ビッグフィッシュ 6/4 TOHOシネマズ高槻 スクリーン5
★★★★
→なんか素直に感動してしまった。たっぷり楽しんでしまった。ティム・バートンがこんな映画を撮るなんて、と思う人もいるがこういう映画も撮れる守備範囲の広さを褒めるべきだと俺は思うよ。シャム双生児とか巨人、狼男と言ったフリークスが出てるのも俺には面白かった。

下妻物語 6/4 TOHOシネマズ高槻 スクリーン1
★★★★★
→感想を書こうと思っていたんだが、結局は書けなかった。一つ間違えば、石井克人の映画みたいになっていたが純粋な、あまりにもまっすぐな青春ムービーにぶれることなく、仕上げた監督の力量はたいしたもんだろう。正直、深田恭子がこんなにいい演技(まあ半分は地だろうけど)とは思わなかった。映画、テレビで活躍中の一筋縄ではいかない個性派俳優を悪ノリさせるところなく使い切ったのもすごい。阿部サダヲ、生瀬勝久、荒川良々、本田博太郎、宮迫博之と涙が出るキャスティング。岡田義徳もよかったなあ。思わず、ジーンと来た。この映画が2004年前半で見た映画で一番よかった映画になりました。

キューティー・ハニー 6/4 TOHOシネマズ高槻 スクリーン3
★★★
→結局、ヒットすることなく終わってしまったがインパクトの高い作品でDVDでブレイクするんじゃないかな、と思う。素直に楽しんでください。

深呼吸の必要 6/5 MOVIX京都シアター1
★★★
→篠原哲雄の如何にも彼らしい作品。「昭和歌謡大全集」は結構面白かったが本人が一番好きなのはこんな映画なんだろうと思う。物語には深みもないし、山場と言えるシーンもない、登場人物も主人公を含めてあんまり魅力的には感じない。この映画はあえてそういう背景を省いて、さとうきびを刈る若者を映し出すのみである。ただ見終わってもあんまり、退屈という感じはせずに爽やかな気持ちで帰路につけた。

シルミド 6/5 MOVIX京都シアター7
★★★★
→東映配給の韓国映画。。なれどそのストーリー、雰囲気はかつて70年代の東映が手がけた実録やくざ映画そっくりである。訓練を繰り返すヤクザたちの中に若き日の松方やピラニアとか木刀振り回す千葉真一が混じってても決して違和感ない作品である。そうか、東映が配給した映画ってのはもう韓国にしかないんだな。これが実話ってのもすごい。現在の韓国で韓国政府が軍事政権でやってた、相当な無茶が徐々に暴かれてきているらしい。ただ、それも結局は今の政権の望むところだったりするんだけどね。飛行機爆発事故まで自作自演と言われてるらしいし。それはともかく、東映を愛する俺は数回目頭を熱くしてしまった。思わず涙をこぼしたのは鬼軍曹の懐から飴がこぼれるシーンだった。ふにゃけた映画か大味なアクションかホラーが多い印象のある韓国映画だが、こんな映画もあるのだ。

世界の中心で、愛を叫ぶ 6/13 TOHOシネマズ高槻 スクリーン8
★★
→どなたか、尾野真千子が出てたシーンを教えてください。マジでわからん。航空会社の社員を演じた大森南朋はかっこよかったなあ。

21グラム 6/13 TOHOシネマズ高槻 スクリーン3
★★★★★
→心臓病で死ぬことが決まっており、唯一の治療方法である心臓移植を待つことのみに望みをかける大学教授。彼も死を覚悟していたのだが、彼にぴったりの心臓を持つドナーが現れて彼は心臓移植を果たして生き返る。実はその心臓には不幸な交通事故がからんでいた。。この背景だけでも充分にドキドキできるんだが、監督はそれを手ぶれカメラで生活感たっぷりに描き出して登場人物の生活をしっかり説明してくれる。ショーン・ペン、デニチオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツと安心して見てられる出演陣で皆がそれぞれに熱演だった。特にナオミ・ワッツの脱ぎも辞さずの演技はすげえよ。(ヌードシーンは画像が汚すぎてちっともそういう気にはならなかったが)暗すぎるストーリーなんだがじっくり見たい映画だ。

中島らも逝去

2004年7月27日 日常
http://www.asahi.com/obituaries/update/0727/002.html

正直、階段から落ちたと聞いたときも人騒がせなオッサンやなあと思ったもんだ。ただ記事の中には「命には別状は無かった」という文がなかったので気にはなっていた。

脳挫傷ですか。。

関西の人しかわかんないけどね、昔、読売テレビで鶴瓶とか浜村淳とか出てた「最後の晩餐」って番組があったんだよ。それに中島らもも出てたのよ。みんなでよってたかって勝手なことばっかしてる番組なんだけど、すっごく面白かった。このメンバーで誰が最初に逝くか、って年からしたらモーヅラルト(これも関西人しかわからんねえ)なんだったけどね、らもが先に逝ってしまった。

まあ、近い将来に死ぬとは思ってたけどね。。
肝臓ガン
食中毒
自殺
尾○豊みたいなロックな死に方
のどれかだと思ってましたが、まさか転落死とはねえ。。

突然すぎて自分の中でまだ整理ができていません。
「リリパット・アーミー」の頃から知ってて、結構ファンでした。
「明るい悩み相談室」もずっと読んでました。
「中島らものたまらん人々」なんか面白かったなあ。。

☆中島貞夫の「遊撃の美学」をやっとジュンク堂河原町店にてゲット致しました。来週には「脱獄広島殺人囚」の感想を挙げます。
☆本日は、映画「箪笥」のパンフからおちまさとセンセイの文章をお送りする。


先日、そんなキム監督と対談であった。そこでこの映画を彷彿させる奇妙な事が起きたのだ。監督のいるホテルの部屋へ入るやいなや、僕と全く同じ服を着ているではないか!D&Gの色も全く同じジャージに、クラッシュデニムにサングラス。僕は青山、監督はソウルで購入し、当日、まさにそれぞれの「箪笥」から取り出して着てきたモノ。こんな不思議な出来事がこの映画のさらなるコンセプトを明確化してくれた。


1、ただの偶然だと思います。

2、最後の一文はかなり強引。

3、単によくある服なのではないでしょうか。

4、というか普通に考えたら仕込みに決まってんだろ

5、こんな文章でお金をもらえるなんていい商売だな


というか。。。だからなんなんだ?アホか、こいつは?


あ、映画はいいですし、パンフもいい出来なんで買っても損はないです。


ところで、おちまさとさんって何してる人なんでしょうか?
←なんか死ぬほど聴いてる曲。個人的に愛内里菜の声は大好き
☆先週の三連休
7/17 白いカラス(シネフェスタ)、スチームボーイ(TOHOシネマズ高槻 )
7/18 雷蔵映画祭 沓掛時次郎、江戸へ百七十里とスイミング・プール(いずれもみなみ会館)
7/19 東京原発(第七藝術劇場)スパイダーマン2(TOHOシネマズ高槻)

☆今週末
金曜日は後半休で雷蔵映画祭 濡れ髪牡丹、忠直卿行状記(いずれもみなみ会館)
土曜日は自宅にて「青春の殺人者」(DVD)「東京ゴッドファーザーズ」(DVD)「座頭市千両首」(WOWOWにて録画)鑑賞
日曜日は 箪笥、マッハ!、ウォルター少年と夏の休日(いずれもMOVIX京都)

☆順調に映画館か自宅にひきこもってます!

☆とにかく暑くてやれんのです。暑いのでずっとクーラーつけておったら体調崩してしもうたけん。今週中には感想を挙げておきましょう。その前に移転せなあかんしな。。

あ、移転先ですがニフティを申し込みました。

http://homepage3.nifty.com/tetorapot/

このサイトになります。今後はこちらしか更新を行いません。ココログはまた何かに使います。多分、日常のこと「救う会」新潟のこととか、ヤクルトのこととか書くサイトになります。タイトルなんですが

「とかく、この世はままならぬ」
「くるいざき」
「拗ね者、世をはばかる」
「動くな!死ね!甦れ!あ、やっぱ死ね!」
「なんぎな生き方」
「積極的日和見主義宣言」
「笑顔で地獄に逝きましょう!」

センスないなあ。。私のこの手の予告はたいてい、やらないことが多いので期待せんでください。

あ、こんなのあった。。

http://members.at.infoseek.co.jp/teramisu/check2.htm

56%だってさ。。ふううん
明日は後半休でございます。ありがとうございます。もちろん、映画見てきます!

