画を撮ってくれたんだろう。戦後映画史もきっと変わったものになったと思う。そう思えるほど、遺された三作品はいい作品なのだ。
☆続けて祇園会館にて行なわれた座談会「ちゃんばら映画はこう作る」を見に行く。出演は福本清三、栗塚旭、殺陣師の上野隆三のお三方で司会は中島貞夫。出演者が刀をぶら下げながらでてくるのだから、期待してしまうではないか。待ってましたの立ち回り。上野氏が型を丁寧につけていって、実演。栗塚氏に斬られて、しっかり海老ぞりで死んでいく福本氏に会場全体から拍手が巻き起こるという大変楽しい時間であった。大友柳太朗は構えが大きく、胴払いするつもりが鼻の下を払ってしまった話とか河原崎長一郎は自分で目の下を斬ったことがあるとかの思い出話も楽しかった。拓ボンの話も面白かった。川谷拓三と志賀勝は「蒲田行進曲」のヤスじゃないけど危険手当がつく、危険なスタントもよくやってたらしい。その危険手当を飲み代にしていた。この時代の大部屋俳優の無茶ぶりはすごい。スタントの練習で撮影所の3階の窓から飛び降りたという逸話も残っている。下にはマットは引いてあるが危なすぎる。これもやはりやってたのは志賀勝と川谷拓三(笑)。拓ボンは中島貞夫の映画で火だるまになったり、高所恐怖症なのに忍者のスタントに志願して上にあがった途端に泣き出して代役を福本さんがやったりとかいろいろあったらしい。福本さんは拓ボンと一緒に住んでいた時期もあった。
☆後半は時代劇についての意見が交わされた。時代劇の今後はどうなっていくのか。19日の座談会で品川隆二が「昔のような時代劇はテレビでは成立するが映画に撮るとお客が見に来てくれない、自分が理想と思う時代劇はもう映画では無理だと思う」という感じのことを語っていたがこれはもう本当に深刻な問題でスタッフもキャストも規模が小さくなってきている。でも新しい人を入れてもメシが食えるかわからないという問題に直面してしまう。上野氏にしても福本氏にしてもその危機意識というのは大変高かった。福本氏は「ラストサムライ」撮影参加の経験から「聖林の凄いところは我々よりも本格的な時代劇映画でも簡単に撮ってしまうところで、馬の扱いや立ち回りについても本当によく勉強している。私は北野武監督の座頭市はそんなに好きではないが、ヒットしているということはやはりそれなりの魅力があるのだろう。まずはお客さんが入る映画を撮らないと。それには時代劇の変化も必要だろう」というような感じのことを熱弁しておられた。本当にこの人たちは時代劇が好きなんだなあ、、と思える有意義な座談会であった。
☆京極弥生座にて「座頭市 血煙り街道」を鑑賞後にダッシュで祇園会館にトンボ返り。ここ数日、新京極から祇園までを幾度往復したことか。大阪芸大出身で「燃えよ!ピンポン」という大脱力映画を撮った三原光尋監督の最新作「村の写真集」。淡々とテンポよく進められてじっくりと見ることができた。海東健はなかなかよくなったなあ。泣くシーンもよかったし。宮地真緒も可愛かったし。
☆24日。今日も朝から映画。祇園会館にて「幕末残酷物語」「丹下左膳」(バンツマバージョンの松竹映画)東映オールスターの「丹下左膳 決定版」の3本を見る。丹下左膳ってのは何回も映画化されてて一番有名なのはやはり大河内傳次郎の「セイはシャンゲ、名はシャゼン」が有名なんだが戦前からアラカンとか個性的な脇役で有名だった団徳磨に月形龍之介にバンツマ、水島道太郎、丹波さん、錦之助、そして大友柳太朗といろんな人がやっている。実録華やかなりし頃には文太さんがやるという話もあったと言う。「丹下左膳 決定版」は天然色カラー(東映スコープ)を生かした綺麗で華やかな映画だった。今まであんまり見てなかった東映時代劇だが実に面白い。やはり映画は東映と大映だな。「幕末残酷物語」も新撰組の裏面史みたいなドラマで幕末に翻弄されていく若者を描いており、非常に面白い。
☆京都映画祭に夢中のために感想を更新する時間もございません。しばらく、更新は滞ると思います。そのせいか、借りたビデオを見れないままに返してしまうことになりました。「午後の遺言状」見たかったな。。
☆京都映画祭は祇園会館、京極弥生座、京都文化博物館の3箇所で行なわれるので、何を見るかを考えねばならない。今回のラインナップは本当に凄くて、できれば全部見たいぐらいだ。が、私はパーマンではないのでコピーロボットを持っておらんし、また生計を得る手段としてフルタイムで仕事もしている。見る映画はどうしても限られる。21日に後半休、24日に年休をいただいた。代わりに26日は出勤せねばならない。この一週間ほどはパンフレットとにらめっこであった。またこの期間に高槻で女性映画傑作選もやるのだ。
☆19日。ぴあで買ったフリーパスを握りしめて京極弥生座に向かう。中島貞夫監督の「木枯し紋次郎 関わりござんせん」、東映スター揃い踏み「きさらぎ無双剣」そしてチャンバラの天才であった近衛十四郎先生の「十兵衛暗殺剣」を連続で見る。「木枯し紋次郎」では中島貞夫監督が来ていた。夕方、祇園会館にて「京の俳優・時代劇を語る」という座談会を見る。参加者は志賀勝、三島ゆり子、品川隆二、五味龍太郎、野口貴史、市田ひろみ、そして中島貞夫。実は志賀勝のファンで彼を楽しみにしていた。俳優(加賀邦夫)の息子と言うことを始めて知った。ついでに言うと市田ひろみが大映のニューフェースだったことも知らんかった。各役者が思い、思いのことを喋っていたが志賀勝と三島ゆり子の掛け合いと品川隆二の暴走が面白かった。お客さんには関係者も多いらしく、「あの人に逢うのは俊藤(東映のプロデューサー、藤純子の父親)さんの葬式以来やな」という声とか「東京でやった中島監督の映画は大入り満員やったらしいな」との声が聞こえていた。大阪芸大(中島貞夫は芸大で教えている)の学生さんらしい若い人も来ていた。
☆20日。今日も朝から京極弥生座で内田吐夢監督の「宮本武蔵 一乗寺の決闘」近衛十四郎先生主演で集団時代劇のはしりと呼ばれた「忍者狩り」マキノ監督のリメイク「浪人街」(フィルム状態悪し)を見る。今回は「忍者狩り」「十兵衛暗殺剣」「きさらぎ無双剣」「浪人街」「座頭市 血煙街道」と近衛十四郎映画祭か、と思うぐらいに先生の出演作品が多い。実にいいことだ。夕方から京都文化博物館にて「『武士道』公開記念シンポジウム」を見に行く。「武士道」ってのは日独合作で作られた1926年という古い作品で戦国時代に日本に流れ着いたドイツ人カップルの冒険活劇(なんだろう、多分)で大変珍しいもので日本版のフィルムは無く、ドイツ版での公開となった。シンポジウム終了後にも見たのだが、ストーリーがかなり変てこでトホホな映画であった。シンポジウムの最中、客席に座っていた蓮實重彦が「バカな映画」と言っていたが確かにこれは珍品の部類だろう。ちなみに蓮實重彦って名前だけ知ってて顔を知らなかったんで近くにいたのに全然気づかなかった。
☆21日。昼まで浮世の義理にて田舎で仕事。午後から祇園会館にて集団時代劇の傑作「十三人の刺客」京極弥生座にて千恵蔵主演の「新撰組鬼隊長」、そして祇園会館にて平田満のゲストトーク後に「蒲田行進曲」を見る。弥生座では連日満員だが、祇園会館は半分ほどの入り。やはりハコが大きいところはしんどいか。「蒲田行進曲」はそんなに好きな作品ではなかったが、スクリーンで見るとあのがちゃがちゃとした感じがなんとも楽しい。つまらん人生だが、明日も生きてみようと明るく映画館を後にすることができた。実にいい映画だ。
☆明日は浮世の義理で出勤。行けませぬ。。文化庁シンポジウムに逝きたかったけどなあ。。
http://www.kyoto-filmfes.jp/2004k/index.html
☆京都映画祭は祇園会館、京極弥生座、京都文化博物館の3箇所で行なわれるので、何を見るかを考えねばならない。今回のラインナップは本当に凄くて、できれば全部見たいぐらいだ。が、私はパーマンではないのでコピーロボットを持っておらんし、また生計を得る手段としてフルタイムで仕事もしている。見る映画はどうしても限られる。21日に後半休、24日に年休をいただいた。代わりに26日は出勤せねばならない。この一週間ほどはパンフレットとにらめっこであった。またこの期間に高槻で女性映画傑作選もやるのだ。
