復旧までお休み

2004年9月2日
☆昨日からADSLがつながりません。機械の不調かと思いましたが,ホームページがNOT FOUNDになってることからニフティの契約がおかしくなっていることが考えられます。

何がどうなっているのか,わかりません。

ネット自体は職場で見れますが,更新はちと難しい。

復旧できるまでお休みします。
☆昨日の台風は凄かった。。轟音のために一睡もできなかった。

☆京都大丸の「大水木しげる展」を見てきた。満員。水木しげるって漫画家は本当に凄い。生き様自体が尊敬に値する。前から欲しかった「劇画ヒットラー」をゲットした。

☆沓掛時次郎 7/18 みなみ会館
★★★
→毎年恒例の市川雷蔵映画祭から。主人公の時次郎は決して強い男でも正義の味方でもないが、悪いことができない男である。そうした等身大の男が義理のために戦うという設定はなかなか面白かった。宿屋の女主人をやった杉村春子もシャキシャキとした綺麗な江戸弁を披露してくれる。ただ、新珠三千代がどうも私は好きになれん。

☆江戸へ百七十里 7/18 みなみ会館
★★★★
→雷蔵主演の痛快ドタバタコメディ。瑳峨三智子を筆頭にキャストがノリノリで非常に楽しい撮影風景だったと思う。中村雁治郎演じる家老の飄々とした感じがなんとも楽しい。

スイミング・プール 7/18 みなみ会館
★★
→フランソワ・オゾンの作品は「ホームドラマ」が一番面白かったような気がする。「8人の女たち」にしてもこの作品にしても力作なんだろうけど、もう一つハマりきれなかった。「8人の女たち」の中で唯一、不倫とかレズとか近親相姦をしてなかった女優さんがこの映画では濡れ場も辞さずというか出演シーンの半分ぐらいがお乳出しての大熱演であった。が、これがあんまり興奮しなかったんだな。フランソワ・オゾンってのはホモで感性は女性なんだろう。女性を綺麗に撮るのはうまいが、男が魅力を感じるってのは少し違うんだよな。後半がいきなりミステリーになる展開は面白かったが、その時には結構しんどかったのだ。

東京原発 7/19 第七藝術劇場
★★
→ストーリーは面白いんだがテンポの悪さに正直、イライラさせられた。映画というよりも舞台劇を見せられているような感じ。芸達者な俳優さんだけでも充分楽しめるので、それなりには面白い作品にはなってます。テレビ向き。。じゃないか。題材が原発やもんね。。パンフで大真面目に田原総一朗が背景について語っているのでパンフも買おう。

スパイダーマン2 7/19 TOHOシネマズ高槻 スクリーン1
★★★★★+★★★
→一言で言うと、大変面白かった。そして素晴らしかった。アクションに偏ることなく、ドラマをしっかり組み立てていったサム・ライミはやはり偉大だ!1のストーリーをキチンと受け継いだ形で前作で未消化だった問題をきっちりと取り扱っている。続編というものはそもそもそういう作品である。それを踏まえた上でより上のドラマに映画を運んでいる、几帳面までの映画手法にはうっとりするほどである。すなわち、ヒーローは何故にヒーローなのか、という難しすぎる命題に取り組んでいる。そして胸がスカッと来るアクション。この夏、まずはこれを見ろ!

☆濡れ髪牡丹 7/23 みなみ会館
★★★
→雷蔵が演じるのは口八丁手八丁の流れ者。主人公が食えない奴で一筋縄で行かないのが面白い。京マチ子が好演。

☆忠直卿行状記 7/23 みなみ会館
★★
→菊池寛の原作を大映の至宝、森一生が監督。雷蔵がどうしようもない、心の穴に落ち込んでいく殿様を演じる。殿様を決して悲劇の主人公として撮るのではなく、ある種突き放した形で撮っているのが印象的だった。

箪笥 7/25 MOVIX京都シアター5
★★★★
→ホラー好きにはもう一つ不評だった作品ですが、俺はラスト近くまで結構ドキドキしながら見られた作品でした。監督は「反則王」のキム・ジウン。ホラーからドラマに転換させていく過程が楽しめた。キム・ガプスは大杉漣にクリソツだな。パンフに全ての種明かしがしてあるので映画鑑賞後に読みましょう。

マッハ!!!!! 7/25 MOVIX京都シアター5
★★★★
→「グリーン・ディスティニー」以降、聖林を含めて全世界的なワイヤーブームで「マトリックス・シリーズ」や「ツインズ・エフェクト」なんかが代表作で充分に迫力もある。この映画はあえてそうしたワイヤーに異議を唱えて肉体だけでどこまでやれるかの限界に挑戦した作品で、今後のアクションの流れを変えるかはわからんが一つの金字塔になる作品だと思う。トニー・ジャーの体技ばかりが注目されるが、それをどう見せるかに腐心した映画監督の努力も褒め称えねばならない。

ウォルター少年と夏の休日 7/25 MOVIX京都シアター6
★★★
→俺はどうもオスメントが嫌いでこの映画も相当に迷ったが、率直な感想で言うと大変にいい映画だった。ロバート・デュバルとマイケル・ケインのコンビが何とも楽しく、どっぷりハマってしまったのだ。変てこな頑固親父達なんだが、そのやりとりは微笑ましい。オスメントは演技がうますぎて、厭だったんだがラストの母親に訴えかけるシーンはやはり胸に来た。万人にお薦めできる作品でございます。
←おれ、この人知らないわ。。
☆昨日はTOHOシネマズ高槻にて「釣りバカ日誌15」と「ヴァン・ヘルシング」と簡単に二本だけ見て帰りました。ヒュー・ジャックマンが男も惚れるセクシーさを爆発させて、眉間に皺寄せて戦っておりました。ケイト・ベッキンセール様は大変お美しく、一発蹴っていただきたいと願うぐらいでございました。それから、吸血鬼の三人の姫様も大変お美しくございました。噛み付かれて血を吸われても悪くないと思いました。。。。なんかキモイ日記だな。沼正三か、俺は。

☆今日はテアトル梅田で「父と暮らせば」を見るつもりでしたが、満員でしたので「カーサ・エスペランサ/赤ちゃんたちの家」を見てきました。その後、お待ちかねの十三の第七藝術劇場にて「シネマコリア2004」でございます。会場は大入り満員で補助席まで出てました。96人しか入らない劇場に120番ぐらい(正確な数字は知らん)まで整理券配られたみたいです。私も前売りは早めにゲットしましたが、60番台。「春の日のクマは好きですか?」がそんな感じだったんですけど、その前の「オー!ブラザース」なんかもっと凄かったみたいだし。そりゃ民団とか総連での団体動員はあるんだろうけど、韓国映画(ドラマ?)ブームは本物ですな。韓国ドラマファンと思われる女性が多いですが、男性のお客さんも結構多かったですもん。「春の日のクマは好きですか?」は全国からペ・ドゥナファンから集結したかのような、熱気の上映会でした。映画自体は平凡だけどね。ペ・ドゥナちゃんは相変わらず愛らしく、目をくりくりさせながらスクリーンを所狭しと駆けておられました。もう一本は「品行ゼロ」。こちらは客の入りも半分ぐらいでしたが、大変面白い映画でした。韓国版ビーバップハイスクールみたいな映画で「火山高」に雰囲気似てるんですが、スピーディーで展開の早い演出が光りました。「火山高」にも出てたコン・ヒョジンが可愛かったです。これも早くDVDになりゃいいんですけど。

☆以下は独り言です。

今日で終わった湯布院映画祭ですが、当初は私もこれに行くつもりだったんです。でも、今年は友人と8月の初旬に旅行する予定で京都映画祭もあるし、仕事も去年よりも繁忙期の時期が早まっているし、7月の初旬あたりで断念したのです。

が、結局は。

1、友人との旅行は台風のためにおじゃん
2、仕事の進捗は例年並みで10月に台風上陸予定
3、京都映画祭も思ったよりも(以下ry

8月上旬に色々動いてみたのですが宿はもう無理。(映画祭の客は相部屋が多いが、私は個室でないと眠れない故。)去年もそれで痛い目にあってるし。。夏休みも結局、金曜日と月曜日に取ってしまった。。やはり行けばよかった。なんか、今年は楽しいみたいだし。。くそ。。世の中、とかくままならぬ。日傘さす人、作る人(踊る)
←これは第1回京都映画祭で作られた時代劇の本。佐藤忠男や川本三郎が書いています。なかなか読み応えあります。