スクール・オブ・ロック 5/15 TOHOシネマズ高槻 スクリーン2
★★★★★
→俺にはロックなんかようわからんのだが、これはロックファンでなくても充分に面白い作品だった。多分、ロックファンならもっと楽しめるんだろうけど。主人公はわがままで自分が中心で地球は回ってるとマジで考えてそうなはた迷惑な奴で、食い扶持のために小学校の代理教員になってしまう。もちろん、先生の資格なんかもってないから、何教えていいか、わからん。が、生徒が優秀なのに目をつけてロックをやらせる。これにしたって、小学生にバンド組ませて自分が好き放題やれるバンドを作りたかったからだ。とまあ、信じられないほどわがまま野郎なんだが、彼も子どもを見ているうちに自分の欠点にも気づいて大人になっていく。彼の天真爛漫な迷惑なキャラが好きになれたら、とっても楽しいだろう。ちなみにこの日、客は私一人。

トロイ 5/15 TOHOシネマズ高槻 スクリーン2
★★★★
→実は今作は76年に中島貞夫が監督した「実録・山科戦争 地獄からの刺客」のリメイクであるが、あまりにもその事実は知られていない。キャストはアキレス(角南組組長)=安藤昇、ヘクトル(宇田正)=北大路欣也 パリス(宇田充)=荒木一郎 ヘレン()=池玲子、アガメムノン(葛江組組長)=名和宏 プリアモス(宇田組組長)=内田朝雄 パトロクロス(塚本剛志)=桜木健一というキャストだった。ラストの駐車されたロールスロイスのトランクから飛び出した安藤昇が全ての組員を殺すシーンは圧巻。但し、現在はこの映画はビデオ化もされていないし、フィルモグラフィにも何故か載っていない。(劇中でモ○・バーガーをバカにするシーンがあるためらしい)こうしてリメイク作品もできたことだし、この映画の再評価が待たれる。

ワイルド・フラワーズ 5/22 テアトル梅田2
★★★
→女子プロを題材にした映画。全然お客さんいまへんでした。女子プロって8団体もあるんやね。プロ野球でも再編が始まった今、そんなにあって大丈夫かとは思うけど。イギリス人が撮ったドキュメンタリーの「ガイア・ガールズ」ってのが滅法面白くて、興味を持って見た映画なんですが、なかなか楽しめました。主演の岡田義徳の演技がとってもナチュラルで拍手を送りたいぐらい。多分、この映画は女子プロファンが見たら涙もんの豪華さなんでしょうが、私にはわからんかった。でも作品の出来はいいです。

問題のない私たち 5/22 第七藝術劇場
★★★
→若い女子高生がキャピキャピしてる(死語)はそれだけでも楽しめるんだが、この映画はなかなか一筋縄にはいかねえ映画で胸がちくちくして仕方なかった。黒川芽衣はめっちゃ人気あるらしいが、実はほとんど知らんかったです。沢尻エリカは知ってたんだがスクリーンで見ると嫌味なほど美人やね。それから勝村政信の駄目っぷりが見事。

レディ・キラーズ 5/23 TOHOシネマズ高槻 スクリーン4
★★
→トム・ハンクスは元々好きな俳優で楽しみにしてたんだが、出来はそんなにいいとは思わんかった。なんかね、最も映画で愛すべき登場人物であるはずのマダムが好きになれんかったのがその原因かもな。演出は緩慢でテンポも悪く、いらいらさせられた。泥棒の面々はどいつもこいつも食えない感じで好きなんで、勿体無いとは思う。将軍のタバコを隠すシーンは真似してえぐらい、見事。
 今日、紹介するのは「リアリズムの宿」。つげ義春の漫画を「ばかのハコ船」の山下敦弘が監督。出演は山下敦弘の盟友の山本浩司、長塚京三の息子にして俳優から自主映画の監督まで幅広い分野で活躍する長塚圭史、「萌の朱雀」でデビューした尾野真千子。

 ある冬の日。片田舎の小さな駅の前に二人の男がたっていた。自主映画出身の映画監督木下(山本浩司)と脚本家の坪井(長塚圭史)は共通の知人である船木(山本剛史)に誘われて、このさびれきった温泉街にやってきたのだ。二人は全く知らないというわけではないが、顔を知っているという程度でほとんど面識がない。無言で船木を待ち続ける二人。でも船木は来ない。寝坊してしまったのだ。仕方なく、歩き出す二人。

 二人は船木に聞いていた宿屋に向かうがその宿屋はつぶれていた。ようやく民宿を見つけた二人は相変わらず会話がない。映画についての話を一通りしてしまうともう話題が無い。宿屋の主人(外人)に魚を売りつけられたり、こっそり持ち込んだ酒を飲まれてしまったり、露天風呂(?)で変な話をされたりしてますます気分が落ち込む二人。実はこの旅は船木の主演映画の構想を練る旅だったのだが、船木がいないことと木下と坪井が全く気乗りしないことで何がなんだかわからない旅になっていた。

 次の日、海岸でしゃがみこんで、だらだらと話す二人。これだけ長い時間、二人でいてもまるで話題が盛り上がらない。そこに突然、裸当然の少女(尾野真千子)がびしょぬれで泣きそうな顔して走ってきた。海岸沿いにいた彼女は着替えもお金も全部流されてしまい、この冬の日に水着姿だった。彼女の名前は敦子で東京(住んでるとこは。。原宿)から来た21歳。女の子が加わったことで、俄然話題が盛り上がり始める二人。女の子を加えた三人は見得を張って”温泉旅館”に泊まる。楽しく一夜を飲み明かす三人だったが、次の日に敦子は忽然と姿を消してしまう。また二人の旅になった。昨日、金を使いすぎて泊まる金もない。喫茶店で出会った変なオッサン(康すおん)に家に泊まればいいと言われるのだが。。

 思いがけず、二人で旅をすることになった。相手は全く知らないことはないが仲良しでもない。共通の話題もほとんど無い。こういう状態というのはとてもつらい。で、実際に話してみるとやはり友人になれない人なんだな。木下が電話で船木と「坪井さんって俺より上?あ?下?オッケーオッケー」と話すシーンはリアルだと思った。初めての相手ってとりあえず、年齢聞くもんね。

 木下は童貞で女に対する強烈なコンプレックスがある。それに対して坪井は6年間、女と同棲した経験がある。木下の坪井に対する妬みが時々、出てくるのが面白い。坪井だって酔っ払って昔の女の名前をつぶやいたり、女がしてたマフラーをしてるような、そういう人なんだけどな。坪井と敦子が同棲について話し出して話題にのれなくなった木下が「異邦人」を歌いだすシーンは爆笑。

 敦子を演じるのは尾野真千子。デビュー作の「萌の朱雀」も見てるはずなんですが、どうも思い出せない。「世界の中心で愛を叫ぶ」にも出てたらしいんですが、印象に残ってない。少ない出番でも津田寛治の坊さんは覚えてるんだが。何とも正体がつかめない、ふわふわとした少女を好演。ラストの手を振るシーンはとっても可愛かった。脇役では「ばかのハコ船」で尾崎をやった山本剛史(本業はサラリーマン)はワンカットのみ出演。旅先で出会う、妙に気前のいい怪しいオッサンが面白かった。「おまえ、写真ばらまくぞお」が妙に耳に残った。

 キレのある演出ではないですが、のったりとしたオフビートで映画は進んでいく。大爆笑の連続ではなくて、何気ないシーンでクスクス笑えるような映画であとあと思い出し笑いできるような映画です。パンフに載っていた脚本を読むと細かいネタが結構、仕込まれている。(「竹内ちから」とかね。)ただ、「ばかのハコ船」「どんてん生活」を最近、DVDで見て思ったんだが、この人の映画は映画館でじっくり見るのに向いてる。早いテンポの映画が好きな人にはやや、とっつきが悪いと思う。どうしても気が散るビデオとかで見てるとしんどいと思う。でも慣れてしまうと何ともこのぬるいテンポが心地よくなる。24日からみなみ会館でスタートです。お見逃し無きように。

監督:山下敦弘 脚本:山下敦弘、向井康介 音楽:くるり 配給・宣伝:ビターズ・エンド 特別協力:中島貞夫 
出演:長塚圭史、山本浩司、尾野真千子、サニー・フランシス、瀬川浩司、康すおん、山下敦弘、山本剛史
☆今から26年前の7月20日も今日のように雲ひとつ無いカンカン照りだったらしい。その日が滅法暑かったのか、海に関係する日だったかわからないが(当時はまだ「海の日」は休日でなかった)私の名前には水編(サンズイ)の漢字が入っている。海に関係する職業、漁師とか航海士とか海洋土木の現場監督、海賊、海女さんにはならなかった。また暑い夏がやってきた。小学生の頃、この日が終業式で次の日から夏休みであった。誕生日であることよりも、夏休みが嬉しかった。

☆頼まなくてもやってくるのが借金取りと誕生日である。またこの日を今年も迎えた。10歳の時に従兄弟が生まれた。今度生まれてくるのは俺より10歳年下か。。と思った。その従兄弟も16歳になっている。年をとるわけだ。大学を卒業して4年目ですぐに就職を果した大学生の同期は今年4年目でそろそろ主任クラスになろうかという年である。最も、私の友人で会社を辞めていないのは一人しかいないが。

☆仕事は2年目ということもあり、落ち着いてきたと思う。が、経験不足とコミュニケーションスキルの不足を死ぬほど感じることがある。仕事だけでなく、全体的に手詰まり感がいっぱいで次の一手がまるで見えない。麻雀なら、ここでオンリだが人生は続く。振り込みの恐怖に怯えながら牌を切って行かねばならん。はっきりと現実に表れていないだけで、いつか破綻をきたすと思う。その恐怖に怯えて人生を送っているようなところがある。2年程前から視界を覆いつつあるその暗雲で前が見えぬ。ここらが限界か?
☆とにかく、夏の京都ってのは暑い、人が多い、行事が多い、で住んでる者にはたまらんものがある。私は京都市民でないから、逃げるところがあるが、洛中の方は本当にご同情申し上げる。。ってもう慣れてますか。そうですか。京都の観光客も4300万人突破で今年はそれを上回る勢いでもう5000万人行くんじゃないと。聞けば宵々々々山ってのもあるんだそうで。目指せ、観光客1億人!となればこれは7月中、宵山でないとねえ。上宵山と中宵山と後宵山つくってそれぞれに宵々々々山を作っちゃう。でも何やね、私は中学の時から上京の学校通ってて帰り道に御所歩いてたら、観光客に道いっぱい聞かれた。最近は穴場を探せってんで、こんなところにもってとこにも人がいる。やっぱり観光の町なんだなあ、と思う。近くに住むものにしたら、何でこんな暑い盆地にとも思うけど。映画ファンとしてはMOVIX京都もエライ状態になってるんやな、厭だなという感じでこの三連休は四条に近づけないです。