☆19日。ぴあで買ったフリーパスを握りしめて京極弥生座に向かう。中島貞夫監督の「木枯し紋次郎 関わりござんせん」、東映スター揃い踏み「きさらぎ無双剣」そしてチャンバラの天才であった近衛十四郎先生の「十兵衛暗殺剣」を連続で見る。「木枯し紋次郎」では中島貞夫監督が来ていた。夕方、祇園会館にて「京の俳優・時代劇を語る」という座談会を見る。参加者は志賀勝、三島ゆり子、品川隆二、五味龍太郎、野口貴史、市田ひろみ、そして中島貞夫。実は志賀勝のファンで彼を楽しみにしていた。俳優(加賀邦夫)の息子と言うことを始めて知った。ついでに言うと市田ひろみが大映のニューフェースだったことも知らんかった。各役者が思い、思いのことを喋っていたが志賀勝と三島ゆり子の掛け合いと品川隆二の暴走が面白かった。お客さんには関係者も多いらしく、「あの人に逢うのは俊藤(東映のプロデューサー、藤純子の父親)さんの葬式以来やな」という声とか「東京でやった中島監督の映画は大入り満員やったらしいな」との声が聞こえていた。大阪芸大(中島貞夫は芸大で教えている)の学生さんらしい若い人も来ていた。
☆20日。今日も朝から京極弥生座で内田吐夢監督の「宮本武蔵 一乗寺の決闘」近衛十四郎先生主演で集団時代劇のはしりと呼ばれた「忍者狩り」マキノ監督のリメイク「浪人街」(フィルム状態悪し)を見る。今回は「忍者狩り」「十兵衛暗殺剣」「きさらぎ無双剣」「浪人街」「座頭市 血煙街道」と近衛十四郎映画祭か、と思うぐらいに先生の出演作品が多い。実にいいことだ。夕方から京都文化博物館にて「『武士道』公開記念シンポジウム」を見に行く。「武士道」ってのは日独合作で作られた1926年という古い作品で戦国時代に日本に流れ着いたドイツ人カップルの冒険活劇(なんだろう、多分)で大変珍しいもので日本版のフィルムは無く、ドイツ版での公開となった。シンポジウム終了後にも見たのだが、ストーリーがかなり変てこでトホホな映画であった。シンポジウムの最中、客席に座っていた蓮實重彦が「バカな映画」と言っていたが確かにこれは珍品の部類だろう。ちなみに蓮實重彦って名前だけ知ってて顔を知らなかったんで近くにいたのに全然気づかなかった。
☆21日。昼まで浮世の義理にて田舎で仕事。午後から祇園会館にて集団時代劇の傑作「十三人の刺客」京極弥生座にて千恵蔵主演の「新撰組鬼隊長」、そして祇園会館にて平田満のゲストトーク後に「蒲田行進曲」を見る。弥生座では連日満員だが、祇園会館は半分ほどの入り。やはりハコが大きいところはしんどいか。「蒲田行進曲」はそんなに好きな作品ではなかったが、スクリーンで見るとあのがちゃがちゃとした感じがなんとも楽しい。つまらん人生だが、明日も生きてみようと明るく映画館を後にすることができた。実にいい映画だ。
☆明日は浮世の義理で出勤。行けませぬ。。文化庁シンポジウムに逝きたかったけどなあ。。
http://www.kyoto-filmfes.jp/2004k/index.html
いよいよ京都映画祭スタート
2004年9月18日 京都映画館事情、映画祭、イベント情報など
☆まずどうでもいいことを書いてしまうと。。
☆金曜日の夜に職場の若い者の飲み会があった。日頃、同期の交わりをあまりしていないために知らない人ばかりで「借りてきたネコ」状態。ところが今回の世話人をしてくださった先輩(でも大学の後輩)が一人ずつ紹介してくれたので、楽しく過ごすことができた。ええ人や。私は大勢と話すのが苦手でまた飲み会のノリが好きではない。うるさいしね。しかし、それでは世間が広がらないからなと思って参加してみた。話が合いそうな人と全く噛みあわない人がわかっただけでも収穫であった。実はいつも有志で遊んでるグループ2つとほとんど参加してない人(私一人)で参加してない同期の方もいっぱいいるのだった。いつもしてないことをすると緊張するものだ。二次会は遠慮して、一人で六曜社にて一心地ついておった。
☆土曜日。今日は京都まつりであった。この祭り、もう10年以上もやっているがいまだに観光客にも市民にも定着しない、典型的な”官製”のお祭りである。今年は予算がないのでやらないと思ってたのに、やはり辞められないらしい。つくづく、情けない。今日は仕事もないのだが、仕事関係の団体が出ているのでやはり見に行くだけ行ってきた。昨年と違い、パレードも無くなり、より”一部の”お祭りになっておった感じが強くなってきた。もうなんだかわからん。
☆4時過ぎに関係者に挨拶だけして京都文化博物館で雷蔵の「薄桜記」を見る。勝新と雷蔵が出ている贅沢な映画である。架空のサイドストーリーで悲劇の主人公を雷蔵が、堀部安兵衛を勝新がやってる。しかし堀部安兵衛の妻が少女だったというのは本当なのかしらん?ネットで調べてもよくわからん。「決闘高田の馬場」では妙齢の女性で安兵衛にタスキを投げたりしてたっけ。ドラマでもやはり大人の設定だしなあ。。ううむ、わからん。養父の堀部弥兵衛っていう人は討ち入りした時には御年76歳。なんだ、この爺さんは。安兵衛をリクルートして親子で討ち入りして切腹してしまった。奥さんの娘さんは大変だったろう。映画が終わってから、後ろに栗塚旭さんがいたのに気づいた。文化博物館を出るといろんなところで壁をスクリーンに映像を流していた。
☆さて今日から京都映画祭である。今日は京都駅の駅ビルで開会式をやっていた。開会式終了後に「特急三百哩」を上映していたのを少し覗いて来た。あの伊勢丹横の階段であるが思った以上に人がいて吃驚した。
☆映画祭中にこんなイベントもあるらしいよ
http://www.yokoyamakick.com/project/index.html
写真をはてなでアップしますた。
http://d.hatena.ne.jp/tetorapot/
☆金曜日の夜に職場の若い者の飲み会があった。日頃、同期の交わりをあまりしていないために知らない人ばかりで「借りてきたネコ」状態。ところが今回の世話人をしてくださった先輩(でも大学の後輩)が一人ずつ紹介してくれたので、楽しく過ごすことができた。ええ人や。私は大勢と話すのが苦手でまた飲み会のノリが好きではない。うるさいしね。しかし、それでは世間が広がらないからなと思って参加してみた。話が合いそうな人と全く噛みあわない人がわかっただけでも収穫であった。実はいつも有志で遊んでるグループ2つとほとんど参加してない人(私一人)で参加してない同期の方もいっぱいいるのだった。いつもしてないことをすると緊張するものだ。二次会は遠慮して、一人で六曜社にて一心地ついておった。
☆土曜日。今日は京都まつりであった。この祭り、もう10年以上もやっているがいまだに観光客にも市民にも定着しない、典型的な”官製”のお祭りである。今年は予算がないのでやらないと思ってたのに、やはり辞められないらしい。つくづく、情けない。今日は仕事もないのだが、仕事関係の団体が出ているのでやはり見に行くだけ行ってきた。昨年と違い、パレードも無くなり、より”一部の”お祭りになっておった感じが強くなってきた。もうなんだかわからん。
☆4時過ぎに関係者に挨拶だけして京都文化博物館で雷蔵の「薄桜記」を見る。勝新と雷蔵が出ている贅沢な映画である。架空のサイドストーリーで悲劇の主人公を雷蔵が、堀部安兵衛を勝新がやってる。しかし堀部安兵衛の妻が少女だったというのは本当なのかしらん?ネットで調べてもよくわからん。「決闘高田の馬場」では妙齢の女性で安兵衛にタスキを投げたりしてたっけ。ドラマでもやはり大人の設定だしなあ。。ううむ、わからん。養父の堀部弥兵衛っていう人は討ち入りした時には御年76歳。なんだ、この爺さんは。安兵衛をリクルートして親子で討ち入りして切腹してしまった。奥さんの娘さんは大変だったろう。映画が終わってから、後ろに栗塚旭さんがいたのに気づいた。文化博物館を出るといろんなところで壁をスクリーンに映像を流していた。
☆さて今日から京都映画祭である。今日は京都駅の駅ビルで開会式をやっていた。開会式終了後に「特急三百哩」を上映していたのを少し覗いて来た。あの伊勢丹横の階段であるが思った以上に人がいて吃驚した。
☆映画祭中にこんなイベントもあるらしいよ
http://www.yokoyamakick.com/project/index.html
写真をはてなでアップしますた。
http://d.hatena.ne.jp/tetorapot/
ディ・アフター・トゥモロー 8/1 東宝公楽
★★★★
→エメリッヒの映画は「インデペンデンス・ディ」を高校の頃に見て以来で見る気もなかったんだが、「復活の日」を見てなんか見たくなったので映画の日に見に行ってきた。画面の迫力だけで押すのではなくて、登場人物の色づけをしっかり行い、ドラマでも充分に見せてくれる映画になっている。本を抱きしめる、図書館司書なんかよかったな。ストーリーには何の関係も無いんだが、こういうキャラクターがドラマに深みを与える。ラストは少しあざといが、俺は案外好きだ。温暖化は確実に進んでて、あんまりぞっとしない映画だ。
機関車先生 8/8 京極弥生座2
★★★
