深作まつり第六夜「県警対組織暴力」
2003年3月23日 本日は深作まつり第六夜。「県警対組織暴力」でございます。1975年の作品。この年、深作監督は「仁義の墓場」、「県警対組織暴力」、「資金源強奪」、「新仁義なき戦い 組長の首」と4本も発表。仕事しすぎ。
先週お知らせいたしました笠原和夫による「昭和の劇」ですが少しずつ読み進めています。本日、ご紹介する「県警対組織暴力」は深作×笠原コンビで作られた作品。「KT」の荒井晴彦曰く「シナリオの教科書みたいなホンだと思いました。」笠原さん自身が「完成度が高い」と言っておられる作品です。菅原文太、梅宮辰夫、松方弘樹の揃いぶみ。金子信雄、田中邦衛、成田三樹夫、山城新伍と「仁義無き戦い」のメンバがズラリ。もちろん、室田日出男、川谷拓三もおるでよ。拓ボンはこれで人気が出たそうです。
中国地方・倉島市。(広島と倉敷を掛け合わせてできた地名と思われる)大原組は分派独立した三宅組と激しい抗争を繰り広げていた。抗争の最中、三宅組の組長が何者かに狙撃され、勝敗は決した。三宅組を引き継いだ友安政一は組を解散。市会議員に転じた。一方、組長が逮捕された大原組は代行に広谷を擁立。替わって倉島に進出してきた川手組との抗争が始まった。
この倉島においても警察は存在する。しかし、当時の警察は基本的に地元採用。同じ高校出身でヤクザになる奴もいれば、警察になる奴もいる。ラブホテルの料金をおごってもらっている刑事もおれば、「アカに比べりゃやくざなんか可愛いもんよ。。」と声高に叫ぶ刑事までいる。その中でマル暴の久能は大原組代行の広谷と大変仲がよかった。実は久能には三宅組組長を射殺して自首してきた広谷をかくまったという過去があった。県警と大原組は持ちつ持たれつの関係だったのだ。
しかし川手組と大原組の抗争が激化。中央は遂にキャリア組の海田を本部長として派遣。海田は部下にヤクザとの交友を厳しく禁ずる。反抗する県警であったが、徐々に追いやられていった。ある日、県警が大原組の事務所を強制捜査。どうして知らせてくれなかった、と激昂する広谷。広谷と久能の仲は崩壊しつつあった。友安と手を結んだ川手はボケあがって出所してきた大原親分の篭絡。大原組は川手組に乗っ取られてしまう。遂にキレた広谷は。。。
「仁義無き戦い」は警察が全然出てこない作品でした。実は脚本には法律的に武器をもてなかった警察が山守組に朝鮮人のギャング軍団を取り押さえるように依頼する、ところがあったのですが、カットされたそうです。(DVD化の時に入れてくんないかな。)この作品では主人公の文太は何と警察。
面白かったのは山城新伍と菅原文太が拓ボンをリンチするところ。「おまえら、税金で食うとんねやろ!何さらしとんじゃあ!!」と叫びまくる拓ボンが加えるタバコをまず飛ばす。椅子に座ってるところを蹴っ飛ばす。壁にぶつける。「何すんじゃ」と立ち上がろうとする拓ボンの足をかけて、すっ転ばす。これが何回も続く。蹴っ飛ばす。たまらず、机の下に逃げ込むところを首根っこつかんで引っ張り挙げる。腕ひしぎをかまして「おんどれ、一生、刑務所にぶちこんだろか!」と一喝。窓枠にへばりついて許しを乞う拓ボン。「おんどれ、逃げようと思うとるな!よし、逃げられへんようにしたる!」とフリチンにして踏む、蹴る、踏む、蹴る。。凄すぎます。。大谷昭宏が怒るぞ。
酒の席で梅宮に投げ飛ばされたことにむかついて退職してしまった佐野浅男。人妻と密通し、ヤクザから小遣いもらう最低な警官ですが、官職を棄て極道の世界に身を投じてしまう生き様がかっこいい。警官の中には、裏社会に首を突っ込みすぎて帰れなくなってしまう人がいます。覚せい剤の売買に手を出している警官もいますしね。先月の新潮45でも北海道警察の組織ぐるみの犯罪について取上げられていました。何に税金つかっとるんや。
隙あらば自分がトップになっちまおう、と思う連中ばかりの裏社会において久能のように「おまえの旗をたてるのはわしじゃ」と他人をたてる人は珍しい。ただそうした生き方しかできなかったんでしょうな。最近見た「新・仁義無き戦い/謀殺」で高橋克則が演じたヤクザに似ています。ただこうした人達の末路は。。極道の世界でもカタギの世界でもはぐれ者は生き難い。。思わず自分の身も案じてしまう。。はあ。
今週の素敵すぎる一言
「刑事もヤクザもたいしてかわりゃせんのよ。。仁義の代わりに法律がモノ言う社会じゃ。どっちも就職にあぶれた残り物じゃ。。」
先週お知らせいたしました笠原和夫による「昭和の劇」ですが少しずつ読み進めています。本日、ご紹介する「県警対組織暴力」は深作×笠原コンビで作られた作品。「KT」の荒井晴彦曰く「シナリオの教科書みたいなホンだと思いました。」笠原さん自身が「完成度が高い」と言っておられる作品です。菅原文太、梅宮辰夫、松方弘樹の揃いぶみ。金子信雄、田中邦衛、成田三樹夫、山城新伍と「仁義無き戦い」のメンバがズラリ。もちろん、室田日出男、川谷拓三もおるでよ。拓ボンはこれで人気が出たそうです。
中国地方・倉島市。(広島と倉敷を掛け合わせてできた地名と思われる)大原組は分派独立した三宅組と激しい抗争を繰り広げていた。抗争の最中、三宅組の組長が何者かに狙撃され、勝敗は決した。三宅組を引き継いだ友安政一は組を解散。市会議員に転じた。一方、組長が逮捕された大原組は代行に広谷を擁立。替わって倉島に進出してきた川手組との抗争が始まった。
この倉島においても警察は存在する。しかし、当時の警察は基本的に地元採用。同じ高校出身でヤクザになる奴もいれば、警察になる奴もいる。ラブホテルの料金をおごってもらっている刑事もおれば、「アカに比べりゃやくざなんか可愛いもんよ。。」と声高に叫ぶ刑事までいる。その中でマル暴の久能は大原組代行の広谷と大変仲がよかった。実は久能には三宅組組長を射殺して自首してきた広谷をかくまったという過去があった。県警と大原組は持ちつ持たれつの関係だったのだ。
しかし川手組と大原組の抗争が激化。中央は遂にキャリア組の海田を本部長として派遣。海田は部下にヤクザとの交友を厳しく禁ずる。反抗する県警であったが、徐々に追いやられていった。ある日、県警が大原組の事務所を強制捜査。どうして知らせてくれなかった、と激昂する広谷。広谷と久能の仲は崩壊しつつあった。友安と手を結んだ川手はボケあがって出所してきた大原親分の篭絡。大原組は川手組に乗っ取られてしまう。遂にキレた広谷は。。。
「仁義無き戦い」は警察が全然出てこない作品でした。実は脚本には法律的に武器をもてなかった警察が山守組に朝鮮人のギャング軍団を取り押さえるように依頼する、ところがあったのですが、カットされたそうです。(DVD化の時に入れてくんないかな。)この作品では主人公の文太は何と警察。
面白かったのは山城新伍と菅原文太が拓ボンをリンチするところ。「おまえら、税金で食うとんねやろ!何さらしとんじゃあ!!」と叫びまくる拓ボンが加えるタバコをまず飛ばす。椅子に座ってるところを蹴っ飛ばす。壁にぶつける。「何すんじゃ」と立ち上がろうとする拓ボンの足をかけて、すっ転ばす。これが何回も続く。蹴っ飛ばす。たまらず、机の下に逃げ込むところを首根っこつかんで引っ張り挙げる。腕ひしぎをかまして「おんどれ、一生、刑務所にぶちこんだろか!」と一喝。窓枠にへばりついて許しを乞う拓ボン。「おんどれ、逃げようと思うとるな!よし、逃げられへんようにしたる!」とフリチンにして踏む、蹴る、踏む、蹴る。。凄すぎます。。大谷昭宏が怒るぞ。
酒の席で梅宮に投げ飛ばされたことにむかついて退職してしまった佐野浅男。人妻と密通し、ヤクザから小遣いもらう最低な警官ですが、官職を棄て極道の世界に身を投じてしまう生き様がかっこいい。警官の中には、裏社会に首を突っ込みすぎて帰れなくなってしまう人がいます。覚せい剤の売買に手を出している警官もいますしね。先月の新潮45でも北海道警察の組織ぐるみの犯罪について取上げられていました。何に税金つかっとるんや。
隙あらば自分がトップになっちまおう、と思う連中ばかりの裏社会において久能のように「おまえの旗をたてるのはわしじゃ」と他人をたてる人は珍しい。ただそうした生き方しかできなかったんでしょうな。最近見た「新・仁義無き戦い/謀殺」で高橋克則が演じたヤクザに似ています。ただこうした人達の末路は。。極道の世界でもカタギの世界でもはぐれ者は生き難い。。思わず自分の身も案じてしまう。。はあ。
今週の素敵すぎる一言
「刑事もヤクザもたいしてかわりゃせんのよ。。仁義の代わりに法律がモノ言う社会じゃ。どっちも就職にあぶれた残り物じゃ。。」
アイドル映画>サスペンス「青の炎」
2003年3月22日 私ごとになりますが、4月より某事務所にて事務を執ることになりました。大学を卒業して、東京での半年のおつとめを経て浪人として2年。学生の延長のようにプラプラしておりましたが遂に年貢の納め時か。この不景気の時代にありがたいことでございますが既にバイトながらフルタイムで働いておりますので新鮮味がまるでナイ。
「青の炎」を見てきました。平日の夕方ながら客は4部ほどの入り。(この映画館にすればかなり多い方)若い女性客が多かったです。蜷川さん曰く「正当なるアイドル映画を撮りたい。」説明不要なほど有名な蜷川さんですが映画は久しぶり。失礼な話ではございますが私は不安を持って映画館に入りました。優秀な舞台人=優秀な監督とは必ずしも限らないのです。「夜をかけて」の金守珍ではありませんが舞台の演出をそのまま映画でやられるとなんだかベタベタなスケールの小さな映画になってしまうことがままあるからです。大丈夫かな。。
主人公の櫛森秀一は湘南の高校に通う高校生。毎日毎日、長い距離をロードレーサー(競輪の選手が乗るような自転車)で高校まで通っている。家族は母親と妹の3人暮らし。傍目には普通の高校生に見える秀一であったが、彼には友人にも明かしていない秘密があった。3人が住む家に最近、家族が増えた。10年前に離婚した曽根という男が家に居座ってしまったのだ。まるで自分の家であるか、のように振る舞い、妹に暴力を奮おうとする。母親に法的手段で彼を追い出そうと相談するが何故か乗り気でない母親。母親は妹の秘密を彼に告げる。何と妹は曾根の連れ子で法律的にはいまだ二人は家族なのだ。無理に追い出そうとすると妹を連れて出て行く、と言うに決まっている。。何とか我慢しようとする秀一。しかし母親に手を出し始めたことから遂に臨界点突破。彼は曾根を殺すことを決心する。
それから彼の計画が始まった。奴を殺すことで逮捕されては何にもならない。「完全犯罪」を成立させなければならない。彼はネットや法医学の本を駆使して完全犯罪のシナリオを練り上げ、実行。曾根は死亡し、事故死と判断される。誰一人、彼を怪しまなかったが彼のガールフレンドである紀子は何かに気付いていた。。
映画自体の出来は悪くなかったと思います。ただ原作自体がそんなに面白くないのでサスペンスには程遠い作品。。おっとそうか。だから「アイドル映画」なんだよな。何となく大林映画みたいな雰囲気があるな、と思ったのもそれか。高校生同志の会話が新劇の芝居を見てるみたいで若干、寒かったです。つうかあのセーラー服は何だ。
主演は二宮和也。ジャニーズの人だと思いますが、実はよく知りません。よければどなたか教えていただけるとありがたいです。(あと途中で自販機を蹴っ飛ばしていたのも多分ジャニーズでしょうね。)アイドル映画の主人公は大根でもいいのです。雰囲気さえ持ってれば。まあこの人は演技が結構できております。蜷川さんは随分、二宮君を随分お気に召したようですな。映画の中で輝いておったのはこの人だけでした。みんな、ご期待の松浦亜弥もたいした出番なかったし、鈴木杏に至っては可愛く撮ってももらえなかった。というか、何でこんなに顔が太ったんだ?
この映画は二宮君を見るためだけの映画でしょう。蜷川さんは意図的にそう撮っています。従来のアイドル映画というのは男性に向けた映画であったと思いますが(一部の映画を除く)この作品は女性のアイドルファンに向けて撮られた作品です。あややファンにとっては不本意でしょうね。訳あってエンドロールで席を立ちましたが、見回してみると男性一人で来てるの私一人。京都のお客さんはよう、わかってはります。
「青の炎」を見てきました。平日の夕方ながら客は4部ほどの入り。(この映画館にすればかなり多い方)若い女性客が多かったです。蜷川さん曰く「正当なるアイドル映画を撮りたい。」説明不要なほど有名な蜷川さんですが映画は久しぶり。失礼な話ではございますが私は不安を持って映画館に入りました。優秀な舞台人=優秀な監督とは必ずしも限らないのです。「夜をかけて」の金守珍ではありませんが舞台の演出をそのまま映画でやられるとなんだかベタベタなスケールの小さな映画になってしまうことがままあるからです。大丈夫かな。。
主人公の櫛森秀一は湘南の高校に通う高校生。毎日毎日、長い距離をロードレーサー(競輪の選手が乗るような自転車)で高校まで通っている。家族は母親と妹の3人暮らし。傍目には普通の高校生に見える秀一であったが、彼には友人にも明かしていない秘密があった。3人が住む家に最近、家族が増えた。10年前に離婚した曽根という男が家に居座ってしまったのだ。まるで自分の家であるか、のように振る舞い、妹に暴力を奮おうとする。母親に法的手段で彼を追い出そうと相談するが何故か乗り気でない母親。母親は妹の秘密を彼に告げる。何と妹は曾根の連れ子で法律的にはいまだ二人は家族なのだ。無理に追い出そうとすると妹を連れて出て行く、と言うに決まっている。。何とか我慢しようとする秀一。しかし母親に手を出し始めたことから遂に臨界点突破。彼は曾根を殺すことを決心する。
それから彼の計画が始まった。奴を殺すことで逮捕されては何にもならない。「完全犯罪」を成立させなければならない。彼はネットや法医学の本を駆使して完全犯罪のシナリオを練り上げ、実行。曾根は死亡し、事故死と判断される。誰一人、彼を怪しまなかったが彼のガールフレンドである紀子は何かに気付いていた。。
映画自体の出来は悪くなかったと思います。ただ原作自体がそんなに面白くないのでサスペンスには程遠い作品。。おっとそうか。だから「アイドル映画」なんだよな。何となく大林映画みたいな雰囲気があるな、と思ったのもそれか。高校生同志の会話が新劇の芝居を見てるみたいで若干、寒かったです。つうかあのセーラー服は何だ。
主演は二宮和也。ジャニーズの人だと思いますが、実はよく知りません。よければどなたか教えていただけるとありがたいです。(あと途中で自販機を蹴っ飛ばしていたのも多分ジャニーズでしょうね。)アイドル映画の主人公は大根でもいいのです。雰囲気さえ持ってれば。まあこの人は演技が結構できております。蜷川さんは随分、二宮君を随分お気に召したようですな。映画の中で輝いておったのはこの人だけでした。みんな、ご期待の松浦亜弥もたいした出番なかったし、鈴木杏に至っては可愛く撮ってももらえなかった。というか、何でこんなに顔が太ったんだ?
この映画は二宮君を見るためだけの映画でしょう。蜷川さんは意図的にそう撮っています。従来のアイドル映画というのは男性に向けた映画であったと思いますが(一部の映画を除く)この作品は女性のアイドルファンに向けて撮られた作品です。あややファンにとっては不本意でしょうね。訳あってエンドロールで席を立ちましたが、見回してみると男性一人で来てるの私一人。京都のお客さんはよう、わかってはります。
私家版アカデミー賞予想
2003年3月21日 気がつけば今年もアカデミー賞の季節。日頃、聖林のことはほとんど触れない私ですがたまにはアカデミー予想などやってみようかと考えております。
というか、本当にやるのか?
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/mar/o20030319_90.htm
映画なるものは厄介でして、保守にも左にもしょっちゅう運動の手段に使われることがままあります。まあ昨今でも「ボウリング・フォー・コロンバイン」あたりが使われそうですな。現に朝日は元旦に「千と千尋の神隠し」を題材にした、わけのわからん社説を書いておりました。日本映画でも「home」が引きこもり是認の道具として使われていました。(あの映画は引きこもりを何も褒めていないのだが。。)
どういうわけか、一部の映画人、映画館主は映画に政治を持ち込ませたがります。本当に困ったもんです。
今回の世相がどういう風に働くのか。現在のアメリカ情勢を意識したものになるか、それか全く無視するものとなるか。おそらく、台風の目になるのは「戦場のピアニスト」でしょうな。
ここを参考にしました。
http://movies.yahoo.co.jp/static/academy2003_nominees.html
ちなみにヤフーに載ってた水野センセの予想は以下の通り。
http://movies.yahoo.co.jp/static/academy2003_mizuno.html
作品:シカゴ
監督:ロブ・マーシャル
主演男優:エイドリアン・ブロディ
主演女優:ニコール・キッドマン
助演男優:エドハリス
助演女優:メリル・ストリーブ
長編アニメーション:千と千尋の神隠し
私だってがんばって、いつの日かオスカーを手にするぞ!