☆「白いカラス」を見に、京極東宝に行こうかなと考えていたのですが↑の理由で京都はアカンな、と。わざわざ、大阪まで行ってきました。大阪ももう凄い人なんですが、これはいつものことなんで諦めがつく。一ヶ月に一度は必ず足を運ぶ堂島のジュンク堂。ここで「遊撃の美学・中島貞夫」をゲットしようとするが置いてない。店員に聞くと入荷もしてないとのこと。アマゾンでも出てこなかったし、まだ発売してないのかしらん。でも新文芸座では置いてあったんだが。。ううむ。岡田茂「波瀾万丈の映画人生」、森達也「下山事件」をゲット。堂島で昼食を済ませると新世界のシネフェスタに向かう。

☆およそ、遊園地には最も向かないと思われる立地条件にあり、また遊園地の7階というありえない立地条件にある映画館、シネフェスタ。97年に完成し、私もその年に何故かここに行っている(まだ映画ファンではなかったので遊園地利用だ)が、その町の様子を見てうげげ、と思ったもんだ。これ以上はいいませぬ。ここに遊園地を作ると決めた大阪市の方は何を考えていたのかしら。くるくるぱーか?「ワシの金やあらへんしな」という感じやったんでしょうなあ。「まあそれもありかな、実験や実験や」責任取れ。そのフェスティバルゲートも銀行連が見放してしまい、どうなるものやら。。

☆ここにはジェットコースターがある。平日に動くことは少ないが(客がいない)休日には元気に稼動している。当然ながら、音が出る。シネフェスタもその例外でなく、映画の中で何回かゴゴ・・と聞こえる。アクション映画を見ているときは臨場感が満点だ。。。やっぱり当時の大阪市の幹部は通天閣からひもなしバンジーやな。何故かハリポタ3、蜘蛛男2をやっているので映画館は満員だった。蜘蛛男も来ていた。体操部の学生でアルバイトでやっているのだろう。ただ、筋肉隆々と言うタイプじゃなくて中肉中背でそれほど長身でもなかったので、少し面白かった。子どもと一緒に記念撮影を行っていたが、暇な時には場内整理とかしてた。どうでもいいが、あの衣装をつけて前が見えるんやろか。映画を見終わってから本拠地TOHOシネマズ高槻で「スチーム・ボーイ」を見てから帰宅。今日は二本だけ鑑賞。明日は市川雷蔵映画祭に行きます。これも人が多いんだろうなあ。。

☆もらったチラシを見ているとシネドライブで山下敦弘監督の「実録その男、狂棒につき」を明日、上映するらしい。この作品は「最も危険な 刑事まつり」で発表された「汁刑事」のロングバージョンである。この作品がめちゃくちゃ面白いのだ。「ばかのハコ船」の尾崎やってた人が主人公なんだけどね。見てない人にはわかんないけど。それにピンク女優の里見瑶子も舞台挨拶ってか。。こりゃあ。。いかんとなあ。。夜の9時か。。

☆始めてスカパーのあややCMを見た。山本さんバージョンだった。俺も山本って名前だったらよかったのに。でも今月でスカパーは契約切る。だって見てねえもん。 
 今日、紹介するのは新文芸座で7月10日までやっていた中島貞夫映画祭から「にっぽん‘69 セックス猟奇地帯」。蓮實さんが傑作と絶賛していた「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」との二本立てでしたが、平日だと言うのに大入り満員で立ち見まで出ていました。世の中、エロばっかりやな(笑)。わざわざ京都から来たんが、一番のエロ坊主かもしれんけど。中島監督も来られてたらしいです。とにかく、大入り満員でなんかわからんかった。

 中島貞夫って監督は東映のプログラムピクチャーの担い手でポルノから任侠から実録から何でも撮りました。正直言って、その作品群は玉石混合。80年代以降の作品はつまらない作品も多いです。この人の本分は「893愚連隊」「脱獄広島殺人囚」「懲役太郎 まむしの兄弟」「狂った野獣」「暴動島根刑務所」のような低予算のプログラムピクチャーにあったと思います。深作、純彌と並んで相当に器用な監督で大作もこなしていますが、この人の面白さはそうしたところでなくて勢いだけでぐいぐい押していくところにあります。「狂った野獣」なんて短期間、低予算でストーリーもないようなめちゃくちゃな作品ですが、わくわくするほど面白い。特に松方弘樹と組んだ「脱獄広島殺人囚」「暴動島根刑務所」「暴力金脈」のような、かっこいいところなしで剥き出しの人間性を目の前に突きつける映画がめちゃくちゃ面白いのだ。出てくる奴らがギラギラしとるんだ、まぶしいぐらいに。
 
 実は東大出身でギリシャ劇をやってたインテリなんだが、東映に入ると東映京都に回された。「ギリシャ劇、言うことは時代劇やんけ」ということだったらしい。東映京都でプログラムピクチャーの担い手として活躍中で「仁義なき戦い」も当初はこの人で行く予定だったとか。脚本家の倉本聰とは親友で倉本の「前略おふくろ様」に室田日出男や拓ボンを紹介しています。本来なら「遊撃の美学 中島貞夫」を参考にしながら、感想を書きたいのですが、もう一回刷り直してるとかでまだ買えてませんので、思い出しながら書きます。

 この「にっぽん69’セックス猟奇地帯」というのは69年当時の日本の風俗を切り取ったドキュメンタリーです。俗に言うエクスプロイテーション・フィルムって奴で言わば、キワモノ映画ですな。構成にルポライターの竹中労が入っています。当時の竹中労は政治と風俗をクロス・オーバーしようとしてた時期で映画俳優の労働組合に首を突っ込んだり、「祇園祭」をプロデュースしようとしたりしています。曰く、「芸術はすべからく、反体制である」。その考えから参院で革新自由連合を作ろうとしたりしましたが、どれもうまく行きませんでした。後に中島貞夫、深作欣二、笠原和夫と組んでサイレント映画時代の傑作「浪人街」をリメイクしようとしますが、考え方の違いから決裂します。竹中労について説明すると、キリがないんでこのへんにしておきますが、まあケッタイな映画です。最初に言うておきますが、あまり面白くありません。

 先日、「69 sixty nine」の感想でも述べたとおりに69年当時の日本は長らく隆盛を誇った学生運動が衰退しだし、日本が繁栄を謳歌し始めた頃でした。数年前から話し合いが進んでいた沖縄返還が決まったのもこの年でしたしね。そういう時代を背景にした、セックス裏事情が次々と西村晃のナレーションによって紹介されていきます。列挙しましょう。シンナー、刺青、飛田新地、状況劇場(当時、27歳の唐十郎が出ている)、ゼロ次元、青姦、マゾヒステック、ストリッパー、ペインティング、トルコ風呂、整形手術の実情、エロ事師たち、そして沖縄の売春事情です。これが次々と紹介されるんですが、一つ一つがもう強烈でしんどい。

 ゼロ次元ってのはハプニング集団という奴で大川興行がさらに過激になったようなものと考えるとわかりやすい。「儀式」と称するストリート・パフォーマンスをやっており、銀座の町を日の丸背負って行進したり、ダッチワイフを使って若い男女が飛んだり跳ねたりしておった。(出産シーンの表現だったらしい。)「薔薇の葬列」にも出てたらしいので、私も見ていた筈なんだが全く覚えておらん。学生運動と連動して「儀式」を行ってそこそこ有名だったらしい。但し、この翌年にリーダーが逮捕されて、衰退しちゃったらしい。

 一番えぐかったのが整形手術の実情。隆鼻術、豊胸手術、二重まぶたの手術の様子が写されているのがこれが、えげつないのだ。プラスチックを鼻に無理やり押し込んだり、ポンプで何かを送り出しながら胸のシリコンを整えたり、まぶたをズタズタに切り込んでいく様子が延々と写されているのだ。この映像に整形手術について女性と高須みたいなオッサンのお喋りが重なるのだが、これが何とも他愛も無いあっけらかんとした話なんだ。アホといやあ、それまでだが考えようによってはこいつらはめちゃくちゃ勇気のある奴らなんかもしれない。そういやこの映画には彫り物をしてる女性も出てくる。彫り物ってのは大阪ではガマンが足りないと完成しないことから「ガマン」と言う。よくぞ、彫ったもんだ。もうプールもサウナもいけねえのに。