☆やっと京都映画祭のサイトが更新されました。

http://www.kyoto-filmfes.jp/2004k/index.html

リーフレットも金曜日から区役所やゼスト、明倫、新風館とかそのへんで配布されます。このリーフレットがなかなか気合込めて作ってます。発表が遅いとは思いましたが、このリーフレットを見て「しゃあないなあ」と思いました。



上映作品なのですが。。

京都市の予算が半分以下になった影響をモロに受けて、新作は二本しかござんせん。前回までは配給会社に頼み込んで、もうすぐ公開される洋画を引っ張ってきてたんですが、今回はそれもなしの日本映画のみになりました。まあ、いたしかたないとは思いますが、今回は旧作ばかりの湯布院映画祭もかなわん、マニアックな映画祭になりました。ほとんどが東映と大映の時代劇ばっかりやもんね。雷蔵、勝新作品もそんなにありません。東映に随分お願いしてると思います。ただねえ、珍しい映画(「奇傑ゾロ」「斬人斬馬剣」)も多数やるんで、やっぱすごい映画祭だと思いますよ・日本映画に興味ない人も本当に来て欲しいよ、いやマジで。私にとっちゃあ、見たい作品ばっかりなんで、楽しみでもう今からドキがムネムネ、いや胸がドキドキですよ。「忍者狩り」とか「決闘高田の馬場」「十三人の刺客」「宮本武蔵 一乗寺の決斗」「十兵衛暗殺剣」「座頭市血煙街道」「ちゃんばらグラフィティ 斬る!」とかもう大興奮ですよ!スクリーンで見れるんですよ、これが!すげえことなんです。深作の「忠臣蔵外伝 四谷怪談」「蒲田行進曲」もあるでよ。根つめて仕事して期間中は全部休むぞ!関連イベントも要チェックです。まつりじゃ、まつりじゃ。

☆もう一つ、京都映画事情を。

今年の12月にできる京都シネマの如月社のサイトを紹介しておきます。アクセス解析を見てると”如月社”ってのが非常に多いんでアドレス書いておきます。

http://www.kisaragisha.co.jp/

映画館、本当にできるんやね、嬉しいねえ。プレミアム会員は9月末までなんで、興味ある人はぜひぜひ。

☆今日は今月末で無くなる日本イタリア京都会館に映画を見に行きましたが、アクシデントが起こっててそのまま今出川まで歩いて帰りました。古い劇場ですので、仕方ないことです。老朽化によるホールの取り壊しもさもありなん。市内の人はともかく、市外の人には行きにくいところですからなあ。なかなか足が向かないで一年ぶりに行ったのがもう無くなる時ですもんね。月曜日にはもう一回行く予定ですが。。

☆現在、「実録私設銀座警察」と「華氏911」、「復活の日」を同時並行でレビュー鋭意作成中です。
☆にっぽん‘69 セックス猟奇地帯<ニュープリント版> 7/2 新文芸座
★★
→はるばる東京まで休み取って行って来た中島貞夫映画祭。どの程度の盛り上がりかなとおずおずと昼一番に乗り込んだが超満員でびっくりした。この日は大入り満員で他の日もおおむね、満員で大盛況のうちに幕が下りたらしい。中島貞夫って関西では知名度は多少あるだろうけど、映画好きしか名前知らないと思ってたけどなあ。。こういう嬉しい”予想外れ”は大いに結構である。

☆ポルノの女王 にっぽんSEX旅行<ニュープリント版> 7/2 新文芸座
★★★
→中島貞夫の隠れた名作として評論家の間(山根さんとハスミンぐらいだが)では大変評価された作品。中島貞夫映画の常連、荒木一郎主演のポルノ映画。映画の定石を無視した、ふわふわとした捕えようのない映画。鬱屈した感じの荒木一郎がいい。川谷拓三がヤクザの役で登場。刑事役の岩尾正隆が鼻をぐすぐす言わせてたのが面白かった。

子猫をお願い 7/2 ユーロスペース
★★★★★
→青春とは決して楽しいだけでなく、子どもから大人に駆け上る過程でみんな、悩んでいる。就職とか将来のことで悩んだ私にはなかなかしんどい作品でした。くりくりとした目も魅力的なペ・ドゥナがたっぷり楽しめます。

Believer<ビリーバー> 7/3 渋谷シネ・ラ・セット
★★
→渋谷の町を舞台にした、こじんまりとまとまったドラマ。テンポよく、綺麗にまとめているが、少し物足りない。吉沢悠と伊藤歩のダブルキャストは見る価値がある。松重豊の風格ありすぎなホテルマンも面白い。久々に1800円払ってみた映画。。。久々でなく、初めてか。。

☆日本の首領・やくざ戦争 7/3 新文芸座
★★★★
→日本の「ゴッドファーザー」とも言える大作ヤクザ映画。(しかしこの映画は二本立て興行)山口組を題材に従来のヤクザ映画よりも親子関係、人間のからみを重視して撮られている。鶴田浩二ってあんまり好きじゃないんだけど、この映画はよかった。ヤクザ映画初めての佐分利信も好演。脚本の高田宏治にとっても代表作になった。

☆脱獄広島殺人囚<ニュープリント版> 7/3 新文芸座
★★★★★
→私が中島貞夫の映画で一番好きな映画。この映画の松方が一番好きだ。ギラギラしててめちゃくちゃで精一杯、生きている感じがよく出ている。松方は「仁義なき戦い」以来の映画で脚本を読んで乗りまくってたらしい。「ええんや!勝ったら勝ちやあ」と叫ぶシーンが圧巻。劇場でも爆笑の渦が起こっていました。いいなあ、こういう映画館の雰囲気って。

☆実録外伝・大阪電撃作戦 7/4 新文芸座
★★
→山口組の侵攻作戦をやられるヤクザの側から映画化。松方、渡瀬の強烈なコンビが暴れまくっている。渡瀬恒彦の決死のスタントと三上寛のボクサーが目をひいた。やや、脚本が粗くて入り込めなかった。

☆日本の首領・野望編 7/4 新文芸座
★★★
→三部作の二作目。この映画は東映にとって初めての一本立て興行になった。三船敏郎が関東のヤクザの親分として登場。従来のヤクザ映画とは違い、駆け引きなどの密室劇が中心になっている。当時の時代性、右翼と政治家の結びつきやデヴィ夫人などのネタが多く散りばめられているところは面白いし、岸田今日子もよく頑張っているがややしんどい。松方がインテリヤクザを好演。

69 sixty nine 7/10 TOHOシネマズ高槻 スクリーン6
★★★★
→村上龍の小説を宮藤官九郎が脚本化。テンポよく、ストーリーも面白い。正統な日本映画って感じで素直に楽しめた。森下能幸は汐路章みたいな脇役になってきたなあ。

白いカラス 7/17 動物園前シネフェスタ4(Screen3)
★★★★
→題名の意味は映画を見てのお楽しみ。見ているうちにぐいぐい引き込まれる力作。ニコール・キッドマンのタバコの吸い方がうっとろするほど、様になってる。ゲイリー・シニーズが出てますが悪役ではありません。エド・ハリスはどんどんすごい俳優になっていくなあ。

スチームボーイ 7/17 TOHOシネマズ高槻 スクリーン6
★★
→アニメとしての迫力はたいしたものだが、ストーリーと演出が散漫でちっとも楽しむことができなかった。声優は鈴木杏はうまいと思ったが他は全くあかんと思う。特に錦之助の弟はさっぱりや。すごく期待してただけに本当にがっかり。

金曜日と月曜日休んで四連休や!映画見るぞ!
 今日、紹介するのは中島貞夫の「893愚連隊」。世間が「華氏911」に燃えている時にあえて1966年の日本映画でございます。中島貞夫ファンの間でも大変、評価の高い作品で新文芸座の中島貞夫映画祭でもニュープリントで上映されました。10月に行われるシネ・ヌーヴォの映画祭でも上映されます。エロもグロもないのに、ビデオに成人指定ラベルが貼られているのが謎です。

 ジロー(松方弘樹)、参謀(荒木一郎)、オケラ(広瀬義宣)の三人は京都駅で白タクをやったり、男前の大隈(近藤正臣)と組んで女をだましてバーに売り飛ばしたり、事件屋として社長(遠藤辰雄)をだましたり、ロクでもない日常を過ごしていました。彼らはヤクザではなくて、勝手気ままな愚連隊だった。しかし、ヤクザの黒川(高松英郎)が現れると争うことなく、逃げてしまう。