( ´,_ゝ`)プッ
「シカゴ」が凄いですね。主演男優以外は全部ノミネートされてる。日本の配給会社にしてみれば「シカゴ」が全て受賞してくれるのが嬉しい。一昨年みたいにもう公開の終わった「グラディエーター」が賞取っても面白くない。もっともほとんどノミネートされてる映画がもう1本。
「めぐりあう時間たち」です。ニコールキッドマン、メリル・ストリーブ、ジュリアン・ムーアという出演陣が凄い。間違いなく、こいつもヒットするでしょう。まずこの二本、見てないので何とも予想が難しい。。ただ今までの受賞作から見ると「めぐりあう時間たち」の方が強くないだろうか。
(私の予想)
作品賞:戦場のピアニスト
次点:めぐりあう時間たち
監督賞:スティーヴン・ダルドリー(めぐりあう時間たち)
次点:ロブ・マーシャル(シカゴ)
主演男優賞:ジャック・ニコルソン(アバウト・シュミット)
次点:エイドリアン・ブロディ(戦場のピアニスト)
主演女優賞:ニコール・キッドマン(めぐりあう時間たち)
次点:ジュリアン・ムーア(エデンより彼方に)
助演男優賞:エド・ハリス(めぐりあう時間たち)
次点:クリストファー・ウォーケン(キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン)
助演女優賞:ジュリアン・ムーア(めぐりあう時間たち)
次点:メリル・ストリープ(Adaptation)
長編アニメーション:アイス・エイジ
完全な好みです。(笑)あら、「シカゴ」が外れてしまいましたね。「めぐりあう時間達」が多いのは私が「リトル・ダンサー」のファンだからです。なお「千と千尋の神隠し」を外したのは、ヒゲ自身が語っているようにこの作品は「売春宿」の話で、しかも少女を働かせてるという設定を聖林が嫌がるからです。ディズニーの社長が試写室で「なんでこれが日本でヒットしたんじゃ」と叫んだそうですが、まっとうな精神だと思います。私にもよくわからん。裏読みすれば、キリがない。個人的にはジャックニコルソンに主演男優賞を取って欲しい。ゴールデングローブ取ってるから大丈夫だと思うけど。
というか、本当にやるのか?
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/mar/o20030319_90.htm
映画なるものは厄介でして、保守にも左にもしょっちゅう運動の手段に使われることがままあります。まあ昨今でも「ボウリング・フォー・コロンバイン」あたりが使われそうですな。現に朝日は元旦に「千と千尋の神隠し」を題材にした、わけのわからん社説を書いておりました。日本映画でも「home」が引きこもり是認の道具として使われていました。(あの映画は引きこもりを何も褒めていないのだが。。)
どういうわけか、一部の映画人、映画館主は映画に政治を持ち込ませたがります。本当に困ったもんです。
今回の世相がどういう風に働くのか。現在のアメリカ情勢を意識したものになるか、それか全く無視するものとなるか。おそらく、台風の目になるのは「戦場のピアニスト」でしょうな。
ここを参考にしました。
http://movies.yahoo.co.jp/static/academy2003_nominees.html
ちなみにヤフーに載ってた水野センセの予想は以下の通り。
http://movies.yahoo.co.jp/static/academy2003_mizuno.html
作品:シカゴ
監督:ロブ・マーシャル
主演男優:エイドリアン・ブロディ
主演女優:ニコール・キッドマン
助演男優:エドハリス
助演女優:メリル・ストリーブ
長編アニメーション:千と千尋の神隠し
私だってがんばって、いつの日かオスカーを手にするぞ!
( ´,_ゝ`)プッ
「シカゴ」が凄いですね。主演男優以外は全部ノミネートされてる。日本の配給会社にしてみれば「シカゴ」が全て受賞してくれるのが嬉しい。一昨年みたいにもう公開の終わった「グラディエーター」が賞取っても面白くない。もっともほとんどノミネートされてる映画がもう1本。
「めぐりあう時間たち」です。ニコールキッドマン、メリル・ストリーブ、ジュリアン・ムーアという出演陣が凄い。間違いなく、こいつもヒットするでしょう。まずこの二本、見てないので何とも予想が難しい。。ただ今までの受賞作から見ると「めぐりあう時間たち」の方が強くないだろうか。
(私の予想)
作品賞:戦場のピアニスト
次点:めぐりあう時間たち
監督賞:スティーヴン・ダルドリー(めぐりあう時間たち)
次点:ロブ・マーシャル(シカゴ)
主演男優賞:ジャック・ニコルソン(アバウト・シュミット)
次点:エイドリアン・ブロディ(戦場のピアニスト)
主演女優賞:ニコール・キッドマン(めぐりあう時間たち)
次点:ジュリアン・ムーア(エデンより彼方に)
助演男優賞:エド・ハリス(めぐりあう時間たち)
次点:クリストファー・ウォーケン(キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン)
助演女優賞:ジュリアン・ムーア(めぐりあう時間たち)
次点:メリル・ストリープ(Adaptation)
長編アニメーション:アイス・エイジ
完全な好みです。(笑)あら、「シカゴ」が外れてしまいましたね。「めぐりあう時間達」が多いのは私が「リトル・ダンサー」のファンだからです。なお「千と千尋の神隠し」を外したのは、ヒゲ自身が語っているようにこの作品は「売春宿」の話で、しかも少女を働かせてるという設定を聖林が嫌がるからです。ディズニーの社長が試写室で「なんでこれが日本でヒットしたんじゃ」と叫んだそうですが、まっとうな精神だと思います。私にもよくわからん。裏読みすれば、キリがない。個人的にはジャックニコルソンに主演男優賞を取って欲しい。ゴールデングローブ取ってるから大丈夫だと思うけど。
日本の事情、ヨーロッパの事情、アメリカの事情、イラクの事情
2003年3月19日 完全発病。風邪の為に動けませぬ。風邪気味なのにレイトショーに行ったのが間違いやった。(だって前売り買ってたんやもん)このまま、連休も寝込んだら厭だな。。
今週末は遂に「ボウリング・フォー・コロンバイン」が関西上陸。すさまじいヒットが予想されます。私はみなみ会館に行こうと思いますが、満員は確実。整理券とか出すんやろか。ただでさえヒットする映画なのに、こういう事態ですからねえ。こわや、こわや。
このサイトは映画サイトですので、具体的には書きませんがアメリカについて一言。アメリカの狙いはフセインの追放などではなく、アラブのど真ん中に親米政権を打ち込むこと。冷戦終結後、アメリカの敵は第三国。アラブの民主化を旗印にOPECを解体して石油を牛耳る。イスラム教を盾に民主化を拒んできたアラブ社会を崩壊させます。次の敵はインド、パキスタンと東に進み、最後の敵は中国です。でもまあ安心なさい。多分、そこまでは行きません。こう書くと「アメリカ、むかつく」と思われるでしょうが石油が欲しいのは日本も一緒。アメリカを頼むしかないのです。ヨーロッパは日本と違い、資源が多数あります。立場は全然違う。
ただ一つだけ憂慮せねばならないのは従来と違い、小泉政権がはっきりアメリカ支持を打ち出したことです。元外務大臣の河野がコメントしてましたが、「従来通りの嫌々賛成」を示す方がよかったと思います。フランスにせよ、韓国にせよ、ドイツにせよ、ポーズは反対ですが軍隊は派遣しています。外交がキチンと動いているのです。それに対して日本は現在、外交がほとんど機能していません。大臣自身が「外交努力でできることは既に終わった」とコメントしてるぐらいですからね。クビにしろ、と思います。イラクは既に日本をアメリカ、イギリスに告ぐ「悪の枢軸」と見なしています。日本がテロの標的になったのは間違いないでしょう。
私自身は安易に「非戦」、「反戦」を叫ぶべきではないと考えています。何故ならば戦争なる手段は国際社会においてもっとも有力な外交カードであることは否めないからです。戦争というかたちで表面化しなくても、フセイン政権による反対派虐殺、アラブによるクルド人虐殺、イスラエルによるパレスチナ人虐殺が日常茶飯事に行われています。そんなのはどうでもいいのでしょうか。はっきり言って現実味がありません。歌で平和が得られたら楽なんですけどね。ただの今の戦争は従来の戦争と違い、民衆が死ぬ。20世紀以降の戦争は言わばそうです。フセインにもし指導者としての誇りが少しでもあるのなら、亡命しなさい。悪いのはあなたなんですから。
また風邪なのにこんな長文書いてしまった。。次の更新は土曜日。
今週末は遂に「ボウリング・フォー・コロンバイン」が関西上陸。すさまじいヒットが予想されます。私はみなみ会館に行こうと思いますが、満員は確実。整理券とか出すんやろか。ただでさえヒットする映画なのに、こういう事態ですからねえ。こわや、こわや。
このサイトは映画サイトですので、具体的には書きませんがアメリカについて一言。アメリカの狙いはフセインの追放などではなく、アラブのど真ん中に親米政権を打ち込むこと。冷戦終結後、アメリカの敵は第三国。アラブの民主化を旗印にOPECを解体して石油を牛耳る。イスラム教を盾に民主化を拒んできたアラブ社会を崩壊させます。次の敵はインド、パキスタンと東に進み、最後の敵は中国です。でもまあ安心なさい。多分、そこまでは行きません。こう書くと「アメリカ、むかつく」と思われるでしょうが石油が欲しいのは日本も一緒。アメリカを頼むしかないのです。ヨーロッパは日本と違い、資源が多数あります。立場は全然違う。
ただ一つだけ憂慮せねばならないのは従来と違い、小泉政権がはっきりアメリカ支持を打ち出したことです。元外務大臣の河野がコメントしてましたが、「従来通りの嫌々賛成」を示す方がよかったと思います。フランスにせよ、韓国にせよ、ドイツにせよ、ポーズは反対ですが軍隊は派遣しています。外交がキチンと動いているのです。それに対して日本は現在、外交がほとんど機能していません。大臣自身が「外交努力でできることは既に終わった」とコメントしてるぐらいですからね。クビにしろ、と思います。イラクは既に日本をアメリカ、イギリスに告ぐ「悪の枢軸」と見なしています。日本がテロの標的になったのは間違いないでしょう。
私自身は安易に「非戦」、「反戦」を叫ぶべきではないと考えています。何故ならば戦争なる手段は国際社会においてもっとも有力な外交カードであることは否めないからです。戦争というかたちで表面化しなくても、フセイン政権による反対派虐殺、アラブによるクルド人虐殺、イスラエルによるパレスチナ人虐殺が日常茶飯事に行われています。そんなのはどうでもいいのでしょうか。はっきり言って現実味がありません。歌で平和が得られたら楽なんですけどね。ただの今の戦争は従来の戦争と違い、民衆が死ぬ。20世紀以降の戦争は言わばそうです。フセインにもし指導者としての誇りが少しでもあるのなら、亡命しなさい。悪いのはあなたなんですから。
また風邪なのにこんな長文書いてしまった。。次の更新は土曜日。
ある邦画愛好者の叫び
2003年3月17日 今まで日本映画の応援をしてきておぼろげながら気付いてきた。そのきっかけになった記事が下にある。
http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_03/2t2003031713.html
何が、「Vシネマ俳優、映画に殴りこみ」じゃ、ゴルァ!現実を知らぬのも甚だしい。竹内兄貴はVシネマの出演も多いが、映画出演もめちゃくちゃ多い。しかも明らかにVシネを見下しておる。随分おエラクなったもんやな、フジサンケイちゃんは。スカラ座やブルクでやるのだけが映画やないぞ、Vシネと映画に明確な垣根などない。「カオルちゃん最強伝説 エピソードファイナル」を見てみろや。「週刊バビロン」を見ろや。「黄泉がえり」なんぞよりもずっとおもろいぞ
5年間、映画見てきてわかったことが一つ。日本映画が駄目なのは、俳優、監督、脚本が駄目やない。東宝を始めとした、大手の製作会社がドアホやからや。ベンチがアホでは、働けん。それから、フジサンケイを始めとするクソマスゴミ。こいつらが結託してクソ邦画を連作し続けて日本映画にはまともな観客がつかんようになった。
東宝は内容じゃ客が入らんから、映画館ばっかり大きくしとる。その行き先に見えるのは一般2000円。アホか。誰も見に行かんわ!このデフレの世の中でどうして映画代だけが安くならんのだ?もはや日本映画を愛するまともな客は家でVシネを見ておる。
私は昨今、映画館に封切りの邦画を見るのが厭になってきた。特に昨年の「トリック」のヒットでつくづく厭になった。家で深作の映画を見ておる方がよっぽど楽しめる。映画ファン全体で年間日本映画年間20本以上見てる奴がいくらほどおる?多分、20人に1人もおらんだろう。年間100本の洋画を見ても10本も邦画は見ない。私はそうした状況を否定するように年間30本ほどの邦画を見続けてきた。しかし、年間10本も邦画見ない奴を間違ってる、とは死んでも言えない。堤とか石井克人の映画見るぐらいなら「チャーリーズエンジェル」を見る方が200倍ぐらい価値がある。つくづく、あほらしくなった。
ただそれでも私は日本映画を見続けるだろう。玉石石石石石混合状態ではあるが、歯を食いしばって映画を作ってる映画人がおる。またそんな映画を採算度外視で上映する館主もおる。日本映画を愛する人はまだいる。私もその一人になりたいと思う。
http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_03/2t2003031713.html
何が、「Vシネマ俳優、映画に殴りこみ」じゃ、ゴルァ!現実を知らぬのも甚だしい。竹内兄貴はVシネマの出演も多いが、映画出演もめちゃくちゃ多い。しかも明らかにVシネを見下しておる。随分おエラクなったもんやな、フジサンケイちゃんは。スカラ座やブルクでやるのだけが映画やないぞ、Vシネと映画に明確な垣根などない。「カオルちゃん最強伝説 エピソードファイナル」を見てみろや。「週刊バビロン」を見ろや。「黄泉がえり」なんぞよりもずっとおもろいぞ
5年間、映画見てきてわかったことが一つ。日本映画が駄目なのは、俳優、監督、脚本が駄目やない。東宝を始めとした、大手の製作会社がドアホやからや。ベンチがアホでは、働けん。それから、フジサンケイを始めとするクソマスゴミ。こいつらが結託してクソ邦画を連作し続けて日本映画にはまともな観客がつかんようになった。
東宝は内容じゃ客が入らんから、映画館ばっかり大きくしとる。その行き先に見えるのは一般2000円。アホか。誰も見に行かんわ!このデフレの世の中でどうして映画代だけが安くならんのだ?もはや日本映画を愛するまともな客は家でVシネを見ておる。
私は昨今、映画館に封切りの邦画を見るのが厭になってきた。特に昨年の「トリック」のヒットでつくづく厭になった。家で深作の映画を見ておる方がよっぽど楽しめる。映画ファン全体で年間日本映画年間20本以上見てる奴がいくらほどおる?多分、20人に1人もおらんだろう。年間100本の洋画を見ても10本も邦画は見ない。私はそうした状況を否定するように年間30本ほどの邦画を見続けてきた。しかし、年間10本も邦画見ない奴を間違ってる、とは死んでも言えない。堤とか石井克人の映画見るぐらいなら「チャーリーズエンジェル」を見る方が200倍ぐらい価値がある。つくづく、あほらしくなった。
ただそれでも私は日本映画を見続けるだろう。玉石石石石石混合状態ではあるが、歯を食いしばって映画を作ってる映画人がおる。またそんな映画を採算度外視で上映する館主もおる。日本映画を愛する人はまだいる。私もその一人になりたいと思う。
深作まつり第五夜「新仁義無き戦い 組長最後の日」
2003年3月13日 旅行に出かける前に本を二冊買い込みました。一冊は杉作を始めとする「仁義無きシリーズ」ファンが作った本「仁義無き戦い 浪漫アルバム」。98年に出された本です。もっと早く買っとけばよかった。「映画秘宝」の某企画で有名なギンティ・小林もおるでよ。
もう一冊は「KT」の脚本家・荒井晴彦が仁義無き戦いシリーズの脚本家である笠原和夫にインタビューを行ったものをまとめた「昭和の劇」。4000円以上もする、立派な本です。かなり面白いらしいので楽しみにしております。また感想もアップしていこうと思います。
さて今回の「深作まつり」ですが「新仁義無き戦い 組長最後の日」。73年から始まった「仁義無き戦い」シリーズの最後を飾ったのがこの作品でした
麻薬売買のいざこざから始まった大阪の米元組と九州・岩木組の抗争は岩木組長の殺害と言う衝撃的な出来事を招いた。岩木組の跡目を継いだ野崎は、米元を殺そうと刺客を差し向ける。しかし九州暴力団の頭である船田会長は、事態の収拾を図ろうと米元組の親組織である関西最大暴力団坂本組の坂本に面談を申し入れる。坂本は和睦するなら「組長には手を出さない」と明言。この言葉に九州ヤクザの組長連はしがみついたのだ。
話し合いは順調に進み、胸をなでおろした船田会長を始めとする九州ヤクザ幹部連。しかしその話し合いは野崎の放った刺客が捕まったことからきな臭くなる。幹部連は野崎を破門。ひたすら坂本組に許しを乞うた。あきれ果てた野崎は子分を連れて、坂本の乗るタクシーをダンプで襲撃。大阪を舞台にした惨劇が始まろうとしていた。。
「仁義無き戦い 広島死闘編」並みに登場人物がバシバシ死んでいく、ものすごく暗い作品。これに限らず「新仁義シリーズ」は3作品とも爽快感が全くありません。登場人物が思いいれ無しに殺されていきます。オカマによる謀殺、スパイによる乱射、生きながら焼却炉に掘り込む、シャブに狂う若衆、ダンプに轢かれる。。もうええわ。
坂本組長を演じるのは小沢栄太郎。現在、WOWWOWで放映中のドラマ「剣」でナレーションをやってましたが、スケールのでかい親分を気分よく演じています。成田三樹夫も相変わらずめちゃくちゃかっこいい。仁義無きシリーズ初参戦となる藤岡琢也も金子信夫と若山富三郎を足したような組長を好演してます。
従来のシリーズと違うところは文太演じるところの野崎が完全なヤクザではないところでしょう。元々は岩木組で働いていた土木作業員。それが親分を殺されたことで怒り狂い、ここまで事件を大きくしてしまう。ヤクザの社会では暴力はあくまで一つの手段であり、最終的には話し合いで手打ちします。ところが野崎はそうした腹芸が出来ない。坂本を取るんじゃ、の一点張り。相手を殺して仇を取ることしか頭にならない。こういうのが実は一番怖い。損得勘定を入れない奴等が一番厄介。そういう意味では「仁義無き戦い」という題名がふさわしくない作品なのかもしれません。