 もう一つ、えぐかったのがM男だろう。マゾの世界である。バーのカウンターを覗くとに男が寝そべってホステスさんに踏まれたり、頭の上で雑巾を絞られてる。このへんはまだ笑えるんだが、ホテルの一室で首輪に繋がれて足蹴にされたり、頭からなんかかけられたり、挙句の果てに小便を飲んだり(この人にとっちゃ、聖水)、便所の水を飲んだりするシーンでは思わず、下をむいちまった。その間、ずっとこのM男さんがマゾに対する思いと述べ続けており、頭がおかしくなりかけた。この人、実は「家畜人ヤプー」(最近、江川達也が漫画化した)を書いた沼正三って作家だった。この人、正体が不明で現職の判事さんだったとか言う噂もある。

工エエェェ(´д`)ェェエエ工工

こんなんに裁かれた犯罪者はマジで気の毒。。って書いたら失礼か。

 ブルーフィルムの撮影風景がなかなか微笑ましい。無人島についた男二人と女一人。どう見ても30歳を超えている女性がセーラー服に着替え始めて撮影開始。それを重く、西村晃がナレーションで説明する。・・いい時代だなあ。。なんとも牧歌的だ。変なものを並べるだけではさすがに映画は終わらんと思ったがラストは唐十郎にお越し願い、沖縄の売春婦についてレポート。黒人兵と日本人のハーフにインタビューをして、少しは政治的な意味をつけて映画は終了。(あ、オチまで書いちった。)

 映画としてはあんまり面白くないですが、当時の風俗史としてはかなり面白い作品だと思う。まあお好きな人は。。ということで。中島貞夫はこの後もセックスドキュメントを多く撮っているのでこんなん、好きなんやろなと思う。69年から35年立ちましたが、この映画に出てくる人たちは今現在、何をしてるんだろう?この年に乱闘騒ぎを起こした唐十郎はいまだに状況劇場やってるし、沼正三もゼロ次元の人もまだ生きてるみたい。ストリップ劇場も飛田新地も細々とだが、当時のままで存在する。新宿の街で堂々とシンナー吸ってた青年とか30歳ぐらいで死ぬとか言ってたペイントのお姉ちゃんとかブルーフィルムの”女優”の方々も皆様、お元気なのでしょうか?
☆雁 5/1 京都文化博物館
★★★
→ゴールデンウィーク見たのは結局3本だけでうち2本が若尾文子だった。若尾文子もさることながら、若尾文子との共演が多かった小沢栄太郎が非常によかった。呉服屋の旦那という触れ込みで若尾文子を妾に囲うがその実は皆に嫌われる高利貸し。ちまちまと内職で子どもを育てる女からも容赦なく、金をむしりとる悪人である。が、金で強引に女を囲うことをせずに呉服屋の旦那で妻とは別れているとごまかすところが何とも情けなく、人間臭い。一番印象に残ったのは小沢によって酷い目に合わされた女が若尾に迫るところ。「ごはんは一粒も残さずに大事に食べてくださいね。一粒一粒が私達の汗と涙と血なんですから」すげえセリフだよな。

☆華岡青洲の妻 5/2 京都文化博物館
★★★★
→所謂、美徳であった逸話を有吉佐和子が違った角度から解釈。それを大映のエースだった増村保造が監督、新藤兼人が脚本化、主演は若尾文子、市川雷蔵という豪華な顔ぶれで映画化。地味な映画であるが、腹にずんと沈む出来栄えになった。母と妻を意識的に競争させ、麻酔薬の成功に協力させる青洲の姿は孤高の研究家でもあるが、また父親に似た出世願望の強い学者とも見える。人間の激しいエゴとエゴのぶつかり合い。若尾文子の懸命さも余裕綽々と嫁に挑む高峰秀子ともに、見てて怖いほどの迫力だ。渡辺美佐子の臨終が映画のテーマを全て表している。腹をどっしり落ち着けてみよう。

パッション 5/4 TOHOシネマズ高槻 スクリーン1
★★★
→それほどたいしたことない作品だと思うが、十分にスクリーンでの鑑賞に堪えうる作品ではあると思う。ただ日本で何でこんなに話題になるんか。キリストを拷問する兵士ってあれだな、ローマ人なんだよな。この映画のユダヤ人ってのは、悪魔にだまされた、かよわき民にも見えるんだが。。たださあ、確かにキリストを殺したのはユダヤ人かもしれないけど、キリスト教のもとを作ったのもやはりユダヤ人でしょ?メルギブのおとうちゃんが言うように、そんなにユダヤ人=悪とは言えんでしょうやね。

ニュータウン物語 5/8 シネ・ヌーヴォ
★★
→団地を文化住宅とよぶ時代があった。その時代、団地、ニュータウンは民衆の憧れの的だった。そのニュータウンが現在、岐路に立たされている。かつて現代の日本を象徴するものだったニュータウンは今や古きものとして葬り去られようとしている。。このドキュメンタリーはそうしたニュータウンの問題からこれからの日本までを含んだ、優れた社会性の高いもんだと私は意気込んで見に行ったのですが。。私が勝手に思ってるだけでした。監督の興味はおそらく、そんなところにはなかったのでしょう。これは「home」と同じような家族を含めた自叙伝のようなもので私には極めて退屈な映画でした。

carmen. 5/8 梅田ガーデンシネマ2
★★
→ビゼーの曲が一度も流れないカルメン。大体の話は知ってましたが、こんな話だったんですねえ。女優は脱ぎも辞さずに何とも悪くて魅力的な娼婦を演じておりました。そこはまあ認める。序盤のなんでもないシーンだが、裸みたいな格好で工場で働く女たちを見て異常に興奮してしまった。でも映画自体は凡作。

☆太陽の季節 5/8 京都文化博物館
★★★★
→石原慎太郎のデビュー作にして代表作になった作品の映画化。慎太郎は自分で主演して監督したかったらしいが、デビュー前に東宝に入社していたために、日活で作られたこの作品には加われなかった。(所謂、五社協定という奴である。)特別出演のような形で出演はしてるが、どこに出てたかわからん。それに比べ、これまたチョイ役の裕次郎のまあ目立つこと。慎太郎が悔しさ半分で長門裕之は全くのミスキャストと言っていたが私もそう思う。彼の魅力は後の「危いことなら銭になる」や「学生野郎と娘たち」のようなコミカルな男前が似合うのであって、達哉のようなクールなキャラクターにはおさまりっこないのだ。かといって慎太郎が似合うとは思えん。彼は後に「危険な英雄」という映画で主演を果した。私もその映画を見てるが監督が如何に彼を話から外すか苦悩したかがよくわかる作品であった。彼が「太陽の季節」に主演したところでこの映画が大傑作になることはなかっただろう。この映画の真の主役はやはり主人公のモデルとも噂された裕次郎である。プロデューサーの水の江滝子に注目された裕次郎は「狂った果実」に主演することになる。言わば本作は裕次郎を映画界に引っ張り出すための作品だったと言えるだろう。

死に花 5/9 MOVIX京都シアター2
★★★
→癖のあるキャストを監督がうまく使いこなせなかったような気がする。数年前に年寄りの銀行強盗を題材にした、植木等とか長さんが出てた「俺たちの銀行強盗」ってドラマがあってそれのリメイクだと思ってたんだが、全くの別物。年寄りの銀行強盗ってのをそんなに深刻にやってどうする。監督の狙いと題材が乖離してるような気がしてならない。宇津井健をもっと活躍させてくれや。

☆狂った果実 5/9 京都文化博物館
★★★★★
→石原裕次郎のデビュー作として有名な今作であるが、実は天才・中平康のデビュー作でもある。そしてもう一人、この映画でデビューしたのが津川雅彦だ。(子役としての出演はあったが実質的なデビューはこれらしい。)丹精な男前で役柄でぴったりなんだがインパクトで言うとやはり裕次郎なんだわな。長らく、裕次郎の魅力ってわからんかったけどやはりこの人はスクリーンで見なきゃ駄目ね。「幕末太陽傳」「太平洋ひとりぼっち」。そしてこの「狂った果実」でこの人一人でできたばかりの日活を六大会社と言われるまで引っ張りあげるだけの魅力であることがわかった。岡田真澄を三枚目に使うという工夫がいい。ボーイの英語の注文に「焼酎あるう?」とおどけてみせるシーンが最高。後に裕次郎夫人となる北原三枝はクラクラするぐらいに可愛い。とにかく、この時代の女優さんは綺麗。
 今日、紹介するのは10日から東映系で公開された「69 sixty nine」。村上龍の自伝小説の映画化です。主演は妻夫木聡で監督は「BORDER LINE」の李相日で脚本は宮藤官九郎です。

 この映画は1969年の佐世保が舞台になっています。69年というのは今から35年前という、大昔ですがこの年は実に様々なことが起こってます。パンフと昭和・平成家庭史年表を参考にしますと。。
・奥崎謙三が皇居でパチンコ玉を打つ
・PLO議長にアラファトが就任
・永山則夫の逮捕
・ド・ゴール、フランス大統領を辞任
・柏戸が引退
・市川雷蔵が死去
・ロマン・ポランスキーの嫁さんが惨殺される
・カダフィ大佐、革命成就
・ソニー、ビクターが共にビデオを発売
・プロ野球の八百長事件発覚
・ドリフの「全員集合」がスタート
・「男はつらいよ」公開
・シンナー、大流行
と挙げれば、もうキリがないわけです。なお、この年には安田講堂事件があり、東大の受験が中止されました。翌年の70年は安保の切り替わりの年で運動が最高潮になると思われていたのですが、この事件をきっかけに学生運動は低調となり、内ゲバに明け暮れます。とまあ、そういう時代だったのです。佐世保はこの前年、アメリカの原子力空母のエンタープライズの入港を巡って学生と機動隊が衝突する「エンタープライズ事件」が起こっています。映画にもエンタープライズ事件の生き残りを称する大学生が出てきますが、まだまだ町全体がピリピリしておったのでしょう。

