大学時代に所属していたゼミの教授の退官記念パーティーに行ってきました。無職にとっての一万円の出費は大変でしたが、友人に誘われて断るわけにいかず、参加してきました。先生に挨拶したり、ゼミの同期(5人しか来てない)と喋りながら、学生時代を思い出しておりました。

 現役時代、ゼミ合宿とかうざくてたまらんかったのですが今になって思えば懐かしく思います。思い出とは常にそういうものです。中学、高校、大学とサークルもクラブも一個もやりませんでしたから、集団で何かした、という思い出はゼミぐらいしかありません。思えば、つまらぬ学生時代をすごしたのかもしれません。しかしこれも結局、相対的な問題で4年間びっちりとサークル付けだった友人には「まぐれ君はやりたいこと、やりつくしたんだから、学生らしい学生だったんじゃないの?」と言われました。確かに色々な経験はさせていただいたとは思いますね。ただ、やりたいことをやりつくせなかったら、また素浪人やっとるわけですが(笑)

 友人が言った「こういう機会がないと滅多にあえないからな」というセリフは卒業してから本当のことだな、と感じれるようになりました。実際のところ、働き出すとなかなか自由に振舞えない。(はずです。多分。)今度会うときは「先生の葬式か。。」と冗談交じりに飛ばすが多分、現実でしょうね。なんかさびしいね。

ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
☆一週間を振り返る世相対談「桃源郷の人々」更新。
☆明日は「戦場のピアニスト」更新です。
 大学生の時、甲子園経験投手の球を実際に見る機会がありました。体育の時間で、何人かが打とうとバッターボックスに入りましたがほとんどがかすりもせずに三振。私は後ろで見ておりましたが、とにかく早い。何キロ出ていたのかはわかりませんが素人目には随分早く見えました。プロの野球選手ってのはあんなのを投げたり、打ったり、取ったりしてるんですね。すげえや。

 テキサスの高校教師、ジム・モリスには夢があった。彼は少年時代から野球が大好きで、やがて投手としてメジャーリーガーを目指した。しかしプロになってからの彼は故障続き。芽がでなかった。それから十数年。彼は3人の子供を抱え、35歳になっていた。とうに夢は諦めていた。しかし彼が監督する高校野球のチームとある約束をしてしまう。「お前らが地区優勝したらプロの試験を受けてみよう」。負け続きで覇気が感じられない部員を奮起させる為に言った軽い口約束だったが、なんとこのチームが地区優勝してしまう。

 約束は約束。子供を連れてプロテストに挑戦するジム。彼は自らの力を見誤っていた。彼が投げたストレートはなんと156キロをマーク。トップでプロテストに合格する。しかし彼には悩みがあった。妻である。ジムには別の高校から仕事をオファーされており、妻もその仕事に就くことを希望した。散々、迷惑をかけてきた妻である。彼は相談の為に父のもとを訪れる。。

 この映画は実話を元にしており、ジム・モリスは実在の人物です。この映画をプロデュースしたマーク・チアルディは彼がメジャーリーガーとして脚光を浴びる前より映画化に動いていました。彼は若い頃、マイナー・リーガーで若き日のジム・モリスとチームメイトだったのです。この出会いもまた映画的です。一人は映画界に、もう一人は35歳からメジャーに再挑戦。運命を感じずにはいられなかったのでしょう。

 私も野球が好きで学生時代はよく甲子園に観戦に行きました。息詰まる攻防も見ものですが、何より野球場の雰囲気が好きでした。球場全体に熱気がこもっており、何かが起こりそうな気がしました。野球はやっぱライブに見るのが一番面白いですね。この映画はそうした球場の雰囲気をよく出していたと思います。野球好きにとってはたまらない作品です。なお、私はヤクルトスワローズのファンです。関西では珍しいですが。

【来週の鑑賞予定】
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆マイノリティレポート(京都スカラ座)
○13階段(京都宝塚)
→山崎努ファンの私としては行かねば
◎ケミカル51(京極東宝)
○レッド・ドラゴン(京極東宝)
→「ハンニバル」みたいな作品だったら厭だなあ。まあ評判を見てですな。
×運命の女(京極東宝)
→リチャードギアも大嫌いや、とっとと終われ。
☆ギャングオブニューヨーク(Movix京都)
☆壬生義士伝(Movix京都)
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
×T.R.Y<トライ>(Movix京都)
×ゴースト・シップ(Movix京都)
☆オールド・ルーキー(Movix京都)
×アレックス(Movix京都)
→凄惨なシーン連発。怖いもの見たさは「自殺サークル」で懲りた。
×トランス・ポーター(Movix京都)
→リュックベッソンのよさが私にはわからない。以上。
△ハード・キャッシュ(弥生座)
→クリスチャン・スレーター、好きなんだけどな。。う〜ん。。
×彼女たちの時間(弥生座)
→事前情報、何もなし。
○ストーカー(美松)
→なんか評判がめちゃくちゃいいのですが。
×イナフ(美松)
×JamFilms(みなみ会館)
→冷静に考えると岩井と堤の映画に金払うのは厭だ。
<大阪>
×呪怨(テアトル梅田)
☆刑務所の中(梅田ガーデンシネマ)
○猟奇的な彼女(心斎橋シネマ・ドゥ)
→評判わりいぞ。大丈夫か?
◎ <追悼 ビリー・ワイルダー特集>アパートの鍵貸します(シネリーブル梅田)
→やっぱスクリーンでこれを見てみたい。
○ブルー・イグアナの夜(シネフェスタ)
→予告には心動いたが。。
○サラーム・シネマ(シネフェスタ)
→イラン映画ブームがまた来ましたね。質もそれに見合うものになってます。

<今週見た映画>
夫婦善哉 2/2 京都文化博物館映像ホール
→天才藤山寛美をして「かなわへん」と言わせしめた森繁の演技に脱帽。
オールドルーキー 2/5 MOVIX京都シアター5
→野球場の雰囲気をよく出していた。野球好き必見。
<ビデオ>
アリーmyLove?(1)
新仁義無き戦い
新仁義無き戦い 組長最後の日

ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
 今週の「週刊文春」で小林信彦先生が「ギャング・オブ・ニューヨーク」のことを書いておられ、しっかりとネタばれを披露され、なおかつ間違っていました。テメエは浜村淳かい!とまず突っ込んでおきましょう。

 最近の小林信彦先生、どこかトチ狂ってきてると感じるのは私だけでしょうか。コラムの中でキャメロンディアスをたいしたことない女優と書いておられましたが、彼女は演技うまいですよ。

 「ギャング・オブ・ニューヨーク」は私も見ましたが、早くも今年のワースト候補決定かと思うほど、すっげえつまんねえ映画でした。昨年のうちに見てきた弟が「後半は見なくてもいい」と言ってましたが全くその通り。面白いのはディカプリオがデイ・ルイスに襲い掛かるシーンまで。あとはカス。迷走しまくってます。それからこのマズイ邦題は何とかならないものか。今日はこれじゃなくて今週で上映が終わる「黄泉がえり」。

 この「黄泉がえり」は極めてドラマ的に作られた作品であると思います。日本はアメリカと違ってドラマ俳優と映画俳優の区別が明確に引かれていませんが映画初主演の草薙剛にしても竹内結子(「イノセント・ワールド」という作品もあるが、この人ははっきり言って演技のセンスがない。)にしてもチンコさらしのブタ(俺はこいつ嫌い)にしても石田ゆり子にしてもドラマ俳優(女優)という言葉がぴったり来ます。なのにちゃんと映画らしくなっているのは、塩田明彦監督の手腕なのでしょう。北林谷栄や哀川翔のような映画俳優(女優)を出演させているのが憎い。キャストにとってもこの映画は勉強になったでしょう。最近見た「ラストシーン」という映画の中で映画出演中のアイドルが撮影所の威厳に打たれて、真摯に演技に打ち込むシーンがありますが、同じようなことが撮影中にあったのではないでしょうか。いや、ないかな。

 もう死んでしまった人が突然甦る、これがこの映画のテーマでなっています。この”黄泉がえり”の例が数ケース紹介されます。不慮の死を遂げた恋人を想う女性、死んだ妻を想う医者、死んだ旦那を想うラーメン屋の女将、兄が死んで天涯孤独になった弟、イジメに耐えかねて自殺した少年を密かに想う少女、失踪した息子のことを想いながら50年以上生きてきた老婆、最愛のパートナーを想う歌手。。私にはそうした、甦って欲しい人というのが正直いないので、その気持ちはわかりませんがこの映画の出演陣のような気持ちを持った人は決して少なくないでしょう。私もいずれそれがわかるようになるかも知れません。

 一番出色だったのは、イジメで死んだ中学生のエピソードでした。自分は愛されていない、と身を墓なんで自殺した少年が自分のことを想ってくれた女性のいることに気付く。映画の中ではほとんど出てきませんが、これが一番よかった。

 泣きませんでしたが数回、胸がズンとなるシーンがありました。近頃の東宝系邦画では出来がいい作品です。なお、これは多分、ドラマ化されると思います。サイドストーリーがよくできていますから、長くしやすい。ただ私は「壬生義士伝」の方がお薦めだな。

ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
 どうにも時間が取れませんのでリニューアルは来週に回します。まあ大して変わらんのですが。ただ、そろそろホームページの方に今まで書いた感想を溜め込んでいきます。今、読み返して見ると恥ずかしいほどつたない感想もありますので、一部加筆などをしているのですが、余計に時間がかかっています。まあ来週あたりには終わると思います。時間があれば、以前に運営していたホームページで書いた感想などをアップしていこうと考えています。これも結構分量があるのです。本日は京都朝日シネマフィナーレ企画で上映された「お引越し」

 私はこの映画を4年ほど前にビデオで見ていますが、正直言ってよくわかりませんでした。今回、映画館でじっくり見直せる機会があってよかったと思います。主演はNHKドラマ「私の青空」を主演した田畑智子ちゃん。当時、13歳でした。私、この女優さんが大好きで「私の青空」は録画して見てましたし、続編となる「私の青空2002」はDVDまで買ってしまいました。そうめんつゆのCM以外で露出は少ないですが、ぜひ頑張って欲しい女優さんであります。ドラマの出演は多いのですが、映画はこれと「さぶ」の二本だけ。意外。

 小学生の普通の女の子であるレンコは父のケンイチの別居によって母のナズナと二人暮らしをすることになる。母が働くので家事を担当することになるレンコ。当初はタダの別居だと思っていたが夫婦仲は完全に終わっていた。ある日、同じく母子家庭の子供がいじめられているのに激昂し、クラスメイトを大喧嘩する。彼女は何とか三人で暮らそうと奮闘するが。。

 実話を元にした小説が原作になっており、京都で撮影された作品です。監督は先年亡くなった相米慎二。原作者のひこ田中さんによると一筋縄でできた作品ではないらしく、相米監督は「俺はこの作品を降りたい。結末はレンコを自殺させるしかない。それは厭だ。」とぼやいていたそうです。確かに作品は暗い。父と母が別れて暮らす。両親の離婚は子供にとっては不条理でしかないのです。父も母も離婚の理由を色々述べますが子供にとってはどんな理由であっても最期まで理解できない。数回、二人は仲直りの機会を持ちますがどれも失敗。絶望したレンコはとんでもない行動に出ます。これが後半の山になります。

 撮影終了後、「もうレンコやらんで済む」と呟くまで打ち込んでいた田畑智子ちゃんの演技が何ともいい。ユーモアのセンスもあります。歌を唄いながらザリガニを取るシーンなんかは最高によかった。ちょうど離婚が社会問題になっており、アメリカ大統領選においても離婚が焦点になり、離婚容認派のクリントンが当選したのもちょうどこの頃でした。相米監督は頭をひねり倒して考えたラストを見るだけでも値打ちはあります。大きいビデオ屋に行けばおいてあると思います。
 フィナーレを「お引越し」を飾った朝日シネマですが、果たして「お引越し」になるのか。「おめでとうございます。」と叫んだ我々の真意は果たして叶うか。京都朝日シネマスタッフの健闘を祈ります。

お引越し (1993/日)
監督:相米慎二、脚本:奥寺佐渡子、音楽:三枝成彰
出演:田畑智子、中井貴一、桜田淳子、笑福亭鶴瓶、茂山逸平
 1月29日。京都は氷点下4℃を記録し、今年最高の寒さとなった。夜9時半。私は三条河原町を後にしていた。本日を持って関西を代表するミニシアターである京都朝日シネマが閉館した。そのフィナーレ企画である「お引越し」を見ての帰り道であった。
 私が映画に興味を持ったのは今から4年前。まだ私が大学生の頃だった。しかし私が京都朝日シネマに足を踏み入れたのはさらにその2年前に遡る。当時の社会現象となったアニメ、「エヴァンゲリオン」を見に行っていたのだ。記憶にほとんど残っていないのだが、春と夏に上映があり、両方とも朝日シネマで見たと思う。(ひどく混んでおり、夏は立ち見で見た記憶がある。)当時、私はまだ映画をほとんど知らなかった。時は97年3月。これが私と朝日シネマの出会いだった。参考になるかどうかわからないがここに私が朝日シネマで見た映画の一覧を挙げておく。なお、2001年が目立って少ないのは、私が東京にいたからである。
1997年
新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生
新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを、君に
1998年
初恋(97’) 98’7/3 朝日シネマ1
不夜城 98’9/8 朝日シネマ2
生きない 98’11/9 朝日シネマ2
ザ・ハリウッド 98’12/1 朝日シネマ2
1999年
ライフ・イズ・ビューティフル 4/26 朝日シネマ1
ロリータ 5/17 京都朝日シネマ2
ワンダフルライフ 7/15 朝日シネマ1
54 フィフティ・フォー 8/2 朝日シネマ1
フェアリ〜テイル 8/5 朝日シネマ2
ライフ・イズ・ビューティフル 8/12 朝日シネマ1
ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 9/3 朝日シネマ1
6週間 プライヴェートモーメント 9/20 朝日シネマ1
ストップ・モーション 9/21 朝日シネマ2
セレブリティ 9/8 朝日シネマ2
運動靴と赤い金魚 10/17 朝日シネマ2
皆月 11/23 朝日シネマ2
眠狂四郎炎情剣 11/30 朝日シネマ1
白痴 12/5 朝日シネマ1
2000年
海の上のピアニスト 00‘1/13 京都朝日シネマ1
アメリカン・ヒストリーX 5/16 京都朝日シネマ1
ミフネ 5/29 京都朝日シネマ1
季節の中で 6/16 京都朝日シネマ1
太陽は僕の瞳 7/3 京都朝日シネマ1
カリスマ 7/7 京都朝日シネマ2
あの子を探して 8/14 京都朝日シネマ2
2001年
BROTHER 2/2 京都朝日シネマ1
アヴァロン 2/15 京都朝日シネマ1
2002年
ラッキーブレイク 8/17 京都朝日シネマ2
ES 8/28 朝日シネマ1
白い船 9/2 朝日シネマ2
ブレッジ 9/21 朝日シネマ2
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 10/21 京都朝日シネマ1
チョムスキー 9.11 11/8 京都朝日シネマ2
歌え!フィッシャーマン 11/15 京都朝日シネマ1
ディナーラッシュ 12/3 京都朝日シネマ1
国姓爺合戦 12/7 京都朝日シネマ2
クライム・ダイヤモンド 12/10 京都朝日シネマ2
ゴスフォード・パーク 12/15 京都朝日シネマ2
AIKI 12/27 京都朝日シネマ2
2003年
至福のとき 1/22 京都朝日シネマ2
アメリ 1/26 京都朝日シネマ1
お引越し 1/29 京都朝日シネマ1

 こう見てみると実に多くの映画を見た映画館であったことを改めて思い起こす。しかし私なんぞよりもずっと昔から映画を見ている人にとってはそれどころではないと思う。本日の京都朝日シネマは実に多くの映画ファンでごったかえてしていた。私はその場で実に3年ぶりに友人と再会した。事前に混雑を予想した私は半休を取って朝一番に整理券をもらいに行っていたのでゆっくり座ることができた。
 私は劇場で年間100本以上の映画を3年連続見ている。普通の人々に話すと凄いね、と言われる。そして付け加えるように、「そんなに見てどうするの?」。ほっとけ、と言いたい。趣味に”映画鑑賞”と書く人は千差万別で劇場鑑賞本数年600本の人から、一年に3回ほどシネコンで映画を見る、という人から様々である。しかし大まかな分け方をするとビデオ派と劇場派に分かれるのではないか、と思う。言わずとしれる、私はもちろん後者である。基本的に映画は劇場で見るものだと思っている。人によって事情は異なるので無碍に押し付けはしないが、私が映画ホグワーツの先生ならば劇場で見ることをお薦めするだろう。
 私が映画館で映画を見る理由として、実家にはテレビが一台しかないのでなかなか一人で独占して映画を見ることができないことや集中力が常人に比べて少ないので二時間ぶっ通しで見れない、などが挙げられる。しかし一言で表すと「映画館が好きだから」に尽きる。大学2年生の際、母親に連れられて行った「タイタニック」を見てボロ泣きしてしまった私は今までほとんど見ることがなかった映画に興味を持った。映画を映画館で見ようと思ったのだ。当初は映画館に一人で入るのに抵抗はあったし、1500円は大学生にとってはキツかった。しかしそれから5年経ち、最近本当に映画のよさがしみじみとわかるようになった。席にゆっくり座り、映画の上映を待つ。映画を充分に味わい、時には大笑いし、時には涙を流す。上映が終わり、場内がゆっくり明るくなる。その全ての瞬間が本当に幸福だと思えるようになった。これはここ数ヶ月の話である。京都朝日シネマは私にそうした「映画の楽しさ」を色々教えてくれた映画館の一つであった。シネコンばやりの世の中では小さな映画館であったし、ラインナップにも若干の不満があったときもある。しかしそれでも私にとって、そこは一つの”家”であった。朝日シネマと関係の深かった茂山千之丞さんがおっしゃったように”コヤ”であったのだ。かつて芝居が全盛であった頃、芝居小屋は劇場だけでなく、人々にとっては”憩いの場”であり、もう一つの”我が家”であった。朝日シネマは私にとってはそういうところだった。皆にとってそうだったかはわからないが、私にとってはそうだったのだ。
 昨日、私は一粒の涙を流すことはなかった。心の中で自らを平静に持って行こうと耐えていたからだ。私は子供の頃から感情を出すことを極力避けてきた。それは人一倍、感情もろい人間であるからだ。閉館から一日たった本日、私は涙を流しながらこの文章を打っている。何でもないことだが新聞の映画欄に「閉館致しました。再見!」と記載されているのを見た途端に滂沱のように涙が流れた。私にとって朝日シネマはそうした映画館であったことをはじめて認識したのだ。フィナーレに立ち会えてよかった。本当はミニシアターの未来や閉館の理由となった某新聞の悪口なども書こうと思ったが本日の私には書けそうにもない。これで勘弁させてください。