監督:深作欣二、脚本:高田宏治
出演:菅原文太、成田三樹夫、松原智恵子、和田浩治、藤岡琢也、尾藤イサオ、八名信夫、小沢栄太郎、桜木健一、地井武男
もう一冊は「KT」の脚本家・荒井晴彦が仁義無き戦いシリーズの脚本家である笠原和夫にインタビューを行ったものをまとめた「昭和の劇」。4000円以上もする、立派な本です。かなり面白いらしいので楽しみにしております。また感想もアップしていこうと思います。
さて今回の「深作まつり」ですが「新仁義無き戦い 組長最後の日」。73年から始まった「仁義無き戦い」シリーズの最後を飾ったのがこの作品でした
麻薬売買のいざこざから始まった大阪の米元組と九州・岩木組の抗争は岩木組長の殺害と言う衝撃的な出来事を招いた。岩木組の跡目を継いだ野崎は、米元を殺そうと刺客を差し向ける。しかし九州暴力団の頭である船田会長は、事態の収拾を図ろうと米元組の親組織である関西最大暴力団坂本組の坂本に面談を申し入れる。坂本は和睦するなら「組長には手を出さない」と明言。この言葉に九州ヤクザの組長連はしがみついたのだ。
話し合いは順調に進み、胸をなでおろした船田会長を始めとする九州ヤクザ幹部連。しかしその話し合いは野崎の放った刺客が捕まったことからきな臭くなる。幹部連は野崎を破門。ひたすら坂本組に許しを乞うた。あきれ果てた野崎は子分を連れて、坂本の乗るタクシーをダンプで襲撃。大阪を舞台にした惨劇が始まろうとしていた。。
「仁義無き戦い 広島死闘編」並みに登場人物がバシバシ死んでいく、ものすごく暗い作品。これに限らず「新仁義シリーズ」は3作品とも爽快感が全くありません。登場人物が思いいれ無しに殺されていきます。オカマによる謀殺、スパイによる乱射、生きながら焼却炉に掘り込む、シャブに狂う若衆、ダンプに轢かれる。。もうええわ。
坂本組長を演じるのは小沢栄太郎。現在、WOWWOWで放映中のドラマ「剣」でナレーションをやってましたが、スケールのでかい親分を気分よく演じています。成田三樹夫も相変わらずめちゃくちゃかっこいい。仁義無きシリーズ初参戦となる藤岡琢也も金子信夫と若山富三郎を足したような組長を好演してます。
従来のシリーズと違うところは文太演じるところの野崎が完全なヤクザではないところでしょう。元々は岩木組で働いていた土木作業員。それが親分を殺されたことで怒り狂い、ここまで事件を大きくしてしまう。ヤクザの社会では暴力はあくまで一つの手段であり、最終的には話し合いで手打ちします。ところが野崎はそうした腹芸が出来ない。坂本を取るんじゃ、の一点張り。相手を殺して仇を取ることしか頭にならない。こういうのが実は一番怖い。損得勘定を入れない奴等が一番厄介。そういう意味では「仁義無き戦い」という題名がふさわしくない作品なのかもしれません。
監督:深作欣二、脚本:高田宏治
出演:菅原文太、成田三樹夫、松原智恵子、和田浩治、藤岡琢也、尾藤イサオ、八名信夫、小沢栄太郎、桜木健一、地井武男
四国旅日記「讃岐うどんとわたくし」
2003年3月12日 春は卯月。長く続いた冬にうんざりした私は春風に背を押されるように旅に出た。行き先は四国。最初の二日は松山、金毘羅を家族と回る。二日目の夕刻、家族と別れ、過客として、小豆島、高松、屋島と回る3泊4日の旅である。先ほど「春風に背を押されるように」と書いたが、この4日間は雨こそ降らなかったが大層寒かった。四国は暖かいと聞いていたのだが。。
1日目。京都南インターを8時に出発し、家族を乗せた車は名神、山陽道を抜け、しまなみ海道に尾道から入る。運転手は私。ほぼ1年に渡る、記録的な教習所生活を経て取得した免許を得て5年。高速道路を走るのは初めてである。乗るまでは不安の連続であったが飛んで抜ければ夏の海。(by小林亜星)常時120キロを越えるスピードで走る快感はセックスに勝るとも劣らず。(いや劣るな)山陽道、しまなみ海道(税金の無駄使い その1)と土曜日ながら車が前に一つもなく、アヒャヒャ状態であっという間に最初の目的地、大三島に到着。大山祗神社にて参拝。(なお、昭和天皇の海洋研究からできたと言う海事博物館は鯨の胎児を始めとして、海がめの剥製、マンボウの標本など気持ちの悪いものばかり集めた腐れスポットであった。)夕方には今治を越えて道後温泉に到着。早速、道後温泉本館に向うが観光客が余りにも多く諦めてしまう。浴衣に丹前と言う観光客丸出しの格好で松山の夜をブラブラ。お土産用のタルトと讃岐うどんを買って早々に引き上げてしまう。
2日目。ホテルにて朝風呂とバイキングの朝食を楽しんで松山市立正岡子規博物館に立ち寄る。正岡子規の業績をしっかり紹介してくれる、見甲斐のある博物館で思わず1時間も逗留してしまう。松山城を訪れる予定もキャンセル。松山自動車道(税金の無駄使い その2)を飛ばして金毘羅に向う。昼過ぎに金毘羅到着。1時間かけてゆっくり参拝。うどん屋に立ち寄り、坂出に向う途中で丸亀にて車から降りる。ここから一人旅の始まりである。丸亀城をのぞいて夕方には高松に到着。駅前でレンタサイクルを借りて夜の高松をグルグル。
3日目。朝より小豆島に向う。当初、レンタサイクルで回る予定であったが、あまりの広さに諦めて定期観光バスを利用することにする。ガイドさんによると小豆島は山道が多く、競輪の選手の練習場としても利用されているらしい。定期観光バスは銚子渓、寒霞渓、二十四の瞳映画村、オリーブ公園と小豆島の観光地をくまなく回ってくれてとっても便利。しかも私を含んで客は3人。たっぷり堪能できた。寒霞渓はまた秋にでも行きたい。その後、尾崎放哉、土渕海峡に立ち寄って夕方に高松に帰還。小豆島の名産は醤油とオリーブ、そうめん。醤油ソフトクリームなる珍妙な食い物がある。醤油ソフトとは言え、キャラメルのような味がする。食う価値は。。。ないな。なお、ごま油の工場があるからか、町全体がごま油の匂いを放っている。臭い。
4日目。レンタサイクルにて高松市街をグルグル。菊地寛記念館、栗林公園、玉藻公園と見て回る。昼からは屋島にて四国村観光。夕方、私を乗せた高速バス神戸淡路鳴門自動車道(税金の無駄使い その3)を通り、京都に帰って行った。鳴門の渦に思わず、合掌。
四国に行くのは二回目になる。一度車で旅行してみたかったので今回はよい経験となった。今度は一人で行こうと思う。松山、高松はなかなか過ごしやすそうな街であった。街を歩いて気付くのは観光客の多さである。特に松山の道後温泉は大盛況であった。なお、その観光客のほとんどは関西である。東京にとっての箱根、草津のように四国は関西にとっての保養地、観光地のような位置を占めるようになっているのだ。
そのせいかわからないが、松山、高松共に風俗店がやたらに多かった。道後温泉の裏はストリップだらけである。高松も繁華街になると、かなり多い。客引きが強引で難渋した。
「名物にうまい物なし」とはよく言われるが必ずしもこの言葉は正しくない。松山のタルト、高松の讃岐うどん。いずれも一級品である。讃岐うどんに関しては最近、ブームになっておりあんまりいい感情を持っていなかった。有名店である「宮武うどん」を訪れたが行列までして食うのはアホらしいと引き返してしまった。しかし国道で見つけた、あんまり有名でない製麺所で一つ食べてみたのだが思わずうなってしまう。やわらかくてボリュームはあるのだが、コシが強い。いくら食べても厭きが来ない。
3日間で川福本店、上原屋本店、手打ちうどん めん、わら家とうどん屋を駆け巡った。特にうまかったのはわら家。「日本一のうどん屋」と看板にある。「看板に偽りなし」である。上原屋本店はうどんはもちろんだが天ぷら、コロッケなどのサイドメニューもとてもおいしい。
高松、松山と取り立てて印象に残る街ではなかったが旅が終わった今、私はとてもわびしい気持ちでこの日記を綴っている。旅が終わった翌日はいつもこうである。三木清は「人生論ノート」に「旅は非日常である」と書いた。旅の醍醐味は日常からの脱出である。たとえ隣町であろうとも、旅は旅である。しかし日常あってこその非日常というのも事実である。またもや旅に出る日を夢見て私は日常を生きるのだ。
1日目。京都南インターを8時に出発し、家族を乗せた車は名神、山陽道を抜け、しまなみ海道に尾道から入る。運転手は私。ほぼ1年に渡る、記録的な教習所生活を経て取得した免許を得て5年。高速道路を走るのは初めてである。乗るまでは不安の連続であったが飛んで抜ければ夏の海。(by小林亜星)常時120キロを越えるスピードで走る快感はセックスに勝るとも劣らず。(いや劣るな)山陽道、しまなみ海道(税金の無駄使い その1)と土曜日ながら車が前に一つもなく、アヒャヒャ状態であっという間に最初の目的地、大三島に到着。大山祗神社にて参拝。(なお、昭和天皇の海洋研究からできたと言う海事博物館は鯨の胎児を始めとして、海がめの剥製、マンボウの標本など気持ちの悪いものばかり集めた腐れスポットであった。)夕方には今治を越えて道後温泉に到着。早速、道後温泉本館に向うが観光客が余りにも多く諦めてしまう。浴衣に丹前と言う観光客丸出しの格好で松山の夜をブラブラ。お土産用のタルトと讃岐うどんを買って早々に引き上げてしまう。
2日目。ホテルにて朝風呂とバイキングの朝食を楽しんで松山市立正岡子規博物館に立ち寄る。正岡子規の業績をしっかり紹介してくれる、見甲斐のある博物館で思わず1時間も逗留してしまう。松山城を訪れる予定もキャンセル。松山自動車道(税金の無駄使い その2)を飛ばして金毘羅に向う。昼過ぎに金毘羅到着。1時間かけてゆっくり参拝。うどん屋に立ち寄り、坂出に向う途中で丸亀にて車から降りる。ここから一人旅の始まりである。丸亀城をのぞいて夕方には高松に到着。駅前でレンタサイクルを借りて夜の高松をグルグル。
3日目。朝より小豆島に向う。当初、レンタサイクルで回る予定であったが、あまりの広さに諦めて定期観光バスを利用することにする。ガイドさんによると小豆島は山道が多く、競輪の選手の練習場としても利用されているらしい。定期観光バスは銚子渓、寒霞渓、二十四の瞳映画村、オリーブ公園と小豆島の観光地をくまなく回ってくれてとっても便利。しかも私を含んで客は3人。たっぷり堪能できた。寒霞渓はまた秋にでも行きたい。その後、尾崎放哉、土渕海峡に立ち寄って夕方に高松に帰還。小豆島の名産は醤油とオリーブ、そうめん。醤油ソフトクリームなる珍妙な食い物がある。醤油ソフトとは言え、キャラメルのような味がする。食う価値は。。。ないな。なお、ごま油の工場があるからか、町全体がごま油の匂いを放っている。臭い。
4日目。レンタサイクルにて高松市街をグルグル。菊地寛記念館、栗林公園、玉藻公園と見て回る。昼からは屋島にて四国村観光。夕方、私を乗せた高速バス神戸淡路鳴門自動車道(税金の無駄使い その3)を通り、京都に帰って行った。鳴門の渦に思わず、合掌。
四国に行くのは二回目になる。一度車で旅行してみたかったので今回はよい経験となった。今度は一人で行こうと思う。松山、高松はなかなか過ごしやすそうな街であった。街を歩いて気付くのは観光客の多さである。特に松山の道後温泉は大盛況であった。なお、その観光客のほとんどは関西である。東京にとっての箱根、草津のように四国は関西にとっての保養地、観光地のような位置を占めるようになっているのだ。
そのせいかわからないが、松山、高松共に風俗店がやたらに多かった。道後温泉の裏はストリップだらけである。高松も繁華街になると、かなり多い。客引きが強引で難渋した。
「名物にうまい物なし」とはよく言われるが必ずしもこの言葉は正しくない。松山のタルト、高松の讃岐うどん。いずれも一級品である。讃岐うどんに関しては最近、ブームになっておりあんまりいい感情を持っていなかった。有名店である「宮武うどん」を訪れたが行列までして食うのはアホらしいと引き返してしまった。しかし国道で見つけた、あんまり有名でない製麺所で一つ食べてみたのだが思わずうなってしまう。やわらかくてボリュームはあるのだが、コシが強い。いくら食べても厭きが来ない。
3日間で川福本店、上原屋本店、手打ちうどん めん、わら家とうどん屋を駆け巡った。特にうまかったのはわら家。「日本一のうどん屋」と看板にある。「看板に偽りなし」である。上原屋本店はうどんはもちろんだが天ぷら、コロッケなどのサイドメニューもとてもおいしい。
高松、松山と取り立てて印象に残る街ではなかったが旅が終わった今、私はとてもわびしい気持ちでこの日記を綴っている。旅が終わった翌日はいつもこうである。三木清は「人生論ノート」に「旅は非日常である」と書いた。旅の醍醐味は日常からの脱出である。たとえ隣町であろうとも、旅は旅である。しかし日常あってこその非日常というのも事実である。またもや旅に出る日を夢見て私は日常を生きるのだ。
古き良き時代のヤクザ「日本暴力団 組長」
2003年3月6日 1969年の作品。主演は松竹、東宝、東映と渡り歩いた鶴田浩二。そういや鶴田浩二の映画ってそんなに見てないな。。主演した作品で見たのは東京の三百人劇場で見た「人生劇場 飛車角と吉良常」ぐらいか。後年の作品しか見てないのでどうしてもヤクザ映画のイメージが強いです。
時は昭和。関西最大の暴力団淡野組は全国統一をもくろんでいた。参謀・椿五郎は関東進出に当たり、横浜の一家・浜中組と手を結んだ。浜中組は関東を地盤とする、関東連合会と仲が悪く、小競り合いを繰り返していた。浜中組は淡野組をバックとして関東連合と本格的な抗争に突入。進出にあたり、自分の手を汚さずして手に入れる。所謂代理戦争を仕掛けることで淡野組は戦力を拡大してきたのだった。
そんなある日、浜中組の幹部である塚本が出所してくる。出所したばかりの塚本は弟分よりとんでもないことを聞かされる。親分の浜中が関東連合の刺客に襲われたというのだ。虫の息で浜中は淡野組の先兵となったことを悔い、関係を絶つように言い残す。
組を背負うことになった塚本はかつての兄弟分である椿五郎と再会し、中立を守ることを宣言する。椿にすれば、代理戦争のコマは何でもいい。関東連合の嫌われ者である、愚連隊の北竜会を支援。ところがこの北竜会の宮原の狙いは横浜であった。宮原は横浜に乗り込み、塚本と対決するが。。
宮原を演じる若山富三郎が凄い。手のつけられない乱暴者だが意外に可愛いところがある、と言ったヤクザです。「トリプルX」のザンダーを思い出しました。「おれよ。。あんたと兄弟分になりてえんだ。。」と詰まりながら言うシーンは圧巻。若山富三郎だけじゃなくて出てくる登場人物がどこかテンパってます。兄貴の為に死んでいく菅原文太にしてもそうですし、安藤昇に至っては何で出てきたのか、よくわかりません。ちなみに安藤昇はご存知のとおり、元愚連隊。後にホテルニュージャパンを経営する横井英樹の襲撃事件での入獄後に俳優に転身。数多くの映画に出演しました。ただこの頃はまだ演技が大根。
我慢に我慢を重ねた男が最後にドス一本で単身乗り込んでいく。。典型的なヤクザ映画なれどなかなか、楽しめました。
監督:深作欣二、脚本:神波史男、深作欣二、長田紀生
鶴田浩二、安藤昇、菅原文太、中原早苗、内田朝雄、佐々木孝丸、内田良平、河津清三郎、若山富三郎
時は昭和。関西最大の暴力団淡野組は全国統一をもくろんでいた。参謀・椿五郎は関東進出に当たり、横浜の一家・浜中組と手を結んだ。浜中組は関東を地盤とする、関東連合会と仲が悪く、小競り合いを繰り返していた。浜中組は淡野組をバックとして関東連合と本格的な抗争に突入。進出にあたり、自分の手を汚さずして手に入れる。所謂代理戦争を仕掛けることで淡野組は戦力を拡大してきたのだった。
そんなある日、浜中組の幹部である塚本が出所してくる。出所したばかりの塚本は弟分よりとんでもないことを聞かされる。親分の浜中が関東連合の刺客に襲われたというのだ。虫の息で浜中は淡野組の先兵となったことを悔い、関係を絶つように言い残す。
組を背負うことになった塚本はかつての兄弟分である椿五郎と再会し、中立を守ることを宣言する。椿にすれば、代理戦争のコマは何でもいい。関東連合の嫌われ者である、愚連隊の北竜会を支援。ところがこの北竜会の宮原の狙いは横浜であった。宮原は横浜に乗り込み、塚本と対決するが。。
宮原を演じる若山富三郎が凄い。手のつけられない乱暴者だが意外に可愛いところがある、と言ったヤクザです。「トリプルX」のザンダーを思い出しました。「おれよ。。あんたと兄弟分になりてえんだ。。」と詰まりながら言うシーンは圧巻。若山富三郎だけじゃなくて出てくる登場人物がどこかテンパってます。兄貴の為に死んでいく菅原文太にしてもそうですし、安藤昇に至っては何で出てきたのか、よくわかりません。ちなみに安藤昇はご存知のとおり、元愚連隊。後にホテルニュージャパンを経営する横井英樹の襲撃事件での入獄後に俳優に転身。数多くの映画に出演しました。ただこの頃はまだ演技が大根。
我慢に我慢を重ねた男が最後にドス一本で単身乗り込んでいく。。典型的なヤクザ映画なれどなかなか、楽しめました。
監督:深作欣二、脚本:神波史男、深作欣二、長田紀生
鶴田浩二、安藤昇、菅原文太、中原早苗、内田朝雄、佐々木孝丸、内田良平、河津清三郎、若山富三郎
関西圏の今週末封切&公開中映画、今週見た映画の感想などなど
2003年3月5日【来週の鑑賞予定】
007がスタート。もうこんなのいいからさ、「ボウリング・フォー・コロンバイン」を早くやってくれや。関西では3月22日からレイトショーで先行上映だそうですが、とっとと枠広げてお願いします。京都ではみなみ会館での上映が決まっていますが美松劇場でもやって欲しい。お願いしますよ、本当に。たいして見る映画がないのよ、ホンマに。
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆戦場のピアニスト(京都スカラ座)
×ドラえもん(京都宝塚)
→クレしんと違って、大人の鑑賞に耐え得るアニメじゃない。
△ノーグッドシングス(京極東宝)
→ミラジョボヴィッチとサミュエルジャクソンの共演というのはすげえのだが予告を見た感じ、つまんなさそうだった。直感を信じるべきか、二人を信じるべきか。。
☆レッド・ドラゴン(京極東宝)
×ビロウ(京極東宝)
×リロ&スティッチ(東宝公楽)
→どっかで聞いたようなストーリーだな、おい。恥ずかしくないのか?