→地味で大人しすぎる映画ですが、丁寧に時間をたっぷりかけて作られた作品。堺正章や笑福亭松之助の渋い演技がいい。それから倍賞美津子はいい婆さんになってきたなあ。
シュレック2 8/12 TOHOシネマズ高槻 スクリーン3
★★★★
→前作では化け物が化け物のまま、ヒーローになるという映画だったのだが、今作ではもっと難しいことに挑戦している。王子様と結婚するはずだったお姫様が化け物にさらわれて妻になっている。王子様は妖精の助けを借りて、お姫様を救いに行く。この単純なおとぎ話を化け物の側から描いて、おとぎ話の嫌らしさをしっかり描いている。この映画のホンを書いた奴はよっぽどおとぎ話が嫌いで小学校では先生に「なんで?」「なんで?」を繰り返していた厭なガキに違いないだろう。俺も子どもの頃からおとぎ話が大嫌いだった。「桃太郎」で一番気になったのは、そんな極悪な鬼が何故今まで民衆に縊り殺されなかったかであったし、「浦島太郎」の乙姫は本当に厭な奴だと思った。この映画を見て、そんな俺の心に残った刺はおむすびを丸呑みしたかのように、すっきり腹に収まったような気がする。誰かがやってくれると思ったよ。吹替えで見たのだが、プロの声優でもない浜田のうまさにうなった。だんだん、シュレックの顔が浜田の顔にフィオナ(豚バージョンね)が浜田のブス嫁(小川菜摘)に見えてくるから不思議だ。人間になったシュレックはマイク・マイヤーズでフィオナはキャメロン・ディアスだけどな。
ハリーポッターとアズカバンの囚人 8/12 TOHOシネマズ高槻 スクリーン5
★★
→ハリーポッターにはまず失敗はない。。。と思う。映画ファンとしてはやはり見ておかなくてはいけない作品だろうけどねえ。久しぶりにゲイリー・オールドマンを見たような気がする。まあファンでもない私にとってはその程度。
☆東京物語 8/14 シネ・ヌーヴォ
★★
→俺はどうも小津の映画が合わない。小津の最高傑作と呼ばれる「東京物語」をスクリーンで見てもその感想が変わらないことを見ても、本当にあわないのだろう。酔っ払いの東野英治郎はいいんだけど、俳優の演技で楽しませてるだけでテンポがだるだるなのでイライラしてしまう。小津の映画がわからない俺は日本映画ファンを名乗る資格などないのかとしばらく落ち込んだのだが、淀長さんも苦手だったらしい。やっぱり私の体質は東映、大映だな。松竹はどうも苦手だ。
誰も知らない 8/14 動物園前シネフェスタ4(Screen1)
★★★★
→是枝の映画に興味がある人というよりも、事件から世の中を考えたい、”心優しい人たち”と柳楽君に興味を持った人で大ヒットになった映画。(あくまでも悪意にあらず。)是枝が苦手な私も映画作品として楽しんだ。ある意味、これは現代の「鬼畜」なんだと思う。
■子猫をお願い 8/14 動物園前シネフェスタ4(Screen3)
★★★★★
→やっぱり二回見に行ってしまった。少女の成長を希望に満ちたものと撮らずに苦難の物語として切り取ってしまう。大人になるというのはしんどいことばかりで、もう厭になる。それでも、いつか「人生はいいもんだ」とほろ苦く感じられる時まで踏ん張らねばならないんだろう。俺もまだまだですけどね。
☆明日は職場の若い者の飲み会だ。大学卒業してから意識的にそうした飲み会は避けるようにしてて、実際にお呼びもかからなくなった。が、世話になった人が幹事なので今回は行く。どんな人がいるか知らないので知っておくぐらいはいいかな、と思ったが、少し不安だ。。この人たち、サークルみたいな感じで苦手なんだよな。。サッカーの話とかふられてもわからんもんなあ。。
☆「月刊つぐみ」をこっそり買ってしまったが、全編通じてエロエロな感じで返って萎えた。充分に可愛いんだから普通に見せてくれと思う。「贅沢な骨」ってのは本当にいい映画だったねえ。
★★★★
→エメリッヒの映画は「インデペンデンス・ディ」を高校の頃に見て以来で見る気もなかったんだが、「復活の日」を見てなんか見たくなったので映画の日に見に行ってきた。画面の迫力だけで押すのではなくて、登場人物の色づけをしっかり行い、ドラマでも充分に見せてくれる映画になっている。本を抱きしめる、図書館司書なんかよかったな。ストーリーには何の関係も無いんだが、こういうキャラクターがドラマに深みを与える。ラストは少しあざといが、俺は案外好きだ。温暖化は確実に進んでて、あんまりぞっとしない映画だ。
機関車先生 8/8 京極弥生座2
★★★
→地味で大人しすぎる映画ですが、丁寧に時間をたっぷりかけて作られた作品。堺正章や笑福亭松之助の渋い演技がいい。それから倍賞美津子はいい婆さんになってきたなあ。
シュレック2 8/12 TOHOシネマズ高槻 スクリーン3
★★★★
→前作では化け物が化け物のまま、ヒーローになるという映画だったのだが、今作ではもっと難しいことに挑戦している。王子様と結婚するはずだったお姫様が化け物にさらわれて妻になっている。王子様は妖精の助けを借りて、お姫様を救いに行く。この単純なおとぎ話を化け物の側から描いて、おとぎ話の嫌らしさをしっかり描いている。この映画のホンを書いた奴はよっぽどおとぎ話が嫌いで小学校では先生に「なんで?」「なんで?」を繰り返していた厭なガキに違いないだろう。俺も子どもの頃からおとぎ話が大嫌いだった。「桃太郎」で一番気になったのは、そんな極悪な鬼が何故今まで民衆に縊り殺されなかったかであったし、「浦島太郎」の乙姫は本当に厭な奴だと思った。この映画を見て、そんな俺の心に残った刺はおむすびを丸呑みしたかのように、すっきり腹に収まったような気がする。誰かがやってくれると思ったよ。吹替えで見たのだが、プロの声優でもない浜田のうまさにうなった。だんだん、シュレックの顔が浜田の顔にフィオナ(豚バージョンね)が浜田のブス嫁(小川菜摘)に見えてくるから不思議だ。人間になったシュレックはマイク・マイヤーズでフィオナはキャメロン・ディアスだけどな。
ハリーポッターとアズカバンの囚人 8/12 TOHOシネマズ高槻 スクリーン5
★★
→ハリーポッターにはまず失敗はない。。。と思う。映画ファンとしてはやはり見ておかなくてはいけない作品だろうけどねえ。久しぶりにゲイリー・オールドマンを見たような気がする。まあファンでもない私にとってはその程度。
☆東京物語 8/14 シネ・ヌーヴォ
★★
→俺はどうも小津の映画が合わない。小津の最高傑作と呼ばれる「東京物語」をスクリーンで見てもその感想が変わらないことを見ても、本当にあわないのだろう。酔っ払いの東野英治郎はいいんだけど、俳優の演技で楽しませてるだけでテンポがだるだるなのでイライラしてしまう。小津の映画がわからない俺は日本映画ファンを名乗る資格などないのかとしばらく落ち込んだのだが、淀長さんも苦手だったらしい。やっぱり私の体質は東映、大映だな。松竹はどうも苦手だ。
誰も知らない 8/14 動物園前シネフェスタ4(Screen1)
★★★★
→是枝の映画に興味がある人というよりも、事件から世の中を考えたい、”心優しい人たち”と柳楽君に興味を持った人で大ヒットになった映画。(あくまでも悪意にあらず。)是枝が苦手な私も映画作品として楽しんだ。ある意味、これは現代の「鬼畜」なんだと思う。
■子猫をお願い 8/14 動物園前シネフェスタ4(Screen3)
★★★★★
→やっぱり二回見に行ってしまった。少女の成長を希望に満ちたものと撮らずに苦難の物語として切り取ってしまう。大人になるというのはしんどいことばかりで、もう厭になる。それでも、いつか「人生はいいもんだ」とほろ苦く感じられる時まで踏ん張らねばならないんだろう。俺もまだまだですけどね。
☆明日は職場の若い者の飲み会だ。大学卒業してから意識的にそうした飲み会は避けるようにしてて、実際にお呼びもかからなくなった。が、世話になった人が幹事なので今回は行く。どんな人がいるか知らないので知っておくぐらいはいいかな、と思ったが、少し不安だ。。この人たち、サークルみたいな感じで苦手なんだよな。。サッカーの話とかふられてもわからんもんなあ。。
☆「月刊つぐみ」をこっそり買ってしまったが、全編通じてエロエロな感じで返って萎えた。充分に可愛いんだから普通に見せてくれと思う。「贅沢な骨」ってのは本当にいい映画だったねえ。
「華氏911」補足
2004年9月14日 映画に関する噂や更新情報、その他雑多なこと
←ムーアの関連本も一杯出てますね。今や、ムーアと言えばデミ・ムーアでも元阪神のムーアでもなくてマイケル・ムーアですね。
☆やっとこの一週間ほど、私を悩ませていた問題がほぼ解決致しました。これからは気持ちよく、映画と体の鍛錬と車庫入れの練習に励めそうです。(仕事は?)