 ある日、ジローはかつての兄貴分の杉山(天知茂)に会います。二人は闇市で共にスルメを売っていたのですが、杉山は殺人の罪で服役していたのでした。杉山はカタギとして暮らそうとしますが、かつての恋人(宮園純子)が友人の奥さんにおさまっていることにむかついて、ジローの愚連隊に入ります。もっとも杉山は時代についていけず、彼らに養われることになります。

 しかし戦争を経験して強きを助け、弱気をくじくという道徳を強く持つ杉山と生きる為には女を売り飛ばすこともいとわない愚連隊とは違いすぎました。意見をしても「冷蔵庫でも5年の保証があるけど、わしらには明日の保証もないんや」と返されてしまいます。杉山は同じく、愚連隊に溶け込めないでいる混血児のケン(ケン・サンダース)とよしみを通じて二人で彼らと距離をおき、彼らが売り飛ばした、のぶ子(稲野和子)と一緒になります。

 杉山に刑務所仲間の横田(待田京介)が面白いネタを持ち込んだ。製薬会社が新しく発売する薬の原料を盗んで脅迫して金にするという話だった。杉山の話に乗ったジロー達は見事に原料を盗み出す。しかし、仲間だった大隈が黒川に通じており、またもとんびにあぶらげ、さらわれた。「負ける戦争する奴はアホや。日本も負けたやろ」と愚連隊の三人は反対するが、その金でのぶ子と町を抜けようと考えている杉山はあくまでも戦うことを主張する。

 ヤクザでもない、一般人でもない世界に生きる「愚連隊」、つまりチンピラを扱った映画。主人公のジローはちっともかっこよくないし、またかっこよく描こうともしていません。兄貴分の杉山が「戦おう」と言っても「負ける戦はせえへんのじゃ」と乗ることはないし、「一人でも戦う」という杉山を「兄貴がいらんことしたら、わしらまで睨まれる」と止める始末。最後の最後でやっと戦うことを決意しますが、決して英雄になることもない。

 女を抱きたい、酒を飲みたいという欲望はあっても将来の目標なんか何もない。ただ、毎日が楽しければいい、と本当にどうしようもない野郎達なんですが、生きる意欲だけはある。義理も人情も関係あるか、笑いたきゃ笑えや、俺は生きていくわい、という心意気みたいなものには結構、惹かれるものがある。そうした思いが最後の「いきがったらあかん。ねちょねちょ生きることや」という台詞に生きていると思います。

 東映ではこの映画が作られた頃からぼちぼち仁侠映画の全盛期に入り、男の生き様やロマンが強調される映画ばかりが作られる時代に入っています。その時代に世の中を笑い飛ばすみたいな映画はあまり流行らずに興行的には振るわなかったようですが、中島監督はこの映画で日本映画監督協会の新人監督賞を受賞します。後の「まむしの兄弟」に通じるような、情けないけど好感が持てるチンピラがテンポよく、生き生きと描かれています。

 後に中島貞夫映画の常連になる松方弘樹と荒木一郎が出ています。松方はまだまだ線が細くて「脱獄広島殺人囚」で見せるような迫力はありませんし、ふにゃふにゃした兄ちゃんみたいですが飄々とした感じはでていた。荒木一郎演じる「参謀」も面白い。理屈っぽく、世間をひねた見方で突っ張っている。対して昔肌の兄貴を演じる天知茂も印象深い。真面目な顔で「米でも盗んだらどうや」というシーンはおかしみ以上に時代に取り残された男の悲しみが感じられる。でも笑ってしもたけど。白黒で派手なアクションはありませんが、じっくり楽しめる作品です。広瀬健次郎のテンポのいい音楽も楽しめます。ちなみに「やくざぐれんたい」ではなく、「はち・きゅう・さんぐれんたい」というのが正しい読み方です。

監督、脚本:中島貞夫 企画:天尾完次、日下部五朗 原作:菅沼照夫 撮影:赤塚滋 音楽:広瀬健次郎 助監督:土橋亨
キャスト:松方弘樹、天知茂、藤岡琢也、遠藤辰雄、荒木一郎、高松英郎、三島ゆり子、稲野和子、ケン・サンダース、近藤正臣、宮園純子、南都雄二、広瀬義宣、待田京介、潮健児、横山アウト、桑原幸子

あっとそれから。。40000HIT達成。これも皆様方のおかげです。

「華氏911」ですが本当に至るところでレビューあがってて挙げると自分の力量の無さが暴露されそうなんで、時間をおきます。どうせ、もう一回は見に行くだろうし。それからTOHOシネマズ高槻ですがプレミアシート上映ですが料金は通常みたいです。。。はよ、言えや。
☆今日は「華氏911」の封切日(最近、こういう言い方しなくなったね。)いつも通、私の”映画鑑賞”旗艦であるTOHOシネマズ高槻にて見ようと思っていたらプレミアシートでしか上映しないことがわかった。肝心な時に役に立たん。友人と相談の上、関西の旗艦上映館であるガーデンシネマ梅田に行くことになった。11時過ぎに13:20の回の整理券を取りに行く。57番であった。なんだかもっと混んでいる印象があったのだが、案外あっさり取れた。8月14日の恵比寿ガーデンシネマは相当にえぐかったらしい。

参照
↓↓
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/08/post_8.html

リンク先のtkr氏も15日に行かれたようです。

http://diarynote.jp/d/29346/20040816.html

まあ恵比寿はよく混みます。私も「グッバイ!レーニン」の二日目に行きましたが1時間半前に行ってオサレなサテンで朝飯食ってレイコー呑んでました。

☆当ブログは日本映画専門サイト(サイトって最近言わないのね)ですが、ムーア大好きっ子のドキュメンタリー大好きっ子ですので、また感想はいずれ「バーバー吉野」の次に書きます。素直な感想を述べさせていただくと「ボーリング・フォー・コロンバイン」の方が面白かったと思う。自分の身近な疑問から社会問題に切り込んでいった前作に比べると今作はやや大味な印象を受ける。アシュクロフトの熱唱とウォルフィッツがツバで秘書と一緒に髪型を直してる(自分のボスに唾をなでつける秘書ってすげえな)ところで大爆笑しました。

☆友人とも終わったあとに話していたのですが、アメリカがいくら窮屈になってきたとは言え、まだこんな映画が作れて一般に公開されるってのはアメリカがまだ健全で自由の精神を失ってない証拠ですよ。日本のマスゴミなんか最低ですもんね。”国営”放送が一番偏向しておるんですから。日本じゃ難しいでしょうね。右か左かの思想にかたむいた作品ばかりで娯楽作品の視点と社会派としての視点を兼ね備えたドキュメンタリーなんか、ありませんしね。スポンサーサイドがきびしいからテレビではまず無理だろうし。森達也は評価できるけど、ちと深刻すぎてしんどい。他は四畳半ドキュメンタリーばっかりです。でもね、マイケル・ムーアが一番好きなドキュメンタリーは何と「ゆきゆきて、神軍」(知らない人はお母さんに聞きましょう)だってさ!

参考
↓↓
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040820

☆帰りにホクテン座で三池崇史の「IZO」を見ました。実験作なんで酷評はしませんが、頭の悪い映画でうんざりしました。ヤンキーが駅でがなってるみてえな映画。友川かずきと桃井かおりがいなかったら、、途中で帰ってたな。どうせすぐにビデオ化するだろうし、無理していかなくてもいいと思います。「誰も知らない」とか「子猫をお願い」とか見ましょう!
☆リンク集のかわりにアンテナ作りました。
まだ完全ではありません。またちょこちょこ、いじっていきます。

http://a.hatena.ne.jp/tetorapot/

明日は半ドンでみなみ会館にて「バーバー吉野」「ホワイトバレンタイン」見てきます。わーいわーい

今日はバレーボール見るんでここでおしまい
 今日は「機関車先生」。主演はドラマで活躍中の坂口憲二。映画は「新・仁義なき戦い/謀殺」でチョイ役のみ。立小便のあとに鼻歌交じりに単身、事務所に突っ込んで拳銃をぶっ放す鉄砲玉で出演時間は1分もないのですが、その暴れっぷりがなかなかよかった。で、映画の二本目は何と主演。しかも、口が聞けないという、難しい役です。無茶しよる。

 時代設定は一昔前になります。瀬戸内海に浮かぶ小島に一人の青年がやってきた。代用教員としてやってきた吉岡誠吾(坂口憲二)だ。彼の母親(寺島しのぶ)はこの島の出身だった。彼女の友人であり、島にたった一つしかない小学校の校長である佐古(堺正章)が呼んだのだ。