 高校生のケン(妻夫木聡)は「楽しく生きる」が信条のハッタリ野郎。ハッタリをかます時に標準語で喋る。彼は友人のアダマ(安藤政信)、岩瀬(金井勇太)と共に映画、演劇、ロックが一体となった「フェスティバル」を開催しようとする。彼には夢があった。映画を撮る名目で北高のレディ・ジェーンこと松井和子(太田莉菜)に近づこうとしていたのだ。早速、中学時代の親友である大滝(加瀬亮)に8mを借りに行く。が、大滝は学生運動に没頭しており、革命的な題材を取らねばビデオは貸せないと言い出す。行きがかり上、突然高校のバリケード封を言い出してしまうケン。大滝、成島(三浦哲郎)、指紋がない中村(星野源)、ハゲのマスガキ(柄本佑)を連れて、バリ封を敢行するケン達。ケンやアダマにすれば、「楽しいから」でやったバリ封だが学校、警察を巻き込む大騒動になってしまう。。。

 映画のテンポもいいし、ストーリーもすごく面白い。展開も早いし、キャストも凄く多いんだが一人一人を生き生きと描く宮藤官九郎の脚本はさすがだと思う。楽観的なケンに慎重なアダマの対比も面白い。脇役では校長室で○ン○をしてしまう中村と200円しか持ってないアダチさん(演じるのは和製ブシェーミとの評価も高い森下能幸!)と全力で生徒と戦う相原先生@帝都大戦が笑えた。ただ、後半がやや弱い。そこが無ければもっといい映画になった。ラストはいいけどね。

 キャストが凄いのだ。妻夫木に安藤政信はもちろんのこと、金井勇太(「学校?」「さよなら、クロ」)、加瀬亮(「ロックンロールミシン」)、柄本佑(柄本明の息子「美しい夏キリシマ」)と主演経験ありの日本映画の星ばっか出ておるのだ。池脇千鶴と同棲中の新井浩文まで出ている。妻夫木とは「さよなら、クロ」「ジョゼと虎と魚たち」に引き続いて3回目の共演ですな。シリアスな役柄からこういった、笑える役と実に幅広いですな。まあ、不良役がすごく多いけど。マドンナを演じたのはこれが映画デビューとなる太田莉菜。全校の憧れの的にしてはやや、役不足と思えたが笑顔が可愛いのでまあよしとしよう。しかし、その友人の揺れる胸が魅力の佐藤ユミが三津谷葉子というのは不足なしだが、なんか勿体無いような気がする。

 「半落ち」で映画に回帰した柴田恭平は出番が少ない割には飄々とした親父を好演。國村準、岸部一徳、小日向文世、豊原功輔もそれぞれ出番は少ないが、一人一人が当時の社会状況を代表するような役柄で映画に深みを出している。特にホームランバーアイスを片手にケンを追い込んでいく國村準はめちゃくちゃいい。それから「キューティーハニー」では全然だった村上淳がとっても正しい使われ方をされている。「トマトジュースがノメナインデス」と弱気に呟く番長を「ああん?」と怒鳴って、黙り込ませるシーンはこの人でなきゃ、成立せんだろ。最後に、井川遥だな。これは見てのお楽しみ。

 この映画の監督、脚本、主演は共に70年代以降の生まれで69年という時代を知りません。映画にはリアリティが重要になってきますので、69年当時の風俗が多く映画に盛り込まれていますが、69年当時の再現は目的になっていません。監督は「69年をリアルに再現するのではなく、この時代を借りながら今を生きる感じで書いていた」
と語っています。当時の17歳にも青春があったように今の17歳にも青春はあるのです。時代が変わってもその青春に違いはないだろう、と監督のこの映画に対する思いはここから出発しています。

 映画の中でケンの行動をきっかけにして全校にマスゲーム訓練と放課後の校庭掃除の廃止を訴える声があがるシーンがあります。このシーンは映画の中でもやや異質ですが、監督の中に学生運動に対する考えが出ていると思います。後に悲惨な内ゲバばかりがイメージとなった学生運動ですが、その背景には当時の学校側の高圧的な管理教育もやはりありました。そもそもの学生運動は学費値上げ反対から始まっています。そうしたものをわずかでも扱っているところはやはり誠実だと思う。

 オープニングが非常に日本映画らしくないポップな感じで非常にいい。映画全体の雰囲気は「スナッチ」みたいな感じ。妻夫木人気で若い女性客が中心の入りになりそうですが、なかなか見応えのある作品になっています。安藤政信の高校生役はもういくら何でも限界はありますが、妻夫木もかなり無理があると思います。ラストのケミストリーの歌ですが、最初は山下達郎の歌かと思いました。

監督:李相日 脚本:宮藤官九郎 製作:黒澤満 原作:村上龍 美術:種田陽平
キャスト:妻夫木聡、安藤政信、金井勇太、水川あさみ、太田莉菜、三津谷葉子、星野源、加瀬亮、三浦哲郎、井川遥、森下能幸、柴田恭兵、國村準、柄本佑、岸部一徳、小日向文世、原日出子、新井浩文、豊原功輔、嶋田久作、峯村リエ
☆考えてみればもう長いこと、映画の感想を書いてない。駄文でお茶を濁している。

駄目やん!こんなんじゃ!

ってことで今週中になんか一本仕上げます。でも明日は課の慰労会で金曜日は多分、友人と食事。土曜日、日曜日は泊りがけで仕事やけんの。難しいやろな。。

☆近い将来にココログサイトに全面移転します。
とりあえずトップをここに移すつもりです。
メイン・コンテンツであるここも移すかどうかは考えています。
アクセス数も固まってきたし、あまり移したくないんだけどね。

http://tetorapot.tea-nifty.com/

あ、それからゲストブックをつけました。前にもあったんですが、アクセス数がないんで封印してました。でも掲示板がないのも寂しいので復活させました。またなんか書いてくらはい。

http://8507.teacup.com/daishimae/bbs

☆友人の父が亡くなった。彼は末っ子で50過ぎにできた子どもだったので、年齢は70を過ぎていた。一切の科学治療を拒否して、苦しみぬいて亡くなった、という。家族にとってはたまったもんじゃないだろうが。私の父はまだまだ若いので当分は心配ないと思うが、父を亡くすということは相当に不安なことだと思う。しかも彼はまだ学業中の身で両親の庇護を受けていた。年を取るのは厭なことだと思う。

☆プロ野球が姦しいが、騒いでる連中に言いたい。あんたら、近鉄の試合を見たことあんのか。見たことないのに、いざ無くなるとなったらつぶすな、無くすなの大合唱。挙句の果てには文化の否定だと言いやがる。あんたらがな、一年に一回でもパリーグ見に行ってたら、潰れなかっただろうよ。何十年もやってきて、スポーツを文化と見る目はちっとも育たずにプロ野球はスポンサー頼みでやってきたんだ。つまり、日本のプロ野球ってのはそんなもんなわけ。巨人一辺倒を批判するけど巨人×アンチで喜んできたのはあんたらだろ。日本で市民球団だと言えるのは広島カープだけ。ライブドアの社長は救世主でも何でもなく、ただの商売人である。いい宣伝になったやろ。後ろに控えるのは関西財界のフィクサーになりつつある、星野やね。復権を目指す野村もおるのかな。もういい、そんなの飽きた。パリーグなんか本当にいるのか、しっかり考えろ。
☆朝8時に家を出た。行き先は東京。京都の人間から見ると東京なんざあ、首都じゃない。高校時代の教師によれば、遷都の議もやってないんであれは東京ってのはあくまでも仮の都で今でも首都は京都なんだそうだ。んな、アホなと思うだろうけど、京都の洛中の人には本当に「先の大戦=応仁の乱」って人もいる。時代が動いておらんのだ。俺はそうした京都人の悠久の時の歩みにマジに敬意と恋慕を感じるんである。だから俺の中でも東京は首都でナイ。

☆品川につくと早速、山手線に乗り込む。平日の昼だと言うのに満員という現象にクラクラする。今回の旅は何を目的にしたものか。東京は旅先に向かない街だ。大体、人が多すぎて旅情がない。特に私のように短期間でも住んでいたものには旅という感じがしない。目的はやはり映画である。あんた、映画しかないのか。はい、アリマセンデス。

http://www.shin-bungeiza.com/index.html

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%c3%e6%c5%e7%c4%e7%c9%d7

名づけて「遊撃の美学 映画監督・中島貞夫」映画祭。うまくつけやがったなあ、ちくしょう。東映で深作、純彌と並んで東映を代表した映画監督である。現在は一線を退いて大阪芸大で後進の指導に携わり、(教え子には山下敦弘、熊切和嘉がいる)京都映画祭のプロデューサーをやったり、映画に関する本を書いたりしている。京都人には「中島貞夫の邦画招待席」でおなじみだろう。映画監督としてはポルノ、ドキュメント、任侠やくざ、実録やくざ、極妻、大作時代劇など分野はさまざまだ。今回は「にっぽん’69 セックス猟奇地帯」が上映される。この作品、ケッタイな題名でビデオ化も多分しておらんし、上映もほとんどされておらん。幻の作品でまさか、フィルムが残ってるとは思わなかった。しかもニュープリントである。