☆宅間守、処分。関係者の皆様、ご苦労様でした。特にお父さん(宅間武士)は本当にご苦労様でした。自分の妻を狂わされ、息子を自殺に追い込んだ、それでも息子だった男。彼の一生はまさにこいつにつぶされたと言えるでしょう。2001年12月の「新潮45」に親父を取材したルポがありますが、すさまじいものでした。人生の面白みも辛さも味わうこともできなかった子供達を思うとその関係者の思いは言葉などにはできますまい。小松左京先生も土井たか子さんもホッとされてるでしょう。本人もホッとしてると思うと腹立ちますが。
☆どうもまだ心にひっかかってるというのはやはり「華氏911」。とにかく、いろんな方がレビュー書いて著名人の間でもカンカンガクガクだし、いろんな人の見方があってそういう感想読んでるとだんだんわからなくなってきた。それでまあ、「華氏911」を巡る沸騰しちゃった世論を眺める形で自分なりの「華氏911」論を書いてみたのですが、映画の本質からはへたれチキンのように逃亡して書いてしまった感じでなんか後味がよくない。これねえ、珍しくぴったり1時間でかけたのよ。最近、映画と同じくらいの時間かけてるのに比べたら、すらすら書けた。ただ幾分か、言葉足らずであったとは思う。面白かったかつまらんかったか、聞かれたらやはり面白い映画ではあったのだ。
☆ドキュメンタリーの醍醐味というのは、監督が立てた仮説を立証させるためにいろいろな取材を行なっていくところにある。この映画の後半がそういう組み立てになっている。前半のハイテンポと違い、後半はゆったりとした重たいテンポで進む。一回目に見た時には後半が退屈だと思ったが二回目に見た時は後半がこの映画の面白さだと思った。アメリカで現在、何が進んでいるのかを淡々とムーアは映像に切り取っている。ブッシュを徹底的に茶化した前半と違い、後半はムーアの生真面目なところがよく出ている。こうしたところは好感が持てるところだ。
☆しかし、ムーアはルビコン川を渡ってしまった。「ボーリング・フォー・コロンバイン」までは社会派の映画を撮るテレビ人という印象だったが、「華氏911」では政治に首を突っ込む作家という印象が強くなってしまった。大統領選がどう転ぶか、わからないがまた昔みたいに「アホでバカな・・」みたいなテレビシリーズが撮れるのだろうか。民主党は今回の選挙は棄てだと考えており、ブッシュの優勢は相変わらずだし。いくらアメリカは懐が深いと言ってもこれだけ反ブッシュを訴えて負けたとなると中央からはパージされるんじゃないか?おそらく、ムーアはわかっててルビコン川を渡ったのだろう。リベラル派特有の”負けの美学”−負けたとしても、自分はベストを尽くしたと考える−を捨て去り、戦いを挑む姿勢にはやはり観客席から最大限の拍手を送ろう。日本もアメリカ化しており、おそかれはやかれ戦わねばならないのだろうし。
☆やっとこの一週間ほど、私を悩ませていた問題がほぼ解決致しました。これからは気持ちよく、映画と体の鍛錬と車庫入れの練習に励めそうです。(仕事は?)
☆宅間守、処分。関係者の皆様、ご苦労様でした。特にお父さん(宅間武士)は本当にご苦労様でした。自分の妻を狂わされ、息子を自殺に追い込んだ、それでも息子だった男。彼の一生はまさにこいつにつぶされたと言えるでしょう。2001年12月の「新潮45」に親父を取材したルポがありますが、すさまじいものでした。人生の面白みも辛さも味わうこともできなかった子供達を思うとその関係者の思いは言葉などにはできますまい。小松左京先生も土井たか子さんもホッとされてるでしょう。本人もホッとしてると思うと腹立ちますが。
☆どうもまだ心にひっかかってるというのはやはり「華氏911」。とにかく、いろんな方がレビュー書いて著名人の間でもカンカンガクガクだし、いろんな人の見方があってそういう感想読んでるとだんだんわからなくなってきた。それでまあ、「華氏911」を巡る沸騰しちゃった世論を眺める形で自分なりの「華氏911」論を書いてみたのですが、映画の本質からはへたれチキンのように逃亡して書いてしまった感じでなんか後味がよくない。これねえ、珍しくぴったり1時間でかけたのよ。最近、映画と同じくらいの時間かけてるのに比べたら、すらすら書けた。ただ幾分か、言葉足らずであったとは思う。面白かったかつまらんかったか、聞かれたらやはり面白い映画ではあったのだ。
☆ドキュメンタリーの醍醐味というのは、監督が立てた仮説を立証させるためにいろいろな取材を行なっていくところにある。この映画の後半がそういう組み立てになっている。前半のハイテンポと違い、後半はゆったりとした重たいテンポで進む。一回目に見た時には後半が退屈だと思ったが二回目に見た時は後半がこの映画の面白さだと思った。アメリカで現在、何が進んでいるのかを淡々とムーアは映像に切り取っている。ブッシュを徹底的に茶化した前半と違い、後半はムーアの生真面目なところがよく出ている。こうしたところは好感が持てるところだ。
☆しかし、ムーアはルビコン川を渡ってしまった。「ボーリング・フォー・コロンバイン」までは社会派の映画を撮るテレビ人という印象だったが、「華氏911」では政治に首を突っ込む作家という印象が強くなってしまった。大統領選がどう転ぶか、わからないがまた昔みたいに「アホでバカな・・」みたいなテレビシリーズが撮れるのだろうか。民主党は今回の選挙は棄てだと考えており、ブッシュの優勢は相変わらずだし。いくらアメリカは懐が深いと言ってもこれだけ反ブッシュを訴えて負けたとなると中央からはパージされるんじゃないか?おそらく、ムーアはわかっててルビコン川を渡ったのだろう。リベラル派特有の”負けの美学”−負けたとしても、自分はベストを尽くしたと考える−を捨て去り、戦いを挑む姿勢にはやはり観客席から最大限の拍手を送ろう。日本もアメリカ化しており、おそかれはやかれ戦わねばならないのだろうし。
世間カンカンガクガクの大沸騰!「華氏911」〜私家版「華氏911の正しい見方」〜
2004年9月11日 洋画全般
今日は世間を沸騰させ続けてる「華氏911」。初日にガーデン梅田にて満席(立ち見もいた)で見ました。監督は皆様ご存知のマイケル・ムーア。映画の内容もさることながら、ディズニーが配給を止めさせようとしたり、カンヌでパルムドールを取っちゃうなど公開前からもう評判はうなぎのぼり。ふたを開けてみればアメリカでも大ヒットで日本でも公開初日から超満員長蛇の列。京都の京極弥生座、ここは閑古鳥が巣作って卵暖めてる劇場なんだがここも連日満員で閑古鳥は卵をおいてどこかにいっちまった。前作「ボーリング・フォー・コロンバイン」も話題になったけどここまでじゃなかった。
8月14日。先行上映と銘打って恵比寿ガーデンが二館体制で上映したが、14、15日両日ともに2時半の時点で整理券の配布終了。整理券配布時には300人の行列があったと言う。世間の盛り上がりは911には幾分か足りないが「華氏814」並みの沸騰であったのだ。
重政隆文氏が「映画の本の本」で中野翠の言葉を紹介している。対象は「学校」と「シンドラーのリスト」がアカデミー賞を取った(「学校」は日本アカデミーね)ことに関するものなのだが、「華氏911」にもぴったり当てはまるので引用しましょう。
ブログを見渡しても明らかであるが、「華氏911」に関しては普段全く映画について触れない人がいっぱい感想を書いている。それに比べて従来の映画好きってのはどこか、口が重い。映画というものは複雑で芸術と娯楽が入り混じったもので、はっきりどちらとは判別しにくい。他の芸能もやはり大なり小なり入り混じったもんなんだけど映画の場合は芸術というのには金がかかりすぎるし、娯楽というのには収益率が低過ぎて、より難しい。
だからいろんな映画作品ってのがあって映画好きってのは芸術面と娯楽面を見て評価を下すわけです。しかしこの「華氏911」ってのは、ヒトラーや大日本帝国が作った映画よりも、純生なプロパガンダ映画でしかも時代と添い寝した作品です。映画作品としての評価がしにくい。ドキュメンタリーとしての編集の面白さ、組み立てには見るところはあるけど、その主義主張から切り離しての評価は無理である。つまり、芸術の側面がすっぽり抜けてるのだ。だから映画ファンは戸惑って、奥歯に物が挟まったような言い方しかできないのだ。従来の”普段全く映画について触れない”ブログとはすれ違いが起こるのだ。彼らは映画の感想を書きたいんじゃなくて、”社会問題”を論じたいんだから。
はっきり言えば「華氏911」は森達也の言うようにこの映画がやったことは本来ならメディアがやるべきことをアメリカのメディアがだらしないから、映画でやっちゃったわけである。マイケル・ムーアはそれを意識的にやってる。だからアカデミーを蹴ってまで大統領選までの間にテレビ放映することを決めちゃったのだ。ムーアの観客対象自体が映画ファンを対象にしていない。