 島に新しい先生がやってくる。島は新しい先生の噂で持ちきりであった。生徒達も期待と不安でいっぱいであった。やがて校長と共に吉岡先生が現れた。吉岡先生は黙って一礼すると黒板に「ぼくは話すことができません」と書いた。吉岡先生は剣道の試合の事故で声を失ったのだ。それ以来、彼は教師を休んでいた。佐古に呼ばれた時、彼はこれを最後に教職から去るつもりだったのだ。驚く子供達だったが、先生の大きくて強そうな雰囲気から「機関車先生」というあだ名をつけた。「口をきかん」という意味もあるあだ名だった。こうして機関車先生と7人の子供達の生活が始まった。。

 当初は戸惑った子供達だったが、吉岡先生の人柄に打たれて徐々に絆を作っていく子供達。島の実力者である網元の美作(伊武雅刀)は「口のきけん先生をよこすとは、島を馬鹿にしとる」と怒るのだが、島での吉岡先生の評判も悪くなかった。しかし、ある日悲しい事件が島を襲う。突然起こった嵐で漁師が遭難したのだ。遭難した漁師の息子は生徒の修平だった。自暴自棄になる修平を吉岡は何とか慰めようとするのだが。。

 私はあんまり映画を見て号泣するということはないのですが、この映画は本当にボロボロと涙を流してしまった。本当に素直にいい話なのである。そりゃ、少しはベタすぎると思うよ。でも3回ぐらい、本当に泣いてしまった。割りと長い映画なんだが、もう少し長くてもよかったと思うほど、どっぷりとハマってしまった。

 子供達の演技がいいのである。少し、オーバーアクションなきらいはあるが、演技に素直に感情をぶつけているところに非常に好感が持てた。修平の「親がおらん子でも立派に育つということを思いしらせてやってくれ」というシーンで一番泣いた。絵が好きな少女もよかったな。子供達が先生を慕っているところがよく出ていた。坂口憲二は口が聞けない設定なので、感情を表情や仕草で表せねばならない。芝居も受けが中心で、難しかったと思う。ただ、彼の見た目もあるだろうが、吉岡先生の素直で実直そうな性格がよく出てた。本当によく頑張りました。

 マチャアキは演技うまいとは思ってたが想像以上に素晴らしい演技でびっくりした。植木等、いかりや長助を引くまでもなく、エノケン、伴淳の時代からお笑いから入った人がびっくりするような演技を披露することがある。マチャアキもやはりそうで、しみじみとしたいい演技である。おもむろに戦地に旅立った自分の教え子の話しを始めるシーンが印象的だった。それから短い出番だったが、笑福亭松之助も味わい深い。

 監督は「ヴァイブレータ」で新境地を開いた廣木隆一。廣木がこんな作品を撮るなんて思わなかった。「不貞の季節」「理髪店主の悲しみ」「美脚迷路」(DVDで早く出て欲しい!)とアブノーマルな映画ばかり撮っている印象があったのだが、やはりこの人も職人。大塚寧々をきっちりとエロ満開で撮りあげてくれたけどね。マニアックな作品から泣かせる映画まできっちり撮って幅の広さを見せ付けました。寺島しのぶの使い方もいい。

監督:廣木隆一 脚本:及川章太郎、加藤正人 撮影:鈴木一博 美術:重田重盛 音楽:国吉良一 主題歌:林明日香
出演:坂口憲二、倍賞美津子、堺正章、笑福亭松之助、伊武雅刀、大塚寧々、千原靖史、徳井優、逸見太郎、佐藤匡美、吉谷彩子、迫英雄、鶴田さやか、小村裕次郎、森田直幸、中山麻聖、小市慢太郎、真由子、野上正義、岡崎礼、神保悟志、寺島しのぶ、石田晃一、友川文絵、小井沼愛、石川眞吾、太田琴音、松田昴大、杉山りん、高橋勝男

☆「誰も知らない」ですが、どうも書き足りない、もやもやしたもんがあるんで後日、追記いたします。

☆私信 浜乙女様
どうもはじめまして。「チームアメリカ」は私も期待しております。「サウスパーク」は大ファンで全部見ております。日本ではひっそりとミニシアターのみの公開になりそうですが、今から楽しみです。

「AIKI」は脚本がよかったですね。ラストの爽やかな終わり方は拍手ものでございました。割りと深刻なテーマを取り扱った映画ですが加藤晴彦の軽い感じが生きてました。勃起して大喜びするシーンとかよかったです。

これからもよろしく。
←俺が買ったのはこれではなくて、80年代に白夜書房から復刊された「ビートルズ・レポート」。
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こ、こんなん出てたのか。。
いや知ってたけど、95年発行でもう売り切れって聞いてたんだけど。。。いつ増刷してたんや。。。
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古本で3000円出した俺って。。なんや。。。_| ̄|○
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悔しいので、これも買います。いいんだよ、選挙のお金出たし。
・・・トホホ。。

☆8月14日。朝から大阪。シネ・ヌーヴォにて小津安二郎映画祭にて「東京物語」を見る。まだこの映画見てなかった。映画ファンとして如何なものか。正直に言うと小津は苦手だったので興味がわかなかったのが本当のところ。「小早川家の秋」なんか途中で帰ろうかなと思ったぐらいやしね。「東京物語」もテンポがのろく、最後まで乗り切れなかったがケレンがきいてて飽きることなく、見れた。杉村春子のタテ弁が心地いい。香川京子の可愛さが目を引く。

☆昼過ぎからは動物園前シネフェスタにて「誰も知らない」「子猫をお願い」。「誰も知らない」は満員で正直、吃驚した。この映画館、小奇麗なのだが、上映中にジェットコースターの轟音は鳴り響くわ、途中入場すると外の光がモロに画面に差し込むなど(真後ろに出入り口があるのだ)設計した奴は絶対に映画を愛していない(スタッフは愛しているが)ことがわかる。が、まあ映画はよかった。「子猫をお願い」は東京で先月見たばかりで二回目の鑑賞になるが、楽しめた。が、土曜日の夜にしては観客10人足らずってのは寂しすぎる。男も多かったし。俺と同じでペ・ドゥナのファンか?

☆今日は盛りだくさんで夜はみなみ会館にて「ポップコーンナイト」。スニーク・プレビューって奴でお題は当日のお楽しみって奴だ。正直、夜寝ないと駄目な人なのでオールナイトは苦手なんだが、参加してみた。長年、みなみ会館のファンやってるがこれの参加は初めてであった。上映された4本はどれも見たことない映画だった。見ていないということは興味がない分野の映画ばかりだったと言うことでこんな機会がなかったら見なかっただろう。正直、これを1500円払って見に行くことはなかっただろう、という4本だった。

☆映画が終わると雨の夜明け。家に帰るとぐうぐう寝た。予想通り、この日一日はこれで終わった。竹中労の「ビートルズ・レポート」をちらちら読みながら、昼寝をしていた。
 今日、紹介するのは「誰も知らない」。「ワンダフルライフ」「ディスタンス」とドキュメンタリータッチの作風で知られる是枝裕和。監督の知名度とそのヘビーな題材からミニシアターでひっそりと公開される予定の映画でしたが、主演の柳楽優弥がカンヌ映画祭で至上最年少でトム・ハンクス(「レディ・キラーズ」)トニー・レオン(多分、「2046」)をはじめとする強豪を押しのけ、主演男優賞を獲得する快挙を成し遂げて大きく新聞に取り上げられて話題になりました。

 最も賞を取ったことよりも、その後のインタビューの柳楽君の天然っぷり(「尊敬する役者は押尾学」などのピンボケ発言も笑えた)が人に愛されたことが大きかったと思います。8月7日の封切以来、映画館はどこも大入り満員。京都では、あの閑古鳥が住むという京極弥生座も満員になったというのだから驚きだ。大阪ではガーデンシネマ、パラダイススクエア、シネフェスタに加えてブルク7での拡大公開が決定。京都でも来週からMOVIX京都での上映が始まりました。私は一番客が少ないと思われる、上映中にジェットコースターの轟音が鳴り響く動物園前シネフェスタで見てきたのですが、ここでも220人入る一番大きな劇場で見事に満員。いや、恐れ入りました。

 この事件のモチーフとなったのは1988年に起こった「西巣鴨子供4人置き去り事件」という事件です。
いたるところで紹介されてますが、詳しくは下記のサイトをご参照に。
↓↓
http://www8.ocn.ne.jp/~moonston/family.htm