☆この映画のニュープリントを発案した、そして金を出した人は本当に素晴らしい人である。この国には文化を守る為に作られた「文化庁」なる役所があるんだが、には熱心で保存とかそういうのには全く興味がない。こうしたニュープリントというのは本当に民間の篤志家に頼る他がない。本当に頭が下がる。文化庁にも映画評論家を名乗る寺脇研@ゆとり教育ってのがいるんだが、そういうことには目が向かないのだろうか。もっともルポライターの竹中労が構成したこの作品が文化庁の持ち物になるというのは、またそれはそれで恐ろしいが。『くノ一忍法』『893愚連隊』『あゝ同期の桜』『にっぽん’69 セックス猟奇地帯』『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』『脱獄広島殺人囚』『鉄砲玉の美学』がニュープリントされたらしい。古いフィルムは惨い状態になっているのが多いので実に嬉しい。

☆なお、中島貞夫映画祭は今週いっぱいで終了するが、10月下旬には大阪のシネ・ヌーヴォで開催される。

http://terra.zone.ne.jp/cinenouveau/hotnews-lineup.htm

それから「日本の首領」シリーズもDVD化されます。これが初のDVD化ってのが激しく不満だが。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/249-0119322-2549121

ただ、中島貞夫の作品って全部が面白いわけでなく、割りと玉石混合。「日本暗殺秘録」は湯布院で見たけど、言うほどでもねえし、「日本の仁義」ももう一つ。「893愚連隊」「脱獄広島殺人囚」「懲役太郎 まむしの兄弟」「狂った野獣」「暴動島根刑務所」あたりがお薦め。これに味を占めたあなたは「暴力金脈」「極道社長」「沖縄やくざ戦争」なんかを見ちゃったりするのよ。監督はピラニア軍団の村長だったこともあり、ピラニア軍団が映画に良く出てる。ピラニア軍団って何?ってあなたには参考に以下のサイトを挙げておきます。

http://shibuya.cool.ne.jp/team_masa/

俺が一番好きなのは「脱獄広島殺人囚」だな。松方が飛んだり跳ねたりして思う存分、楽しんでる作品で何回見ても飽きねえ。

☆7月2日は「にっぽん‘69 セックス猟奇地帯」と「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」(ハスミンが大変褒めてた)7月3日は和製ゴッドファーザーを目指した「日本の首領・やくざ戦争」、松方弘樹の魅力が全開の「脱獄広島殺人囚」、7月4日は貫禄ありまくりの小林旭が魅力的な「実録外伝・大阪電撃作戦」と藤岡琢也が総会屋として登場する「日本の首領・野望編」と新文芸座で中島貞夫の世界に浸りまくっていた。3日とも客はよく入っており、特に2日は大入り満員で正直、吃驚した。これにペ・ドゥナ主演の「子猫をお願い」と「ふくろう」のヌードがまぶしい伊藤歩が出てた「Believer<ビリーバー>」の計8本を見てきた。

☆この週末、京都は大変暑かったらしいが東京は実に過ごし易かった。ただ、人が多いのには本当に閉口した。映画の合間に自分が住んでた北千住などに行きさらしてきたが、「○i○i」ができてて雰囲気変わってた。月日はやはり過ぎ去るのだ。
☆さて6月も終わりました。2004年ももう半年が終わりました。私が26歳になるのもあと一ヶ月足らずでございます。ちっとも嬉しくないぜ。

☆この半年で見た映画ですがスクリーンで見た映画は92本。DVD、スカパー、WOWWOWで見た映画は多分、50本ぐらいです。スクリーンで見た映画の内訳はリバイバル映画が37本(うち邦画が34本、洋画が3本)、邦画が31本、洋画が24本(うち一本「殺人の追憶」は二回鑑賞)になりました。今年は洋画を見る数がつとに減ってきました。残り半年ですが、おそらく今年も200本ぐらい見るでしょう。京都映画祭もあるし。

☆この半年ですが、映画業界は邦画が割りと数字上、奮闘したと思います。「半落ち」「下妻物語」「着信アリ」「アップルシード」「イノセンス」のスマッシュヒットがありましたし、「キャシャーン」「クイール」「世界の中心で、愛を叫ぶ」は大ヒットになりました。一方、ミニシアターでは「赤目四十八瀧心中未遂」「ふくろう」がナナゲイでロングランになって健闘したが全体的に低調であった。時代の風潮なんかもしれないが、全体的に大人しい。2004年の邦画アニメ中心で後半には「ハウルの動く城」「スチームボーイ」も公開される。大人も見れるような質でないと、大ヒットは難しいだろう。実写は。。なんかあったかなと思うほど印象が薄い。「レディ・ジョーカー」ぐらいかな。

☆洋画は「ロード・オブ・ザ・リング」を中心に充実のラインナップであった。年明けから「ミスティック・リバー」「ラブ・アクチュアリー」で興行成績を引っ張り、「キル・ビルVol.2」「ビッグフィッシュ」「スクール・オブ・ロック」「21グラム」「トロイ」と続いた。「殺人の追憶」「吠える意味は噛まない」と韓国映画も好評。(「悪い男」とか見てねえ。)韓国ドラマのヒットもあって、韓国映画は今やアメリカ映画についでの興行成績が期待できる商品になったね。ドイツ映画では「グッバイ!レーニン」が恵比寿ガーデンシネマで行列を作った。後半は「スパイダーマン2」も始まるし、「ヴァン・ヘルシング」などの期待作も盛りだくさん。私が一番待ってるのはやはり「華氏911」ですな。

☆で、いつものように私的上半期ベストテンの発表です。

2004年度上半期ベストテン
【日本映画】
下妻物語 6/4 
きょうのできごと a day on the planet 4/10 
ふくろう 2/21 
海猿 6/28 
問題のない私たち 5/22 
美しい夏キリシマ 2/11 
油断大敵 3/7 
リアリズムの宿 6/26 
天国の本屋〜恋火 6/20 
ゼブラーマン 2/15 

ワースト(順不同)
嗤う伊右衛門 2/14  
CASSHERN 4/25 
ニュータウン物語 5/8 
死に花 5/9 
世界の中心で、愛を叫ぶ 6/13 

【外国映画】
殺人の追憶 3/27 
ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 3/16 
ラブ・アクチュアリー 3/23 
グッバイ、レーニン 2/22 
21グラム 6/13 
スクール・オブ・ロック 5/15 
ミスティック・リバー 1/25 
ほえる犬は噛まない 3/28 
ビッグフィッシュ 6/4 
トロイ 5/15 

ワースト(順不同)
コンフィデンス 2/14 
N.Y.式ハッピー・セラピー 4/17 
恋愛適齢期 4/17 
パッション 5/4 
carmen. 5/8

☆明日から東京行って来ます。中島貞夫の特集と「子猫にお願い」見てきます。それだけの旅です、はい。とりあえず、新幹線がちゃんと動いて欲しいと思います。
☆砂の器 4/18 高槻松竹セントラル
★★★★
→名プロデューサー橋本忍と職人野村芳太郎と天才川又昂、名優丹波哲郎が力づくで作り上げた号泣大作。まずは酔え。 

☆白い巨塔 4/18 高槻松竹セントラル
★★★★★
→二回目の鑑賞。田宮次郎って天才的に男前だな。ドラマで言うと前半にあたる部分で映画は終わったが、個人的にはこのまとめ方は好き。だって、財前は傲慢な男だが、人間の弱さも持った魅力的な人物に描かれているからだ。これはこれでいい。東野英治郎と加藤嘉、小沢栄太郎、加藤武の食えない教授陣がすごくいい。

花とアリス 4/22 みなみ会館
★★
→俺と岩井俊二は合わない。以上。。で終了させてもいいんだが、もう少し。ちと長すぎる。んで意識的か知らんがダラダラと長引かせてて、見ててすごくしんどかった。岩井の映画って「四月物語」ってのが顕著にそうなんだが、女の子をいろんな角度で撮りあげて「俺はこんな綺麗な女の子と仕事できんだぜ」って自慢されてるようで、なんか腹立つ。この映画もまさにそうで岩井の興味は蒼井優なんである。それ以外はもうどうでもいい。二枚看板(花とアリスだぜ、だって)の鈴木杏には何の興味もないのか、出ずっぱりなんだが、これは!と思うカットがねえ。無理やり、ハッピーエンドに持っていったが陳腐だし、とってつけたみたい。女子高生の会話もまるでリアリティないし、映画としても欠点ありまくりだぞ。せめて蒼井優がいいと思えれば、いいんだが俺はどちらかと言うと鈴木杏みたいな子(ぽちゃ系)の方が好きなのでちっともハマらない。汚れた大人である俺は新人の黒澤愛という名前を見た時に別の業界で大活躍中の同姓同名の女優を思い出した。

アイディ&ティティ 4/23 大津京町滋賀会館シネマホール
★★
→何と言うか素直にいい映画だと思った。みうらじゅんという人の本質は実はまっとうすぎるほどまっとうで多分、凄く真面目なんだろうと思う。ただ、共感はできないんで感動にまでは至らなかった。