 監督と名の付く商売は多くありますが主に、野球などのスポーツの監督、現場監督、そして映画監督が挙げられると思います。昨今亡くなった深作監督は正に監督と言う言葉がしっくり来る人でした。辞書で引くと監督は「下の者に指示を出してその行動を統制すること」とあります。映画とは一人で出来るものではなく、脚本、美術、小道具、音楽など様々なスタッフとキャストで作り上げる作品です。監督は全体を統括し、指示を出します。映像作家などという言葉は一人で何もかもやってるようで、非常に傲慢に聞こえます。今回見たこの「壬生義士伝」という作品は正に全員で丁寧に作り上げたと言える作品です。監督は滝田洋二郎。この人もまた監督という言葉がとても似合う人です。どんな映画でも撮ることが出来る、というのは、このアーティストぶってマニアックな映画を撮ることに打ち込んでいる「映像作家」さんだらけの日本映画界において大変稀有な才能だと思います。
 幕末。新撰組に吉村貫一郎という男がいた。この男、腕は滅法冴えるのだが妙に吝嗇なところがあり、金への執着が大変強い。皆はそんな彼を愛したが一人、気に入らない男がいた。新撰組きっての使い手である斎藤一。彼は吉村を嫌い、彼を斬ろうとしたこともあった。吉村は南部藩を脱藩し、新撰組に参加したのだがある秘密があった。彼は家族を飢えさせない為に新撰組に入隊し、給金を故郷に送金していた。時代の動きは早い。やがて新撰組は窮地に陥っていく。。
 ご存知のように原作は今や日本一の流行作家となった浅田次郎の「壬生義士伝」。一昨年、テレビ東京の製作でドラマ化されました。テレビ東京のドラマは12時間という長さからか、原作をそのまま映画化していました。原作は吉村貫十郎を巡る人々の回想で成り立っており、これをどのように映画化するのかが原作のファンでもある私の関心の一つになっておりました。あの長い小説をどのように二時間にまとめるのだろうか。映画は回想形式を一部残しながら、吉村と斎藤を中心に映画を構成。年老いた斎藤と吉村の南部藩時代の上司である大野の息子・千秋に回想させる形式を取っており、なかなかよくできていました。原作には登場しない斎藤の妻・ぬいが実によかった。あれで吉村のライバルである斎藤という人物に深みが出ました。
 なお、テレビ東京と合同とは言え、「たそがれ清兵衛」に引き続いて松竹が製作。いよいよ松竹も復活かもしれません。つくづく映画っていいなあと思え、純粋に感動できる作品です。お見逃しなきよう。

 なかなか時間が取れないのですがホームページを改装いたします。目標は2月2日。(ゾロ目好き)あ、それから長らく休んでいた世相対談も今週から復活させます。中途半端はやっぱいけませんな。サイトの性格をどうするかも悩んでいます。完全な映画サイトにしてしまうか、それから色々やるか。まずは規則正しく更新できるか、なんですけどね。。明日は半休!本日はチャン・イーモウの「至福のとき」。
 以前にフランス映画と相性が悪いと書きましたが中国映画ともあんまり相性がよくない。昨今の中国映画は非常に評判がいいのですが、私にはなんか合わないのです。「初恋の来た道」にしても「山の郵便配達」にしても「あの子を探して」にしてもストーリーは貧しい人たちが色々あったけど貧しいままで、でも生活には満足してる、という感じです。これ、実は元々、このパターンは日本映画の十八番で「鴛鴦歌合戦」にしても「素晴らしき日曜日」にしても状況は何も変わってないのに、何故か満足しておわっとる。そりゃ貧しい中にも幸せはあるのかもしれませんが、そんなことを延々と聞かされてもねえ。なんか貧乏くさい。それで映画評を見ると「お金では買えない幸せ云々」とかそんなんばっかり。どうしてこんな映画ばかり中国で作られてるのか、韓国みたいに社会性(「JSA」「シュリ」)、純愛(「8月のクリスマス」)を乗り越えて「反則王」や「火山高」みたいな威勢のいい作品が出てこないのか。それは多分、中国において資本主義が急速に進んでいてその反動でこういう映画がもてはやされているのでしょう。そこのところは50年代、60年代の日本と一緒で中国映画界は日本映画界と全く同じ道を歩んでいると言えるのかもしれません。
 チャン・イーモウという監督は現在の中国映画を代表している監督(少なくとも日本ではそう)ですが、その作品は貧乏臭さやわざとらしさを突っ切っていると思います。つまり確信犯。「初恋の来た道」なんて正にそうでしょう。それがどぎつかったので私は醒めて途中退出してしまいましたが。本日、一週間後に閉館する京都朝日シネマで見た「至福のとき」は継子のガリガリの女の子が主人公。しかも盲目。今時、「はぐれ刑事」でもそんなキャラは出さんぞ。
 50過ぎても独身のオッサン、チャオは悩んでいた。今年こそ、結婚したいと考えていたが相手にはいつも断られてしまう。やっと捕まえた相手はバツ2のブタ女。しかも二人の子持ちシシャモ。彼は旅館の経営者と嘘をつくが、真っ赤な嘘で実は失業者。何とか婚約までこぎつけるがブタ女に子供の仕事の世話を押し付けられる。それが盲目の少女。彼女はブタとなさぬ仲。ハリーポッターのように毎日、イジメに合っていたのでした。途方に暮れた彼は彼女にあんま屋をやらせることになる。場所はつぶれた工場の一角で客は彼の工場時代の友人。彼女は大変喜んだがこんなままごといつまで続くものでもない。遂に金がなくなったチャオは何とか金を算段しようとするが。。
 「部長刑事」並みに話もベタで展開は読めましたので泣くことはなかったですが素直に面白いと思える作品でした。彼の言う旅館の経営が廃バスを利用した簡易ラブホテルだったり、あまり物のバラを真剣に切りそろえたり、かなり笑えるシーンが多かったです。主人公はフランキー堺に似てるし。(社長シリーズのフランキーは似非中国人の役が多かったのを思い出した。)
 「初恋の来た道」に比べると軽く仕上げていますが、基本的にスタンスは一緒。薄幸そうな日本向けのロリ少女を引っ張ってきた時点で勝利は確実。見て損はない作品だと思いますが、監督のキャリアにとって大きなものになることはないでしょう。期待通りの作品ですのでファンの方は安心してどうぞ。ちなみに製作総指揮は「シンレッドライン」のテレンス・マリック。何故だ。

久々に鑑賞予定の作品を更新。
【来週の鑑賞予定】
☆:見た、×:鑑賞予定なし、◎:見ます!、○:金と暇があれば、△:考え中
☆マイノリティレポート(京都スカラ座)
◎黄泉がえり(京都宝塚)
→問題は見に行ける時間があるかどうかだな。
△カンパニーマン(京極東宝)
→「CUBE」ってめちゃくちゃ昔だよな。。
◎ギャングオブニューヨーク(Movix京都)
→見に行きたいけど。。なかなか見に行けない!
◎壬生義士伝(Movix京都)
→原作ファンとしては絶対見に行かねば!
☆たそがれ清兵衛(Movix京都)
→異常なロングラン。もう一回見るか。
☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Movix京都)
→終わる直前にもう一回見に行く。
△T.R.Y<トライ>(Movix京都)
→だって大森一樹やぞ!
×ゴースト・シップ(Movix京都)
→ホラーはいいや
○オールド・ルーキー(Movix京都)
→野球好きやしなあ。。
○アウトドライブ(弥生座)
→ロングランならば見に行くかも。今のところ行く余裕なし
◎西洋鏡・映画の夜明け
→この手の映画、大好きなんだわ
×グレースと公爵(美松)
×イナフ(美松)
→ジェニファー・ロペスは嫌いじゃー
☆至福のとき(朝日シネマ)
◎アイリス(朝日シネマ)
→見る気なかったけど朝日シネマは俺が看取る。
<大阪>
×呪怨(テアトル梅田)
→怖い、怖すぎる
◎火星のカノン(テアトル梅田)
→中村麻美の為なら平日レイトも辞さず!
○JamFilms(梅田ガーデンシネマ)
→何にも期待してませんが私は吉本多香美が好きなんです。
◎ラストシーン(シネリーブル梅田)
→麻生久美子の為なら私は半休でも全休でも取る!
○ストーリーテリング(シネリーブル梅田)
→みなみ会館でやってくんないかな。平日レイトはキツイ。
◎キス★キス★バン★バン(心斎橋シネマ・ドゥ)
→気付くのが遅かった。一番見たい映画だ!
<ビデオ>
アリーmyLove?(1〜6)
仁義無き戦い・代理戦争
月はどっちに出ている