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
×ダークネス(Movix京都)
×デュラス/愛の最終章(Movix京都)
×東映あにめ祭(Movix京都)
☆ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(Movix京都)
☆007/ダイ・アナザー・ディ(Movix京都)
→見て損は無いけど見なくても別にいいよ
×ラベンダー(弥生座)
×モンテ・クリスト伯(弥生座)
☆ストーカー(美松)
×ホワイト・オランダー(美松)
○猟奇的な彼女(美松)
→見てきた弟によると面白かったそうなんで見る候補入り。
☆アカルイミライ(みなみ会館)
☆刑事まつり(みなみ会館)
×呪怨(みなみ会館)
→こういうの苦手。へたれと言われようが私は逃げます。
☆酔っ払った馬の時間(みなみ会館)
→クルド人の過酷な映画。そのクルド人の弾圧にイラクが一枚かんでるのを忘れるなや。
<大阪>
△ウェルカム!ヘブン(テアトル梅田)
→あらすじを読んでもどんな映画なのか見当つかん
○猟奇的な彼女(テアトル梅田)
○SWEET SIXTEEN(梅田ガーデンシネマ)
→これですか、井筒が褒め倒してた映画は。なんかめちゃくちゃ暗そう。京都に来るのを待つか。
☆スコルピオンの恋まじない(梅田ガーデンシネマ)
×抱擁(梅田ガーデンシネマ)
→興味なし
×ラベンダー(シネ・リーブル梅田)
△裸足の1500マイル(シネ・リーブル梅田)
→どうかな〜興味はあるんだけど。う〜む
☆アカルイミライ(シネ・リーブル梅田)
○宣戦布告(ホクテンザ1)
→ビデオ出てるしな。。でもやっぱスクリーンで見たいなあ
☆クリスティーナの好きなコト(三番街シネマ)
○首領への道(ナナゲイ)
×ROUND1(パラダイススクエア)
→ストーリーはなかなか面白そうだが主演が畑山。期待するのは如何なものか。
☆理髪店主の悲しみ(シネフェスタ)
<ビデオ>
今週もなし。WOWWOWの「剣」を見てます。
<今週見た映画>
アカルイミライ 2/27 みなみ会館
→感想書き出したはいいが、結局完成せずに捨ててしまいました。とにかくこの映画は難解。黒沢清の作品はこういう作品とホラーの2種類ありますね。う〜む。。
クリスティーナの好きなコト 3/1 三番街シネマ
→これはキャメロンディアス版「アリーmyLove」だな。キャメロンディアスのファンにとってはいいかもしれませんが、それ以外の人にはたいしたことない作品。色々な仕事するね、この人。
理髪店主の悲しみ 3/1 動物園前シネフェスタ4(SCREEN4)
→マゾというのは考えようによっては凄くいい人なんだよな。恋愛の形は色々すぎてゲップが出ました。
バティニョールおじさん 3/1 テアトル梅田2
→市井のおじさんの小さな勇気。主人公のおっちゃんが少し宗男に似てるな。
ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
007がスタート。もうこんなのいいからさ、「ボウリング・フォー・コロンバイン」を早くやってくれや。関西では3月22日からレイトショーで先行上映だそうですが、とっとと枠広げてお願いします。京都ではみなみ会館での上映が決まっていますが美松劇場でもやって欲しい。お願いしますよ、本当に。たいして見る映画がないのよ、ホンマに。
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆戦場のピアニスト(京都スカラ座)
×ドラえもん(京都宝塚)
→クレしんと違って、大人の鑑賞に耐え得るアニメじゃない。
△ノーグッドシングス(京極東宝)
→ミラジョボヴィッチとサミュエルジャクソンの共演というのはすげえのだが予告を見た感じ、つまんなさそうだった。直感を信じるべきか、二人を信じるべきか。。
☆レッド・ドラゴン(京極東宝)
×ビロウ(京極東宝)
×リロ&スティッチ(東宝公楽)
→どっかで聞いたようなストーリーだな、おい。恥ずかしくないのか?
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
×ダークネス(Movix京都)
×デュラス/愛の最終章(Movix京都)
×東映あにめ祭(Movix京都)
☆ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(Movix京都)
☆007/ダイ・アナザー・ディ(Movix京都)
→見て損は無いけど見なくても別にいいよ
×ラベンダー(弥生座)
×モンテ・クリスト伯(弥生座)
☆ストーカー(美松)
×ホワイト・オランダー(美松)
○猟奇的な彼女(美松)
→見てきた弟によると面白かったそうなんで見る候補入り。
☆アカルイミライ(みなみ会館)
☆刑事まつり(みなみ会館)
×呪怨(みなみ会館)
→こういうの苦手。へたれと言われようが私は逃げます。
☆酔っ払った馬の時間(みなみ会館)
→クルド人の過酷な映画。そのクルド人の弾圧にイラクが一枚かんでるのを忘れるなや。
<大阪>
△ウェルカム!ヘブン(テアトル梅田)
→あらすじを読んでもどんな映画なのか見当つかん
○猟奇的な彼女(テアトル梅田)
○SWEET SIXTEEN(梅田ガーデンシネマ)
→これですか、井筒が褒め倒してた映画は。なんかめちゃくちゃ暗そう。京都に来るのを待つか。
☆スコルピオンの恋まじない(梅田ガーデンシネマ)
×抱擁(梅田ガーデンシネマ)
→興味なし
×ラベンダー(シネ・リーブル梅田)
△裸足の1500マイル(シネ・リーブル梅田)
→どうかな〜興味はあるんだけど。う〜む
☆アカルイミライ(シネ・リーブル梅田)
○宣戦布告(ホクテンザ1)
→ビデオ出てるしな。。でもやっぱスクリーンで見たいなあ
☆クリスティーナの好きなコト(三番街シネマ)
○首領への道(ナナゲイ)
×ROUND1(パラダイススクエア)
→ストーリーはなかなか面白そうだが主演が畑山。期待するのは如何なものか。
☆理髪店主の悲しみ(シネフェスタ)
<ビデオ>
今週もなし。WOWWOWの「剣」を見てます。
<今週見た映画>
アカルイミライ 2/27 みなみ会館
→感想書き出したはいいが、結局完成せずに捨ててしまいました。とにかくこの映画は難解。黒沢清の作品はこういう作品とホラーの2種類ありますね。う〜む。。
クリスティーナの好きなコト 3/1 三番街シネマ
→これはキャメロンディアス版「アリーmyLove」だな。キャメロンディアスのファンにとってはいいかもしれませんが、それ以外の人にはたいしたことない作品。色々な仕事するね、この人。
理髪店主の悲しみ 3/1 動物園前シネフェスタ4(SCREEN4)
→マゾというのは考えようによっては凄くいい人なんだよな。恋愛の形は色々すぎてゲップが出ました。
バティニョールおじさん 3/1 テアトル梅田2
→市井のおじさんの小さな勇気。主人公のおっちゃんが少し宗男に似てるな。
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歴史に残らない物語「パティニョールおじさん」
2003年3月4日 今や普通の配給会社になった感のあるアルバトロスの配給作品。アルバトロスも変わりましたね。昔は「キラーコンドーム」とか「クイーンコング」とか「誰が見るねん、こんなん」みたいな作品ばっかり配給してましたが、「アメリ」のヒットで「こじゃれた」映画を配給する会社だと世間では思われてます。今度、アルバトロスで買い付けやってる叶井さんをモデルにしたドラマが始まるなんて噂あります。一発当てるとすごいなあ。。この業界。叶井さんが書いてる「映画秘宝」のコラム読むと叶井さん自身はアルバ=こじゃれ系、というのはあんまり好きじゃないらしく、「えびボクサー」(ハリボテのエビがボクシングするらしい)とかわけのわからん作品も相変わらず買い付けしておられます。頑張れ。
舞台は1942年のパリ。フランスはドイツとの戦いに敗れ、当時、パリはナチスドイツの支配下にあった。ドイツ軍はフランス国民に対し、ユダヤ人検挙の協力を命じる。ひっそりと肉屋を営むパティニョールはある朝、肉の一部がなくなっていることに気付く。娘婿になる予定のピエール=ジャンに隣人のバーンスタイン家の子供ではないか、とパティニョールに告げる。バーンスタインはユダヤ人の医者で元々、気が合わなかったこともあってパティニョールはバーンスタインに食ってかかる。しかし、これは全くの濡れ衣であった。ピエール=ジャンはナチスの協力者であり、バーンスタインを告発しようとしていたのだ。早速、駆けつけるゲシュタポにバーンスタイン一家は残らず捕まえられてしまうのだった。バーンスタイン一家は今朝、スイスに亡命する予定だった。
図らずも協力者になってしまったバティニョール。ドイツ軍のスプライヒ大佐は多いに喜び、バーンスタイン家が住んでいた大きなアパートの一室がバティニョールに与えられることになった。パティニョールは第一次世界大戦でドイツと戦った兵士。複雑な気分であった。
ある晩、ドイツ軍のパーティがパティニョール家で行われた。パーティもたけなわ、その時、来客を告げるベルがなった。パティニョールは客人を出迎えに玄関に向った。彼がそこで見たのは、できあがったドイツ兵でも近所のフランス人でもなかった。そこにいたのはバーンスタイン家の子供であるシモンだった。家族の中で彼一人がうまく逃げおおせたのだ。慌てて屋根裏部屋にシモンを隠すパティニョール。誰かが向えに来てくれると信じるシモンであったが、親戚は既に収容所に送られており、協力者も残らず逮捕されていた。何とかシモンを亡命させようとするパティニョール。彼にある密輸業者が問うた。
「そこまでする価値があるのか?」
「俺にはある」
やがてパティニョールはすべてを捨て、シモンと共にスイスに向うのだった。。
フランスは二度の大戦でドイツと戦っています。一次大戦中では勝ち、二次大戦中ではドイツの占領下に落ち、ピシー政府というドイツに協力的な政府を作らされています。レジスタンスばかりが歴史に取上げられますが中にはドイツに協力的なフランス人もいました。この映画の主人公であるパティニョールはドイツに対して批判的であるものの、かと言って、レジスタンスに参加していたわけではない。言わば普通の人でした。我々はともすれば忘れがちですが、大部分の人はこうした人々だったのです。
パティニョールがどうしてシモンをかばったのか。それには自分が図らずも協力者になってしまった負い目もあるでしょう。しかしそれよりも、困った人をほっとけない、という人間の本能的なところから出た行動である、という方がしっくり来ると思います。
話はかなり湿っぽいのですが、笑える部分も多く、楽しくみてられる作品です。ステレオタイプの”ナチスもの”でなく、軽く仕上げられた作品です。監督もパンフレットで語ってますが「ライフイズビューティフル」を意識した作品になっています。大阪では今週で上映が終了しますが、京都では4月中旬よりMOVIX京都にて公開。お見逃しあるな。
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舞台は1942年のパリ。フランスはドイツとの戦いに敗れ、当時、パリはナチスドイツの支配下にあった。ドイツ軍はフランス国民に対し、ユダヤ人検挙の協力を命じる。ひっそりと肉屋を営むパティニョールはある朝、肉の一部がなくなっていることに気付く。娘婿になる予定のピエール=ジャンに隣人のバーンスタイン家の子供ではないか、とパティニョールに告げる。バーンスタインはユダヤ人の医者で元々、気が合わなかったこともあってパティニョールはバーンスタインに食ってかかる。しかし、これは全くの濡れ衣であった。ピエール=ジャンはナチスの協力者であり、バーンスタインを告発しようとしていたのだ。早速、駆けつけるゲシュタポにバーンスタイン一家は残らず捕まえられてしまうのだった。バーンスタイン一家は今朝、スイスに亡命する予定だった。
図らずも協力者になってしまったバティニョール。ドイツ軍のスプライヒ大佐は多いに喜び、バーンスタイン家が住んでいた大きなアパートの一室がバティニョールに与えられることになった。パティニョールは第一次世界大戦でドイツと戦った兵士。複雑な気分であった。
ある晩、ドイツ軍のパーティがパティニョール家で行われた。パーティもたけなわ、その時、来客を告げるベルがなった。パティニョールは客人を出迎えに玄関に向った。彼がそこで見たのは、できあがったドイツ兵でも近所のフランス人でもなかった。そこにいたのはバーンスタイン家の子供であるシモンだった。家族の中で彼一人がうまく逃げおおせたのだ。慌てて屋根裏部屋にシモンを隠すパティニョール。誰かが向えに来てくれると信じるシモンであったが、親戚は既に収容所に送られており、協力者も残らず逮捕されていた。何とかシモンを亡命させようとするパティニョール。彼にある密輸業者が問うた。
「そこまでする価値があるのか?」
「俺にはある」
やがてパティニョールはすべてを捨て、シモンと共にスイスに向うのだった。。
フランスは二度の大戦でドイツと戦っています。一次大戦中では勝ち、二次大戦中ではドイツの占領下に落ち、ピシー政府というドイツに協力的な政府を作らされています。レジスタンスばかりが歴史に取上げられますが中にはドイツに協力的なフランス人もいました。この映画の主人公であるパティニョールはドイツに対して批判的であるものの、かと言って、レジスタンスに参加していたわけではない。言わば普通の人でした。我々はともすれば忘れがちですが、大部分の人はこうした人々だったのです。
パティニョールがどうしてシモンをかばったのか。それには自分が図らずも協力者になってしまった負い目もあるでしょう。しかしそれよりも、困った人をほっとけない、という人間の本能的なところから出た行動である、という方がしっくり来ると思います。
話はかなり湿っぽいのですが、笑える部分も多く、楽しくみてられる作品です。ステレオタイプの”ナチスもの”でなく、軽く仕上げられた作品です。監督もパンフレットで語ってますが「ライフイズビューティフル」を意識した作品になっています。大阪では今週で上映が終了しますが、京都では4月中旬よりMOVIX京都にて公開。お見逃しあるな。
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これも一つの愛「理髪店主のかなしみ」
2003年3月3日 来週の月曜日は旅行の為にお休みをいただきますので今週は2本更新します。まずは田口トモロヲ主演の「理髪店主のかなしみ」。原作は京都出身のひさうちみちおの漫画です。ひさうちさんと言うと、京都在住の私としてはどうしても「バスDEコロコロ」の印象が強い。京都をブラブラ歩いて紹介する、というお手軽な番組で越前家俵太とやっていました。当時、大学生だった私はよくロケしているところを見ました。深夜枠なれど視聴率は取ってたようなので2年ぐらいやってました。毎週見ていた私にとっては懐かしい番組です。まあそれはともかく。。
街の片隅にある小さな床屋の店主には大きな秘密がありました。彼は少年時代、大変ませた子で家庭教師のお姉さまに憧れていました。しかしそのお姉さまは完全なサドで理髪店主にことあるごとにお仕置きをしていました。「子供のくせにいやらしい!私の椅子になりなさい!」と彼女に踏んづけられ、顔に腰掛けられる理髪店主。そして時は過ぎて彼は大人になりました。女性を脚を崇拝し、いじめられることに快感を得るという素敵な大人に。
ある日、彼は電車の中で足の美しい女性、麗子さんに出会います。脚線美に惚れた彼は彼女が働く靴屋にプレゼントに買いに行きます。品物を選ぶ為にたくさんのハイヒールを履いてくれる麗子さん。彼はその後、彼女を食事に誘いますがあっけなく断られてしまいます。
悶々とするある日、突然麗子さんが理髪店に飛び込んできました。麗子さんは理髪店の常連であるヤクザの坂口の愛人だったのです。坂口は典型的なサドで麗子さんを殴りつけることで快感を得ていました。麗子さんはそんな坂口に嫌気がさし、逃げてきたのです。「愛する人の為なら例え死んでもかまわない」という典型的なマゾである理髪店主は坂口を殺すことを決意するのですが。。
監督はピンク映画を多く撮ってきた廣木隆一。「刑事まつり」にも参加しています。実はこの人の作品を見るのは初めて。「不貞の季節」とか「東京ゴミ女」、「美脚迷路」とか見に行こうかなと思った作品もあるのですが、この映画が初めてになってしまいました。主演のトモロヲちゃんとは幾度も組んでいます。
最近、真面目な役が多かったトモロヲちゃんが鬱憤を晴らすかのようにのびのびと演技してるのが嬉しい。”「プロジェクトX」でナレーションやってる”人として有名になって「AERA」の表紙まで飾って人に知られる俳優としての道を着々と歩んでいるトモロヲちゃんも好きですが、こうした”どうしようもない”男を演じるこうした部分も、とても好き。マゾっぷりを発揮したところではほとんどサウスパークのギャリソン先生になっていました。
脇役もなかなかいいです。「うなぎ」で変態役をやった柄本明もそのチンポをしゃぶらされる千原兄もいい。それから、ひふみかおりさんはいつのまにか、こんな役をやるようになっていたのですね。「明けない空」とか好きだったんだけどね。でもこの役はよかった。ひふみかおりやったら、一発ぐらいどつかれてもいいか。「美脚迷路」にも出てるそうなんで、借りよっと。
はたから見てると殴ったり蹴ったりしてるようにしか見えていませんがSMプレイは愛情がなければできないプレイだそうです。そんなん、やったこともありませんし、(今の段階では)やりたいとも思いませんがあのプレイというのは他人にはわからない、何か深いもので結ばれていなければできません。遠藤憲一主演の「歯医者」という作品もSMを題材にした作品でしたが、深い夫婦愛がないと地面に埋めたり(!)とかできないそうです。あんまり関わりたくない世界ですが恋愛の突き詰めた、一つの形なのでしょう。映画を見終わると、こうした関係が羨ましくなってくるから不思議。