 この手の事件が起こると非難されるのはやはり母親で当時のマスコミも母親を強く非難したものが多かったと言います。が、是枝監督が興味を抱いたのは母親がいなくなっても黙々と兄弟の面倒を見続けた長男でした。当初、友人と共に兄弟を虐待したと伝えられた長男でしたが、裁判が進むに連れて長男は兄弟の面倒をよく見ていたことがわかります。それどころか、彼らを言わば”置き去り”にした母親に対して、期待にこたえられなかった自分の無力を詫びたと言う。「僕はこの少年がいとおしくてたまらなくなってしまったのである」と言う思いから是枝監督はこの年に事件を脚本化。つまり、事件直後から長くあたためてきた企画だったのです。

 この事件が誰が悪いのか、と言う命題はこの映画に関しては無意味だと思います。そりゃ一番悪いのはやっぱり母親なのでしょうけど。蛭子が言う「母親がもっと悪い人間でないと少年たちが可哀想に見えない」という意見も一つの見方だと思う。だけど、母親一人の責任におっかぶせるのは違うと思う。彼女に”置き去り”にした意識は薄かったでしょうし、「私が幸せになっちゃいけないの」という言葉の重みにはぞっとする。社会にはまだまだ非嫡子、片親に対する差別はありますしね。マンションなんかまず、借りられないでしょう。曲がりなりにも4人の子供を生み、育ててきたという事実はやはり無視できない。そもそも、彼女に子供を押し付けていった男たちはどうなんだ。こいつらが一番最悪だ。

 この母親を演じたのは映画は初出演になるYOU。一つ間違えば、母親が全部悪いと理解されてしまうこの映画において、この役を演じるというのは非常にリスキーだったと思う。いい加減でもうどうしようもないなんだが、子供達に対してはいい母親だったんだろうなあ、、と思わせるような母親を好演。ラストの金を送ってくるシーンなんか、彼女しか出来ないだろう。長男に本気で子供を預けてしまっているのだ。

 井筒和幸は「YOUはええ子やからミスキャスト。ここは泉ピン子がいいと思う」と語っていたが、泉ピン子だったら母親が主人公の女の悲劇を強調するだけの映画になっていただろう。是枝監督は母親を悪人と描いていないので、ここは見解の違いでどうにもなんない。YOUは演技経験が少なかった(「ごっつええ感じ」ぐらいか?)ので、ほとんど素でこの役を演じていると思う。YOUにはこれからドラマの仕事が舞い込むと思うけど、この成功は是枝監督の演技指導とYOUの天性のものだから、多分これっきりだろう。YOUだけに限らず、この映画のキャストは所謂、小芝居を強調する俳優はいない。木村祐一、タテタカコなどの演技未経験者も多いしね。これはリアリズムを徹底する手法の一つで是枝監督のスタイル。

 私はこの映画を見て全然泣けなかったのです。横で泣きまくってる母親らしき人を見ながら、心が急激に冷えていくのを感じていました。ただ、映画終わってからいろいろと考えた。一番印象的だったのは、やはりこんな絶望的な状況でも笑みを忘れることなく、たくましく生きていく子供達だったのではないか、と。母親が向こうの家庭で楽しくやっていることがわかって、もう母親に頼ることはできないと決断する。それは諦めというよりも、人生の選択である。金がなくなっても彼は行政にも大人にも頼ることはなかった。兄弟4人で生きていく決意を固めたからである。それが一つの悲劇につながるのだが、その決意からは悲壮感よりも”生命力”が強く匂う。あのラストから見てもこれは決して悲劇としてだけ描いているのではないことがわかる。ただ、長男がそこまでの決意をするまでに至った背景は俺にはとうとう理解できなかった。

 映画はテンポものろく、淡々としたペースで進んでいく。リアルだなと思ったのは大変な状況におかれてるとは言え、子供達が一歩外に出れば世間からは普通の子供達だと思われているところ。長男の明君にもゲーセンで友達を作ったり、通りがかった公園で野球に混ぜてもらったりしています。またそうしたシーンでの明君は全く普通の少年で素直に楽しんでいる。そういう少年らしさも、ちゃんと描いています。

 キャストでの出色はやはりYOUと柳楽君。他の子供達も特に末の少女の愛らしさは見ててホッとした。茂君は映画の始めとラストで全く顔が変わっていてびっくりした。順撮りで一年間かけて撮ったおかげだろう。大人ではコンビニの店員をやった加瀬亮がよかった。子供達の事情をうすうす感じ取りながらも、黙々とロス商品を子供達に与え続ける。同じくコンビニ店員のタテタカコ(カツノリに似ていると思ったのは俺だけか)も優しそうでどこか芯のありそうな感じが出ていた。

 様々な感想が出てくる映画だと思います。色々と考えさせる作品でもありました。パンフには色々と詳しく載っていますのでパンフも購われることをお薦めします。ゴンチチの音楽もよかったです。

監督、脚本、編集:是枝裕和 撮影:山崎裕 美術:磯見俊裕、三ツ松けいこ 音楽:ゴンチチ
出演:岡元夕紀子、平泉成、YOU、串田和美、加瀬亮、タテタカコ、木村祐一、遠藤憲一、寺島進、韓英恵、清水萌々子、木村飛影、北浦愛、柳楽優弥
←例のドラえもん映画は多分、これだったと思う。俺の中では「パラレル西遊記」に次ぐ傑作。

☆映画村のナイター祭りに行ってきた。家族連れと若者が多かったために乗り切れずに一時間ほどで帰ってしまった。マツケンサンバが流れていた。おそらく若者はほとんど見ることのないと思われる資料館が日本映画ファンにはクールだった。まあいっぺん、見てみよし

☆京都映画祭の一日鑑賞券プレゼントを京都市の市民しんぶんの右京区版でやってます。あんまり広がると俺の分が無くなるのでこっそりと書いておきます。

☆京都映画祭公式サイト→http://www.kyoto-filmfes.jp/2004k/index.html

ポスターもできたのに、なんで何も更新せんのだ。既に仕事(私は土日も仕事がある)で期間内の週末はあんまり逝けそうにないことがわかって、かなりブルーだ。

☆今日はTOHOシネマズ高槻で「はりぽた3」と「シュレック2」を見た。「シュレック2」はめちゃくちゃよかった。吹替えで見たのだが、浜田って声優でもメシ食えそうだな。シュレックの顔はマイク・マイヤーズのツラを似せさせて作らせてるんだろうけど、吹替えで見てると浜田の顔に見えてくるから不思議だ。ついでにフィオナ姫(怪物バージョン)のツラも浜田の嫁に見えてくるのももっと不思議だ。「はりぽた3」はまあ面白かったが前作に比べると。。映画とは関係ないが、パンフがひでえ。写真しか載ってない。金返せ。それからラストのからくりがドラえもんの映画にそっくりなんだが、もしかしてパクった?

☆はてなとかブログを見てるとうちのサイトってまだまだでございますね。みんな、どんだけ手を入れてるのかと思うほどお綺麗なサイトばかりで。。
←遂に。。こんな本まで購い求めてしまった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040811-00000016-eiga-ent

祝!角川春樹復活!
つまらん日本映画を面白くしてくれ!やっぱりあんたしかおらん!
監督は盟友の佐藤純彌(72歳)。「北京原人」が最後だなんて悲しすぎるしね。職人監督復活で一つ頼みます。自分が撮るのではなく、実績のある映画監督に任せるという姿勢がいいね。少しは反省してるんやね。ノンフィクションが原作だからしっかりとした脚本が必要だと思うので、いい脚本家を選んで欲しいと思う。マジに期待してまっせ。よろしゅう。

☆このたびの長期にわたるサーバーダウンが考えるきっかけになりましたが、はてなダイアリーへ移転します。但し、ここも最近はアクセス数が落ち着いてきましたので突然、移転するわけでなくて、当分は二つのブログで更新していきます。10月初日には完全移転の予定。はてなのアドレスは近日発表。

☆親サイトの情報を整理しました。また見てくらはい→
http://homepage3.nifty.com/tetorapot/

☆8月に入ってまだ2本しか映画みてへん!ピンチやんけ!明日は休みなんで2本ばかし見てきます。それから映画村ナイター祭も行く予定。今週末にはみなみ会館のオールナイトもあるし、月末にはシネマコリア2004.ぼちぼちエンジンかけてこ。