☆清作の妻 4/24 京都文化博物館
★★★★★
→若尾文子って女優はこういう鬱屈された中でパワーを放出していく、たくましい女性が本当によく似合うね。若尾文子演じるお兼はとっても悲しい女性だが、反面、すごく強い女性でもある。自分が手に入れたい物はなんとしても手に入る情熱を持てる強さってやつです。増村保造の演出はねちっこく、ぐいぐい観客を引き込んでいく。

キル・ビルVol.2 4/25 イオンシネマ久御山
★★★★
→タラの映画ってのは、本筋かなんかよくわからんエピソードを積み上げて、横道に入りながらのろのろとストーリーを進めて行く感じで決してスピーディーな演出ではない。だからいろんな工夫が必要で時間軸をずらしてみたり、エピソード制でまとめたりする。普通の映画なら、きっとイライラするんだろうが、彼の映画ってのは横道がそれまくってるうちにストーリーなんかどうでもいいやと思えるような面白さがあった。前作はそうした演出をあえて棄てて、クールでスピーディーな映画を作っていたのだが、はっきり言って失敗したと思う。今作は彼本来の、というかこれしかできないんやろうが、元のグダグダ映画に戻ってしまった。が、これが案外面白かったのだ。ストーリーはめちゃくちゃ単調でもうどうしようもないんだが、丁寧にカットを重ねていく感じで見入ってしまった。ラブ・ストーリーという副題は間違いじゃなかったね。しかし、パイ・メイが魚の毒に当たって簡単に死ぬってのは何や。

CASSHERN 4/25 イオンシネマ久御山

→死ぬほど惨く書いたので、付け加えることないです。本当は途中で帰りたかったんですが、一人ではなかったんで我慢しますた。

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 4/29 TOHOシネマズ高槻 スクリーン3
★★★
→クレしん最新作は何と西部劇。監督が水島努になってから、映画評論家が見るような映画ではなくなった。。が、子どもの映画ってのはそうしたもんでしょ。かつて、クレヨンしんちゃんは俗悪アニメと言われて子どもに見せたくないアニメのナンバー1だった。それが今では子どもも大人も感動する映画になってしまった。そうした状況に製作側がもう飽きちゃったのかもしれない。原惠一氏は今作でも絵コンテ(脚本)で参加している。単に監督の変更による路線変更ではないのだ。でも、マイク水野も出てくるし、寂れた映画館が舞台という設定とかブッシュそっくりの悪役(その名もジャスティス・ラヴ!)は映画ファンにとっては未だに興味を覚える小道具でやっぱ映画ファンでも楽しめちゃうのだ。

アップルシード 4/29 TOHOシネマズ高槻 スクリーン3
★★★
→今や、日本のアニメは視覚効果を越えてストーリーで勝負していく時期になってきたと思う。この映画も多分にも哲学的な命題を含んだ作品で少し、考えもさせてくれるがおおむね、単調で退屈だった。プロデュースは「ピンポン」の曽利文彦。サントラは相変わらず豪華でまあ面白い作品なんですがある意味、対極の「東京ゴッドファーザーズ」には何歩も及ばない。

野沢尚自殺。。

2004年6月29日 映画
☆脚本家の野沢尚が自殺。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040629-00000001-sks-ent

何故?

仕事は順調そのものだったし、大きな仕事も待機してたのに。。何よりまだ44歳なのに。。

「破線のマリス」は主演女優が大根でまた演出がまずかったために、名作にはならなかったが脚本はよくできてたと思う。ドラマはほとんど見ないのだが、NHKで見た「喪服のランデブー」ってのがよかった。私はこのドラマで麻生久美子を知った。麻生久美子を起用したのがポイントだ。先ごろ、病気で亡くなった篠田氏と言い、最前線で頑張ってる仕事人の死を聞くのはとても悲しい。

☆やっとというか、今度12月にできる京都シネマのプレミアム会員を申し込む。ずっと前から知ってたんですが、忙しさにかまけておりました。会費が1万ってのに尻込みしたってのもあるけど、京都の映画界に投資する意味もこめて振り込んでまいりました。。ってたかが1万で何をえらそうに。実はすげえ楽しみなんです。

http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003oct/21/W20031021MWG2K100000036.html

問い合わせは如月社 075(781)6310  kisaragi@jeans.ocn.ne.jp

宣伝してしもた。。
☆6月25日。しとしとと雨。久しぶりに取った年休なのに、厭になる。給料が出たところなので、パアッといきてえところだが、この天気では萎える。みなみ会館にて勝新映画祭最終日。「秦始皇帝」「泥棒番付」を見る。「秦始皇帝」はなんか教科書みたいな内容であった。長い映画なんだが、そこそこ楽しめる。雷蔵も玉緒も長谷川一夫も中村雁治郎も若尾文子も山本富士子という豪華キャストに頭がクラクラする。が、一番すげえのは宇津井健である。これだから、この人は目を離せないノダ。「泥棒番付」は司馬遼太郎の原作らしく、ストーリーが面白い。隠れた名作との評判もうなづける。そして毛一本。二回目の鑑賞となる「殺人の追憶」。目まぐるしく変わる展開をだれることなく、丁寧に描ききった監督の力ってのはもうただただ脱帽。今年上半期のベスト1です。

☆6月26日。今日も天気はあんまりよくない。大阪の心斎橋のパラダイススクエアに「大脱走」を見に行く。実はスティーブ・マックィーンの映画は初めてだったんだが、仕草の全てが絵になる俳優さんってのは本当にいるのね。大人気だったのもわかるわ。彼が主演した「タワー・インフェルノ」の大ヒットで日本では洋画と邦画の興行成績がひっくり返った。その人気ぶりがわかる。ジェームズ・コバーン、チャールズ・ブロンソンと最近亡くなった俳優の活躍も嬉しい。今やイギリス映画界の重鎮となったリチャード・アッテンボローも出ています。これを機会にぜひ、スクリーンで見るべし。

☆その後、テアトル梅田にて「リアリズムの宿」。これは今週中に感想を書きます。半分ほどの入り。前にここでやった「ばかのハコ船」もレイトショーながらも随分長く上映されてたし、割りと人気あるんだろうね。会場はどこでこの映画を知ったか、普段日本映画を見なさそうな、若い人らが多かった。その後、友人と梅コマの地下で食事。来る参議院選挙に誰に入れるかを真剣に話し合う。あつおさんは原発反対とか君が代反対とかと時代錯誤のことを言うておるが、とりあえず入れる候補ってのはこれぐらいしかねえな、と。大体、前の選挙では自由連合(唯一、現職だった石井一二の名を書いた)に入れた私である。期日前投票では大きく「あつお」と書いてきます。どうせ死に票だろうけど。大阪駅前の広場で火を吹くパフォーマンスをやっているお姉さんがいた。すげえ人だかりだ。やはり、この手の大道芸は女性にやってもらうだけで客足が違う。実は仕事でそんなんもやってるので、悪くねえと思いながら帰る。あ、名刺もらっときゃよかった。

☆6月27日。今日は一日、外に出る気も無く、漫画の整理などをやっていた。お昼過ぎにジムで一泳ぎするともうあとはぐだぐだするだけだった。家族で麻雀をしていた。オーラス、ドラ6のハネ満をトップから直どりで逆転トップで勝つ。素直に嬉しかった。明日から仕事と思うと鬱になる。
←DVD出てたとは知らなかった。。

☆6月も終わりになって急に梅雨らしさが発揮されて参りましたが、皆さん、いかがお過ごしですか?私は蒸し暑いのが相当にうっとうしいのでクーラーなどをかけまくり、夏風邪をひきこんでしまいました。

☆来週の週末にですが、東京に行ってきます。

http://www.shin-bungeiza.com/schedule.html
↑に逝って来ます。「遊撃の美学 映画監督・中島貞夫」なあんて、素敵な題名だ。
にっぽん’69 セックス猟奇地帯(1969)という映画を見に行くためです。これねえ、一度見たかったんですよ。というか、まさかフィルム残ってるとは思わなかった。監修を竹中労がやってます。10月下旬にはシネヌーヴォでやるようですが、(シネヌーヴォ、えらい!)とりあえずこれだけでも見てきます。

☆すごい時代になったもんだ

http://www.mizunoharuo.com/kabaya.html

「水野晴郎シネマ館」と銘打ってお菓子のおまけにDVDがついてくる。(マイクの解説付き)値段は何と315円、とタリーズコーヒーのカフェラテより安い値段でDVDが楽しめる。少し前にチョメチョメが1800円でDVDを出したことがありましたが、1/6ですよ。まあ古い映画ばっかりなんで版権が切れたかなんかでできることでなんでしょう。タイトルももしかして、凄い映画ばかりなんかもしれないけど、知らない映画ばっかり。ヴィヴィアン・リーとかジョン・ウェインとか出てる俳優は豪華です。注目は「古城の亡霊」。ジャックニコルソンの初期作品です。これだけでも買おうかな。

☆「花とアリス」などの撮影を担当した篠田昇氏死去

http://www.swallowtail-web.com/jp/eye/eye.html

遺作は「世界の中心で愛を叫ぶ」ですか。。。

http://www.jmdb.ne.jp/person/p0160060.htm

岩井俊二、行定勲の作品が多いですが井筒と組んでいることも多いね。実は私は篠田氏が撮影を担当したような作品(主に岩井作品)は苦手なんでほとんど見ていない。「真夜中まで」ぐらいかな、面白かったのは。でも、やっぱり好き嫌いに関係なく、映像は綺麗だったとも思う。仕事をバリバリやってる人が亡くなるってのはやはり悲しいな。
高岡早紀、離婚でおめでとうございます!(俺の人生には何の関係もないけど)保坂は女を殴るらしいんで、どこにでも逝ってください。