動物園前シネフェスタにて二週間の限定公開。レイトショーと思いきや、何故かお昼にも上映しています。なお京都にても弥生座ナイトムービーにて公開されます。このナイトムービー企画は長続きして欲しいのでみんな行きましょう。
明日は「バティニョールおじさん」です。
理髪店主の悲しみ
監督:廣木隆一 脚本:及川章太郎
出演:田口トモロヲ、須之内美帆子、ひふみかおり、千原靖史、ひさうちみちお、田中要次、中村麻実、柄本明
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街の片隅にある小さな床屋の店主には大きな秘密がありました。彼は少年時代、大変ませた子で家庭教師のお姉さまに憧れていました。しかしそのお姉さまは完全なサドで理髪店主にことあるごとにお仕置きをしていました。「子供のくせにいやらしい!私の椅子になりなさい!」と彼女に踏んづけられ、顔に腰掛けられる理髪店主。そして時は過ぎて彼は大人になりました。女性を脚を崇拝し、いじめられることに快感を得るという素敵な大人に。
ある日、彼は電車の中で足の美しい女性、麗子さんに出会います。脚線美に惚れた彼は彼女が働く靴屋にプレゼントに買いに行きます。品物を選ぶ為にたくさんのハイヒールを履いてくれる麗子さん。彼はその後、彼女を食事に誘いますがあっけなく断られてしまいます。
悶々とするある日、突然麗子さんが理髪店に飛び込んできました。麗子さんは理髪店の常連であるヤクザの坂口の愛人だったのです。坂口は典型的なサドで麗子さんを殴りつけることで快感を得ていました。麗子さんはそんな坂口に嫌気がさし、逃げてきたのです。「愛する人の為なら例え死んでもかまわない」という典型的なマゾである理髪店主は坂口を殺すことを決意するのですが。。
監督はピンク映画を多く撮ってきた廣木隆一。「刑事まつり」にも参加しています。実はこの人の作品を見るのは初めて。「不貞の季節」とか「東京ゴミ女」、「美脚迷路」とか見に行こうかなと思った作品もあるのですが、この映画が初めてになってしまいました。主演のトモロヲちゃんとは幾度も組んでいます。
最近、真面目な役が多かったトモロヲちゃんが鬱憤を晴らすかのようにのびのびと演技してるのが嬉しい。”「プロジェクトX」でナレーションやってる”人として有名になって「AERA」の表紙まで飾って人に知られる俳優としての道を着々と歩んでいるトモロヲちゃんも好きですが、こうした”どうしようもない”男を演じるこうした部分も、とても好き。マゾっぷりを発揮したところではほとんどサウスパークのギャリソン先生になっていました。
脇役もなかなかいいです。「うなぎ」で変態役をやった柄本明もそのチンポをしゃぶらされる千原兄もいい。それから、ひふみかおりさんはいつのまにか、こんな役をやるようになっていたのですね。「明けない空」とか好きだったんだけどね。でもこの役はよかった。ひふみかおりやったら、一発ぐらいどつかれてもいいか。「美脚迷路」にも出てるそうなんで、借りよっと。
はたから見てると殴ったり蹴ったりしてるようにしか見えていませんがSMプレイは愛情がなければできないプレイだそうです。そんなん、やったこともありませんし、(今の段階では)やりたいとも思いませんがあのプレイというのは他人にはわからない、何か深いもので結ばれていなければできません。遠藤憲一主演の「歯医者」という作品もSMを題材にした作品でしたが、深い夫婦愛がないと地面に埋めたり(!)とかできないそうです。あんまり関わりたくない世界ですが恋愛の突き詰めた、一つの形なのでしょう。映画を見終わると、こうした関係が羨ましくなってくるから不思議。
動物園前シネフェスタにて二週間の限定公開。レイトショーと思いきや、何故かお昼にも上映しています。なお京都にても弥生座ナイトムービーにて公開されます。このナイトムービー企画は長続きして欲しいのでみんな行きましょう。
明日は「バティニョールおじさん」です。
理髪店主の悲しみ
監督:廣木隆一 脚本:及川章太郎
出演:田口トモロヲ、須之内美帆子、ひふみかおり、千原靖史、ひさうちみちお、田中要次、中村麻実、柄本明
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深作まつり開催!第三回「火宅の人」
2003年2月27日 「深作まつり」第三弾は「火宅の人」。壇ふみのお父さんであり、小説家の壇一雄の遺作となった私小説の映画化です。映画の始めにも説明がありますが、「火宅」とは「煩悩の止む時が無く、安らぎを得ない」という意味の仏教用語です。
作家・桂一雄には5人の子供と妻がいた。妻・ヨリ子は後妻であり、腹違いの子を含む5人の子供を育てていた。小説家としての彼のキャリアは順調であり、ヨリ子もよく頑張っていた。しかし、その何不自由ない生活を壊したのは子供の病気であった。次郎は日本脳炎に罹患して手足と言語機能に障害を持った。寝たきりである。それをきっかけにヨリ子は怪しげな宗教にのめりこむようになった。自分にとって居心地の悪いところとなった家庭から一雄は逃げ出してしまう。友人太宰治文学碑の除幕式に参列する為の青森行きに、彼と同郷の新劇女優である矢島恵子を誘う。
青森から帰った彼は浮気のことをヨリ子に告げてしまう。怒った彼女は突然、家を出てしまった。後悔する一雄であったが、またもや逃亡。ホテル暮らしを経て、恵子との同棲生活を始めてしまう。しかも恵子とのことを小説に書き始めた。当初は離婚するつもりだったヨリ子であったが、子供のことを考えて実家に戻ってくる。但し、一雄と一緒に暮らすことは拒否。家族はバラバラに暮らすことになった。そんなある日、一雄の住まいに空き巣が入った。なんと犯人は彼の長男である一郎であった。
主演は緒方拳。深作監督とは80年代になってから幾度も組んでいます。一時に比べると露出は減りましたが「歩く、人」、「あつもの」などで確実にキャリアは積んでいます。「大誘拐」、「座頭市」はもちろんのこと、「国会へ行こう」なんかもよかった。現在、CMにも出ていますが実にいい役者さんです。これからも楽しみ。
この映画は緒方拳演じる一雄を巡る三人の女の物語。正妻のヨリ子をいしだあゆみ、恵子を原田美枝子、ホステスの葉子を松坂慶子が演じています。よく指摘されていますが、深作監督も大変女性に愛が深い人でした。先ほど、不倫が暴露された荻野目慶子に限らず、この映画で出演した原田美枝子とも松坂慶子とも噂がありました。その噂が本当だったかわかりませんが、両人ともこの映画ではかなり大胆なラブシーンを熱演しています。原田美枝子なんか、緒方拳に巨乳をガンガン揉まれまくってます。大変よろしゅうございました。ありがとうございました。
先ほど発売された「文藝春秋」3月号に深作監督の奥さん、中原早苗さんの手記が掲載されています。夫人は極力、旦那の女関係については「それはもういいじゃないですか。深作は逝ってしまったのだから。この件では何も言いたくありません。」という言い方で言及はしていません。しかし、早苗さんが夫の臨終の間際に言った「おじさん(奥さんは監督をこう呼んでいた。)、みんな終わったよ。みんな水に流したから」という言葉が全てを物語っていると思います。もう既に意識はありませんでしたが、監督の目から涙が一筋流れたそうです。やはり監督も大晦日に出刃包丁で鰤の頭を切り落とす奥さんを見たのでしょうか。なお、監督の若い頃と今の息子さんは全然似ておりません。監督にしておくのが勿体無いくらいの男前でした。
作家・桂一雄には5人の子供と妻がいた。妻・ヨリ子は後妻であり、腹違いの子を含む5人の子供を育てていた。小説家としての彼のキャリアは順調であり、ヨリ子もよく頑張っていた。しかし、その何不自由ない生活を壊したのは子供の病気であった。次郎は日本脳炎に罹患して手足と言語機能に障害を持った。寝たきりである。それをきっかけにヨリ子は怪しげな宗教にのめりこむようになった。自分にとって居心地の悪いところとなった家庭から一雄は逃げ出してしまう。友人太宰治文学碑の除幕式に参列する為の青森行きに、彼と同郷の新劇女優である矢島恵子を誘う。
青森から帰った彼は浮気のことをヨリ子に告げてしまう。怒った彼女は突然、家を出てしまった。後悔する一雄であったが、またもや逃亡。ホテル暮らしを経て、恵子との同棲生活を始めてしまう。しかも恵子とのことを小説に書き始めた。当初は離婚するつもりだったヨリ子であったが、子供のことを考えて実家に戻ってくる。但し、一雄と一緒に暮らすことは拒否。家族はバラバラに暮らすことになった。そんなある日、一雄の住まいに空き巣が入った。なんと犯人は彼の長男である一郎であった。
主演は緒方拳。深作監督とは80年代になってから幾度も組んでいます。一時に比べると露出は減りましたが「歩く、人」、「あつもの」などで確実にキャリアは積んでいます。「大誘拐」、「座頭市」はもちろんのこと、「国会へ行こう」なんかもよかった。現在、CMにも出ていますが実にいい役者さんです。これからも楽しみ。
この映画は緒方拳演じる一雄を巡る三人の女の物語。正妻のヨリ子をいしだあゆみ、恵子を原田美枝子、ホステスの葉子を松坂慶子が演じています。よく指摘されていますが、深作監督も大変女性に愛が深い人でした。先ほど、不倫が暴露された荻野目慶子に限らず、この映画で出演した原田美枝子とも松坂慶子とも噂がありました。その噂が本当だったかわかりませんが、両人ともこの映画ではかなり大胆なラブシーンを熱演しています。原田美枝子なんか、緒方拳に巨乳をガンガン揉まれまくってます。大変よろしゅうございました。ありがとうございました。
先ほど発売された「文藝春秋」3月号に深作監督の奥さん、中原早苗さんの手記が掲載されています。夫人は極力、旦那の女関係については「それはもういいじゃないですか。深作は逝ってしまったのだから。この件では何も言いたくありません。」という言い方で言及はしていません。しかし、早苗さんが夫の臨終の間際に言った「おじさん(奥さんは監督をこう呼んでいた。)、みんな終わったよ。みんな水に流したから」という言葉が全てを物語っていると思います。もう既に意識はありませんでしたが、監督の目から涙が一筋流れたそうです。やはり監督も大晦日に出刃包丁で鰤の頭を切り落とす奥さんを見たのでしょうか。なお、監督の若い頃と今の息子さんは全然似ておりません。監督にしておくのが勿体無いくらいの男前でした。
関西圏の今週末封切&公開中映画、今週見た映画の感想などなど
2003年2月26日 なかなか考えがまとまらなかった春の旅行ですが結局、四国に行くことと相成りました。徳島〜高松〜松山〜宇和島で4泊5日に予定。11月に行った和歌山3泊4日よりも1日長く、過去最長になりそうです。暖かければいいなあ。
【来週の鑑賞予定】
「ロードオブザリング」一色になりそうだった2月戦線ですが、意外に「戦場のピアニスト」が大健闘。逆に「レッドドラゴン」が思った以上に伸びてないようです。ミニシアターでは「猟奇的な彼女」が大奮闘。(ホンマか?)「ストーカー」「13階段」も悪くないしね。それでもやはりトップは「ロードオブザリング」!東宝系は「007」でどれだけ盛り返せるかが勝負。「青の炎」「リロ&スティッチ」はどこまでいけるか。それから大阪にて一部の人が待ち焦がれた「シベリア超特急3」が公開。私はこのシリーズ厭きたので行きません。
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆戦場のピアニスト(京都スカラ座)
☆13階段(京都宝塚)
×Mr.ディーズ(京極東宝)
→一週間で公開規模が半分。やっぱりね。。
☆レッド・ドラゴン(京極東宝)
×ビロウ(京極東宝)
×ボーン・アイデンティティ
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
→いつまで続くのか。。
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
☆壬生義士伝(Movix京都)
△ダークネス(Movix京都)
→遂にシネコンでもこういう作品を手がけるようになったのね。
×デュラス/愛の最終章(Movix京都)
→俺が行かなくても誰か行くやろ
×東映あにめ祭(Movix京都)
→上に同じ
◎ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(Movix京都)
→今週の水曜日、つまり今日行って来ます。
×ラベンダー(弥生座)
→ヤクザ映画の次がこれかい!すげえ映画館だな
×モンテ・クリスト伯(弥生座)
☆ストーカー(美松)
×ホワイト・オランダー(美松)
→あっという間に上映回数半減。どうした?こんなん、人気ちゃうん?
×猟奇的な彼女(美松)
→こんな機会じゃないと稼げないぞ。しっかり稼げ、美松。
☆刑務所の中(みなみ会館)
◎アカルイミライ(みなみ会館)
○曖昧な未来、黒沢清
☆刑事まつり
→あんまり期待するなよ、みんな。お祭とはこういうもんや。
<大阪>
○バティニョールおじさん(テアトル梅田)
×猟奇的な彼女(テアトル梅田)
×草ぶきの学校(梅田ガーデンシネマ)
→またこんなんか、また中国か。マンネリじゃないか?
☆スコルピオンの恋まじない
×ラベンダー(シネ・リーブル梅田)
△裸足の1500マイル(シネ・リーブル梅田)
→どうかな〜興味はあるんだけど。う〜む
◎アカルイミライ(シネ・リーブル梅田)
◎クリスティーナの好きなコト(三番街シネマ)
△チェ・ゲバラ 人々のために(シネ・ヌーヴォ)
×シベリア超特急3(OS劇場C・A・P)
→このシリーズ全体に流れる”仲間内のおまつり”的な雰囲気がキライ
○首領への道(ナナゲイ)
→なぜこれをナナゲイでやるのか?まあ十三なんだけどな。。ここは
◎理髪店主の悲しみ(シネフェスタ)
→トモロヲちゃん見る為なら何でも行きますよ、俺は。
○サラーム・シネマ(シネフェスタ)
<ビデオ>
今週はお休み。たまったビデオを処理します。
<今週見た映画>
☆カサブランカ 2/21 日本イタリア京都会館
→ご存知「君の瞳に乾杯」の元ネタ。ハンフリーボガードがかっこいいのは知ってましたが女優さんもめちゃくちゃ綺麗。あらゆる意味で昔の映画はすごいと思った次第。
刑務所の中 2/21 みなみ会館
→「誰もが興味を持っているけど経験したくない」刑務所を事細かに描写。相変わらずギリギリの題材で崔&鄭コンビは我々を楽しませてくれます。短い役でしたが窪塚の演技がマル。久々にトモロヲちゃんの演技もしっかり楽しめました。
スコルピオンの恋まじない 2/23 MOVIX京都シアター6
→古き良き時代のアメリカ映画へのオマージュを捧げたような作品。あと一歩で名作になったのになあ。。「アパートの鍵貸します」には程遠い。詰めがぬるい。
☆火宅の人 2/23 京都文化博物館映像ホール
→原田美枝子さんと松坂慶子の裸が楽しめます。それだけでも2000円の価値はあります。現・東映社長も出演していますヨ。
ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 2/25 MOVIX京都シアター3
→とにかくこれだけのスケールの大きい話を映画化できるのはアメリカか北朝鮮しかありません。作り上げてしまった聖林の力に拍手!俺の大好きなギムリが大活躍だった。まるで張飛みたいだぜ。
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【来週の鑑賞予定】
「ロードオブザリング」一色になりそうだった2月戦線ですが、意外に「戦場のピアニスト」が大健闘。逆に「レッドドラゴン」が思った以上に伸びてないようです。ミニシアターでは「猟奇的な彼女」が大奮闘。(ホンマか?)「ストーカー」「13階段」も悪くないしね。それでもやはりトップは「ロードオブザリング」!東宝系は「007」でどれだけ盛り返せるかが勝負。「青の炎」「リロ&スティッチ」はどこまでいけるか。それから大阪にて一部の人が待ち焦がれた「シベリア超特急3」が公開。私はこのシリーズ厭きたので行きません。
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆戦場のピアニスト(京都スカラ座)
☆13階段(京都宝塚)
×Mr.ディーズ(京極東宝)
→一週間で公開規模が半分。やっぱりね。。
☆レッド・ドラゴン(京極東宝)
×ビロウ(京極東宝)
×ボーン・アイデンティティ
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
→いつまで続くのか。。
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
☆壬生義士伝(Movix京都)
△ダークネス(Movix京都)
→遂にシネコンでもこういう作品を手がけるようになったのね。
×デュラス/愛の最終章(Movix京都)
→俺が行かなくても誰か行くやろ
×東映あにめ祭(Movix京都)
→上に同じ
◎ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(Movix京都)
→今週の水曜日、つまり今日行って来ます。
×ラベンダー(弥生座)
→ヤクザ映画の次がこれかい!すげえ映画館だな
×モンテ・クリスト伯(弥生座)
☆ストーカー(美松)
×ホワイト・オランダー(美松)
→あっという間に上映回数半減。どうした?こんなん、人気ちゃうん?
×猟奇的な彼女(美松)
→こんな機会じゃないと稼げないぞ。しっかり稼げ、美松。
☆刑務所の中(みなみ会館)
◎アカルイミライ(みなみ会館)
○曖昧な未来、黒沢清
☆刑事まつり
→あんまり期待するなよ、みんな。お祭とはこういうもんや。
<大阪>
○バティニョールおじさん(テアトル梅田)
×猟奇的な彼女(テアトル梅田)
×草ぶきの学校(梅田ガーデンシネマ)
→またこんなんか、また中国か。マンネリじゃないか?