<今週見た映画>
刑務所の中 1/18 シネクイント
→崔洋一健在。ギリギリなお話を軽く見せてくれてます。
刑事まつり 1/18 シネマ下北沢
→なんか疲れた。玉石混合
水の女 1/21 みなみ会館
→浅野忠信は器用な役者だと思います。
至福のとき 1/22 京都朝日シネマ2
→ベタベタなれどヒットするんだろうなあ。。

ホームページもよろしく→http://www.nkyo.net/~tetorapot/
 東京より帰ってまいりました。なんか外国に行っていたような気がするのは私だけでしょうか。東京は遠いもんね。東京で見た「そうだ、京都に行こう」キャンペーンは今年は「バカボンド」でありました。曰く、「冬の京都がその男をつよくした、と聞きました」
そうなのか。
ただ私は正しくは「冬の京都がその男を(寒さに)つよくした、と聞きました」だと思います。とにかく寒い!!他に何があるねん。
 イースター島で落書きして曰く「落書きしたらいかんのですか?」あきれた人も多かろうが私は大して驚かんかった。観光地への落書きなんて日常茶飯事。私の好きな和歌山県白浜の千畳敷なんて落書きで耳無芳市状態。東京ドームでメガホン棄てるのと一緒。この言葉も嘘偽りない、思いだったんでしょう。チリが親日国でよかった。一つ間違えば現地でリンチにかけられ殺されとったかもしれん。それでもいいと思うけどね。いい加減、日本観光客のマナーの悪さについて注意を促すべきだろう。観光地での日本人は評判が大変悪い。とにかく下品。金遣いがあらいわ、昼間から酒飲んで暴れるわ、世界各国のええ笑い者。今から30年以上前からある農協の売春ツアーの時代から日本人観光客は「旅の恥はかき棄て」が合言葉。海外で日本人はどう思われてるか。ヤリマンにスベ公。もういい加減にしとけ。
 本日はシネマ下北沢で見てきた「刑事まつり」。
 とにかくたくさん来てました。何しろ50人入りの劇場なのに100人ぐらいは入ってると思われます。私は昼2:30の分を一時間以上前に買いに行きましたが既に整理券は60番台。もうすでに補助席でした。ちなみにこれがシネマ下北沢デビューでついでに言うとシモキタに来たのもこれがはじめて。東京にいた時、いつも遊んでいたのは銀座、日比谷、浅草と東地域ばっかりだったもんな。たまに渋谷、池袋でしたが世田谷区に行くのも始めてでした。この劇場は映画好きのスタッフで構成されており、他ではなかなかやらないような映画、自主映画に毛が生えた映画とか特集なんかをよくやっているようです。東京には他にラピュタ阿佐ヶ谷とかBOX東中野のようなインディーズ系の作品を多く流す映画館はありますが、ここが一番濃いような気がします。まあシモキタという街自体が小劇場と商店街が共存しており、ごちゃごちゃしてますから何でもありなんかもしれませんが。駅前の便所で「張り紙ぐらいちゃんと剥がせ!シネマ下北沢!」と言うポスターを見ました。なんかあるのか?ここは。
 12人の映画監督が刑事をテーマに10分以内のショートフィルムを撮るという企画で始まったのが、この刑事まつり。こんな冗談みたいな企画に青山真治とか黒沢清まで参加しとるのですから、日本映画界の監督は相当、懐広いなと思います。この映画は日本映画の監督の挑戦と男気を褒める映画です。ええ。内容を問う前にね。
 そう書くとひでえ内容だったみたいな書き方ですが、そんなにひどくは無かったです。ただ、1時間33分という短い映画でしたが随分長く感じました。この手のバカ映画は30分見たら疲れて厭きてくるんです。(「発狂する唇」も同じことが言える。)個々の感想を一応挙げておきます。
◎:楽しめた。○:まあまあ △:しんどい ×:やり直せ
○アメリカ刑事(高橋洋)・・・絶対にDVD化できない映画。もっと軽く仕上げて欲しかった。
○さよなら地球刑事(奥原浩志)・・・岡村ちゃんの曲が聞けたのでよかった。
×スローな刑事にしてくれ(市沢真吾)・・・ばかもん。丁稚からやり直せ
◎だじゃれ刑事(佐々木浩久)・・・何か間違った道に落ち込んでいってるような気がする中村愛美が主演。相変わらず、わけがわかりません。でも諏訪太郎の独り言が「進め!パイレーツ!」のラストみたいで面白かったです。彼が例に出した「しがらみ学園」は黒沢清の学生時代の自主映画なのは知ってましたが他のネタはわかりませんでした。内藤って誰?内藤誠?
○刑事vs刑事(廣木隆一)・・・他愛もない一発ネタですが、一番よくまとまってたような。。
○特殊刑事(西山洋市)・・・さっぱりわけがわかりませんが「探偵ナイトスクープ!」みたいなノリでした。5リットル刑事の由来がわからん
△引き刑事(堀江慶)・・寒かったでしょう。
○NOと云える刑事(青山真治)・・・人気ナンバー1だそうですが、寺島進と黒沢清の共演が楽しめるというだけで他に何か?つうか、タダのアホやんけ。
◎夫婦めおと刑事(万田邦敏)・・・数年前に年末、フジで放映していた「北半球一下らない番組」みたいなネタ。おもろい。
×モーヲタ刑事(山口貴義)・・・どこがモーオタなんかよくわからないのは私がモーニング娘。に興味がないからでしょうか。
○霊刑事(黒沢清)・・・路上で撮影しているのですが、回りの人が振り向いてました。相変わらず、わけがわかりません
○忘れられぬ刑事(篠崎誠)・・刑事まつりの言い出しっぺらしく、塩見三省、大森南朋(イチみたいなキャラで)、嶋田久作、突貫小僧と豪華な顔ぶれ。「忘れられぬ人々」ではこの人の性格がさっぱりわかりませんが、この映画で少しはどんな人かわかったような気がします。ところで「突貫じじい」はどうなったのよ?密かに楽しみにしてたのに。
 まあ入場料も1000円ですし、絶対にDVD化もしませんし(「幻の湖」がDVD化する時代でも)暇つぶしに見るのにはいいんじゃないでしょうか。関西では今月末から大阪でやりますし、京都でも上映日程は決まっていませんがやるそうです。
ただショートフィルムってこういうもの何ですか?