私はこの手の映画は嫌いじゃないし、ムーアの本も読んでるし、彼の作った映画は見てるし、(感想にも「ロジャー&ミー」と「ボーリング・フォー・コロンバイン」を挙げている)アメリカ大統領選にもすごく興味も持っている。実は先日も見て来たんだけど、劇場を出る時にはやはり「ブッシュ、討つべし!」と思いますわね。でもね、こんな意見もあるんですよ。
http://www.shakaihakun.com/data/vol032/main01.html
そもそもこの映画はアメリカ大統領選に向けて作られたもので選挙人登録もできない私達には何の関係もありません。だって私達がアシュクロフト、ラムズフェルドは地獄の火で焼かれろ!と叫んでも、中国や韓国で小泉の人形燃やしてる下品で意味のない行為と同じことです。
町山智浩氏のブログにムーアのインタビューが載っていますが、その中でムーアは外国の記者の「アメリカ以外の国の人々が、ブッシュ打倒のために何かできることはありませんか?」という質問に対して「ありません」と断定したあとに「これは僕らの問題だ。アメリカ人が自分の力で解決しなければならない」と続けています。アメリカってのはヤマタノオロチの化け物でブッシュという首もあれば、KKKという首もあれば、マイケル・ムーアって首もある。アメリカの敵は結局、アメリカなのだ。この国はそうやって大きくなってきた。傲慢な野郎達なんだよ、全く。我らは大統領選を見守る、よき観客であればいいのだ。言い換えるとそれしかできない。
ではこの映画から”アメリカ以外の国の人々”は何を学ぶのか?私はやはり思想云々よりもそのムーアの姿勢からだと思う。彼が始めて撮った「ロジャー&ミー」は自分の故郷からGMが撤退するという状況を受けて自分のできることは何か?ということを悩みながら撮った作品です。彼の姿勢は有名になった今も変わっておらず、困難な状況において自分ができることを考えて「華氏911」を撮っています。我々が家族に対して、隣人に対して、地域に対して、国に対してできることは何か。そうしたムーアの生真面目さに学ぶところは多い。それが私の考える”「華氏911」の正しい見方”である。
監督、製作、脚本:マイケル・ムーア 製作:キャスリーン・グリン、ジム・チャルネッキ 編集:クリストファー・スワード、T・ウッディ・リッチマン 撮影:マイク・デジャレ
出演:ブリトニー・スピアーズ、マイケル・ムーア、アル・ゴア、ブッシュスタッフ(パウエル、ライス、ラムズフェルド、アシュクロフト、チェイニー、ウォルフォウィッツ他)オサマ・ビン・ラディン、サダム・フセイン、バンダン・ブッシュ、シニアウ・ブッシュ、ジェフ・ブッシュ、ジョージ・W・ブッシュ、トニー・ブレア、モロッコの猿、パートで海岸線を守る警官などなど多数
参考
町山智浩氏のブログ
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/
ムーアのインタビュー(7月19日)
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040719
8月14日。先行上映と銘打って恵比寿ガーデンが二館体制で上映したが、14、15日両日ともに2時半の時点で整理券の配布終了。整理券配布時には300人の行列があったと言う。世間の盛り上がりは911には幾分か足りないが「華氏814」並みの沸騰であったのだ。
重政隆文氏が「映画の本の本」で中野翠の言葉を紹介している。対象は「学校」と「シンドラーのリスト」がアカデミー賞を取った(「学校」は日本アカデミーね)ことに関するものなのだが、「華氏911」にもぴったり当てはまるので引用しましょう。
こういう作品が称賛される状況って、私にはあんまりいいこととは思えなくて。映画界のある種の衰弱を象徴しているような気がして。
こういう作品というのは、一口で言うと「映画好きの人間の口を重くさせ、逆に映画はあまり好きではないが社会問題には興味があるという人間の口を滑らかにしてしまう−そういうタイプの映画」という意味である(「犬がころんだ」93ページより)
ブログを見渡しても明らかであるが、「華氏911」に関しては普段全く映画について触れない人がいっぱい感想を書いている。それに比べて従来の映画好きってのはどこか、口が重い。映画というものは複雑で芸術と娯楽が入り混じったもので、はっきりどちらとは判別しにくい。他の芸能もやはり大なり小なり入り混じったもんなんだけど映画の場合は芸術というのには金がかかりすぎるし、娯楽というのには収益率が低過ぎて、より難しい。
だからいろんな映画作品ってのがあって映画好きってのは芸術面と娯楽面を見て評価を下すわけです。しかしこの「華氏911」ってのは、ヒトラーや大日本帝国が作った映画よりも、純生なプロパガンダ映画でしかも時代と添い寝した作品です。映画作品としての評価がしにくい。ドキュメンタリーとしての編集の面白さ、組み立てには見るところはあるけど、その主義主張から切り離しての評価は無理である。つまり、芸術の側面がすっぽり抜けてるのだ。だから映画ファンは戸惑って、奥歯に物が挟まったような言い方しかできないのだ。従来の”普段全く映画について触れない”ブログとはすれ違いが起こるのだ。彼らは映画の感想を書きたいんじゃなくて、”社会問題”を論じたいんだから。
はっきり言えば「華氏911」は森達也の言うようにこの映画がやったことは本来ならメディアがやるべきことをアメリカのメディアがだらしないから、映画でやっちゃったわけである。マイケル・ムーアはそれを意識的にやってる。だからアカデミーを蹴ってまで大統領選までの間にテレビ放映することを決めちゃったのだ。ムーアの観客対象自体が映画ファンを対象にしていない。
私はこの手の映画は嫌いじゃないし、ムーアの本も読んでるし、彼の作った映画は見てるし、(感想にも「ロジャー&ミー」と「ボーリング・フォー・コロンバイン」を挙げている)アメリカ大統領選にもすごく興味も持っている。実は先日も見て来たんだけど、劇場を出る時にはやはり「ブッシュ、討つべし!」と思いますわね。でもね、こんな意見もあるんですよ。
http://www.shakaihakun.com/data/vol032/main01.html
そもそもこの映画はアメリカ大統領選に向けて作られたもので選挙人登録もできない私達には何の関係もありません。だって私達がアシュクロフト、ラムズフェルドは地獄の火で焼かれろ!と叫んでも、中国や韓国で小泉の人形燃やしてる下品で意味のない行為と同じことです。
町山智浩氏のブログにムーアのインタビューが載っていますが、その中でムーアは外国の記者の「アメリカ以外の国の人々が、ブッシュ打倒のために何かできることはありませんか?」という質問に対して「ありません」と断定したあとに「これは僕らの問題だ。アメリカ人が自分の力で解決しなければならない」と続けています。アメリカってのはヤマタノオロチの化け物でブッシュという首もあれば、KKKという首もあれば、マイケル・ムーアって首もある。アメリカの敵は結局、アメリカなのだ。この国はそうやって大きくなってきた。傲慢な野郎達なんだよ、全く。我らは大統領選を見守る、よき観客であればいいのだ。言い換えるとそれしかできない。
ではこの映画から”アメリカ以外の国の人々”は何を学ぶのか?私はやはり思想云々よりもそのムーアの姿勢からだと思う。彼が始めて撮った「ロジャー&ミー」は自分の故郷からGMが撤退するという状況を受けて自分のできることは何か?ということを悩みながら撮った作品です。彼の姿勢は有名になった今も変わっておらず、困難な状況において自分ができることを考えて「華氏911」を撮っています。我々が家族に対して、隣人に対して、地域に対して、国に対してできることは何か。そうしたムーアの生真面目さに学ぶところは多い。それが私の考える”「華氏911」の正しい見方”である。
監督、製作、脚本:マイケル・ムーア 製作:キャスリーン・グリン、ジム・チャルネッキ 編集:クリストファー・スワード、T・ウッディ・リッチマン 撮影:マイク・デジャレ
出演:ブリトニー・スピアーズ、マイケル・ムーア、アル・ゴア、ブッシュスタッフ(パウエル、ライス、ラムズフェルド、アシュクロフト、チェイニー、ウォルフォウィッツ他)オサマ・ビン・ラディン、サダム・フセイン、バンダン・ブッシュ、シニアウ・ブッシュ、ジェフ・ブッシュ、ジョージ・W・ブッシュ、トニー・ブレア、モロッコの猿、パートで海岸線を守る警官などなど多数
参考
町山智浩氏のブログ
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/
ムーアのインタビュー(7月19日)
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040719
黒澤明監督作品「生きる」〜命短し恋せよ乙女〜
2004年9月8日 過去日本映画
今日は黒澤明の代表作の一つ「生きる」。東宝争議に嫌気がさして松竹や大映で「羅生門」や「白痴」を撮っていた黒澤が久々に東宝で撮った作品です。脚本は「羅生門」に続いて黒澤とは二度目の仕事となる橋本忍。以後、彼は黒澤映画の脚本を多く書くことになります。時は1952年。やっと日本が復興に向けて走り出した時代でした。