☆スコルピオンの恋まじない
×ラベンダー(シネ・リーブル梅田)
△裸足の1500マイル(シネ・リーブル梅田)
→どうかな〜興味はあるんだけど。う〜む
◎アカルイミライ(シネ・リーブル梅田)
◎クリスティーナの好きなコト(三番街シネマ)
△チェ・ゲバラ 人々のために(シネ・ヌーヴォ)
×シベリア超特急3(OS劇場C・A・P)
→このシリーズ全体に流れる”仲間内のおまつり”的な雰囲気がキライ
○首領への道(ナナゲイ)
→なぜこれをナナゲイでやるのか?まあ十三なんだけどな。。ここは
◎理髪店主の悲しみ(シネフェスタ)
→トモロヲちゃん見る為なら何でも行きますよ、俺は。
○サラーム・シネマ(シネフェスタ)
<ビデオ>
今週はお休み。たまったビデオを処理します。
<今週見た映画>
☆カサブランカ 2/21 日本イタリア京都会館
→ご存知「君の瞳に乾杯」の元ネタ。ハンフリーボガードがかっこいいのは知ってましたが女優さんもめちゃくちゃ綺麗。あらゆる意味で昔の映画はすごいと思った次第。
刑務所の中 2/21 みなみ会館
→「誰もが興味を持っているけど経験したくない」刑務所を事細かに描写。相変わらずギリギリの題材で崔&鄭コンビは我々を楽しませてくれます。短い役でしたが窪塚の演技がマル。久々にトモロヲちゃんの演技もしっかり楽しめました。
スコルピオンの恋まじない 2/23 MOVIX京都シアター6
→古き良き時代のアメリカ映画へのオマージュを捧げたような作品。あと一歩で名作になったのになあ。。「アパートの鍵貸します」には程遠い。詰めがぬるい。
☆火宅の人 2/23 京都文化博物館映像ホール
→原田美枝子さんと松坂慶子の裸が楽しめます。それだけでも2000円の価値はあります。現・東映社長も出演していますヨ。
ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 2/25 MOVIX京都シアター3
→とにかくこれだけのスケールの大きい話を映画化できるのはアメリカか北朝鮮しかありません。作り上げてしまった聖林の力に拍手!俺の大好きなギムリが大活躍だった。まるで張飛みたいだぜ。
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腹くくればどこでも天国「刑務所の中」
2003年2月24日 「網走番外地」を始めとして刑務所を題材に取った映画は昔からたくさんありました。中島貞夫の映画(つまり東映)にもいっぱいあります。この「刑務所の中」は同名の漫画を原作にした映画で、従来の刑務所を扱った作品とはやや趣を変えています。従来、刑務所と言えば=ヤクザでして、カタギには一切関係ない場所でした。(まあ今でもほとんどの人がそうですが。)「刑務所に入るのはヤクザと選挙違反と過激派だけ」というのが社会通念だったのです。
しかし昨今は事情が変わってきました。現在、逮捕者で多いのは殺人でも強盗でもなし。覚せい剤所持に痴漢(冤罪含む)に脱税。もちろん今でも逮捕者にヤクザ(それと外国人。確実に数は増えています。)は多いのですがご存知のように、電通、テレビ局の社員を始めとしてカタギのシャブ中がとても多いのです。普通のサラリーマンでもパクられる人がたくさんいます。よって刑務所も従来のように=ヤクザ、という図式ではなくなってきた。
「刑務所の中」はそうした現在の刑務所を描いた作品となったと思います。同映画でもヤクザは出てきますがそれ以上に、何でこの人が。。と思う人がいっぱい刑務所にはいています。つまり言い方は悪いのかも知れませんが、刑務所というところは我々にとって無縁な場所ではなくなったのです。昨今は酔っ払い運転でも監獄行きになるしね。
主人公、ハナワさんは銃刀法違反で逮捕されました。職業はよくわからんが、いい年して、河原で迷彩服着てほふく前進なんかやってるサバゲーオタク。別に街中で銃振り回したわけではないし、密輸入したわけではありません。「カチンコ」と呼ばれる劣悪な改造銃を自分で作っただけ。でも懲役3年。前科があったのか、それかサバゲーオタクへの見せしめか。普通の社会人には程遠いが、かと言ってヤクザにも程遠い。こういう人、最近増えております。私もそうか。
日本の刑務所はアメリカの刑務所と違い、更正と言う、できんことを一生懸命やっとります。アメリカは再犯防止の観点からか、職業訓練の色が強い。何しろ、向こうの刑務所は民営化しておって囚人の作った物が利益をガンガン稼いでいます。日本でも一応、職業訓練はありますが、病院の薬袋貼りとか彫刻とかはっきり言ってそれでメシは食えない、と思う。
「犯罪を犯す奴等は社会的な道徳が学べない奴等だからしっかり道徳を学ばせよう」という観点からやっているのでやってることは小学生レベルの教育。「返事ははっきりする」「決まった時間には起きる」「先生には従う」「しっかり掃除する」「みんなが使う雑誌に書き込んではいけない」。。。そんなん、当たり前やん、と思った方もいるでしょうが本当にこれ、皆さん守れてますか?横断歩道渡る時に片手挙げてますか?廊下を足音立てずに歩いてますか?図書館で借りた本に書き込みとかしないでちゃんと返してますか?(最近多いです。やめてね。)やってないでしょ?刑務所は、必要以上に細かいきまりをきっちり身につけることで更正を行おうとしているのです。
作業中に小便したいと思ったら手を挙げて大きな声で教官に向って「願います!」と叫ぶ。教官が気付いたら、手を脇に揃えて小走りで教官の前に出て行く。「用便願います!」と教官に訴える。「なんだ、朝にしてこなかったのか」「申し訳ありません」「よし!」そんなやり取りがあって色付きの札をもらい、同じように手を脇に揃えて小走りでトイレに向う。入り口に「使用中」を示す札(小便、大便によって色が変わる)をかける。小便が終われば、札を教官に返して「ありがとうございました!」と叫んで速やかに作業に復帰。とてつもなく、時間がかかる。あほらし。
ただそうした生活でも長く続くとだんだん慣れてくる。慣れてくると楽しみも出てくる。従来の生活では感じなかったようなことに幸せを感じてくる。メシの春雨スープに肉が一枚多く入ってることに大喜びしたり、おまんじゅうのコマーシャルに興奮したり、100円のチョコ菓子(映画の中で出てくる「アルフォート」のこと。みなみ会館で売ってました)を食ったことを威張ったり。。言わばつまんないことで一喜一憂します。それが何とも微笑ましい。
現在、刑務所については様々な論議がされていますがこの映画は一切、そうした問題には踏み込まず淡々と刑務所の中を描いています。きわどいところを題材にしていますが、見事にエンターティメントに仕立てあげるのは崔洋一&鄭義信コンビには今や朝飯前なんでしょう。このコンビは本当にすごい。映画全体が何となく、まったりとした感じで使われる音楽もクラシックばっかり。
ただ老婆心ながら付け加えておきますと刑務所によっても個人によっても全然待遇は違います。名古屋刑務所の例を引くまでも無く、千葉刑務所、静岡刑務所、広島刑務所などの待遇のひどさは有名ですし、長期刑受刑囚の多くは獄内で気が狂って死んでいます。ハナワさんが感動した懲罰房も見沢知蓮の「囚人狂時代」によると「一日中、正座して目をそらすことさえも許されない。3日も入れば気が狂う。」描かれています。あくまでも「一つの視点」であって、決して楽なところではありません。イジメもあるしね。
みなみ会館ではアルフォートを始めとして監獄キャラメルとか色々売ってました。監獄キャラメルは120円でしたが、割と食いでがありました。これ、刑務所でも買えるのかな。
2002年 93分 日本 カラー
監督:崔洋一 脚本:崔洋一 鄭義信 中村義洋
出演:山崎努、香川照之、田口トモロヲ、松重豊、村松利史、大杉漣、遠藤憲一、小木茂光、椎名桔平、窪塚洋介、木下ほうか、山中聡、林海象
しかし昨今は事情が変わってきました。現在、逮捕者で多いのは殺人でも強盗でもなし。覚せい剤所持に痴漢(冤罪含む)に脱税。もちろん今でも逮捕者にヤクザ(それと外国人。確実に数は増えています。)は多いのですがご存知のように、電通、テレビ局の社員を始めとしてカタギのシャブ中がとても多いのです。普通のサラリーマンでもパクられる人がたくさんいます。よって刑務所も従来のように=ヤクザ、という図式ではなくなってきた。
「刑務所の中」はそうした現在の刑務所を描いた作品となったと思います。同映画でもヤクザは出てきますがそれ以上に、何でこの人が。。と思う人がいっぱい刑務所にはいています。つまり言い方は悪いのかも知れませんが、刑務所というところは我々にとって無縁な場所ではなくなったのです。昨今は酔っ払い運転でも監獄行きになるしね。
主人公、ハナワさんは銃刀法違反で逮捕されました。職業はよくわからんが、いい年して、河原で迷彩服着てほふく前進なんかやってるサバゲーオタク。別に街中で銃振り回したわけではないし、密輸入したわけではありません。「カチンコ」と呼ばれる劣悪な改造銃を自分で作っただけ。でも懲役3年。前科があったのか、それかサバゲーオタクへの見せしめか。普通の社会人には程遠いが、かと言ってヤクザにも程遠い。こういう人、最近増えております。私もそうか。
日本の刑務所はアメリカの刑務所と違い、更正と言う、できんことを一生懸命やっとります。アメリカは再犯防止の観点からか、職業訓練の色が強い。何しろ、向こうの刑務所は民営化しておって囚人の作った物が利益をガンガン稼いでいます。日本でも一応、職業訓練はありますが、病院の薬袋貼りとか彫刻とかはっきり言ってそれでメシは食えない、と思う。
「犯罪を犯す奴等は社会的な道徳が学べない奴等だからしっかり道徳を学ばせよう」という観点からやっているのでやってることは小学生レベルの教育。「返事ははっきりする」「決まった時間には起きる」「先生には従う」「しっかり掃除する」「みんなが使う雑誌に書き込んではいけない」。。。そんなん、当たり前やん、と思った方もいるでしょうが本当にこれ、皆さん守れてますか?横断歩道渡る時に片手挙げてますか?廊下を足音立てずに歩いてますか?図書館で借りた本に書き込みとかしないでちゃんと返してますか?(最近多いです。やめてね。)やってないでしょ?刑務所は、必要以上に細かいきまりをきっちり身につけることで更正を行おうとしているのです。
作業中に小便したいと思ったら手を挙げて大きな声で教官に向って「願います!」と叫ぶ。教官が気付いたら、手を脇に揃えて小走りで教官の前に出て行く。「用便願います!」と教官に訴える。「なんだ、朝にしてこなかったのか」「申し訳ありません」「よし!」そんなやり取りがあって色付きの札をもらい、同じように手を脇に揃えて小走りでトイレに向う。入り口に「使用中」を示す札(小便、大便によって色が変わる)をかける。小便が終われば、札を教官に返して「ありがとうございました!」と叫んで速やかに作業に復帰。とてつもなく、時間がかかる。あほらし。
ただそうした生活でも長く続くとだんだん慣れてくる。慣れてくると楽しみも出てくる。従来の生活では感じなかったようなことに幸せを感じてくる。メシの春雨スープに肉が一枚多く入ってることに大喜びしたり、おまんじゅうのコマーシャルに興奮したり、100円のチョコ菓子(映画の中で出てくる「アルフォート」のこと。みなみ会館で売ってました)を食ったことを威張ったり。。言わばつまんないことで一喜一憂します。それが何とも微笑ましい。
現在、刑務所については様々な論議がされていますがこの映画は一切、そうした問題には踏み込まず淡々と刑務所の中を描いています。きわどいところを題材にしていますが、見事にエンターティメントに仕立てあげるのは崔洋一&鄭義信コンビには今や朝飯前なんでしょう。このコンビは本当にすごい。映画全体が何となく、まったりとした感じで使われる音楽もクラシックばっかり。
ただ老婆心ながら付け加えておきますと刑務所によっても個人によっても全然待遇は違います。名古屋刑務所の例を引くまでも無く、千葉刑務所、静岡刑務所、広島刑務所などの待遇のひどさは有名ですし、長期刑受刑囚の多くは獄内で気が狂って死んでいます。ハナワさんが感動した懲罰房も見沢知蓮の「囚人狂時代」によると「一日中、正座して目をそらすことさえも許されない。3日も入れば気が狂う。」描かれています。あくまでも「一つの視点」であって、決して楽なところではありません。イジメもあるしね。
みなみ会館ではアルフォートを始めとして監獄キャラメルとか色々売ってました。監獄キャラメルは120円でしたが、割と食いでがありました。これ、刑務所でも買えるのかな。
2002年 93分 日本 カラー
監督:崔洋一 脚本:崔洋一 鄭義信 中村義洋
出演:山崎努、香川照之、田口トモロヲ、松重豊、村松利史、大杉漣、遠藤憲一、小木茂光、椎名桔平、窪塚洋介、木下ほうか、山中聡、林海象
深作まつり開催!第二回 「ドーベルマン刑事」
2003年2月20日 「深作まつり」第二回は1977年の作品「ドーベルマン刑事」であります。この作品は同名の漫画が原作になっているそうです。原作が「北斗の拳」の武論尊。主演は我らが千葉ちゃん。空手で殴りまくってます。なお主題歌がありまして作曲をZARD、倉木麻衣を育てた長戸大幸、作詞をなんと深作監督がやっています。
日本で一、二を争うデンジャラス地帯・新宿歌舞伎町にて連続放火殺人事件が起こっていた。今宵もまた事件が起こり、一人の売春婦が殺された。彼女の名前は玉城まゆみ。後に沖縄出身の女性・玉城ユナと断定された。しかし沖縄から応援に来た、”ドーベルマン刑事”の異名を取る加納錠治にはそうは思えなかった。彼と彼女は幼馴染であった。彼は自らの”直感”で彼女はまだ生きていると信じていた。
加納はまゆみのヒモだったチンピラ長栄に逢う。彼の話を聞いてユナはまだ死んでいないと確信を持った加納はユナをあるバーで見ることになる。彼女の名前は春風美樹。英森芸能のアイドルであった。社長の英森は元ヤクザ出身で彼女をとても大切にしていた。しかし彼女には様々な過去があった。加納は何とか彼女を沖縄に連れて帰ろうとするが。。
非常に東映らしい作品です。不良にバイク、空手、無能な警察、過去のある女。。出ているのも室田日出男、川谷拓三の東映の”飛車角”を中心に千葉真一、松方弘樹、岩城滉一と東映色満載。影のあるアイドルを演じるのはジャネット八田。現・田淵夫人であります。裸にも挑戦しています。忘れてならないのはストリップ嬢の松田英子。そう彼女こそは「愛のコリーダ」で阿部定を演じた女優さんです。今回も千葉ちゃんに惚れてしまい、舞台で”本番”をやってしまう、めちゃくちゃな役です。ちなみに彼女はこの映画を含めてたった5作品で引退。「愛のコリーダ」のイメージを最後まで払拭できませんでした。何しろ、あれは本当の”本番”だったのですから。
千葉ちゃんの空手がすごい。羽交い絞めされている態勢から金玉握って首つかんでぶん投げて、ついでに腕を負ってしまうシーンなどはさすがと唸ってしまいました。ピストルのアクションもなかなか凄いのですが、この人はやはり空手。なお千葉ちゃんの空手がたっぷり楽しめる作品として石井輝男監督の「直撃!地獄拳!」という映画があります。安岡力也がイタリア人として登場するなど、ストーリーはめちゃくちゃですが。
千葉ちゃんも凄かったのですが松方もすごかった。作品の中では松方が一番かっこいい。ジャネット八田に対して「わしは一生、おまえの番犬として生きていく」というシーンがこの映画の中で一番よかったシーンです。
なお、川谷拓三はストリッパー嬢のヒモとして、志賀勝は千葉ちゃんにどつかれるストーカー、室田日出男は過激すぎる警官として、小林稔侍が暴走族の一員として登場しています。最近見た「新・仁義無き戦い/謀殺」で稔侍、志賀勝とも組長役にして登場してました。出世しましたなあ。
ドーベルマン刑事
1977年東映太秦
監督:深作欣二、脚本:高田宏治、原作:武論尊
キャスト:千葉真一、ジャネット八田、松田英子、鈴木康弘、野口貴史、室田日出男、岩城滉一、小林稔侍、川谷拓三、内村レナ、笹木俊志、片桐竜次、志賀勝、松方弘樹
日本で一、二を争うデンジャラス地帯・新宿歌舞伎町にて連続放火殺人事件が起こっていた。今宵もまた事件が起こり、一人の売春婦が殺された。彼女の名前は玉城まゆみ。後に沖縄出身の女性・玉城ユナと断定された。しかし沖縄から応援に来た、”ドーベルマン刑事”の異名を取る加納錠治にはそうは思えなかった。彼と彼女は幼馴染であった。彼は自らの”直感”で彼女はまだ生きていると信じていた。
加納はまゆみのヒモだったチンピラ長栄に逢う。彼の話を聞いてユナはまだ死んでいないと確信を持った加納はユナをあるバーで見ることになる。彼女の名前は春風美樹。英森芸能のアイドルであった。社長の英森は元ヤクザ出身で彼女をとても大切にしていた。しかし彼女には様々な過去があった。加納は何とか彼女を沖縄に連れて帰ろうとするが。。
非常に東映らしい作品です。不良にバイク、空手、無能な警察、過去のある女。。出ているのも室田日出男、川谷拓三の東映の”飛車角”を中心に千葉真一、松方弘樹、岩城滉一と東映色満載。影のあるアイドルを演じるのはジャネット八田。現・田淵夫人であります。裸にも挑戦しています。忘れてならないのはストリップ嬢の松田英子。そう彼女こそは「愛のコリーダ」で阿部定を演じた女優さんです。今回も千葉ちゃんに惚れてしまい、舞台で”本番”をやってしまう、めちゃくちゃな役です。ちなみに彼女はこの映画を含めてたった5作品で引退。「愛のコリーダ」のイメージを最後まで払拭できませんでした。何しろ、あれは本当の”本番”だったのですから。
千葉ちゃんの空手がすごい。羽交い絞めされている態勢から金玉握って首つかんでぶん投げて、ついでに腕を負ってしまうシーンなどはさすがと唸ってしまいました。ピストルのアクションもなかなか凄いのですが、この人はやはり空手。なお千葉ちゃんの空手がたっぷり楽しめる作品として石井輝男監督の「直撃!地獄拳!」という映画があります。安岡力也がイタリア人として登場するなど、ストーリーはめちゃくちゃですが。
千葉ちゃんも凄かったのですが松方もすごかった。作品の中では松方が一番かっこいい。ジャネット八田に対して「わしは一生、おまえの番犬として生きていく」というシーンがこの映画の中で一番よかったシーンです。
なお、川谷拓三はストリッパー嬢のヒモとして、志賀勝は千葉ちゃんにどつかれるストーカー、室田日出男は過激すぎる警官として、小林稔侍が暴走族の一員として登場しています。最近見た「新・仁義無き戦い/謀殺」で稔侍、志賀勝とも組長役にして登場してました。出世しましたなあ。
ドーベルマン刑事
1977年東映太秦
監督:深作欣二、脚本:高田宏治、原作:武論尊
キャスト:千葉真一、ジャネット八田、松田英子、鈴木康弘、野口貴史、室田日出男、岩城滉一、小林稔侍、川谷拓三、内村レナ、笹木俊志、片桐竜次、志賀勝、松方弘樹
来週の鑑賞計画&映画小評
2003年2月19日 「レッド・ドラゴン」を見てまいりました。普通に面白かったです。エミリーワトソンが大変可愛らしく、愛らしゅうございました。11歳年上の女性に言うことではありませんが。この人、「愛のエチュード」の人でしたよね。マイナーな作品が多いですが、いい感じの女優さんです。嫁にしたい。
【来週の鑑賞予定】
いよいよ「ロードオブザリング」上陸。ミイハアから明日くたばりそうな爺さんまで、ジャンケット族から本物の映画評論家までもが皆様大絶賛ですので大ヒットは間違いなしであります。当分、これが続くんでしょうなあ。しかし皆様、春休み始まったら子供さんが徒党を組んでやってきますのでなるべく早く見ておいた方がいいですよ。
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆戦場のピアニスト(京都スカラ座)
☆13階段(京都宝塚)
△Mr.ディーズ(京極東宝)
→ウィノア・ライダーは可愛いけどね。。
☆レッド・ドラゴン(京極東宝)
×ビロウ(京極東宝)
→もうちっとマシな邦題つけてくれ、もう何が何だか。。潜水艦?