 私、明日から東京に行ってきます。友人に逢うのもありますが、関西ではまだ上映されていない映画を見に行ってきます。「刑務所の中」「アカルイミライ」などなど。一番楽しみなのは「刑事まつり」ですな。12人の監督が10分ずつ撮ったショートフィルムのお祭です。
まあ関西でもすぐにやるんだけどね。
関西でも待っていればミニシアターの映画も来るんですけどね、遅いのと上映期間が短いのが難。実はミニシアターでの上映作品は東京も関西もそんなに変わらないんだけどとにかく上映期間が長い。やっぱ東京はすごい。
 北朝鮮に里帰りする在日にシュプレッヒコール、君が代を歌いながらの解体工事阻止と、後は石原慎太郎さんを三顧かウンコの礼で迎えるだけの態勢が完璧に整いつつある昨今、皆様いかがお過ごしですか。
 得意げな顔でほえておった新潟県議を顔を見て思うのは関東大震災で朝鮮人を殺した自警団ってな、こういう顔してたんだろうなあという感情。オッサン、拉致が表面化する前に何かやったのか?
 皇后様の家かなんか知らんが家の持ち主が了承したことに無関係の人たちが何か意見はさめるのか?「国民の恥」だとか言う言葉がとんでおったが税金は国の根幹だぞ。その徴税作業を邪魔するオマエラは何者?そんなにつぶすな、つぶすな言うならあなた方のお金でお買いになられたらよろしい。正義面してるが、相当おかしな人ですよ、あなたがた。
 おかしな人はどこにもいるもんで小学校時代にもいたなあ。ある日、宿題は家でやりましょう、とか学級会で決めておった。しかし私には関係ない。そんな意味わからん下らんきまりに従う必要は何も無い。大体、私は学級会とか言うもんが大嫌いだった。「井筒君が私のことをウンコちゃんと呼んだ。反省してください」「ハムナプトラちゃんのことをウンコちゃんと呼んだことを反省します。」とかこんなん、やってたのだ。一種の自己批判やないか。何の意味があるのか。私は宿題が大嫌いだったから休み時間に一生懸命にやっておりました。いきなり、「ヤメロ」と羽交い絞めにされた。「何すんだ、テメエ!」と本気で大喧嘩。3針縫わせるケガさせてこっぴどく怒られた。しかし、センセはさすがだね。「人に迷惑かけないのなら、宿題を学校でやってもいいです。」最もです。宿題なんかいつやろうか、私の勝手です。私の育った地域は日教組がめちゃくちゃ強くて先生が偏向しまくっておりました。(生徒の親に赤旗を勧誘していた。)つい先日、大分県の教育委員会が「成人式に晴れ着を着てくるな」と何人かを追い出した。理由がまた凄い。「着物を買えない家庭もあるから。」すげえ理屈だな、本当に。まあこれに近いような学校で私立中学校の受験を考えていた私も嫌がらせをしょっちゅう受けました。結局、それがはずみになって私立中学校に入学。それ以来、地元とは一切の交流がございません。本当に助かっております。
 子供時代というものは大人が考えるほどいい時代じゃなくて、考えようによっては大人以上に汚い世界がそこには広がっております。本日取り上げる「非・バランス」は言わばまあそういう映画。監督は「ごめん」の富樫森。この作品はデビュー作になります。この映画はおととしの秋にシネセゾンで予告を見て興味を惹かれたのですが、結局見に行けなかった作品です。このたび、WOWWOWで放映されたので、やっと見ることができました。主演はこれがデビューとなった派谷恵美。なかなか可愛い。マイク濱シリーズにも出演しており、勝村正信演じる教師に憧れる高校生として登場しておりました。まだ全然出ていないのでぜひ、頑張って欲しい。共演は今や日本ドラマ界において欠かせない存在になった小日向文世。私、公開された時点ではこの人を知らず、また役もオカマ役だったので男か女かわかりませんでした。
 女子中学生のチアキは心に決めていたことが2つありました。「ひとつ、クールに生きていく。ふたつ、友達は作らない」小学生時代、彼女は親友だと思っていたミズエに裏切られ、それ以来、人間不信になっていたのです。過去の経験がトラウマになり、毎日小学生時代の夢を見る。夢の中でも言い返せない自分。彼女はいつしか、「みどりのおばさん」を信じるようになっていました。都市伝説のようなもので、緑の雨合羽に緑の髪の毛をしたおばさんで「緑を頂戴」と言いながら近づいてくる。このおばさんにお願いことをすると何でもかなうのです。ある雨の日、チアキは橋のたもとで「みどりのおばさん」に出会い、「助けて。。」と泣きつきます。が、それはオカマのキクちゃん。明らかに情緒不安定そうなチアキをキクちゃんはほっとけずに奇妙な友情がスタートする。
 岩井俊二が「学校時分はちっとも楽しくなかった。毎日が地獄だった」と言ってましたが共感します。昔はいつだって綺麗です、都合の悪い記憶は消してしまいますから。しかしチアキは消すことができなかった。過去のことと清算できなかったのです。
 数回、ドキリとさせられるシーンがあり、胸が痛くなります。アナルをピッと締めて鑑賞されることをお薦めします。人生は常に戦場なのです。
 私が通っていたプールを含む、カルチャースクールが3月末で閉館する。水泳、テニスなどのスポーツや洋裁、料理、華道など様々なことを教えてるところで、随分昔からあるカルチャースクールだった。まさかつぶれるとは思わなかった。私はここに最近まで通っていたがもっと勤務先に近いジムに通おうと思い、やめたばかりだった。だがなかなかいいところが見つからず、また戻ろうかと思っていた矢先だっただけに驚いた。これからどうしよう。京都朝日シネマも無くなるしね。。娯楽、文化が消えるようではいよいよこの国もおしまいやな。どうせ京都中央信用金庫のあこぎな取立てに耐え切れずに倒産したんだろうけどさ。つぶれてしまえ、こんな信用金庫。
 昨日は出なくてもいいのに四条まで出てきていたのだが、着物来た女の子がゾロゾロ。ああ、今日は成人式か。私は今から4年前。実は我が家にも今年、成人式を迎える弟がいるのだが成人式には行かなかった。成人式なんてなあ、一種の同窓会。私や弟は中学から私立だったので知り合いがほとんどいない。全然、楽しくないのである。まあ、逢いたくないけど。成人式でもらえる商品目当てに行った私は厭な思いした。毎度毎度、荒れる成人式と称してマスコミさんは取材をなされるが20歳の青年男女に公序良俗を求める方が間違ってる。路上でセックスしないだけ、倫理観があると思え。着物は一度脱いだらちゃんと着るのは難しいぞ。浦安という街では新成人を税金でディズニーランドに招待するらしい。税金払うのもバカらしい。浦安の人、払わなくてもいいぞ。
 宇多田さんが今年20歳というのも驚いた。うちの弟は郵便局のアルバイトで賃金を得た。これが弟が始めて稼いだ金である。かたや。。。たいしたものですな。この人と矢口真里(漢字知らん)が生涯に稼ぐ賃金の中で今まで稼いだ賃金はどれくらいの割合を占めるのでしょうかね。案外、半分を占めるんじゃないでしょうか。ケーキ屋ケンチャンはこれから得る賃金を含めても10代のうちに99%は稼いでいました。20歳越えると残りの人生、おまけ。 
 20歳前で結婚するというのはどんな気分なのかね。私、24歳をさらしてますが結婚なんか考えたこともない。ヒカルさんのお母さん、藤圭子さんの名曲、「圭子の夢は夜開く」。お母さんも早熟でしたなあ。ヒカルの夢も夜開いてますか?え?開いてるのは別のもん?(今日はシモばっかやな)
 ちなみに私と一緒に成人式を迎えたのは長谷川京子、京野ことみ、麻生久美子。ジャリタレばっかの今日において、彼女らも既にベテラン。男女の違いはあれども、はああああ〜と思わずため息一つ。まあこんなもん、こんなもん。合掌。
 本日は昨日の深作欣二監督の死去を追悼する上で深作監督の遺作となった「バトルロワイヤル」の感想をアップします。そういや「バトルロワイヤル」論争ってものもありましたね。あれを引き起こした国会議員ももう死んでしまいましたが。私、この論争が起こった時にはまだまだ映画ホグワーツ二年生の頃でこの議員がひたすらバカに見えて仕方ありませんでした。今、こうして見直して見ると(WOWWOWで録画)こりゃ、問題作になるわ。だって確信犯やもん、深作さんと東映は。石井議員の異議申し立てもわからんでもないです。最も、社会問題と取り上げて曲がりなりにも話し合いを持った石井議員はまだ誠実なのです。映画秘宝のインタビューによると「宣戦布告」という映画の撮影を北朝鮮シンパで知られるNという自民党の議員が妨害していたそうです。本当に卑劣な政治家というのはこうして裏から手をまわして抹殺してくるのです。これが本当の言論弾圧です。
 死人に口なし、人の考えは様々ですので一概には申せませんが、石井議員がこの映画に感じた危惧というのは「日本がこういう世界になってしまうのはシャレにならない」ということだと考えています。壊れた大人が子供に平然と殺し合いさせる、こんなことは実際にあるわけありません。そこのところは想像力はないな、と思いますが、たとえ映画であるとしても「こんな国は絶対に厭だ!」という思いがしてたのでしょう。そんなもん、オッサンが見なきゃええやんと思いますがそこは国会議員という”SAGA”であります。
 しかしこの映画をじっくり見ると単純に子供に殺し合いをさせている。。と言う映画ではありません。自殺するもの、一匹狼のもの、愛するものを守ろうとするもの、非戦を呼びかけるもの。。様々なやり方を個人個人はしております。それは現実にもつながるのではないでしょうか。
 日教組がいくら声高に叫ぼうとこの世は競争社会です。一人が浮かべば、一人が沈む。「バトルロワイヤル」はそうした社会を極端に描いた作品に他、なりません。ボーとしてたら、いきなりぶっ殺されるのです。映画の中では決して身体能力が勝ち抜いていたわけではありません。精神力の強さがすべてです。ほとんどの死者が内ゲバ、同士討ち、誤解による射殺で死んでいます。結局、人を信じきれず銃口を向けてしまう。。所詮、人間は一匹だけで生きる悲しい動物なのです。
 見ておられる方は多いと思いますがエンディングはそうした”常識”に疑問符をつける形で終わります。唯一出演する大人、教師キタノとの対決は強烈でいした。「バトルロワイヤル2」ではどのような決着をつけるのか、それが見たかったのですが深作監督は完成させずに旅立ってしまった。
 寿命よりも女優とのセックスを選ぶ(抗癌剤を使うと精力が失われる為に抗癌剤を使わなかった。不倫相手の女優は荻野目慶子)監督にしてはあっけない最期であったと思います。しかし70過ぎて社会を驚かせる映画を最期に撮れたのは最大の誉れではないでしょうか。東映は常に社会を驚かせる作品を出し続けました。(いろんな意味で。)深作監督はそうした東映の水でぴちぴち跳ね回った監督だと思います。「生涯一東映映画監督」の称号を勝手にお送りします。ゆっくりお休みください。合掌。