定年間際の市民課長、渡辺勘治(志村喬)は痛む胃を抱えながら今日も決済にハンコを押し続ける生活を送っていた。市民課の仕事は市民からの陳情を受けることだ。渡辺課長は生真面目で欠勤は一切しなかったが、満足にその仕事を果しているとは言いがたい。今日も暗渠埋め立ての陳情を持ってきた主婦達(三好栄子、菅井きん)を、ロクに話も聞かずに他の課に回してしまった。彼の生活は文字通り、無気力、無感動であった。それに影響されてか、課の雰囲気は暗く重い。そんな空気を若手職員の小田切とよ(小田切みき)は嫌っており、課員にこっそりとあだ名をつけていた。ミイラ。それが渡辺課長のあだ名だった。彼は生きながらにして死んでいるようなものだった。
最も、彼も当初から無気力な職員であったわけではない。かつては業務改善の為の提言を行なおうとしたこともあった。しかし、役所の中では目立つ者は出世が遅れる。市民課の野口(千秋実)らが言うように「物を言わない者が出世する」ところなのだ。彼が若い頃に書いた提言書も今ではゴミだった。妻を早くに無くし、男手一つで子どもを育てねばならなかった彼に戦ってまで意見を通せ、というのは難しかった。
ある日、痛む胃を耐えかねた渡辺は医者に駆け込む。医者は胃潰瘍だと言った。しかしその症状は紛れも無く、胃ガンだった。待合室で出会った患者(渡辺篤)の話にもぴったり符号した。医者もそれをあえて否定しなかった。彼は崩れ落ちた。
息子(金子信雄)にも嫁(関京子)にも相談することなく、一人で悩む渡辺。出勤する意欲も失せて無断欠勤を続けていた。飲み屋で出会った三文文士(伊藤雄之助)に案内されて、一度も行ったことの無いパチンコ屋、ストリップ、バーと夜の歓楽街をさ迷い歩き、貯金を使い果たしてしまう。しかし、心がはずむことはなく、ダンスホールで「命短し」を歌いながら、涙をボロボロ流してしまう。
ある日、彼は役所を辞めた小田切とよに逢う。彼女の明るい性格と生きる意欲にあふれた姿に惹かれた彼は彼女と遊び回る。とよを父の愛人と勘違いした息子は「女にうつつをぬかすのはいいですが、我々にも財産をもらう権利がある」と詰め寄られてしまう。息子にも見棄てられ、どん底に落とされた渡辺であったが、とよの助言を受けて遂に腹をくくる。生きている間に、自分が役所でやれることをやろうと考えたのだ。役所に復帰した渡辺課長はたらい回しになっていた暗渠埋め立ての陳情を調査し始めた。。。
映画全編を通してアップがとにかく多い。俳優が実に豊かな表情を披露している。志村喬は驚きと悲しみに目をぎょろぎょろ動かし、小田切みきは魅力たっぷりに楽しげに笑う。志村喬の低いかすれ声も印象的だ。この人は「鴛鴦歌合戦」で披露したように朗々とした声の持ち主なのだが、この映画では胃のそこから絞りきるような声である。黒澤の映画は一般的に台詞が聞き取り難い。伊藤雄之助なんか、口跡が悪いから本当にわからなかった。台詞の一つ一つも重みがあって映画の醍醐味なんだが、俳優の表情でドラマは充分に読み取ることができる。言葉よりも表情の動きを大事にした映画であったと思う。
主人公の渡辺課長は決して特別な人間でもなくて普通の人間である。しかし、黒澤と橋本はそうした普通の人間を「駄目人間」と決めつけてしまう。息子を育てる為に如何に父は苦労したか、親子は如何に深く結ばれていたか、そして父はどれだけ息子を深く愛しているかがフラッシュバック技法で説明される。出征する際に思わず、父親にしがみつく息子。いい場面だ。しかし、黒澤と橋本は小田切とよに「息子さんには息子さんの人生があるんだから。。」と言わせてしまう。父親のそうした思いをあっさりと切り捨ててしまうのだ。この息子を演じたのが金子信雄。本人のキャラ(山守だもんな。。)と重なって、親父の退職金を当てに家を買おうと嫁と相談するシーンですごく冷淡な息子に見えるが、決して悪い息子とは描かれていない。
自分の人生の意味、それは結局、自分が探し出さねばならない。このシビアすぎる命題が時代を越えて人々に突き刺さる。過去は振り返るものではなくて、次の段階に上がる踏み台である。混乱期は終わったとは言え、まだまだ食うのに必死だった時代にそう主張していることが50年以上立ってもこの作品が不朽の名作と呼ばれるゆえんだろう。
渡辺課長は余命半年の命を使い切り、暗渠埋め立てを成し遂げて公園を作った。助役が言うように彼一人で作られた公園でないのかもしれない。課員が言うように「偶然の産物」なのかもしれない。しかし、そんなことは問題でなかった。かつて涙ながらに歌った「命短し」を公園のブランコに乗り、傍目にも楽しげに歌いながら絶命した渡辺課長が遺したものには違いないのだから。彼が残した公園で遊ぶ子どもを眺める紳士をラストカットにして映画は終わる。黒澤は人間を厳しく見るが同時に希望にあふれたものと見ていたことが、何故か嬉しかった。
監督:黒澤明、製作:本木莊二郎、脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄 撮影:中井朝一 音楽:早坂文雄、美術:松山崇
キャスト:志村喬、金子信雄、関京子、小堀誠、浦辺粂子、南美江、小田切みき、藤原釜足、山田巳之助、田中春男、左卜全、千秋実、日守新一、中村伸郎、阿部九洲男、清水将夫、木村功、渡辺篤、丹阿弥谷津子、伊藤雄之助、宮口精二、加東大介、菅井きん、三好栄子
定年間際の市民課長、渡辺勘治(志村喬)は痛む胃を抱えながら今日も決済にハンコを押し続ける生活を送っていた。市民課の仕事は市民からの陳情を受けることだ。渡辺課長は生真面目で欠勤は一切しなかったが、満足にその仕事を果しているとは言いがたい。今日も暗渠埋め立ての陳情を持ってきた主婦達(三好栄子、菅井きん)を、ロクに話も聞かずに他の課に回してしまった。彼の生活は文字通り、無気力、無感動であった。それに影響されてか、課の雰囲気は暗く重い。そんな空気を若手職員の小田切とよ(小田切みき)は嫌っており、課員にこっそりとあだ名をつけていた。ミイラ。それが渡辺課長のあだ名だった。彼は生きながらにして死んでいるようなものだった。
最も、彼も当初から無気力な職員であったわけではない。かつては業務改善の為の提言を行なおうとしたこともあった。しかし、役所の中では目立つ者は出世が遅れる。市民課の野口(千秋実)らが言うように「物を言わない者が出世する」ところなのだ。彼が若い頃に書いた提言書も今ではゴミだった。妻を早くに無くし、男手一つで子どもを育てねばならなかった彼に戦ってまで意見を通せ、というのは難しかった。
ある日、痛む胃を耐えかねた渡辺は医者に駆け込む。医者は胃潰瘍だと言った。しかしその症状は紛れも無く、胃ガンだった。待合室で出会った患者(渡辺篤)の話にもぴったり符号した。医者もそれをあえて否定しなかった。彼は崩れ落ちた。
息子(金子信雄)にも嫁(関京子)にも相談することなく、一人で悩む渡辺。出勤する意欲も失せて無断欠勤を続けていた。飲み屋で出会った三文文士(伊藤雄之助)に案内されて、一度も行ったことの無いパチンコ屋、ストリップ、バーと夜の歓楽街をさ迷い歩き、貯金を使い果たしてしまう。しかし、心がはずむことはなく、ダンスホールで「命短し」を歌いながら、涙をボロボロ流してしまう。
ある日、彼は役所を辞めた小田切とよに逢う。彼女の明るい性格と生きる意欲にあふれた姿に惹かれた彼は彼女と遊び回る。とよを父の愛人と勘違いした息子は「女にうつつをぬかすのはいいですが、我々にも財産をもらう権利がある」と詰め寄られてしまう。息子にも見棄てられ、どん底に落とされた渡辺であったが、とよの助言を受けて遂に腹をくくる。生きている間に、自分が役所でやれることをやろうと考えたのだ。役所に復帰した渡辺課長はたらい回しになっていた暗渠埋め立ての陳情を調査し始めた。。。
映画全編を通してアップがとにかく多い。俳優が実に豊かな表情を披露している。志村喬は驚きと悲しみに目をぎょろぎょろ動かし、小田切みきは魅力たっぷりに楽しげに笑う。志村喬の低いかすれ声も印象的だ。この人は「鴛鴦歌合戦」で披露したように朗々とした声の持ち主なのだが、この映画では胃のそこから絞りきるような声である。黒澤の映画は一般的に台詞が聞き取り難い。伊藤雄之助なんか、口跡が悪いから本当にわからなかった。台詞の一つ一つも重みがあって映画の醍醐味なんだが、俳優の表情でドラマは充分に読み取ることができる。言葉よりも表情の動きを大事にした映画であったと思う。
主人公の渡辺課長は決して特別な人間でもなくて普通の人間である。しかし、黒澤と橋本はそうした普通の人間を「駄目人間」と決めつけてしまう。息子を育てる為に如何に父は苦労したか、親子は如何に深く結ばれていたか、そして父はどれだけ息子を深く愛しているかがフラッシュバック技法で説明される。出征する際に思わず、父親にしがみつく息子。いい場面だ。しかし、黒澤と橋本は小田切とよに「息子さんには息子さんの人生があるんだから。。」と言わせてしまう。父親のそうした思いをあっさりと切り捨ててしまうのだ。この息子を演じたのが金子信雄。本人のキャラ(山守だもんな。。)と重なって、親父の退職金を当てに家を買おうと嫁と相談するシーンですごく冷淡な息子に見えるが、決して悪い息子とは描かれていない。