☆大ヒットしている「誰も知らない」ですが、これどうなんでしょう。予告編を何回も見てて小泉今日子の朗読がそろそろうざくなってきてるんですけど。弥生座でも満員らしいんで、少し待つかな。。ああ、「シュレック2」も見れてねえ。
 今日はタイ発のアクション映画「マッハ!!!!!」。「一、CGは使いません 二、ワイヤーは使いません・・・」のド派手な予告編に心を動かされて行って来たんですが、これ、本当にすごいわ。

 アクション映画はニガテなんで、この映画がアクション映画としてどう素晴らしいのかはよくわからない。が、アクション映画ニガテの私でもこれだけは言える。ぜひ、これはスクリーンで見て欲しい映画だ。だって、エルボーがまともに後頭部に入ってる映像なんて他じゃみられねえや。寸止めなんかじゃない、本当にボッコーンと当たってるのだ。

 タイののどかな村で大事件が起こった。何者かが村の守護仏”オンパク”像の首を切り取って持ち去ってしまったのだ。村民の全てが嘆き悲しんだ。村人たちはムエタイの達人であるテイン(トニー・ジャー)に”オンパク”像の首を奪還してくれるように頼む。盗んだ男はバンコク裏社会を仕切るコム・タン(スチャオ・ボンウィライ)の部下だった。村人の期待と村人がこつこつ貯めたお金を背負い、テインはバンコクに旅立つ。

 バンコクについたテインは幼馴染のジョージ(ペットターイ・ウォンカムラオ)に協力を依頼する。が、ジョージはイカサマが得意のカスみたいな男になりさがっており、隙を見てテインの金を持って逃げてしまう。怒ったテインはジョージを追いかけるが、彼の金は既にコム・タンの闇格闘技場の賭博に賭けられてしまっていた。村人から預かったお金を取り戻す為に、闇格闘技場のリングに上がるテイン。一撃でチャンピオンを制圧するテインを見たジョージは彼を利用しようと考えるが。。

 主人公はスタントマン出身のトニー・ジャー。こいつが走って闘ってともう大活躍なのだ。一番びびったのは、下半身が炎に巻かれながら闘うシーン。エンドロールで撮影風景を流していたが、何回か分けて撮っているようだが本当に足を燃やしている。マジに体張ってる。格闘シーンも凄かったが序盤の町での追いかけっこにも恐れ行った。時間にして20分くらいだろうが、手に汗を握らせてくれる。俺が好きなトンファで闘うシーンもある。もうちょっと長かったら嬉しかったんだが。

 それから、敵役の覚悟も相当なもんだ。ジャンピングエルボーを頭に決められたり、顔面にモロに蹴りが入ってる。ギャラをいくらもらってるか、しらんが素面ではできねえ。

 演出もなかなか凝っている。「筋肉番付」みたいに決定的なシーンをカメラの角度を変えて何種類か見せてくれる。それもそんなにしつこくなく、テンポを落とすことなく、スピーディーに見せてくれるのだ。監督はミュージック・クリップ界出身で、音楽の使い方とアクションの見せ方はとにかくうまい。トニー・ジャーの体技ばかりが注目されるが、この映画監督もたいしたもんだ。

 アクション部分はトニー・ジャーに担当させてドラマ部分はもっぱら、ジョージ役のペットターイ・ウォンカムラオが担当。この人はコメディアン、俳優、司会、映画監督とマルチな才能を発揮する、タイのスーパースター。顔を見ると桂枝雀か左とん平にしか見えないのだが、タイのビートたけし(パンフ参照)らしい。こいつが演じるジョージってのはとんでもないロクデナシなんだが、テインに心を動かされていく。ほとんどストーリーはないとか言われているがラストのシーンで俺は少し感動したぞ。悪役の叔父様は顔がなかなか凶悪で機械を首に当てながら(ラストは当てずに普通に喋ってたが)機会音で喋るシーンがなかなかセクシー。これで女の子がもう少し可愛かったらなあ。。タイでは美人なのかもしれんが、藪にしか見えん。

 限りなく、本当のものを見せるというエクスプロイーション(見世物)的な活動屋魂が嬉しい。映画の基本ってのは誰も見たことねえ、すげえものを見せるってとこにありますしね。トニー・ジャーという逸材と監督のセンスがうまく重なった、一品と言えるでしょう。え?「マッスルヒート」と比べてどうかって?・・・忘れたれよ。。その映画。

予告編、おまけも楽しい遊び心満点の公式サイト。ここでこの映画の凄さの片鱗を知ろう。→http://www.mach-movie.jp/
☆渡辺文雄、死去。享年74歳。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040805-00000014-maip-soci

 この人といえばやはり、大島渚の映画なんだろうが私はやはり仁侠映画での強烈な悪役が印象に残っている。深作の「解散式」のインテリヤクザ役なんかよかったなあ。鶴田浩二よりも、こっちの方に気持ちが入った。深作も「このときの渡辺文雄にはびっくりした」と語っています。単純なワルじゃなくて、変わる時勢を嘆くのではなくてむしろ時勢に乗ろうとする。それの何が悪い、と。そう、うそぶくヤクザはめちゃくちゃにかっこいいのだ。「人斬り与太 狂犬三兄弟」の役もずるくてよかった。アクセス元表示で「渡辺文雄 仁義なき戦い」で検索してきた人がたくさんいたんだが、渡辺文雄は「仁義なき戦い」シリーズには出ていません。実録で出た作品が意外に少ないのね。

http://www.walkerplus.com/movie/kinejun/index.cgi?ctl=by%5Fname&id=85717&offset=0

 暑いせいか、毎日のように有名な人が死んでいくような気がするなあ。。

☆明日は京都の南座で「納涼名作 喜劇まつり」。藤山直美のお芝居を見てきます。イエイ
 今日紹介するのは韓国映画の「子猫をお願い」。一部の映画ファンを熱狂させた「ほえる犬は噛まない」のペ・ドゥナちゃんが主演しています。

 田舎の女子商業高校を卒業して一年。仲良し5人組の女の子たちはそれぞれの道を歩んでいた。ソウルで働くヘジュ、デザインを勉強しているジヨン、今は家業の手伝いをしているテヒ、中国系の双子のピリュとオンジョである。彼女たちはテヒの呼びかけで時々、故郷で出会っている。

 ヘジュは高校卒業後、ソウルの証券会社に就職をした。愛嬌のある彼女は職場でも好かれており、彼女の生活は順調であった。視力回復手術や整形手術にもチャレンジし、思うように生きていた。そんな彼女とぶつかることが多いのがジヨンだった。彼女は早くに両親をなくし、つぶれそうなバラックに祖父母と住んでいた。彼女はデザイン関係の仕事に就きたかったが、簡単なお手伝いぐらいの職にしかつけなかった。ピリョとオンジュは地元のチャイナタウンでアクセサリーの露店を開いて生計を立てている。テヒは家業の手伝いをしながら、自分のやりたいことを探している。小児まひの青年詩人のお手伝いもしている。彼の口述する詩をタイプライターで打ち出していくのだ。家族の中で一人無職という彼女は受験中の弟からも軽んじられ、ワンマンな父親ともうまくいっていない。しかし「家族とは合わないというだけで家を出るのは子どものやること」と彼女には家を出る気はなかった。

 ある日、ヘジュの誕生日会が行われた。それぞれに誕生日プレゼントを用意していたがジヨンにはお金がない。困ったジヨンは自分が可愛がっていた子猫をプレゼントする。一旦、受け取ったヘジュだったが、ジヨンを呼び出して子猫を突っ返してしまう。。

 愛らしい題名とは裏腹になかなか考えさせてくれる映画でした。韓国と日本の、男と女の差はありますが、割りと身につまされる作品でした。自分の中でも社会に出ての一年はものすごくしんどかったですもん。学生時代にどれだけ戻りたいと思ったか。私も大学時代の友人5人(双子はいませんが)と3ヶ月に一回ぐらいの割合で会ったりしています。この不景気で、働いている友人もいれば、無職の友人もいます。ヘジュとジヨンの関係ではありませんが、やはりそこにはギクシャクしたものも生まれています。私自身も無職だったこともありますしね。現実に向き合うとどうしてもそこには価値観の相違があって、昔の学生時代のようにはいかない。これは仕方ないことだけど、やはり一抹の寂しさはある。