深作監督、逝く

2003年1月12日
 深作監督が亡くなった。先日、「バトルロワイヤル2」を降板したことが伝えられたばかりだった。よっぽど悪かったのだ。残念である。
 先年、「仁義無き戦い」の脚本家である笠原和夫とピラニア軍団の一員だった室田日出男が亡くなった。それに引き続いて深作監督である。時代の流れを感じずにはいられない。本当に残念である。この言葉を能無しのように繰り返すことしか今の私にはできない。
 「仁義無き戦い」「いつかギラギラする日」「バトルロワイヤル」が大好きだった。監督の偉かったところは最後まで現役であったことだ。名匠、巨匠となると黒澤や市川昆のように爺しか見ない文芸作品を撮り続けるのだが、彼は最後の作品を「バトルロワイヤル」という社会問題にまで発展した、子供が殺しあう問題作で飾った。若い頃、ルポライターの竹中労とマキノ映画の最大傑作と言われた「浪人街」をリメイクしようと企画を立てたこともあった。「実録・日本共産党」という作品の構想も伝えられている。型破りな監督だったのだ。三度、繰り返そう。残念である。
 昨日の日記は結局、何を言いたかったのか、自分でもよくわからない。とにかく、最近気になるのは世の中、しみったれとる、ということである。別にしみったれててもいいが、それを是でする世相はなんか間違えとる。京都中信のようにあこぎな金儲けをしろ、とは言わないがやはりビックを目指すべきだ。それが日本の経済発展を支えてきとるんだから。 がっつかない、のが流行の世の中なんて、それは。。。イギリスみたいじゃないか!
 私はイギリスの映画が好きだ。イギリスの映画ってのはなんかしみったれた映画が多い。「フルモンティ」や「プラス」はまさにそうだし、「スナッチ」とか「取れインスポッティング」のような映画でもしみったれとる。しみったれが努力する、でもなんかやっぱしみったれとる。でもなんか嬉しい気分で劇場を出れる。これが好きで私はイギリス映画を見続けておるのだ。しかし、こんなしみったれた人は私だけで充分だ。私みたいになっちゃあいけないぞ、ぼく。
 で今日はそのしみったれたイギリス映画でなく、”人生の勝ち組”である辻ひとなり先生絶賛(笑)のフランス映画である「8人の女たち」であります。何でもそうですが、食わず嫌いはいけませんな。私はフランス映画がどうも苦手でしたが(フランス語の口跡のぐちゅぐちゅしたところが厭だったのと大昔に見た「天井桟敷の人々」がちっとも面白くなかった)面白い作品もいっぱいありますね。昨年最後に見た「メルシイ!人生」も面白かったし、この「8人の女たち」も傑作でした。監督はフランソワ・オゾン。何故か日本でも人気でWOWWOWで特集が組まれたこともありました。数年前、みなみ会館で「ホームドラマ」を見たのが今は懐かしい。この作品がフランソワ・オゾンの長編デビュー作です。
 「ホームドラマ」って言う映画はレズ、ホモ、自傷癖、SM、近親相姦とありとあらゆるタブーに挑戦した映画で出ている奴がみんな病んでるって言う救いのない作品でした。でも「逆噴射家族」みたいでめちゃくちゃ面白かった。
 あるクリスマスの朝。やり手の株式ディーラー、マルセルの家に長女のシュゾンがクリスマス休暇で帰省してきた。母親であるギャビーと妹のカトリーヌが彼女を迎えた。やがて、ギャビーの母親であるマミーとギャビーのヒステリー気味な妹のオーギュスティーヌも降りてくる。家族にとっては幸せな一日であるはずのこの日。大事件が起こる。なんとマルセルがベッドで殺されていたのだ。慌てて警察に電話しようとすると電話線は切られている。車も壊されていた。外を見ればしんしんと降りしきる雪。その中からマルセルの妹であり、ギャビーがもっとも嫌うピレットがやってきた。兄が死んだ、という電話を受けて急いでやってきた、という彼女。何者かが電話の線が切られる前に彼女に電話したのだ。この6人に加えて、古くから仕える召使のシャネルと新人メイドで必要以上に色っぽいメイドのルイ-ズの8人。シュゾンは言う。「犯人はこの中にいるわ。」謎を探り合う8人。その中で皆、家族の誰も知らない秘密をそれぞれ持っていたのだった。
 舞台劇みたいな雰囲気でちょっとミュージカルのノリを加えた、小粋な映画。一人一人にミュージカル的なダンスと歌を披露するところがあるのが嬉しい。ミュージカルはドラマよりも踊るシーンを重視しますが、この映画はそうじゃなくて、自分の心情を告白するシーンで補助的に使っています。内容が「真珠夫人」並みのドロドロで厭な話なのですが、このミュージカルっぽい演出がそれをやわらげています。それと音楽に昔の音楽ばっかり使っているところから見ても昔の洋画っぽい雰囲気が漂っています。あの雰囲気でドギツイ物をやってやろうという、一つのいたずらなのかもしれません。
 女性客がとても多かったですが、男でも充分楽しめる内容。フランソワオゾンはゲイで大の男嫌いですが濃厚なレズシーンや長女の乳首が透けてたり、メイドコスプレとか、男が喜ぶ演出もちゃんとやってくれます。そういうのも楽しむもよし、ドラマも楽しむもよし、このシーンは昔の何とか、言う映画に似てるな、とほくそえむもよし。自由にお楽しみください。
 私は今バイトをやっていますが、時給が820円。事務仕事だからまあこんなもんでしょ。牛丼にまみれることも、酔っ払いの相手の世話をすることもありません。私が学生時代だった1997年から2000年。時給はもう少しよかった。私は図書館で雑用、測量事務所で事務をやっていたが共に今より給料は高かった。時間はその代わり、短かったけど。4年間、私は長期、短期を含めて10以上のあるとあらゆるアルバイト(プラパン焼き、福引、おもちゃの販売員、弁当工場員、漬物会社バイト、コンビニ、スーパー、サラ金の取立て、情報誌配り、家庭教師、苗屋、自転車の修理)をやりましたが、給料は確かにどんどん悪くなっていきました。不景気の影響をモロに受けるのは末端ですからアルバイト状況は悪くなっていきます。今の学生さんがどんなアルバイトをやっておられるのか、いくらもらっているのか、かなり興味はありますが、まあたいした額はもらってないでしょう。とにかく、もう不景気なんであります。
 新興産業ことぱっとサイデリアが倒産。この会社でいい話を聞いたことは一つもありません。手抜き工事で有名な会社でした。まあつぶれるべくしてつぶれた会社です。大体、あの変てこなCMを見れば、まともな会社でないことがわかります。大体、リフォーム関係の会社は怪しい会社が多いのです。私の叔父貴は左官なのですが、いやな話をいっぱい聞きました。不景気からかよくわからないがうちにもしょっちゅうリフォームの営業が来ます。ひどいのになると屋根の点検をすると称して屋根瓦を割って「壊れてました」とか平気で言う奴までいます。詐欺師はいつの時代にもいますが不景気になるとどういうことが起こるか、と言うと大手と言われる会社でも平気な詐欺行為を行います。リフォームを請け負う会社は大手は似たようなもんです。お気をつけあれ。
 清貧という言葉があるが、あれは嘘です。青木雄二が書いていた「金があるだけでも幸せにならんかも知れんけど、金がなかったら幸せにならん」、これが真実です。いくら藤原紀香級の女をゲットしたとしても明日食うものが無ければ、立つものも立たんのです。こんなん、当たり前。「たそがれ清兵衛」は貧乏生活を賛美して終わりますが、映画見てるとそんな風には全然見えなかった。どうしてああいう見え見えのラストをつけるのか、それが金正日に気に入られたところなんだろうけどね。世の中、しみったれとる。
 結局、あかんやん。さっぱり。
 前和歌山市長の旅田はんが逮捕されましたな。逮捕されるのがこれで初めてというのが吃驚。和歌山の警察に正義は無いのか?議員は落選したらタダの人。猿は木から落ちてはいけないのです。それは野中さんだって、亀井さんだって一緒。検察も今回は本気やろから実刑は食らうな。やったあ。