☆点と線 4/6 高槻松竹セントラル
★★★
→全国の時刻表マニアを増やした作品(ウソ)。時代劇の印象が強すぎて、現代劇の山形勲はなんか違うような印象がした。加藤嘉がまたまた好演。

☆天城越え 4/6 高槻松竹セントラル
★★★★
→長らく、ジュリーの嫁さんが田中裕子というのが疑問だったのだが、若い時の彼女は大変美しかったことをこの作品で気づかされた。「二十四の瞳」ではイモくさかったんだけど、この映画の彼女はなんとも美しい。雨の中での立ち姿を見た時にはため息をついてしまった。この映画では激しい濡れ場も披露してます。人気が出始めた汐路章の田舎者っぷりが短い出番なれど大変印象に残った。石橋蓮司と樹木希林が夫婦役で出演しているが、これは何だな、「いつかギラギラする日」と同じ組み合わせだな。それから汐路章も短い出番ながらも強烈な印象。

☆疑惑 4/7 高槻松竹セントラル
★★★★★
→子どもの頃に見て大層、怖い映画だと思った。印象に残ってるのは桃井かおりが夫の死体を見て誰が見てもウソだとわかる嗚咽をあげるところ。悪人だと思われた被疑者が実は犯人ではなかった、というのはよくある図式だが、桃井かおりは無罪であるが完全な悪人。観客は最後まで溜飲を下げることもできねえ作品。桃井かおりの過去を書きたてる新聞記者の柄本明にやや共感を覚える。桃井かおりはそんなに好きじゃないが、この映画の完璧な悪人っぷりは相当の芸達者さを感じさせる。

☆鬼畜 4/7 高槻松竹セントラル
★★★★★
→あのラストを少年が父親をかばったと思うか、見捨てたと思うかは人によって違うと思う。映画もそれを考えさせるように終わっている。やはり緒形拳は見捨てられたのだろうと私は思う。

赤目四十八瀧心中未遂 4/10 第七藝術劇場
★★
→2時間40分という大変長い映画。今が旬の寺島しのぶが主演である。昨年の湯布院映画祭で間近で見た時にはそんなに綺麗とは思わんかったがやはりスクリーンで見えると映えるねえ、この人は。俺は「ヴァイブレータ」をそんなには買わないし、この映画も大絶賛しないがこの人は確かに映画女優だと思うし、この人抜きでこの二本は考えられなかっただろう。尼崎がアンダーワールドと言う設定の童話的な映画になっており、あくまでも架空ですよという説明がついているんだろう。が、関西人にとっての尼崎という町は、こんな町だと言われてたら納得してしまうような雰囲気を持った町なのだ。多分、金髪で総髪の彫り師もアパートの一室で臓物を串に刺して生計をたてている若者もいるのだろう。ダウンタウンの松本は「尼崎には”アマー”という貨幣がある」と言っていたが、多分本当だろう。(んなわけない。)ということで文芸作品なんだが私は過分にもコメディとして楽しんでしまった。蛙が腐って死ぬ場面がキモくて、凄く厭な気分になった。

クイール 4/10 MOVIX京都シアター1
★★
→私が犬を飼ったことないためか、ちっとも感激しないままおわった。犬を飼っている人はまた違う感想はあのラストで激泣きなんだろう。犬は嫌いでないが、昨今の愛犬家の振る舞いには少しヒく。動物愛護団体は今や圧力団体でさあね。寺島しのぶがまた出ていたが彼女はいい役をもらっているなと思った。「ごめん」でデビューした櫻谷由貴花ちゃんがでていた。椎名桔平は意外に演技の幅が広い。崔監督の職人技がたっぷり楽しめる作品であった。

きょうのできごと a day on the planet 4/10 MOVIX京都シアター7
★★★★
→繊細な映画作りが評価される行定勲が監督。この人はクソ真面目でやや抹香くさいところがあるんだが、演出に軽さが出てきてテンポで見せてくれる作品になっていた。群像劇にしては登場人物の描き方に濃紺がありすぎで、雑な脚本なんだが、カットを丁寧に割って心地よいテンポで見せてくれる。何より、登場人物の関西弁が自然でちっとも引っかからない。うまい。脇役では津田寛治がいい。派谷恵美はもっと映画に出て欲しい。かなり可愛いんだし。夜の出町柳を使うシーンがあるのだが、これはもう行定のセンスのよさが抜群に出たところ。大学時代、この出町柳の雰囲気が好きで15分も歩いてこの駅から通学してた、あの頃を思い出した。夜中までうにゃうにゃしてて、いきなり蟹を食いに行くというところもいい。もう大学卒業して3年かいな。。懐かしいなあ。。

N.Y.式ハッピー・セラピー 4/17 京極東宝3

→「パンチドランクラブ」を見た時には俺がアダム・サンドラーの映画を見るこたあ、もうないでと思ったがまた見てしまった。それもジャックニコルソンが出てるからなんだが。。でもつまんない。公開はたった一週間で終了で封切の日なのにガラガラだった。カメオ出演を追って楽しむのがこの映画の正しい見方だろう。

恋愛適齢期 4/17 MOVIX京都シアター6
★★★
→「アバウトシュミット」で枯れ果てた爺さんも演じるが、こういう役も相変わらずやるのだ。セックスシンボルは健在なり、をアピールした作品。そういや、独身でモデルと付き合ってるんだよな。ダイアン・キートンもまだまだ魅力的やね。「マイ・ルーム」以来、久しぶりに見た。ひっそりとアカデミー女優のフランシス・マクドーマンドが出てるのが隠し味やね。

・・・・あれ?一回更新した?これ
☆土曜日。7時起床。テレビをぼんやりと見ているとハイヒールりんごが出てたが、テロップが出ないとわからないほど、イメージが変わってた。ただのおばさんである。。。。まあ、元からただのおばさんであったが。

☆「ゴッドファーザーデジタル・リマスター版」を見るために心斎橋のパラダイススクエアに行く。心斎橋に行くのは実に2年か3年ぶりか。難波の方にもいっぱい映画館があるんだが、京都府に住む私の遊び場所はやはり京都が中心で大阪に出てくることが少ない。大体が外出が嫌いなので人がたくさん出るところには行かない。アメ村なんて怖くていけねえ。パラダイススクエアもパラダイスシネマっの頃はミニシアターだったんで行っていたが、2,3年前の改装から一般の映画館になってしまったから足が遠のいた。が、最近はまた、DVDの宣伝を兼ねた公開に使われることが多くなってきた。来週には「大脱走」もやるので、また見に行こう。それから、全く気づいてなかったんだが、難波の千日会館が閉館していた。別に常連でもなかったんだが、一年に一回は行く映画館だった。地元のスーパーが経営していたらしい。アンパンマンの上映の時は割りと盛況だった、と聞く。また一つ映画館が無くなった。嘆くだけでは意味が無いので、もっと行かねばならんのだが。。今年はシネコンで見た映画が半分以上だしなあ。。最後は昨年の7月18日(確か後半休を取って、「ターミネーター3」を見に行った時についでに見た)に見た、「すてごろ 梶原三兄弟激動昭和史」だった。これから、この手の映画はどこで見たらいいんだろう。

☆友人からメシ食わんかと誘われていたので、地元にトンボ帰り。私が住むお歯黒村は草深い田舎で客人をもてなすような、粋な店がねえ。少し前にネットで見つけたアジア料理の店に連れて行く。こんなクソ田舎になかなかウマーな店であった。その後、村で一軒しかないカラオケ屋。外に出ると大雨で自転車を押しながら帰る。

☆日曜日。今日はみなみ会館で中村玉緒の舞台挨拶。勝新映画祭「続・悪名」の上映を記念しての挨拶である。明日の6月21日が勝新太郎の命日らしい。インタビュアーはなんと、村上祐子アナウンサー。京都に住むならまあご存知だろう。村上アナと玉緒さんの漫才のような舞台挨拶は非常に面白かった。二人ともうめーわ。(当たり前)勝新映画祭だが東京では大ヒットで大阪のシネヌーヴォでも大盛況であった。京都でもこの日は満員。「続・悪名」も実は見るのは初めてで大変楽しませてもらった。実は「悪名」は玉緒さんと勝の婚約が発表されて初めての作品で「続・悪名」は結婚してはじめての作品だったとか。(少しうろ覚え)その馴れ初めなんか語ってはりました。始まりは玉緒さんの方やったようです。「続・悪名」には玉緒さんのお父さんの先代雁治郎も出てた。上映が終わってから、まだ雨は降ってなかったのでMOVIX京都にて「天国の本屋〜恋火」を鑑賞。竹内結子に見とれることの2時間弱であった。はあ

☆月曜日。見事に台風直撃で何と京都横断。こんな日は車通勤を実にありがたく思う。職場から傘をつかんで飛ばされていた人を見た。手離せよ。波に巻き込まれたのは、近大の学生だったとか。

☆火曜日。早坂茂三死去。学生時代、「諸君!」の茂三ざっくり放談の愛読者であった。色々あって、心が躍らず。

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