 ペ・ドゥナが演じるのはテヒ。皆がそれなりに自立している中で彼女一人は取り残された形になっている。自分のやりたいことが決まらないのだ。数年前に見た「ビューティフルガールズ」って言う映画では28歳の青年達が「青春の終わり」を実感するという映画だったが、この映画では20歳かそこらの女の子に「青春の終わり」を向き合わせる。この映画を撮ったのはこれが長編デビューとなるチョン・ジェウン(脚本も書いた)で女性の監督さんなんだが、現実をかなりシビアに見ていると思う。それはあの何もそこまで。。と思うほど意外なラストにも出ている。空港に立つ二人の姿は「卒業」のラストにもだぶった。

 テヒがタイプライターで打ち出す詩、友達に送る携帯のメールなどが字幕で画面に浮かぶという工夫がなかなか面白い。台詞よりも文字で書く方が思いが正直に出ることもある。そうしたところをうまく出していると思う。映画のテンポもよく、コミカルなシーンも結構あるんで結構楽しんで見てられる。ジヨンの家を訪ねたテヒがおばあさんに無理やり蒸し餃子を何個も食べさせられるシーンはクスクス笑ってしまう。

 韓国映画に興味ない人でも十分に楽しめる作品だと思います。女性客が多いでしょうね。ペ・ドゥナファンは当然のごとく、必見の作品です。関西では今週末からシネフェスタ動物園前で公開されます。
扇町ミュージアムスクエア
2002年12月29日閉館

<私が見た映画>
1999年
きみのためにできること 8/29 扇町ミュージアムスクエア
2000年
新撰組 3/8 扇町ミュージアムスクエア
*市川昆が作った紙芝居みたいな不思議な映画
ラビナス 3/28 扇町ミュージアムスクエア
2001年
BRUCE LEE in G.O.D/死亡的遊戯 3/20 扇町ミュージアムスクエア
2002年
マタンゴ 12/20 扇町ミュージアムスクエア

 扇町ミュージアムスクエアは映画館であるというよりも、小劇場としての知名度の方が高かったと思う。恐竜が飛び出した変な建物は大層、印象的で高校生の時からその建物だけは知っていた。故・中島らもが率いた「リリパット・アーミー」がよくここで活動していたのを覚えている。結局、一度も見に行ったことはなかったが。

 映画館は最前列からスクリーンがえらく遠くて、席を移動したことがあった。ショップの中に受付があった。受付の兄ちゃんがえらくどんくさかったのを覚えている。映画館と言うより、スクリーンもついてる小劇場という感じの建物だった。隣にはレストランもあった。映画館は12月末で上映を終了したが、ショップ自体は3月末ぐらいまで残っていた。

 ミニシアターの映画をよく流していたが特殊上映で昔の日本映画もやっていたと思う。「シベリア超特急2」は確かここだった。一年に一回ぐらいしか行かない映画館であった。私にはやや敷居が高すぎたところがあった。相当にマニアックな作品もやっていた。印象に残っているのは「BRUCE LEE in G.O.D/死亡的遊戯」かな。すっげえ面白かった。最後に見たのは「マタンゴ」。

未確認情報ですが、心斎橋のシネマ・ドゥが10月末に閉館するみたいです。どんどん減っていくなあ。。
2ちゃんねる情報ですが。。下記サイト参照

http://tv6.2ch.net/test/read.cgi/movie/1076228980/716
 私が映画を見始めて5年。こんな短い年月にも多くの映画館が無くなりました。ここではそうした映画館を紹介していきます。

 基本は関西でここ数年で無くなった映画館ですが、行ったことの無い映画館は除きます。(国名小劇は行ったことがありませんでした。)

古い映画館については以下のサイトが大変詳しいです

http://homepage2.nifty.com/bkbn/

第一回は京都を代表するミニシアターだった京都朝日シネマ。

実はこの文章はここでもアップしているが、何分にも古い記事で忘れておられる方や知らない方もいらっしゃるのでここにもう一度挙げておく。

 2003年1月29日。京都は氷点下4℃を記録し、今年一番の寒さとなった。夜9時半。私は三条河原町を後にした。本日を持って関西を代表するミニシアターである京都朝日シネマが閉館した。そのフィナーレ企画である「お引越し」を見ての帰り道であった。

 私が映画に興味を持ったのは今から4年前。まだ私が大学生の頃だった。しかし私が京都朝日シネマに足を踏み入れたのはさらにその2年前に遡る。当時の社会現象となったアニメ、「エヴァンゲリオン」を見に行っていたのだ。記憶にほとんど残っていないのだが、春と夏に上映があり、両方とも朝日シネマで見たと思う。(ひどく混んでおり、夏は立ち見で見た記憶がある。)当時、私はまだ映画をほとんど知らなかった。時は97年3月。これが私と朝日シネマの出会いだった。それから数年。実に多くの映画を見てきた。

 思い返してみると、実に多くの映画を見た映画館であったことを改めて思い起こす。しかし私なんぞよりもずっと昔から映画を見ている人にとってはそれどころではないと思う。本日の京都朝日シネマは実に多くの映画ファンでごったかえてしていた。私はその場で実に3年ぶりに友人と再会した。事前に混雑を予想した私は半休を取って朝一番に整理券をもらいに行っていたのでゆっくり座ることができた。

 私は劇場で年間100本以上の映画を3年連続見ている。普通の人々に話すと凄いね、と言われる。そして付け加えるように、「そんなに見てどうするの?」。ほっとけ、と言いたい。趣味に”映画鑑賞”と書く人は千差万別で劇場鑑賞本数年600本の人から、一年に3回ほどシネコンで映画を見る、という人から様々である。しかし大まかな分け方をするとビデオ派と劇場派に分かれるのではないか、と思う。言わずとしれる、私はもちろん後者である。基本的に映画は劇場で見るものだと思っている。人によって事情は異なるので無碍に押し付けはしないが、私が映画ホグワーツの先生ならば劇場で見ることをお薦めするだろう。

 私が映画館で映画を見る理由として、実家にはテレビが一台しかないのでなかなか一人で独占して映画を見ることができないことや集中力が常人に比べて少ないので二時間ぶっ通しで見れない、などが挙げられる。しかし一言で表すと「映画館が好きだから」に尽きる。大学2年生の際、母親に連れられて行った「タイタニック」を見てボロ泣きしてしまった私は今までほとんど見ることがなかった映画に興味を持った。映画を映画館で見ようと思ったのだ。当初は映画館に一人で入るのに抵抗はあったし、1500円は大学生にとってはキツかった。しかしそれから5年経ち、最近本当に映画のよさがしみじみとわかるようになった。席にゆっくり座り、映画の上映を待つ。映画を充分に味わい、時には大笑いし、時には涙を流す。上映が終わり、場内がゆっくり明るくなる。その全ての瞬間が本当に幸福だと思えるようになった。

 これはここ数ヶ月の話である。京都朝日シネマは私にそうした「映画の楽しさ」を色々教えてくれた映画館の一つであった。シネコンばやりの世の中では小さな映画館であったし、ラインナップにも若干の不満があったときもある。しかしそれでも私にとって、そこは一つの”家”であった。朝日シネマと関係の深かった茂山千之丞さんがおっしゃったように”コヤ”であったのだ。かつて芝居が全盛であった頃、芝居小屋は劇場だけでなく、人々にとっては”憩いの場”であり、もう一つの”我が家”であった。朝日シネマは私にとってはそういうところだった。皆にとってそうだったかはわからないが、私にとってはそうだったのだ。

 昨日、私は一粒の涙を流すことはなかった。心の中で自らを平静に持って行こうと耐えていたからだ。私は子供の頃から感情を出すことを極力避けてきた。それは人一倍、感情もろい人間であるからだ。閉館から一日たった本日、私は涙を流しながらこの文章を打っている。何でもないことだが新聞の映画欄に「閉館致しました。再見!」と記載されているのを見た途端に滂沱のように涙が流れた。私にとって朝日シネマはそうした映画館であったことをはじめて認識したのだ。フィナーレに立ち会えてよかった。

 それから約10ヵ月後。
 京都朝日シネマのスタッフは烏丸に映画館を作ることを決定した。「再見!」の約束は果されたのです。
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003oct/21/W20031021MWG2K100000036.html

失われた映画館をよみがえらせたい――。如月社(京都市)社長、神谷雅子さん(47)の願いが年内に実現する。今年12月、京都市中心部の四条烏丸に「京都シネマ」を開く予定だ。

 昨年1月、「京都朝日シネマ」が閉館した。1988年の開館から運営に携わり、最後は支配人まで務めた。閉館を惜しみ、存続を求める署名は7000人に上る。そんな声に後押しされ映画館の再生を決意、自ら会社を起こした。