×ボーン・アイデンティティ
→マットディモンがどうも好きになれん。
☆ギャングオブニューヨーク(Movix京都)
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
×T.R.Y<トライ>(Movix京都)
☆オールド・ルーキー(Movix京都)
×アレックス(Movix京都)
×トランス・ポーター(Movix京都)
△スコルピオンの恋まじない(Movix京都)
→この映画も「ロードオブザリング」旋風の前ではどうなるか。。シネコンはだから厭だ。やはり朝日シネマの復活が一刻も早く待たれる。
◎ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(Movix京都)
→なんだかんだ言うてめちゃくちゃ楽しみにしとる、わたし。
☆新・仁義無き戦い/謀殺(弥生座)
△モンテ・クリスト伯(弥生座)
→事前情報が何にもなし。ヤクザ映画やったりふにゃけた恋愛映画やったり、弥生座の方針がよくわからぬ。
☆ストーカー(美松)
×ホワイト・オランダー(美松)
◎刑務所の中(みなみ会館)
→本当に時間がないなあ。。なかなかいけません。
◎アカルイミライ(みなみ会館)
→黒沢清は見て損なし。
○曖昧な未来、黒沢清
→このお人はドキュメンタリーの題材になるほど、面白い人なのでしょうか。
×JamFiles(みなみ会館)
→俺は堤も飯田譲二も嫌い(しつこい)
<大阪>
△バティニョールおじさん(テアトル梅田)
×猟奇的な彼女(テアトル梅田)
×ラベンダー(シネ・リーブル梅田)
☆刑務所の中(梅田ガーデンシネマ)
○わすれな歌(シネ・リーブル梅田)
◎ <追悼 ビリー・ワイルダー特集>情婦(シネリーブル梅田)
→一番の問題は大阪朝10時の上映に間に合うかどうか。
◎クリスティーナの好きなコト
→俺はキャメロン・ディアスが好きなのです。行くぞ。
△チェ・ゲバラ 人々のために(シネ・ヌーヴォ)
→作品には興味ないがどんな客層が来るのかを見に行きたい。
△ブルー・イグアナの夜(シネフェスタ)
○サラーム・シネマ(シネフェスタ)
<ビデオ>
アリーMyLove?(2)
ドーベルマン刑事
トラック野郎 御意見無用
<今週見た映画>
ストーカー 2/15 美松劇場2
→これは中年版「タクシードライバー」だな。筋はめちゃくちゃ単純ですが、じっくり見せてくれます。しかしエヴァってまだアメリカで人気あるのね。
新・仁義無き戦い/謀殺 2/15 京極弥生座1
→高橋克典って「サラ金」のイメージしかなかったけど、いい役者だね。脚本の骨子がしっかりできているので金払っての鑑賞する価値のある、いい映画。
13階段 2/16 京都宝塚劇場
→犯罪被害者と加害者の関係や死刑制度の是非など様々な問題をミステリーに詰め込んでまとめきった作品。寺島進、大杉漣、山崎努が特に見事。
☆男はつらいよ 2/16 京都文化博物館映像ホール
→これを一度、スクリーンで見てみたかった。当初の寅さんは気のいいおじさんと言うより、町内の鼻つまみ者だわな。倍賞千恵子がめちゃくちゃかわいい。
レッド・ドラゴン 2/18 京極東宝2
→皆が見たい「レッドドラゴン」を作り上げたと思う。レクター博士もしっかり出てきます。エドワード・ノートンが好演。何をやらしてもうまいなあ、この人は。ポスト・ジャックニコルソンと勝手に呼ばしてもらうよ。
ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
【来週の鑑賞予定】
いよいよ「ロードオブザリング」上陸。ミイハアから明日くたばりそうな爺さんまで、ジャンケット族から本物の映画評論家までもが皆様大絶賛ですので大ヒットは間違いなしであります。当分、これが続くんでしょうなあ。しかし皆様、春休み始まったら子供さんが徒党を組んでやってきますのでなるべく早く見ておいた方がいいですよ。
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆戦場のピアニスト(京都スカラ座)
☆13階段(京都宝塚)
△Mr.ディーズ(京極東宝)
→ウィノア・ライダーは可愛いけどね。。
☆レッド・ドラゴン(京極東宝)
×ビロウ(京極東宝)
→もうちっとマシな邦題つけてくれ、もう何が何だか。。潜水艦?
×ボーン・アイデンティティ
→マットディモンがどうも好きになれん。
☆ギャングオブニューヨーク(Movix京都)
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
×T.R.Y<トライ>(Movix京都)
☆オールド・ルーキー(Movix京都)
×アレックス(Movix京都)
×トランス・ポーター(Movix京都)
△スコルピオンの恋まじない(Movix京都)
→この映画も「ロードオブザリング」旋風の前ではどうなるか。。シネコンはだから厭だ。やはり朝日シネマの復活が一刻も早く待たれる。
◎ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(Movix京都)
→なんだかんだ言うてめちゃくちゃ楽しみにしとる、わたし。
☆新・仁義無き戦い/謀殺(弥生座)
△モンテ・クリスト伯(弥生座)
→事前情報が何にもなし。ヤクザ映画やったりふにゃけた恋愛映画やったり、弥生座の方針がよくわからぬ。
☆ストーカー(美松)
×ホワイト・オランダー(美松)
◎刑務所の中(みなみ会館)
→本当に時間がないなあ。。なかなかいけません。
◎アカルイミライ(みなみ会館)
→黒沢清は見て損なし。
○曖昧な未来、黒沢清
→このお人はドキュメンタリーの題材になるほど、面白い人なのでしょうか。
×JamFiles(みなみ会館)
→俺は堤も飯田譲二も嫌い(しつこい)
<大阪>
△バティニョールおじさん(テアトル梅田)
×猟奇的な彼女(テアトル梅田)
×ラベンダー(シネ・リーブル梅田)
☆刑務所の中(梅田ガーデンシネマ)
○わすれな歌(シネ・リーブル梅田)
◎ <追悼 ビリー・ワイルダー特集>情婦(シネリーブル梅田)
→一番の問題は大阪朝10時の上映に間に合うかどうか。
◎クリスティーナの好きなコト
→俺はキャメロン・ディアスが好きなのです。行くぞ。
△チェ・ゲバラ 人々のために(シネ・ヌーヴォ)
→作品には興味ないがどんな客層が来るのかを見に行きたい。
△ブルー・イグアナの夜(シネフェスタ)
○サラーム・シネマ(シネフェスタ)
<ビデオ>
アリーMyLove?(2)
ドーベルマン刑事
トラック野郎 御意見無用
<今週見た映画>
ストーカー 2/15 美松劇場2
→これは中年版「タクシードライバー」だな。筋はめちゃくちゃ単純ですが、じっくり見せてくれます。しかしエヴァってまだアメリカで人気あるのね。
新・仁義無き戦い/謀殺 2/15 京極弥生座1
→高橋克典って「サラ金」のイメージしかなかったけど、いい役者だね。脚本の骨子がしっかりできているので金払っての鑑賞する価値のある、いい映画。
13階段 2/16 京都宝塚劇場
→犯罪被害者と加害者の関係や死刑制度の是非など様々な問題をミステリーに詰め込んでまとめきった作品。寺島進、大杉漣、山崎努が特に見事。
☆男はつらいよ 2/16 京都文化博物館映像ホール
→これを一度、スクリーンで見てみたかった。当初の寅さんは気のいいおじさんと言うより、町内の鼻つまみ者だわな。倍賞千恵子がめちゃくちゃかわいい。
レッド・ドラゴン 2/18 京極東宝2
→皆が見たい「レッドドラゴン」を作り上げたと思う。レクター博士もしっかり出てきます。エドワード・ノートンが好演。何をやらしてもうまいなあ、この人は。ポスト・ジャックニコルソンと勝手に呼ばしてもらうよ。
ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
おいしいパンを食べたくて「13階段」
2003年2月17日 祝!ジャックニコルソン、アカデミー賞主演男優賞ノミネート!「アバウト・シュミット」相当、出来がよろしそうですな。この映画が公開されるまでは絶対に死ねません。あとダニエル・ルイスが「肉屋」役でノミネートされました、同じく主演男優賞に。そうか、ディカプリオは主演じゃなかったのか。何となく納得。
もし自分の大事な人が殺されたらどうするか?このような問いはあまり深刻に考えない方がよろしい。起こった時に考えればいい。何故このように思うと言うとはっきり言ってそうなった時の事態が想像を絶すると思うからです。
作家の日垣隆氏は中学生の頃に自分の弟を少年に殺される経験をしています。氏は悩み、相手の家族を殺そうとまで悩みぬいたそうです。しかし、彼にはできなかったよく人は「自分の親族が殺されれば、どんなことがあってもそいつを殺す」と口走ります。しかし、実際にはそうすることさえも許されない。日垣氏はこう思ったそうです。「俺にはできない。何故なら殺した人にも、この死を悲しむ親族がいるのだ。」憎しみはさらなる憎しみを作る。そうした憎しみの連鎖を断ち切る為に刑法は存在しているのです。日本においては何の作用にもなっておらず。あまつさえ加害者を守る為に存在しているとさえ、思えますが、一応そういうことになっているはずです。被害者に代わって、加害者に罰を加える。それが刑務官の仕事です。この映画「13階段」はその刑務官が主役。
刑務官・南郷はある男を訪ねた。その男の名前は三上純一。彼はかつて酒場の喧嘩で誤って見ず知らずの青年を殺した経験があった。罪状は傷害致死。懲役は3年。獄中では模範囚で通し、現在仮出所中だった。
南郷は三上にある仕事をもちかける。それはある死刑確定囚の冤罪を晴らす調査だった。成功報酬は一人頭1000万円。実家にて居場所が無い三上は引き受ける。その死刑囚はある保護官夫婦を惨殺した疑いをかけられた。本人はかたくなに否定。しかし彼にはアリバイがなかった。彼には惨劇が行われたであろう時間の記憶がなかったのだ。その彼がある記憶を取り戻す。「その時間、俺は階段を上っていた。」
その言葉を手がかりに二人は事件のあった千葉にむかう。しかしその千葉には三上が殺した青年の実家があった。そして南郷は、三上がこの地に来るのが始めてではないことと何か謎を隠し持っていることを知る。。。
山崎努、寺島進、大杉漣、石橋蓮司、崔洋一、井川比佐志 深水三章、田中麗奈、木内晶子となかなかいい役者をそろえています。クレジットはされてませんが、ちらりと出演する山崎努の奥さんは岸本加代子ではあるまいか?何となくそんな感じがしたのだが。
反町隆史もまあ及第点でしょう。この人は口跡が悪いので短いセリフしか言わせちゃいけません。でもスターの雰囲気は持っています。鶴瓶はいらん。それから「AIKI」でも出てた木内晶子がよろしい。結構しんどい役でしたが大変よく頑張りました。
映画自体はなかなか見応えがありました。ただ惜しむらくは前半の雰囲気を後半まで引っ張っていけなかったところ。これさえ出来れば「刑法39条」にも匹敵するほどの大作になってたでしょうに。もう少し踏み込めばなおよかった。なお死刑制度云々の問題については私は寺島進の意見が一番しっくり来るように思えました。
もし自分の大事な人が殺されたらどうするか?このような問いはあまり深刻に考えない方がよろしい。起こった時に考えればいい。何故このように思うと言うとはっきり言ってそうなった時の事態が想像を絶すると思うからです。
作家の日垣隆氏は中学生の頃に自分の弟を少年に殺される経験をしています。氏は悩み、相手の家族を殺そうとまで悩みぬいたそうです。しかし、彼にはできなかったよく人は「自分の親族が殺されれば、どんなことがあってもそいつを殺す」と口走ります。しかし、実際にはそうすることさえも許されない。日垣氏はこう思ったそうです。「俺にはできない。何故なら殺した人にも、この死を悲しむ親族がいるのだ。」憎しみはさらなる憎しみを作る。そうした憎しみの連鎖を断ち切る為に刑法は存在しているのです。日本においては何の作用にもなっておらず。あまつさえ加害者を守る為に存在しているとさえ、思えますが、一応そういうことになっているはずです。被害者に代わって、加害者に罰を加える。それが刑務官の仕事です。この映画「13階段」はその刑務官が主役。
刑務官・南郷はある男を訪ねた。その男の名前は三上純一。彼はかつて酒場の喧嘩で誤って見ず知らずの青年を殺した経験があった。罪状は傷害致死。懲役は3年。獄中では模範囚で通し、現在仮出所中だった。
南郷は三上にある仕事をもちかける。それはある死刑確定囚の冤罪を晴らす調査だった。成功報酬は一人頭1000万円。実家にて居場所が無い三上は引き受ける。その死刑囚はある保護官夫婦を惨殺した疑いをかけられた。本人はかたくなに否定。しかし彼にはアリバイがなかった。彼には惨劇が行われたであろう時間の記憶がなかったのだ。その彼がある記憶を取り戻す。「その時間、俺は階段を上っていた。」
その言葉を手がかりに二人は事件のあった千葉にむかう。しかしその千葉には三上が殺した青年の実家があった。そして南郷は、三上がこの地に来るのが始めてではないことと何か謎を隠し持っていることを知る。。。
山崎努、寺島進、大杉漣、石橋蓮司、崔洋一、井川比佐志 深水三章、田中麗奈、木内晶子となかなかいい役者をそろえています。クレジットはされてませんが、ちらりと出演する山崎努の奥さんは岸本加代子ではあるまいか?何となくそんな感じがしたのだが。
反町隆史もまあ及第点でしょう。この人は口跡が悪いので短いセリフしか言わせちゃいけません。でもスターの雰囲気は持っています。鶴瓶はいらん。それから「AIKI」でも出てた木内晶子がよろしい。結構しんどい役でしたが大変よく頑張りました。
映画自体はなかなか見応えがありました。ただ惜しむらくは前半の雰囲気を後半まで引っ張っていけなかったところ。これさえ出来れば「刑法39条」にも匹敵するほどの大作になってたでしょうに。もう少し踏み込めばなおよかった。なお死刑制度云々の問題については私は寺島進の意見が一番しっくり来るように思えました。
深作まつり開催! 「仁義無き戦い 広島死闘編」
2003年2月13日 さて始まりました「深作まつり」ですが一作目は「仁義無き戦い 広島死闘編」です。深作監督のフィルモグラフィを見て驚くのは72年から78年の仕事です。とにかく本数が多い。代表作と言われる「仁義無き戦い」シリーズ5作は73年から74年にかけて撮られた作品で、一年半で五作も撮っているのです。72年は3作、73年は3作、74年は3作、75年に至っては4作。明らかにオーバーワークです。竹中労の著作「日本映画縦断」はこの頃、書かれた作品ですが過労気味の深作監督についても触れています。
しかしそれだけ短期間で作られた作品なのにどうしてこんなに出来がいいのか。それは監督も脚本も俳優も振り切ったテンションで駆け抜けられたからでしょう。役者にも監督にも「勝負」の作品というのが必ずあります。深作監督はこの時点で既にヒット作を連発し、70年には黒澤の後を受けて「トラ!トラ!トラ!」も監督していますがシリーズ作がありませんでした。この「仁義無き戦い」という作品はまさにその勝負をかけた作品だったのでないでしょうか。
昭和25年。いまだ戦後の混乱が続く広島。その広島で一人の男がヤクザになる山中正治。広島最大の暴力団村岡組の組長の村岡に気に入られ、杯を受けることになる。当時始まったばかりの競輪の警備、差配を村岡組が担当することになるが大友組の暴れん坊大友勝利の襲撃を受ける。大友組は勝利を破門。勝利は相談役の時森勘市を担いで独立して村岡組を襲撃。本格的な抗争は広能のいる呉にも波及。犬の肉を食うほど逼迫していた広能は山守の依頼を受け、かつての獄仲間である山中と出会い、事態の収拾を提案。時森を射殺し、勝利を大阪に放逐する。しかし、勝利は自らの部下に村岡の射殺を命令。それを知った山中は3人を射殺する。無期懲役の罰を受け、服役中の山中は叔父貴の高梨よりとんでもない噂を聞く。。。
とにかくテンションが高い。シリーズ中、もっとも人が死んだ作品。今と違って血しぶきも幼稚なんだが、凄い迫力があります。多分、本気で殴ってるんでしょう。特に千葉真一は完全にぶっ飛んでいたキチガイを好演。というよりほとんど、千葉ちゃんそのものだったような気がします。主人公の山中がすごい。カッとすると何をするかわからない。始めて人を殺した後に口笛を吹くシーンは圧巻です。登場人物も多いのですが、脚本の笠原和夫の力できっちり書き分けられています。広能の出演が少ないので外伝的な位置にある作品ですが、「仁義無き戦い 代理戦争」にもきっちり関係しています。
ちなみに本作では川谷拓三こと拓ボンは「勝利のリンチで殺されるヤクザ」で室田さんは「大友組幹部・中原」でした。二人は「仁義無き戦い」シリーズにほとんど出ていますが出るたびに役が変わってるのが面白い。なお、八名信夫(大友組)、前田吟(広能の部下)、志賀勝(山中に射殺されるヤクザ)も出演しています。今やベテランの役者である彼らは当時は端役。仁義無きシリーズでは若手が多く出演していますので、こういうのを見つけるのも楽しみですな。
仁義なき戦い 広島死闘篇
1973年製作 100分
製作:東映(京都撮影所)
監督:深作欣二、脚本:笠原和夫、音楽:津島利章
出演:菅原文太、千葉真一、梶芽衣子、山城新伍、名和宏、成田三樹夫、前田吟、木村俊恵、室田日出男、八名信夫、小松方正、志賀勝、川谷拓三、片桐竜次、金子信雄、 遠藤辰雄、小池朝雄、 北大路欣也
しかしそれだけ短期間で作られた作品なのにどうしてこんなに出来がいいのか。それは監督も脚本も俳優も振り切ったテンションで駆け抜けられたからでしょう。役者にも監督にも「勝負」の作品というのが必ずあります。深作監督はこの時点で既にヒット作を連発し、70年には黒澤の後を受けて「トラ!トラ!トラ!」も監督していますがシリーズ作がありませんでした。この「仁義無き戦い」という作品はまさにその勝負をかけた作品だったのでないでしょうか。
昭和25年。いまだ戦後の混乱が続く広島。その広島で一人の男がヤクザになる山中正治。広島最大の暴力団村岡組の組長の村岡に気に入られ、杯を受けることになる。当時始まったばかりの競輪の警備、差配を村岡組が担当することになるが大友組の暴れん坊大友勝利の襲撃を受ける。大友組は勝利を破門。勝利は相談役の時森勘市を担いで独立して村岡組を襲撃。本格的な抗争は広能のいる呉にも波及。犬の肉を食うほど逼迫していた広能は山守の依頼を受け、かつての獄仲間である山中と出会い、事態の収拾を提案。時森を射殺し、勝利を大阪に放逐する。しかし、勝利は自らの部下に村岡の射殺を命令。それを知った山中は3人を射殺する。無期懲役の罰を受け、服役中の山中は叔父貴の高梨よりとんでもない噂を聞く。。。