 さてさて映画の感想、一本目をアップ。アクセス稼ぐのにはとにかく、マメに更新するしかありませんな。2003年鑑賞の第一号となったのは「月とキャベツ」の篠原哲雄監督の「木曜組曲」。
 ある一人のカリスマ的な女流作家が死んだ。死因は毒。彼女が手に持ったコップから毒が検出された。その日、彼女の家には5人の女が集まっていた。一人は彼女を長らく支えてきた編集者、他の4人は彼女の親族に当たり、いずれも文筆業であった。刑事は自殺と断定。それから4年後。彼女の命日である木曜日を含めた3日間、5人は彼女の家で暮らしていた。それが毎年の恒例であった。しかし、一人の「あの人を殺したのは私」という発言から、作家の晩年が回想される。彼女は本当に自殺だったのか?
 主要人物が全員女性。富田靖子、西田尚美、原田美枝子、鈴木京香、加藤登紀子。そして女流作家には久しぶりの映画出演となる浅丘ルリ子。ため息が出るほど豪勢な顔ぶれ。しかし、もう一つため息。なんでこんなにつまらんのやろ。ミステリーは超平凡。そもそもミステリーを本当に撮ろうとしてたのか、も疑問。
 篠原監督の妙技は役者の適材適所で女優を可愛く撮れるところにあったと思うが、今回は不発。「死者の学園祭」の深田恭子にしても「きみのためにできること」の川合郁子、真田麻垂美にしても魅力的に見えていました。ただ今回は西田尚美も鈴木京香も魅力的じゃないし、同時期に公開された「OUT」ではあんなに魅力的だった原田美枝子さんがこの映画ではタダのおばはんに見える。なんや、あのパーマは。唯一、気を吐いたのは浅丘ルリ子。元夫の「こんな女優さんを家庭に入らせるわけにはいかない」という言葉にどこまで真意はあるか、わからないが全くその通り。見開いた目で原稿用紙を食うシーンにはぞっとした。これが女優。
 一番の問題点は別に女性という設定にしなくてもいいところでしょう。今公開中の「8人の女たち」に比べると女性である必然さもないもんね。脚本が全く練れてない。もっと勉強して欲しい。ビデオで暇な時に見るのならいいかもしれませんが「ジェシカおばさんの事件簿」の方が面白いよ。加藤登紀子が出てたのは京都人としては嬉しかったけどね。
 ホームページのアクセスがめちゃくちゃ少ない。
更新が少ないからとオモロナイのに、皆が気付き始めたのかしら。何とかてこ入れせねば。。更新している甲斐がなくなる。私のページは夜間のアクセスが少なく、平日の昼間のアクセスが多い。
 もしかして社会人がよく見てるのかな?明日から仕事も始まるし、アクセスが伸びたらええんやけど。かく言う私も明日から仕事であります。
 なお今年より映画の感想は月・木の週二本更新させていただきます。ペースが若干落ちますが、長く続かせる為の秘訣は無理ない更新であると考えておりますのでお含みください。その代わり、毎日なんだかんだと更新します。え?それが邪魔になる、ですか。

 本日は予告していたとおりに「2002年度私的ベストテン」を発表します。詳しくはこちらの方を見ていただきたいです。http://www.nkyo.net/~tetorapot/movie_2002.htm
 私にとって2002年度は激動の”男の厄年”そのものの年でして、それを反映してか、鑑賞本数も1月 4本、2月 5本、3月 1本、4月 2本、5月 2本、6月 1本、7月 3本と前半は低調でしたが8月 8本、9月 13本、10月 19本、11月 20本と盛り返し、12月には22本と月間鑑賞本数自己最高を記録しました。大変、波がありました。ほとんど後半しか見ていなかったわけです。
 このランキングは基本的に「2002年中に関西で封切された作品で私が映画館で見た」のに限られます。先ほど申しましたように私は前半は映画を全然見ていませんので10月以降に公開された作品にどうしても偏ります。そのせいかわかりませんが今年は外国映画がもうひとつパッとしなかったような気がします。ベストを選んでいても6位までは比較的に簡単に決まりましたがそれ以下はどんぐりの背比べで選ぶのに苦労しました。まあこんなもんかな。。なおDVDで見たのでランキングから外しましたが「ハリーポッターと賢者の石」「ロードオブザリング」「モンスターズインク」はとてもよかったです。たくさん見逃してるわ。。今年。
 それに対して日本映画はランキングを選ぶのに苦労しました。今年は質が高かった。ミニシアターで見た映画が多くなっていますが大手にもいい監督がたくさん入ってきています。来年以降も楽しみ。(東映除く)ランキングでは下になりましたが「千年女優」「A2」「home」などにはもっと注目していい。なお「模倣犯」「とらばいゆ」が見れなかったのが心残りです。

まずは洋画のベスト10です。
少林サッカー
ブレッジ
クライム・ダイヤモンド
トリプルX
ガイア・ガールズ
メルシイ!人生
ディナーラッシュ
ラッキーブレイク
ハリー・ポッターと秘密の部屋
チェンジング・レーン

注目したいのは「ガイア・ガールズ」。日本の女子プロ団体を取材したドキュメンタリーですが、これが外国映画というのがとても悔しい。(監督したのはイギリスの女性)日本よ、もっと頑張れ。

次は日本のベストテン
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
OUT
AIKI
ピンポン
ごめん
KT
歩く、人
笑う蛙
ハッシュ!
ピーピー兄弟

今年は日本映画の当たり年。特にミニシアターは「ピンポン」を筆頭に本当によく頑張った。注目は「笑う蛙」、「OUT」の平山秀幸。この人の今後が本当に楽しみ。
10位以下はhttp://www.nkyo.net/~tetorapot/movie_2002.htmを参考にしてください。

以下はおまけです。
最優秀監督賞:「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」原恵一
次点「KT」阪本順治
最優秀主演男優:「歩く、人」緒方拳
次点「笑う蛙」長塚京三
最優秀主演女優:「AIKI」ともさかりえ
次点「OUT」原田美枝子
最優秀助演男優:「OUT」香川照之
次点「KT」「ハッシュ!」光石研
次点「ごめん」「笑う蛙」國村準
最優秀助演女優:「ハッシュ!」「ロックンロールミシン」つぐみ
次点「ピンポン」夏木マリ
最優秀脚本賞:「OUT」鄭義信
次点:「ピンポン」宮藤官九郎
タマけっとばしてやりたい人:ケイン・コスギ
話題賞:戸田奈津子(遂にこの人のいい加減さが話題になった!)
もっとも期待を裏切った映画:「夜を賭けて」

キネ旬ランキングの1位はおそらく「たそがれ清兵衛」でしょうな。(当方11位)
 本日もテレビ漬け。テレビでNHKをぼーと見ていたのだがカルタ大会を中継していた。
百人一首のカルタ取りなんだが二人の女性が向かい合って真剣に取ってるのだ。
脳裏にふとサイキック青年団というラジオでカルタ・クイーンのことを言っていたことを思い出した。NHKの「人間ドキュメント」で取り上げられたらしいが、現在のカルタクイーンは10年連続王座を守り続けている。そのカルタクイーンを題材に取ったドラマが石田ひかりを主役にしてやるらしい。
 その石田ひかりもゲストに来ていたのだが明らかにひいていた。すげえ迫力なのだ。チャンプは決して若くない。40ぐらいのおばちゃんで、会社を定時で上がって帰りにケーキ買って帰ることが無常の喜び、そうである。
 しかし、目は真剣そのもの。凄い勢いでカルタをはじいている。小声でぶつぶつ言いながら時には素振りする。それが卓球の練習みたいに見える。入り込んでるのだ。多分、火事になってもやり続けるだろう。挑戦者も同様である。挑戦者は今年23歳。彼女も昼食は志津屋で食べることを無常の喜びとし、好きな映画は、題名に「プリティ」がつく映画です、みたいな人でミスタードーナツの得点を集めてそうだ。しかし目つきはより鋭い。
 その模様は例えるなら相撲の立会い。相撲は組み合ったところでほぼ勝負が決まる。150キロ以上の力士のブチかましを受ける覚悟を瞬時にせねばならに。一瞬の勝負である。カルタもそうである。読み上げた歌がカルタにあるかどうかを判断し、さっと手が動く。勝負は一瞬。その緊張感は想像を絶する。
 試合は放送時間ギリギリまで続き、チャンプは挑戦者に負けた。10年ぶりに新しいチャンピオンが誕生したのである。不意に私は一つの歌を思い出した。
「君は遂に立ち上がった
血に染まった 赤いマットに
わずかに開いた 君の両目に
光る涙が 何かを語った
獣のように 挑戦者は
おそいかかる 若い力で
やがて君は 静かに倒れて落ちた
疲れて眠るように
わずかばかりの意識の中で
君は何を考えたのか
(You’re King of Kings)
立たないで もうそれで充分だ
おお神よ 彼を救いたまえ」
解説する必要も無い。アリスの「チャンピオン」である。
この歌で語られるチャンプがそこにはいた。
「ロッカールームのベンチで
君は切れたくちびるで そっと
つぶやいた (You’re King of Kings)
帰れるんだ これでただの男に
帰れるんだ これで帰れるんだ」
勝敗が決した瞬間のチャンプの少しほっとしたような顔が私には忘れられない。

ぜひ映画化して欲しい。
藤山直美主演で!(石田ひかりはあまりにも違いすぎる)