自分の人生の意味、それは結局、自分が探し出さねばならない。このシビアすぎる命題が時代を越えて人々に突き刺さる。過去は振り返るものではなくて、次の段階に上がる踏み台である。混乱期は終わったとは言え、まだまだ食うのに必死だった時代にそう主張していることが50年以上立ってもこの作品が不朽の名作と呼ばれるゆえんだろう。
渡辺課長は余命半年の命を使い切り、暗渠埋め立てを成し遂げて公園を作った。助役が言うように彼一人で作られた公園でないのかもしれない。課員が言うように「偶然の産物」なのかもしれない。しかし、そんなことは問題でなかった。かつて涙ながらに歌った「命短し」を公園のブランコに乗り、傍目にも楽しげに歌いながら絶命した渡辺課長が遺したものには違いないのだから。彼が残した公園で遊ぶ子どもを眺める紳士をラストカットにして映画は終わる。黒澤は人間を厳しく見るが同時に希望にあふれたものと見ていたことが、何故か嬉しかった。
監督:黒澤明、製作:本木莊二郎、脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄 撮影:中井朝一 音楽:早坂文雄、美術:松山崇
キャスト:志村喬、金子信雄、関京子、小堀誠、浦辺粂子、南美江、小田切みき、藤原釜足、山田巳之助、田中春男、左卜全、千秋実、日守新一、中村伸郎、阿部九洲男、清水将夫、木村功、渡辺篤、丹阿弥谷津子、伊藤雄之助、宮口精二、加東大介、菅井きん、三好栄子
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☆先日、「実録私設銀座警察」の感想の画像引用に使った「映画俳優安藤昇」の著者、山口猛氏が亡くなられました。まだ54歳という若さでした。この人の本はこれしか読んでいませんが、ラインナップを見ると満映についてなど、興味のある分野でたくさん本を書いておられました。ご冥福をお祈りします。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040905-00000008-mai-peo
☆京都で久々の地震。揺れ自体はぐらぐら程度だが、とにかく長かった。地震に慣れっこの関東人からみれば「ゼエロクが震度3ぐらいで何びびってやがんだ」と思われるかもしれませんが、関西人は阪神大震災以来、ちょっとした地震にも鳩のように心臓をびくつかせるのデス。特に今年は猛暑の後に大地震が起こると四流誌(ポスト、現代、大衆)が書いております。順番から行くと間違いなく、東海ブロックなのですが、東海は来年までは好調なので順番一つ飛ばしで京都に直撃の恐れがあります。(なんだ、その計算は)京都なんか木造家屋ばっかりだし、長田区の比でなく、よく燃えることでしょう。
京都大地震発生→予想通り、大火事発生→消防署、真っ先にお寺の消火に走る→でもやっぱり、ほとんどのお寺が燃えてしまう→ボロボロの京都市役所、一撃で崩壊→市の統制機能が完全に麻痺→消防署、とりあえず走りまくる→京都の町、応仁の乱以来の丸焼け→伏見、南区、山科も焼失→暴動発生→小泉、深刻な顔をする→京都市は復興費用を捻出できず→次の選挙で現職落選、共産政権に→書けません
なにとぞ、なにとぞ、京都回避を!
☆昨日は地域のお祭りだったんだが、めちゃくちゃ人が来た。場所も悪いんだけどねえ。。お祭りとなるとやはり違うんやろうか。昨日は疲労のためか、12時間も寝てしまい、今日は映画も見れなんだ。まあこういうこともあるわな。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040905-00000008-mai-peo
☆京都で久々の地震。揺れ自体はぐらぐら程度だが、とにかく長かった。地震に慣れっこの関東人からみれば「ゼエロクが震度3ぐらいで何びびってやがんだ」と思われるかもしれませんが、関西人は阪神大震災以来、ちょっとした地震にも鳩のように心臓をびくつかせるのデス。特に今年は猛暑の後に大地震が起こると四流誌(ポスト、現代、大衆)が書いております。順番から行くと間違いなく、東海ブロックなのですが、東海は来年までは好調なので順番一つ飛ばしで京都に直撃の恐れがあります。(なんだ、その計算は)京都なんか木造家屋ばっかりだし、長田区の比でなく、よく燃えることでしょう。
京都大地震発生→予想通り、大火事発生→消防署、真っ先にお寺の消火に走る→でもやっぱり、ほとんどのお寺が燃えてしまう→ボロボロの京都市役所、一撃で崩壊→市の統制機能が完全に麻痺→消防署、とりあえず走りまくる→京都の町、応仁の乱以来の丸焼け→伏見、南区、山科も焼失→暴動発生→小泉、深刻な顔をする→京都市は復興費用を捻出できず→次の選挙で現職落選、共産政権に→書けません
なにとぞ、なにとぞ、京都回避を!
☆昨日は地域のお祭りだったんだが、めちゃくちゃ人が来た。場所も悪いんだけどねえ。。お祭りとなるとやはり違うんやろうか。昨日は疲労のためか、12時間も寝てしまい、今日は映画も見れなんだ。まあこういうこともあるわな。
☆ニフティの職員さんの尽力でADSLは継続。サイトもカウンタがふっとんだ程度で復活します。やはり大手は違うな、と思いました。
☆今日は滋賀会館シネマホールにて「生きる」を見てきました。久々に大津に行って来たのですが駅前にサラ金しかあらへん。平和堂で食事しましたが、客がおらんかった。滋賀の中心はやはり、交通の便がいいとは思えない浜大津か立命資本が注入された草津なのか。
☆明日は久々の土日出勤。超勤ぶんどり合戦だぞ、ゴルア
☆今日は滋賀会館シネマホールにて「生きる」を見てきました。久々に大津に行って来たのですが駅前にサラ金しかあらへん。平和堂で食事しましたが、客がおらんかった。滋賀の中心はやはり、交通の便がいいとは思えない浜大津か立命資本が注入された草津なのか。
☆明日は久々の土日出勤。超勤ぶんどり合戦だぞ、ゴルア
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さよなら三角、また来て刺客・・・いやまだまだ終わらんけどね・・
2004年9月2日 日常
☆ADSL、一時期的に復活。しかしニフティの瑕疵で、明日にはどうなるかわからない。最悪、一ヶ月ほどADSLにつなげない生活が待っている。ダイヤルアップはできるらしいが。今更電話線つなぐのは面倒くさいぞ
☆大学の頃から毎日、何かのかたちでネットにつないでいたので非常に不便である。ホームページは復旧できるらしいが、どうなることやら。。なんか突然、消えたらヤヴァイこと書いたからと思われるぢゃないか。昔(映画専門ページになる前)はそりゃ、ヤヴェエことも書いてたけど、今はほら、聖人君子みたいなサイトじゃないか。
☆とりあえず、わしが完全に不運らしい。ストック分の「実録私設銀座警察」だけはアップしておきます。
☆大学の頃から毎日、何かのかたちでネットにつないでいたので非常に不便である。ホームページは復旧できるらしいが、どうなることやら。。なんか突然、消えたらヤヴァイこと書いたからと思われるぢゃないか。昔(映画専門ページになる前)はそりゃ、ヤヴェエことも書いてたけど、今はほら、聖人君子みたいなサイトじゃないか。
☆とりあえず、わしが完全に不運らしい。ストック分の「実録私設銀座警察」だけはアップしておきます。
今日、紹介するのは「実録私設銀座警察」。敗戦直後の銀座、新橋を舞台にした実録やくざ映画です。東映京都製作「仁義なき戦い」のヒットを受けて作られた、東映東京の作品で監督は深作の盟友、佐藤純彌。この人は後の角川映画の印象が強いのですが、実録やくざ映画では安藤昇主演の映画を数本撮っています。安藤昇は佐藤とウマがあったのか、この作品を含めて7本も一緒にとっています。
埋もれてしまった作品で評価もほとんどされてませんが、実録やくざ映画の極北として「仁義の墓場」と並ぶ隠れた傑作です。はっきり言うとエロ・グロ・スプラッタームービーであるが、そこで語られているテーマはすさまじく重い。
復員兵の渡会(渡瀬恒彦)は呆然と立ち尽くしていた。やっとの思いで帰ってきた彼の目に写ったのは米軍相手のパンパンになっていた妻であった。彼を見つけて、恐怖の表情となる妻。その傍らには黒人兵との間にできた赤ん坊がいた。夢遊病者のように立ち上がる渡会は赤ん坊を水溜りに投げ込んで殺害。続けて、愛しい妻も殴り殺してしまう。その後、街中で何の罪もない黒人兵に斬りつけて逃亡した。
舞台は敗戦直後の銀座・新橋。新宿と並んで最大規模の闇市があり、戦勝国の所謂「三国人」が幅を利かしていた。彼らの横暴はすさまじく、犯人を取り逃がした警察をボコボコにするほどだった。従来のヤクザ組織と彼らの抗争に新たな集団が参入してきた。愚連隊と言われるヤクザ組織に属さない不良である。元陸軍二等兵の岩下(室田日出男)、博徒の宇佐美(葉山良二)、元特攻隊員の池谷(安藤昇)予科練帰りの樋口(梅宮辰夫)は意気投合して宇佐美を首領に”実録私設銀座警察”を結成する。