とにかくテンションが高い。シリーズ中、もっとも人が死んだ作品。今と違って血しぶきも幼稚なんだが、凄い迫力があります。多分、本気で殴ってるんでしょう。特に千葉真一は完全にぶっ飛んでいたキチガイを好演。というよりほとんど、千葉ちゃんそのものだったような気がします。主人公の山中がすごい。カッとすると何をするかわからない。始めて人を殺した後に口笛を吹くシーンは圧巻です。登場人物も多いのですが、脚本の笠原和夫の力できっちり書き分けられています。広能の出演が少ないので外伝的な位置にある作品ですが、「仁義無き戦い 代理戦争」にもきっちり関係しています。
ちなみに本作では川谷拓三こと拓ボンは「勝利のリンチで殺されるヤクザ」で室田さんは「大友組幹部・中原」でした。二人は「仁義無き戦い」シリーズにほとんど出ていますが出るたびに役が変わってるのが面白い。なお、八名信夫(大友組)、前田吟(広能の部下)、志賀勝(山中に射殺されるヤクザ)も出演しています。今やベテランの役者である彼らは当時は端役。仁義無きシリーズでは若手が多く出演していますので、こういうのを見つけるのも楽しみですな。
仁義なき戦い 広島死闘篇
1973年製作 100分
製作:東映(京都撮影所)
監督:深作欣二、脚本:笠原和夫、音楽:津島利章
出演:菅原文太、千葉真一、梶芽衣子、山城新伍、名和宏、成田三樹夫、前田吟、木村俊恵、室田日出男、八名信夫、小松方正、志賀勝、川谷拓三、片桐竜次、金子信雄、 遠藤辰雄、小池朝雄、 北大路欣也
キネ旬様の有難いランキング発表&来週の鑑賞予定
2003年2月12日 その時しか読む価値の無い、失礼、言い過ぎましたね。買う価値のないキネマ旬報2月下旬号が発売されました。今年のランキングは日本映画の方はまあよし。だが外国映画の方はひどすぎる。年に100本の映画を見ている私でも今回の映画は半分も見ていない。知らん映画ばっかり。大衆無視も甚だしい。例年そうだが今年はひどすぎる。誰が読むための雑誌なんだ。商業誌だろ、もっと考えろよ。上森子鉄がオーナーだった頃の総会屋雑誌の体質がまだ抜けてないのかよ。
「ハリポタ」も「ロードオブザリング」も「モンスターズ・インク」も「少林サッカー」も入ってないなんて見てないとしか思えん。選んだ奴の評を見てみても「これしか見てない」とか「順位は特につけてない」と「それでもプロか」のオンパレード。本当にこの雑誌、大丈夫か?これやったら「映画秘宝」の方が一万倍マシだぞ。
まあ私も興行成績を見るためにしか使ってないが。便利だけど記事はよんどらん。ですから図書館でしか借りたことがない。下らない連載が多すぎる。もっと頑張れ。一応、日本で一番権威ある雑誌(ここ笑うとこ)なんだから。
【来週の鑑賞予定】
ケミカル51が2週間で終わるとはどういうことじゃ、ゴルァ!!そんなにつまらんのか!「カンパニーマン」も一瞬で終わったし。東宝はどうなってるんや。今週末は「新仁義・・」と「アカルイミライ」が公開。ぼちぼち番組が入れ替えが始まってきましたね。来週末は「ロードオブザリング」公開。これと「レッドドラゴン」が台風の目になると思われます。それと「弥生座ナイトムービー」復活、バンザーイ!!「理髪店主の悲しみ」も「ストーリーテリング」も「火星のカノン」もやってくるYO!RCSさん、ありがとうございます。本当に助かっております。
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆戦場のピアニスト(京都スカラ座)
→大人が楽しむ映画なれど日本にゃ大人がいないからなあ。
○13階段(京都宝塚)
△Mr.ディーズ(京極東宝)
→日本じゃアダムサンドラーは人気ないからなあ。。一瞬で終わりそう。
○レッド・ドラゴン(京極東宝)
☆ギャングオブニューヨーク(Movix京都)
☆壬生義士伝(Movix京都)
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
×T.R.Y<トライ>(Movix京都)
×ゴースト・シップ(Movix京都)
☆オールド・ルーキー(Movix京都)
×アレックス(Movix京都)
×トランス・ポーター(Movix京都)
△スコルピオンの恋まじない(Movix京都)
→ウディアレンものは苦手なんだが「ギター弾きの恋」はよかったしな。う〜ん。。
×ハード・キャッシュ(弥生座)
→クリスチャン・スレーター、好きなんだけどな。。う〜ん。。
◎新・仁義無き戦い/謀殺(弥生座)
→めちゃくちゃ楽しみにしとったので初日に殴りこみじゃ、こんくそが。
×彼女たちの時間(弥生座)
○ストーカー(美松)
×ホワイト・オランダー(美松)
→ヒューマンドラマに興味なし。
☆木曜組曲(みなみ会館)
→本当にこれおもろないぞ。みんな篠原の才能を見誤っとる。目を覚ませ。
☆刑務所の中(みなみ会館)
→やはりもう一度みます。
◎アカルイミライ(みなみ会館)
→黒沢清は見て損なし。
×JamFiles(みなみ会館)
<大阪>
△バティニョールおじさん(テアトル梅田)
→「呪怨」が大ヒットしてるから公開のびそうなんだが。。
×猟奇的な彼女(テアトル梅田)
×ラベンダー(シネ・リーブル梅田)
→誰が見るか、ゴルァ!「ラストシーン」とかもっとやれや。
◎ <追悼 ビリー・ワイルダー特集>アパートの鍵貸します(シネリーブル梅田)
→やっぱスクリーンでこれを見てみたい。
☆刑務所の中(梅田ガーデンシネマ)
○わすれな歌(シネ・リーブル梅田)
→みなみ会館待ちかビデオ待ちか。。
×猟奇的な彼女(心斎橋シネマ・ドゥ)
→見た人によると「めぞん一刻」か、ゴルァ!らしいので辞めます。
◎ <追悼 ビリー・ワイルダー特集>アパートの鍵貸します(シネリーブル梅田)
→やっぱスクリーンでこれを見てみたい。
△ブルー・イグアナの夜(シネフェスタ)
○サラーム・シネマ(シネフェスタ)
<ビデオ>
新仁義無き戦い 組長の首
仁義無き戦い 広島死闘編
日本暴力団 組長
<今週見た映画>
酔っ払った馬の時間 2/7 動物園前シネフェスタ4(SCREEN2)
→クルド人によって撮影されたクルド語の映画としては初めての作品。半端じゃなく過酷なクルド人の暮らしが読み取れる。
戦場のピアニスト 2/7 御堂会館(試写会)
→大人の鑑賞に耐え得る映画。引き込まれます。
☆幕末太陽傳 2/8 京都文化博物館映像ホール
→日本映画最高傑作とも挙げる人がいるほど有名な映画。複数の落語を組み込んだ脚本が素晴らしい。
007 ダイアザナーディ 2/11 大阪厚生年金会館(試写会)
→アクション映画としては充分期待にこたえていますが「トリプルX」見たあとではもう007の時代じゃないと思うな。
ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
「ハリポタ」も「ロードオブザリング」も「モンスターズ・インク」も「少林サッカー」も入ってないなんて見てないとしか思えん。選んだ奴の評を見てみても「これしか見てない」とか「順位は特につけてない」と「それでもプロか」のオンパレード。本当にこの雑誌、大丈夫か?これやったら「映画秘宝」の方が一万倍マシだぞ。
まあ私も興行成績を見るためにしか使ってないが。便利だけど記事はよんどらん。ですから図書館でしか借りたことがない。下らない連載が多すぎる。もっと頑張れ。一応、日本で一番権威ある雑誌(ここ笑うとこ)なんだから。
【来週の鑑賞予定】
ケミカル51が2週間で終わるとはどういうことじゃ、ゴルァ!!そんなにつまらんのか!「カンパニーマン」も一瞬で終わったし。東宝はどうなってるんや。今週末は「新仁義・・」と「アカルイミライ」が公開。ぼちぼち番組が入れ替えが始まってきましたね。来週末は「ロードオブザリング」公開。これと「レッドドラゴン」が台風の目になると思われます。それと「弥生座ナイトムービー」復活、バンザーイ!!「理髪店主の悲しみ」も「ストーリーテリング」も「火星のカノン」もやってくるYO!RCSさん、ありがとうございます。本当に助かっております。
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆戦場のピアニスト(京都スカラ座)
→大人が楽しむ映画なれど日本にゃ大人がいないからなあ。
○13階段(京都宝塚)
△Mr.ディーズ(京極東宝)
→日本じゃアダムサンドラーは人気ないからなあ。。一瞬で終わりそう。
○レッド・ドラゴン(京極東宝)
☆ギャングオブニューヨーク(Movix京都)
☆壬生義士伝(Movix京都)
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
×T.R.Y<トライ>(Movix京都)
×ゴースト・シップ(Movix京都)
☆オールド・ルーキー(Movix京都)
×アレックス(Movix京都)
×トランス・ポーター(Movix京都)
△スコルピオンの恋まじない(Movix京都)
→ウディアレンものは苦手なんだが「ギター弾きの恋」はよかったしな。う〜ん。。
×ハード・キャッシュ(弥生座)
→クリスチャン・スレーター、好きなんだけどな。。う〜ん。。
◎新・仁義無き戦い/謀殺(弥生座)
→めちゃくちゃ楽しみにしとったので初日に殴りこみじゃ、こんくそが。
×彼女たちの時間(弥生座)
○ストーカー(美松)
×ホワイト・オランダー(美松)
→ヒューマンドラマに興味なし。
☆木曜組曲(みなみ会館)
→本当にこれおもろないぞ。みんな篠原の才能を見誤っとる。目を覚ませ。
☆刑務所の中(みなみ会館)
→やはりもう一度みます。
◎アカルイミライ(みなみ会館)
→黒沢清は見て損なし。
×JamFiles(みなみ会館)
<大阪>
△バティニョールおじさん(テアトル梅田)
→「呪怨」が大ヒットしてるから公開のびそうなんだが。。
×猟奇的な彼女(テアトル梅田)
×ラベンダー(シネ・リーブル梅田)
→誰が見るか、ゴルァ!「ラストシーン」とかもっとやれや。
◎ <追悼 ビリー・ワイルダー特集>アパートの鍵貸します(シネリーブル梅田)
→やっぱスクリーンでこれを見てみたい。
☆刑務所の中(梅田ガーデンシネマ)
○わすれな歌(シネ・リーブル梅田)
→みなみ会館待ちかビデオ待ちか。。
×猟奇的な彼女(心斎橋シネマ・ドゥ)
→見た人によると「めぞん一刻」か、ゴルァ!らしいので辞めます。
◎ <追悼 ビリー・ワイルダー特集>アパートの鍵貸します(シネリーブル梅田)
→やっぱスクリーンでこれを見てみたい。
△ブルー・イグアナの夜(シネフェスタ)
○サラーム・シネマ(シネフェスタ)
<ビデオ>
新仁義無き戦い 組長の首
仁義無き戦い 広島死闘編
日本暴力団 組長
<今週見た映画>
酔っ払った馬の時間 2/7 動物園前シネフェスタ4(SCREEN2)
→クルド人によって撮影されたクルド語の映画としては初めての作品。半端じゃなく過酷なクルド人の暮らしが読み取れる。
戦場のピアニスト 2/7 御堂会館(試写会)
→大人の鑑賞に耐え得る映画。引き込まれます。
☆幕末太陽傳 2/8 京都文化博物館映像ホール
→日本映画最高傑作とも挙げる人がいるほど有名な映画。複数の落語を組み込んだ脚本が素晴らしい。
007 ダイアザナーディ 2/11 大阪厚生年金会館(試写会)
→アクション映画としては充分期待にこたえていますが「トリプルX」見たあとではもう007の時代じゃないと思うな。
ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
今週末公開!「戦場のピアニスト」
2003年2月10日 伸び悩むアクセス数を立て直す為に企画を色々と考えています。月曜日は「現在、公開されている作品」を中心に様々な映画を紹介していきますが、木曜日は自分の趣味に走ったマニアックなことをやろうと考えています。5月までは「深作まつり」と題して深作監督の作品を紹介していきます。近くのビデオ屋に深作作品が揃っていたので当分、続けられそうです。5月より東京の「三百人劇場」にて深作映画特集をやるそうなので、それに先立つ企画として応援していこうと考えています。「君は深作を見たか」という題も考えていたのですが「バトロワ2」のクランクインの日にラガーメンの格好で表れ、「俺は楽しくやりたいんだ」と叫んだ監督です。「深作まつり」の方がしっくり来ます。ぜひ見てください。
珍しく、試写会に当たったので今週末に公開される映画を紹介したいと思います。今年の春休みは「ロードオブザリング」「レッドドラゴン」の一騎打ちになると思われます。この「戦場のピアニスト」はそのあおりを食らうかもしれません。
ナチスのユダヤ人虐殺は多くの映画にされています。私も小学生の時にアウシュビッツのビデオを見せられましたが子供心にも大変キツイものでした。一番恐ろしいのはこの事件が起こってから100年もたっていないのです。私の父親が生まれる前の話ですし、当時のことを知っている人もほとんどいませんがそんな大昔のことではないのです。(同じ事は黒人差別、天安門事件でも言える。)この映画の監督であるロマン・ポランスキーは自分の母親をゲットー(ユダヤ人の強制移住地区)で亡くし、本人も厳しい弾圧を経験しています。正直、思い返すのはとてもつらかったと思います。それでなくてもポランスキーはアメリカから追放されたり、嫁さんを猟奇殺人者に殺害されたり、数奇な運命をたどってはいますが。
舞台は、第一次世界大戦後に独立したばかりのポーランド。シュピルマンはワルシャワの放送局で演奏するピアニストでした。1939年、ナチスドイツはポーランドに侵攻。イギリスとフランスがドイツに宣戦布告するが、怒涛の攻撃の前にワルシャワは陥落。ワルシャワ在住のユダヤ人はゲットーと呼ばれる地区に強制移住させられます。ユダヤ人であるシュピルマンはユダヤ人の印である腕章を強制され、ゲットーにある金持ちのユダヤ人向けに作られたバーで演奏の仕事を始めます。しかしゲットーは悲惨でした。厳しく生活は規制され、食べ物さえ満足に手に入らない。街には飢餓による死体が転がっています。またゲシュタポによる無差別な処刑が日常茶飯事でした。ある日、彼はユダヤ人一家が皆殺しにされるところを目撃します。家族には車椅子の老人もいましたが、車椅子ごと4階から落とされました。
そして遂にユダヤ人に対し、収容所送りが命ぜられました。家族が電車に詰め込まれて行く中、からくも逃げ出したシュピルマン。かつての知り合いを頼り、隠れ家に身を潜めます。時代が進む中、ドイツにかつての勢いはなくなり、各地で蜂起が相次ぎました。しかし、終戦まではまだまだ時間があった。。
シュピルマンは実在のピアニストでこの映画は彼が残した回想録が元になっています。すさまじい体験です。5年間以上も、ゲシュタポに怯えながら逃げ続けた。支援者に恵まれた運のよさもありますが、死の恐怖に打ち勝った精神力がすさまじいと思います。絶対に音を立ててはいけない状況で、息を潜めて生きねばならない。彼にとっての慰めになったのはやはりピアノ。隠れ家にあったピアノを前にして指を触れることなく、心の中で音楽を奏でるのです。このシーンが何ともすさまじい。
2時間半と大変長い映画ですが、引き込まれます。音楽、演出、脚本に全くの手抜きはありません。大人の鑑賞に充分耐え得る映画となっています。ぜひ劇場で見ていただきたい映画だと思います。
ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
珍しく、試写会に当たったので今週末に公開される映画を紹介したいと思います。今年の春休みは「ロードオブザリング」「レッドドラゴン」の一騎打ちになると思われます。この「戦場のピアニスト」はそのあおりを食らうかもしれません。
ナチスのユダヤ人虐殺は多くの映画にされています。私も小学生の時にアウシュビッツのビデオを見せられましたが子供心にも大変キツイものでした。一番恐ろしいのはこの事件が起こってから100年もたっていないのです。私の父親が生まれる前の話ですし、当時のことを知っている人もほとんどいませんがそんな大昔のことではないのです。(同じ事は黒人差別、天安門事件でも言える。)この映画の監督であるロマン・ポランスキーは自分の母親をゲットー(ユダヤ人の強制移住地区)で亡くし、本人も厳しい弾圧を経験しています。正直、思い返すのはとてもつらかったと思います。それでなくてもポランスキーはアメリカから追放されたり、嫁さんを猟奇殺人者に殺害されたり、数奇な運命をたどってはいますが。
舞台は、第一次世界大戦後に独立したばかりのポーランド。シュピルマンはワルシャワの放送局で演奏するピアニストでした。1939年、ナチスドイツはポーランドに侵攻。イギリスとフランスがドイツに宣戦布告するが、怒涛の攻撃の前にワルシャワは陥落。ワルシャワ在住のユダヤ人はゲットーと呼ばれる地区に強制移住させられます。ユダヤ人であるシュピルマンはユダヤ人の印である腕章を強制され、ゲットーにある金持ちのユダヤ人向けに作られたバーで演奏の仕事を始めます。しかしゲットーは悲惨でした。厳しく生活は規制され、食べ物さえ満足に手に入らない。街には飢餓による死体が転がっています。またゲシュタポによる無差別な処刑が日常茶飯事でした。ある日、彼はユダヤ人一家が皆殺しにされるところを目撃します。家族には車椅子の老人もいましたが、車椅子ごと4階から落とされました。
そして遂にユダヤ人に対し、収容所送りが命ぜられました。家族が電車に詰め込まれて行く中、からくも逃げ出したシュピルマン。かつての知り合いを頼り、隠れ家に身を潜めます。時代が進む中、ドイツにかつての勢いはなくなり、各地で蜂起が相次ぎました。しかし、終戦まではまだまだ時間があった。。
シュピルマンは実在のピアニストでこの映画は彼が残した回想録が元になっています。すさまじい体験です。5年間以上も、ゲシュタポに怯えながら逃げ続けた。支援者に恵まれた運のよさもありますが、死の恐怖に打ち勝った精神力がすさまじいと思います。絶対に音を立ててはいけない状況で、息を潜めて生きねばならない。彼にとっての慰めになったのはやはりピアノ。隠れ家にあったピアノを前にして指を触れることなく、心の中で音楽を奏でるのです。このシーンが何ともすさまじい。
2時間半と大変長い映画ですが、引き込まれます。音楽、演出、脚本に全くの手抜きはありません。大人の鑑賞に充分耐え得る映画となっています。ぜひ劇場で見ていただきたい映画だと思います。
ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/