新年の儀

2003年1月3日
 皆様。あけましておめでとうございます。
昨年の11月より開設いたしまして1000人ほどの方に来ていただきました。

誠にありがとうございました。

 今年も微力ながら時代に埋もれまくっとる映画を紹介していこうと考えておるのでよろしくお願いします。

とまあ正式な挨拶をしておきまして。。
皆様、お正月は如何過ごされましたでしょうか?
京都はこのさんがにち、天気がめちゃくちゃ悪く、本日など朝から大雨でございました。
元旦も曇りがちだったしね。東京では大雪だったそうですね。
 毎年、元旦ってのは何もすることないんで本屋に行って筒井康隆訳の「悪魔の辞典」を買ったり、新潮45の連載を読み返したり、愛生会のホームページを見て大笑いしたり、「さいたま、さいたま〜」と言ってみたり、無駄に時を過ごしておりました。 正月は暇です。映画行きたいんですが正月の京都というのは人がめちゃくちゃ多くて出るだけで厭になります。
 唯一出た外出らしい外出は学生時代の友人と初詣に行ってきました。岩清水八幡宮と八坂神社、に加えて清水寺も行くという観光客みたいなことをしてしまいました。京都のお正月というのはなかなか風情があってええものです。八坂さんで買った熊手を振り振り、清水寺に向かいながらそう思いました。 仕事の関係上、この京都に生涯いることになるのですが、そのチョイスは間違っていませんでした。帰省って面倒くさいもん。職場が東京で正月だけはこちらに来る友人の話を聞いてそう思いました。私も昨年は正月に東京から帰省してましたが。昨年の1月、帰省してから三日後に辞表を出して東京の会社を辞めてしまいました。あれからもう一年たったんだなあ、と思い返すと長かったような、短かったような。昨年の年末、かつての会社の同期がこちらに来てくれたので色々、思い出話に花を咲かせていたのですが、前の会社は決して悪い会社ではありませんでした。再就職できなかったら辞めたことを悔やんでいたでしょう。決まったからこうして、「いい思い出」にしてしまえるわけですが。一年、一年早いですなあ。
 今年はどんな年になるかはわかりませんが、昨年見た「メルシイ!人生」を見てぼんやりと思ったのですが、自分の力を過信することなく、信じていけばそれなりにうまくいくのではないかと考えています。「少林サッカー」もそんな内容だったなあ、そういや。
 毎年、正月には今年のモットーというかキャッチフレーズを考えているのですが今年は「ヒーローになる時、それは今」で行こうと思います。何で今時、甲斐バンドなんやとお思いになるでしょうが、今年は自らを奮い立たせる機会は増えると多いのでこのフレーズにしたいと思います。まあ何はともあれ、今年もよろしゅう。

皆様、よいお年を

2002年12月30日
 年末、意外に忙しくてなかなか更新できません。
とか言いながら映画見てるんですがね。明日の「メルシイ!人生」で100本達成です。
数が全てではないのですが3年連続3桁を何とか達成できそうです。気が付けば今月21本鑑賞で月間自己記録を更新。
 映画のベストテンを年末にやろうと思っていたのですが来年に回すことにします。キネ旬は2月上旬ですしね。1月5日を予定しています。対象は「2001年12月から2002年12月までに関西で封切された映画」の中で「私が映画館で見た映画」です。今年は前半、ほとんど見てないのでかなり偏ったランキングになりそうですが。(「モンスターズインク」とか「ハリポタ1」「ロードオブザリング」なんか絶対にランキング入りしてるでしょうけど映画館で見てないのでカットです。)いつもどおり、変なランキングです。まあ期待しとってください。
 映画以外の企画ですが「日本ヨゴレミー大賞」も1月に更新します。これは「今年最も我々を楽しませてくれた人」に送る賞になっております。昨年はタリバンのスポークスマンであるザイーフ元大使(故人)が受賞されました。その前年は鈴木宗男さんというところから、何かを読み取ってください。
 なお、ここの更新は今日でおしまいです。http://www.nkyo.net/~tetorapot/の更新は致しますのでよかったらのぞいてやって下さい。10大事件なんかやる予定です。
 今年一年ありがとうございました。この状況では来年もさほどいいことはなさそうですが、いいと思って生きるようにします。明日はいよいよ大晦日。

皆様、よいお年をお迎えくださいませ。また新年にお目にかかります。
 結局、中信立てこもりもあっさりおわりました。銀行も最低ですがオッサンにも相当無理がある。元闘士だそうですが、こういうオッサンは厄介ですわ。だって自分が悪いと思ってないもんね。護送中に唇の端を挙げて笑っておったのは重信房子が「戦う!」って両手を挙げたみたいなもんで、自分の正義に酔ってますね。大体、犯行声明をビデオに撮るという行動がもうナルシストそのもの。しかも10月からで年季入った変な人。こいつには生涯、関わりたくないなあ。まあ奥崎謙三みたいなもんだと思えばよろしい。つまりキ××イ。

「夜を賭けて」
 まあある意味タイムリーな映画なのかもしれません。舞台となっているのは戦後から15年たった大阪の片隅にあった在日コリアンの住む集落。その川の向こう岸には兵器工場の跡地があった。大阪大空襲を受けてつぶれたその兵器工場はいまだ、荒地をさらしていた。1958年。日本は経済成長の真っ只中でくず鉄が飛ぶように売れた。住人は船を仕立てて、兵器工場跡に埋まっているくず鉄を掘り出して大儲けしようと企んだ。誰言うとなく、皆は彼らをこう呼んだ。”アパッチ”と。
 設定がとっても楽しそうで主役が「バトルロワイヤル」「GO」「光の雨」でノリにのってる山本太郎。これは絶対に面白い!!と期待していたのですが作品自体は正直、期待はずれでした。原作はヤン・ソギル。「月はどっちに出ている」の原作の人です。この人は運動家ですから、原作も多分、そうなんだろうけどはっきり言うて話が暗い。監督が劇団の人だったからか、わかりませんが(唐十郎のお弟子さんらしい)とにかく演技がオーバーアクションで見てて疲れてくる。んで東京の人だから「東京の人が考える大阪人観(オーバーアクション、とにかく笑う)がモロに出てくる。本人がパンフで「くさくてもかまわない」って書いてますから意識的にやってるんでしょうけど。
 1958年という年は在日にとってはその翌年から始まる「祖国復帰運動」の前年に当たります。朝鮮戦争が一段落し、「楽園」である祖国・朝鮮民主主義人民共和国への復帰が始まります。今になってその「楽園」が大いなる誤りであることがわかったのですが当時は政府、新聞こぞって北朝鮮を礼賛していました。映画の中にもそうした在日の動きも描かれています。
 「OUT」が素晴らしかったのは、クソ暗い原作を明るいエンターティメントにしてしまったところにあります。この映画は大真面目に撮り過ぎ。「月はどっちに出ている」を見習って欲しい。でも山本太郎はよかった。アリランを聴いて涙をサラリと流すシーンなんかとてもよかった。なおこの作品は清川虹子の遺作となりました。合掌。

「火山高」
 昨今、元気な韓国映画界。もっとも韓国が映画を熱心に作り出したのは金大中政権になってからで、韓国においてはまだ新しい文化です。
 日本の映画を見れるようになったのも向こうでは最近。役者のインタビューを読んでたら好きな作品は北野武の「キッズリターン」です、とか答えてるのを見て向こうに相当、邦画を知ってるなと感心しました。当初は「JSA」や「シュリ」のような国策映画が多かったですが「反則王」のようなコメディも出てきて広がりを見せてきました。この「火山高」なんかはコメディとアクションの融合みたいな映画で韓国でもヒットを飛ばしました。韓国映画界のもうひとつ凄いのは自国の映画がよくヒットすること。日本じゃ、邦画は10億いったらいい方だもん。(アニメ除く)
 この映画はそのまま漫画です。「らんま1/2」「ドラゴンボール」「ちびまるこちゃん」当たりを参考にしてるのかな。主人公はめちゃくちゃ強いが、その強さが災いしてあちこちでトラブルを起こしてあちこちで退学になってしまう。9校目の転校先がこの火山高。彼もトラブルに巻き込まれるのが厭でなんとしても卒業証書を手に入れようと”忍”の一字で我慢を決め込もうとしますが、結局巻き込まれてしまう。オープニングは「用心棒」チックでなかなかいい。ただまあ、トラブルを起こしたくないのなら金髪やめて、高校選べよ。最悪のチョイスやん。
 ストーリーはややこしいので説明しませんがキャラクターはなかなか面白い。最強の武人を名乗るソン・ハンニム(よく考えればこいつが一番馬鹿だ)とか子供時代に「味噌納豆」を食わされたのがトラウマで不良になったチャン・リャン(本名はマルチャン)とかがかなり笑える。の割りにはどこかはじけてないのはアクションを大真面目に撮り過ぎてるところか。ストーリーや小ネタは面白いのにアクションは本格的で笑うところが少ないです。「少林サッカー」に比べるとかなり見劣りする。
 京都では何故か吹き替え版しか公開されてなかったのですが、字幕版も見てみたい。ナレーションは古田新太がやってます。声優に林原めぐみと宮村優子が出演していたからか、アニメファンと思われる人もたくさん来てました。
 個人的には筋肉バカに片思いする剣道部の副将の子が可愛かった。主演のチャン・ピヨクは今年26歳で高校生役というのも笑えました。一人で見に行くよりはこういうのが好きな友人と見に行くと気持ちよく楽しめるんじゃないでしょうか。

< 11 12 13 14 15 16 17 18 19

 

お気に入り日記の更新

日記内を検索