ライバルの中根兄弟(待田京介、郷暎治)を殺害して天下を取った彼らだが、やがて積極的に事業に手を伸ばして勢力を伸ばしていく池谷を宇佐美は疎ましく思い始める。タバコ銭をケチって子分をボコボコにするような、狭量な宇佐美と池谷とは人間の器が違った。池谷は役所の汚職をかぎつけて、華僑の福山(内田朝雄)を恐喝して金を引き出して、それを元手に会社を起こした。池谷は銀座の主権を握った。
渡会は宇佐美のもとにいた。浮浪者になった渡会は宇佐美に拾われて、ヒロポン中毒の殺し屋になった。現実を忘れさせてくれるヒロポンのために渡会は殺人を繰り返した。宇佐美は渡会を使い、池谷を殺そうとするが失敗。岩下は殺され、宇佐美は腕へしおられてしまう。樋口は元々、自分の商売ができれば満足だという男だったのであっさりと池谷に帰順。順風満帆な池谷だったが、子分(小林稔持)の結婚式で突然乱入してきた渡会に殺されてしまう。。
この映画は実録やくざ映画なので、池谷や宇佐美にはモデルが存在します。が、出色なのは渡瀬恒彦演じる渡会。この人物は架空の人物である。ほとんど喋らずにひたすらヒロポンを打ち、人を殺す渡会の姿はすさまじい。しかし、その存在は悲しい。戦地でひたすら愛しく思っていた妻はパンパンで生計を立てていた。映画の中でヤクザに黙って売春をしようとした少女がヤクザに見つかってボコボコにされるシーンがある。生きる為には稼がねばならなかった。渡会の妻もそうだったと思う。しかし彼は許すことができなかった。彼は打たれても死ぬことができず、池谷の子分に埋められても土から出てきてしまう。そして夢遊病者のように、池谷を殺害するのだ。この殺害シーンは人形が使われているのだが出来が悪く、興醒めであった。
池谷が死んだあとはもうストーリーはめちゃくちゃ。叩けば金が出るはずだ、と宇佐美は福山を拷問し続ける。福山は手を油でこんがりと挙げられて、渡会のシャブをうっかり壊したことで渡会に殴り殺されたあとで、豚のえさにされてしまう。ここのシーンがほとんど意味の無い残虐シーンのオンパレード。悪趣味としか言いようがない。
ラストはもっとキツイ。恐喝された役人の自首により、逮捕が決まった私設警察の面々は「こんな金残してても数年後にはインフレでパーよ!捕まったら女も抱けねえ!全部つかっちまうんだ!」という梅宮辰夫の威勢よい掛け声から始まる大乱交パーティー。芸者さんから仲居から女将までもが撒き散らされる札束に狂喜乱舞しながら、乱交に加わっていく。。。一方で私設警察が無くなることで存在価値が無くなった渡会は血を吐きながら一人、虚しく死んでいく。最後に彼が叫んだのは自分が殺した妻の名前だった。。
すさまじい描写でスクリーンで見せられたら吐いてたかもしれない作品ですが、渡会の生き方にすごく戦争の悲惨さというものを感じた。戦争は個人の生活を奪う。監督の言いたかった部分はここにあったのではないかと思う。安藤昇は「映画俳優 安藤昇」のインタビューで「俺が出ていた映画で一読して脚本がよかった作品」としてこの作品を挙げています。脚本は深作欣二が「最も気があうライター」と呼んだ神波史男。「人斬り与太 狂犬三兄弟」や「仁義の墓場」を書いています。梅宮辰夫の使い方もとってもうまい。この人は脇におくとよく映える。仲沢半次郎のカメラもさえまくり、映画に緊張感と現実感が走り、思わず背筋を寒くする。実録やくざ映画に名を借りた究極の反戦映画。
監督:佐藤純彌 脚本:神波史男、松田寛夫 撮影:仲沢半次郎 企画:吉田達
出演:安藤昇、梅宮辰夫、葉山良二、室田日出男、渡瀬恒彦、中村英子、日尾孝司、北川惠一、花岡達、小林稔持、中田博久、佐藤蛾次郎、田巌、田口計、内田朝雄、三上真一郎、待田京介、郷?治、藤浩子、森みつ子
埋もれてしまった作品で評価もほとんどされてませんが、実録やくざ映画の極北として「仁義の墓場」と並ぶ隠れた傑作です。はっきり言うとエロ・グロ・スプラッタームービーであるが、そこで語られているテーマはすさまじく重い。
復員兵の渡会(渡瀬恒彦)は呆然と立ち尽くしていた。やっとの思いで帰ってきた彼の目に写ったのは米軍相手のパンパンになっていた妻であった。彼を見つけて、恐怖の表情となる妻。その傍らには黒人兵との間にできた赤ん坊がいた。夢遊病者のように立ち上がる渡会は赤ん坊を水溜りに投げ込んで殺害。続けて、愛しい妻も殴り殺してしまう。その後、街中で何の罪もない黒人兵に斬りつけて逃亡した。
舞台は敗戦直後の銀座・新橋。新宿と並んで最大規模の闇市があり、戦勝国の所謂「三国人」が幅を利かしていた。彼らの横暴はすさまじく、犯人を取り逃がした警察をボコボコにするほどだった。従来のヤクザ組織と彼らの抗争に新たな集団が参入してきた。愚連隊と言われるヤクザ組織に属さない不良である。元陸軍二等兵の岩下(室田日出男)、博徒の宇佐美(葉山良二)、元特攻隊員の池谷(安藤昇)予科練帰りの樋口(梅宮辰夫)は意気投合して宇佐美を首領に”実録私設銀座警察”を結成する。
ライバルの中根兄弟(待田京介、郷暎治)を殺害して天下を取った彼らだが、やがて積極的に事業に手を伸ばして勢力を伸ばしていく池谷を宇佐美は疎ましく思い始める。タバコ銭をケチって子分をボコボコにするような、狭量な宇佐美と池谷とは人間の器が違った。池谷は役所の汚職をかぎつけて、華僑の福山(内田朝雄)を恐喝して金を引き出して、それを元手に会社を起こした。池谷は銀座の主権を握った。
渡会は宇佐美のもとにいた。浮浪者になった渡会は宇佐美に拾われて、ヒロポン中毒の殺し屋になった。現実を忘れさせてくれるヒロポンのために渡会は殺人を繰り返した。宇佐美は渡会を使い、池谷を殺そうとするが失敗。岩下は殺され、宇佐美は腕へしおられてしまう。樋口は元々、自分の商売ができれば満足だという男だったのであっさりと池谷に帰順。順風満帆な池谷だったが、子分(小林稔持)の結婚式で突然乱入してきた渡会に殺されてしまう。。
この映画は実録やくざ映画なので、池谷や宇佐美にはモデルが存在します。が、出色なのは渡瀬恒彦演じる渡会。この人物は架空の人物である。ほとんど喋らずにひたすらヒロポンを打ち、人を殺す渡会の姿はすさまじい。しかし、その存在は悲しい。戦地でひたすら愛しく思っていた妻はパンパンで生計を立てていた。映画の中でヤクザに黙って売春をしようとした少女がヤクザに見つかってボコボコにされるシーンがある。生きる為には稼がねばならなかった。渡会の妻もそうだったと思う。しかし彼は許すことができなかった。彼は打たれても死ぬことができず、池谷の子分に埋められても土から出てきてしまう。そして夢遊病者のように、池谷を殺害するのだ。この殺害シーンは人形が使われているのだが出来が悪く、興醒めであった。
池谷が死んだあとはもうストーリーはめちゃくちゃ。叩けば金が出るはずだ、と宇佐美は福山を拷問し続ける。福山は手を油でこんがりと挙げられて、渡会のシャブをうっかり壊したことで渡会に殴り殺されたあとで、豚のえさにされてしまう。ここのシーンがほとんど意味の無い残虐シーンのオンパレード。悪趣味としか言いようがない。
ラストはもっとキツイ。恐喝された役人の自首により、逮捕が決まった私設警察の面々は「こんな金残してても数年後にはインフレでパーよ!捕まったら女も抱けねえ!全部つかっちまうんだ!」という梅宮辰夫の威勢よい掛け声から始まる大乱交パーティー。芸者さんから仲居から女将までもが撒き散らされる札束に狂喜乱舞しながら、乱交に加わっていく。。。一方で私設警察が無くなることで存在価値が無くなった渡会は血を吐きながら一人、虚しく死んでいく。最後に彼が叫んだのは自分が殺した妻の名前だった。。
すさまじい描写でスクリーンで見せられたら吐いてたかもしれない作品ですが、渡会の生き方にすごく戦争の悲惨さというものを感じた。戦争は個人の生活を奪う。監督の言いたかった部分はここにあったのではないかと思う。安藤昇は「映画俳優 安藤昇」のインタビューで「俺が出ていた映画で一読して脚本がよかった作品」としてこの作品を挙げています。脚本は深作欣二が「最も気があうライター」と呼んだ神波史男。「人斬り与太 狂犬三兄弟」や「仁義の墓場」を書いています。梅宮辰夫の使い方もとってもうまい。この人は脇におくとよく映える。仲沢半次郎のカメラもさえまくり、映画に緊張感と現実感が走り、思わず背筋を寒くする。実録やくざ映画に名を借りた究極の反戦映画。
監督:佐藤純彌 脚本:神波史男、松田寛夫 撮影:仲沢半次郎 企画:吉田達
出演:安藤昇、梅宮辰夫、葉山良二、室田日出男、渡瀬恒彦、中村英子、日尾孝司、北川惠一、花岡達、小林稔持、中田博久、佐藤蛾次郎、田巌、田口計、内田朝雄、三上真一郎、待田京介、郷?治、藤浩子、森みつ子
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