 京都に住んで30年。ここ数年、郊外にシネコン(複合型映画館)が相次いで誕生し、老舗映画館の閉館が続いた。「これ以上、良い映画館をなくすわけにはいかない」

 開業資金は2億円。この1年、地元企業や映画の配給会社を回って援助を依頼、おおよそのめどは立った。「若手に自主映画発表の場を提供するなど映画文化の発信拠点に育てていきたい」


http://www.nikkei.co.jp/onnaing/20040225e3m2500o25.html

開館まであと数ヶ月と迫った。どのような活動がされるのか、京都の映画ファンとして如月社への興味は尽きることがない。

次回は2002年12月29日に閉館した扇町ミュージアムスクエアです。
←相変わらず、愛内里菜ざんまいなわたくし。私が女だったらカラオケでガンガン歌ってるやろ。できれば、男なんて廃業してえ

☆台風直撃。こんな週末に実は旅行の予定があった。はじめは大丈夫だろうとタカくくってたんだが、日曜日の朝に直撃!Σ(゜Д゜)であった。行き先は広島であった。野球を見てお好み焼きを食べて帰りに尾道で亀井さんが作った歴史的建造物(税金の無駄使いとも言う)しまなみ街道と尾道の町を歩きながら髭のロリコン(あえて名は伏せる)の映画のロケ地などをそぞろ歩こうとしていた。。が、友人と相談の結果で粟田艦隊、前日キャンセルと相成った。キャンセル料は言うほどたいしたことなかったが、気分は乗らない。でも逝ったら逝ったらでもっと厭な気分になるんだろうし。。

☆実は大学時代に弟と広島を旅行したことがあった。その日も野球を見ようと考えていたのだが見事に台風直撃!でホテルに金○老みたいに立てこもった。そのトラウマが甦ったのです。

☆天のすることやもん。誰もうらめないわね。。でも。。でも。。

逝きたかったな、広島。
下条正巳さん、逝去。享年88歳。
実は「男はつらいよ」を全部見ている私には、おなじみの俳優でした。「教祖誕生」のインチキ教祖とか「白い巨塔」の教授役などが印象的でした。合掌。

☆ゴッド・ファーザー<デジタル・リマスター版> 6/19 パラダイススクエア1
★★★★★
→情けない話ですが、この映画見るのははじめてでした。スクリーンで見れてよかったと思います。ストーリーはいろんなもののパロディに出尽くされてるので大体、知ってたが充分に楽しめた。(とんねるずのコントが一番よくできてたと思う)先ごろ亡くなったマーロン・ブランドは当時47歳で老けメイクで初老の男性を演じている。何があってもへこたれない、狡猾な男を楽しそうに演じているのが印象的だった。アル・パチーノもロバート・デュバルもダイアン・キートンもみんな若かった。出番は少なかったが「狼たちの午後」の演技も印象的だった故ジョン・カザーレが一番好きだな。やっぱりこの映画はスクリーンで見たいねえ。PART?も映画館でやってくれるとありがたいんだが。。

☆続・悪名 6/20 みなみ会館
★★★
→この日は中村玉緒の舞台挨拶があった。監督の田中徳三によると「悪名」は一作のみの予定だったので、今東光の原作は「悪名」で全部使ってしまったので今作はほとんどオリジナルストーリーだったらしい。ストーリーはまさに続編という感じで目新しさはないのだが、前作で出てきた登場人物がほとんど出てきているので前作のファンには楽しい出来栄えになっているのはさすがというべきか。浪花千栄子のきっぷのいい女親分っぷりがもう一度楽しめたのは嬉しかった。なお、田中徳三はこの続編は全く考えておらず、相棒の貞を最後に殺してしまった。が、映画は続編が作られることになって頭をひねった挙句に貞の弟の清次(演じるのは同じ田宮次郎である)で「新・悪名」が作られることになった。勝新太郎と中村玉緒は「悪名」の前に婚約して「続悪名」は結婚後、第一作目であったと言う。奇しくもヤクザの親分役に玉緒の父である中村雁治郎が出て”親子”共演をしているのが面白い。なお、貞の情婦をやった藤原礼子は後に若山さんの奥さん(後に離婚)になっています。

天国の本屋〜恋火 6/20 MOVIX京都シアター6
★★
→竹内結子は本当にいい女優さんになったと思う。香川照之をぶん殴るシーンなんか鬼気迫っておった。もっと映画に出て欲しいと思う。映画自体は凡作であるが、キャストのおかげで一応、見れる作品になっている。出番は少ないが香川照之はめちゃくちゃよかったなあ。ただ、田舎の青年部にはあんなに若者はいないと思う。

☆秦・始皇帝 6/25 みなみ会館
★★
→永田ラッパが大映創立20周年を記念して台湾で撮影したワールドワイドな作品。勝新太郎、市川雷蔵、若尾文子、山本富士子、東野英治朗、川口浩、宇津井健、長谷川一夫とほとんどの大映俳優が出演したような、超豪華キャストで金もめちゃくちゃかかった大層な作品である。。が、そんなに面白くない。勝新以外はみんな、出番も少ないしね。なんか歴史を勉強してるみたいで、ドラマも少ないしね。テンポも悪いし。労役夫に身を落として始皇帝暗殺を企む太子を演じた宇津井健の壮絶な最期が印象に残ってる。血をダラダラ流しながら笑って死んでいく、ぞっとした。

☆泥棒番付 6/25 みなみ会館
★★★★
→司馬遼太郎の短編を伊藤大輔が脚本化。監督は「雁」の池広一夫で主演は勝新太郎。派手さはないが、綺麗にまとまった佳作で充分に楽しめる。人を食った感じに勝新を手玉に取る奉行を演じた内田朝雄がとてもいい。みなみ会館の「勝新映画祭」はこれにて終了。

■殺人の追憶 6/25 みなみ会館
★★★★★
→二度見ると本当に細かいところにまで、様々な伏線を張っていることがわかる。多分、取材に相当に時間をかけて丁寧に作りこんでいるのだろう。今の日本映画にこれほど丁寧に作りこむ、金と時間の余裕はないのが悔しい。当初はずっこけていた刑事達が徐々に犯罪に怒りを感じ始め、そして状況に太刀打ちできずに士気を失っていく様が見事にテンポよく描かれている。本当に凄い作品だ。

☆大脱走<公開40周年記念ニュープリント>  6/26 パラダイススクエア2
★★★★★
→スティーヴ・マックィーンが主演した「タワーリング・インフェルノ」っていう映画は74年の大ヒット作で、日本でも日本映画と洋画のシェアをひっくり返しちゃったらしい。50歳という若さで今から20年以上前に亡くなった俳優だがいまだに人気がある。映画を見れば、そのわけもわかる。やっぱりかっこいいもんなあ。。戦争中にドイツ軍に捕まった捕虜の脱走劇を演じた映画である。実話を元にしてるだけあってシリアスな映画なんだが、何とも牧歌的で見てて全く飽きが来ない。”トンネル建設”の音をコーラスでごまかすってのも面白かったし、調達屋(ジェームズ・ガーナー)のやり口も面白い。チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ジェームズ・ガーナー、リチャード・アッテンボローと名優ぞろいなのもすごい。クライマックスの脱走のシーンで、バイクで駆け抜けるマックィーンはやっぱりため息がでるほどかっこよかった。

リアリズムの宿 6/26 テアトル梅田2
★★★
→後から思い出し笑いをしてしまうような作品。くるりの歌がとてもいいねえ。

海猿 6/28 イオンシネマ久御山7
★★★★
→「踊る」のスタッフが作った映画。シリアスなドラマではあるが、笑いどころも忘れずに観客を飽きさせずにラストまで楽しませてくれるのはさすがだと思った。伊藤淳史、伊藤英明の伊藤コンビは映画での演技力は折り紙つきだが、「昭和歌謡大全集」の村田充もなかなかよかった。海東健は演技が下手でどうしようもないんだが、ニヒルなキャラクターを隙無く演じきっており、次に期待が持てる。「深呼吸の必要」「天国の本屋〜恋火」そしてこの作品と6月は香里奈強化月間であったわけだが、この映画がデビューだったらしい。3本見るとやはり一番最後に撮った「深呼吸の必要」の演技が一番うまかったと思う。。が、この人もこれからやね。それから。。はっきり言って嫌いだった加藤あいが映画で見ると意外に可愛かった。続編も期待。

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